50回目の宝塚舞踊会
2009年11月25日 宝塚全体・OG宝塚歌劇団 花組のトップ娘役、桜乃彩音さんが、次の大劇場公演で卒業することが発表されました。
演目として「虞美人」が発表されたとき、すごく自然に「ああ、これが花道になるんだろうな」と思ったんですよね。春野寿美礼さん、真飛さんと二人のトップさんと組んで、「ファントム」から「虞美人」まで、7作。そろそろかな、と。
美人で大柄で美脚で、華やかな人でした。もっと大人っぽい声で喋れたら、いろんな佳い女の役ができただろうに、惜しいなあ…。声が細くて可愛らしいので、持ち味に合わない少女っぽい役、妹系の役ばかりがきてしまったのは不運だったな、と。でも、4年の間にずいぶん歌も巧くなったし、梅田芸術劇場のサリーが思いのほか良かったので、「相棒」のパリスと「虞美人」の二作がとても楽しみです。
もっと早くに、サリーみたいな元気で前向きな役に出会っていたら……と思うと少し残念ですが。まあ、こればっかりはめぐり合わせですからねぇ。
このタイミングで彩音ちゃんが卒業するってことは、真飛さんは二人目の相手役を迎えるんでしょうか。まさか、来年二作目に「エリザベート」で卒業、とか、そういう冗談は言わないですよねっ!?
そして。
「カサブランカ」については、まずは第一報を(自分なりに。まとまりませんでしたが)書いたので、詳細に入る前に、カンタンに「舞踊会」のことを。
今年の舞踊会は、50回目を記念して、お題を統一して義経絵巻というつくり。
いろんなジャンルで作品化されていて、義経、という人は本当に日本人に愛されているんだな、と思いました。
1.祝舞 蓬莱(海隼人、朝都まお、白妙なつ、妃白ゆあ、若夏あやめ)
星組さんの可愛い若手が集まって、可愛らしく踊っていらっしゃいました。白妙さんがセンター、その両側に男役二人と娘役二人が一人ずつ、みたいなフォーメーションが多かったと思います。
日舞のレベルはよくわからない素人ですが、5人とも本当に可愛かったです。
そういえば、星組さんはしばらく日本物に当たっていないような。もしかして、「さくら」を除いたら「長崎しぐれ坂」まで遡るのかな…?
2.祝舞 花がたみ(光あけみ、一原けい、五峰亜季、美穂圭子)
専科の女役4人による、ちょっとコミカルな感じの踊りでした。さすがにベテランは巧いなあ、と(^ ^;ゞ
4人とも髪はアップにしてお団子にしているんですが、学年が上の方ほどお団子の位置が低く、このメンバーだと最下になる美穂さんが殆ど頭の天辺みたいな位置で結んでいたのが面白かったです。こういうところにも学年って出るんだなあ(笑)。
3.長唄 鞍馬山(涼紫央、鶴見舞夕、真風涼帆、瀬稀ゆりと、輝咲玲央、本城くれは)
ここから本題、という感じで、義経絵巻が始まります。
有名な、鞍馬寺の天狗たちと剣術の修行をする牛若丸の物語。牛若丸にすずみん、僧正坊(大天狗)にどいちゃん、他のメンバーは烏天狗というキャストでした。
いやはや、面白かった!個人的に、場面として一番面白かったのはここなんじゃないかと思います(^ ^)。すずみんの牛若丸は、目張りをくっきりと描きすぎてちょっと面白いことになっていましたが、踊りは元気で良かったです。子役なので元気いっぱい!という感じでしたが、いつものすずみんの雰囲気と全然違っていて、新鮮でした。
どいちゃんは凄く良かった~!!ダンサーですけど、もしかして、日舞も得意なんでしょうか(*^ ^*)。大天狗の大きな衣装に着られることなく、しっかり威厳をもってコミカルに踊ってくれました♪
真風くん以下は、銀で羽の文様が描かれた黒の衣装がすごく格好よくて、素敵でした。振りも結構跳んだりはねたり大変そうでした。途中で、天から吊った綱の端を手に持ったまま袖から現れる場面があっったのですが、あれって、本来ならフライングというか『飛んで』登場するはずだった筈ですよね?たぶん。何故、あんなふうに中途半端に無くなっちゃったのかなあ…?
一人で剣の稽古をする牛若丸に、お堂の中から大天狗が現れて、烏天狗たちと稽古の相手をしてやる、というストーリーは、シンプルだし見ているだけで解りやすいし、大変楽しい演目でした♪
4.長唄 橋弁慶(京三紗、蘭寿とむ、北翔海莉)
一幕ラストの場面。まずは常盤御前(京)が、牛若丸(蘭トム)を説教する場面から始まります。「仏門に入る」という約束で命を助けられた息子が、その仏門(鞍馬寺)で剣の修行をし、父の仇を討たんとしていることを知った母親が、家宝の笛を与えてその無謀を諌めんとする。
長唄ですが、芝居仕立てで常盤御前や牛若丸の台詞もあり、蘭トムさんの子供っぽい作り声がとても面白かった(^ ^)。白塗りの蘭トムさんは、ラズロの渋い格好良さはどこへやら、色白の美少年っぷりが素晴らしかったです。
後半は、みっちゃんの弁慶と蘭トムさんの牛若丸で、五条の橋の立ち回り。能の橋弁慶を一度観たことがあるのですが、身の軽い牛若丸の動きが非常に派手だった記憶があるのですが、こちらは比較的、キレイな舞いでまとめてあって、戦いの緊迫感は弱かったですが、少しずつ惹かれあい、最後に主従の誓いをたてるまでが自然で解りやすかったと思います。
5.常磐津 十二段松の調べ(大空祐飛、野々すみ花)
休憩を挟んで、二幕の最初は色模様。
鞍馬山を出て、奥州平泉を目指す途中の義経と、三河矢作の宿の長者の娘・浄瑠璃姫の悲恋。
このまま寺の小僧として朽ちることに肯えなかった義経が、道中の恋を棄てて東北へ旅立つとき、姫に与えた名笛「薄墨」。先を急ぐ義経と、後に残され、想いは募るばかりの浄瑠璃姫。ついに愛しい人の後を追って歩き出した姫だったが……
浄瑠璃姫伝説には、「追いかけたが女の脚で追いつけるはずもなく、絶望した姫は遂に川に身を投げた」というタイプと、「衣川舘の闘いを生き延びて、蝦夷地へ落ち延びた義経と再会した」というタイプがあるようです。後者はさらに、中国大陸へ渡ってチンギス・ハーンになるまで浄瑠璃姫が同行した、というふうに続くみたいですね。
今回の舞は、残念ながらそこまでのストーリーではなく、普通に矢作宿での出会いと恋、そして別れというシンプルな流れだったと思いますが、、、祐飛さんとすみ花ちゃんのコンビだと、技術的なことはおいといて(汗)、言葉のない舞なのに、どんどん物語が拡がっていくというか、発展させてしまう芝居力があるので、とても面白かったです。観客の想像力でどうにでも見えるところが日本舞踊の面白いところですね。
しかし、二人とも色っぽかった……。ナウオンとかの、ほのぼのした空気を纏ったすみ花ちゃんが、ああして衣装をつけて化粧をすると、途端に「女」になるのが不思議です。そして、祐飛さんのあの柳腰(←もしもし?)ああ、もう一度観たいなあ(^ ^)。
6.清元 吉野山(柚希礼音、夢咲ねね)
浄瑠璃姫と別れて平泉に上った義経が、兄・頼朝の力になるべく鎌倉へ南下し、さらに木曽、都、そして平家を追って壇ノ浦まで転戦した、その後。兄に裏切られて追われる身となった義経を案じた静御前と、彼女を守護し供をする佐藤忠信(実は源九郎狐)の物語です。
美しい姫装束のねねちゃんがめっちゃ可愛らしい。見惚れちゃいました。芝居仕立てで、結構台詞もあるのですが、歌舞伎調の台詞回しにだいぶ苦労していましたね(^ ^)。
対する忠信の礼音くんは、結構激しい動きも多くて大変そうでした。でも、台詞は普通に現代っ子口調なのがなんだか不思議な感じ。姫と現代っ子が話してる!、って感じ(^ ^;。
連舞ではないので、礼音くんが一人で踊っている感じでしたが、このお二人の空気の違いというか、同じ世界で向かい合っていない感じがうまく生かされた演目だな、と思いました。
7.常盤津 弓八島(轟悠)
屋島の戦いの様子を詳しく語る義経の霊。詞があまり聞き取れないので今ひとつ話がわからなかったのですが、屋島海中に弓を落とし、「義経の弓が弱いと知られては源氏の屈辱」と必死に拾った……という話が後半のメインだったのかなあ?能登守教経が出てこないので、最後の八艘跳びはどうするのかしら?と思ったのですが、すみません、よくわかりませんでした。
轟さんの日本舞踊は春に観た「風の錦絵」以来でしたが、さすがに綺麗だな、と感心しました。
せっかくなので、松本さんとの連舞で観てみたかったです。でも、義経に関連した連舞ってあまり題材が無いみたいなので、仕方ないのでしょうか?
8.長唄 賤の小田巻(松本悠里)
長唄の囃方…というか、唄の方にお一人、素晴らしく好みの声の方がいらっしゃって。その方が唄いだすたびにテンションが上がってました。他の方とはトーンが全然違っていて、もしかしたら本来の長唄むきの声ではないのかもしれませんが、すごく素敵だったんですよ(*^ ^*)。
おかげで、なんとか最後まで意識を保つことができました(^ ^;ゞ
あああ、プログラムには三人の方のお名前が載っているのですが、いったいどなただったのでしょうか……?
フィナーレ
プログラムに『童謡メドレーです』と書いてあったので、非常に動揺してしまいましたが……
実に実に、楽しかったです♪
紋付に緑の袴で、星組チーム、宙組チーム、専科チーム、みたいな感じでチームごとに別れてやってくれたのですが、宙組4人の可愛らしさに嵌りました。いや~~、本当に可愛い!!
なんだか、個性はバラバラだけど世界が近い、というか、物凄く息の合う4人なんじゃないかな?と思いました(←贔屓目?)
まー、とにかく、可愛らしさの質が似ているのがなんとも言えず良かったです。祐飛さんVS.他の三人で、掛け合いというか、違う曲を交互に踊るのですが。その切り返し方とか、すごく面白かったです。ああ、口で説明できないのがもどかしい……。
後半、一人で踊る祐飛さんを止めて自分たちの仲間に入れようとする蘭トムさん(なんか、こう説明すると真面目な場面みたいだな…)が、祐飛さんの(今だけは)細い手首を「ぐっ」と握るときの力強さにちょっとドキッとしました。ええ。蘭トムさんかっこいい~(←お前は誰のファンなんだ)
轟さん一人だけ、「屋島」の義経の衣装をつけて登場して、それでもちゃんと童謡を歌ってくれたのがとても楽しかった。ラスト、銀橋にずらっと緑の袴が並んで、その真ん中に義経(轟)と静(松本)が微笑んで立っているさまが、「ああ、これが宝塚なんだな…」という、何というのかな、すごく不思議な感動がありました(汗)。
宝塚舞踊会も50回目。これからは毎年ではなく隔年で実施するそうなので、もう祐飛さんが出演することは無さそうですが、これからも、宝塚は「日本物」の灯を消すことなくがんばってほしいな、と思います。そういう意味では、名取のトップスターも一人くらいは居て欲しい、、、かも、しれません(はぁと)。
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演目として「虞美人」が発表されたとき、すごく自然に「ああ、これが花道になるんだろうな」と思ったんですよね。春野寿美礼さん、真飛さんと二人のトップさんと組んで、「ファントム」から「虞美人」まで、7作。そろそろかな、と。
美人で大柄で美脚で、華やかな人でした。もっと大人っぽい声で喋れたら、いろんな佳い女の役ができただろうに、惜しいなあ…。声が細くて可愛らしいので、持ち味に合わない少女っぽい役、妹系の役ばかりがきてしまったのは不運だったな、と。でも、4年の間にずいぶん歌も巧くなったし、梅田芸術劇場のサリーが思いのほか良かったので、「相棒」のパリスと「虞美人」の二作がとても楽しみです。
もっと早くに、サリーみたいな元気で前向きな役に出会っていたら……と思うと少し残念ですが。まあ、こればっかりはめぐり合わせですからねぇ。
このタイミングで彩音ちゃんが卒業するってことは、真飛さんは二人目の相手役を迎えるんでしょうか。まさか、来年二作目に「エリザベート」で卒業、とか、そういう冗談は言わないですよねっ!?
そして。
「カサブランカ」については、まずは第一報を(自分なりに。まとまりませんでしたが)書いたので、詳細に入る前に、カンタンに「舞踊会」のことを。
今年の舞踊会は、50回目を記念して、お題を統一して義経絵巻というつくり。
いろんなジャンルで作品化されていて、義経、という人は本当に日本人に愛されているんだな、と思いました。
1.祝舞 蓬莱(海隼人、朝都まお、白妙なつ、妃白ゆあ、若夏あやめ)
星組さんの可愛い若手が集まって、可愛らしく踊っていらっしゃいました。白妙さんがセンター、その両側に男役二人と娘役二人が一人ずつ、みたいなフォーメーションが多かったと思います。
日舞のレベルはよくわからない素人ですが、5人とも本当に可愛かったです。
そういえば、星組さんはしばらく日本物に当たっていないような。もしかして、「さくら」を除いたら「長崎しぐれ坂」まで遡るのかな…?
2.祝舞 花がたみ(光あけみ、一原けい、五峰亜季、美穂圭子)
専科の女役4人による、ちょっとコミカルな感じの踊りでした。さすがにベテランは巧いなあ、と(^ ^;ゞ
4人とも髪はアップにしてお団子にしているんですが、学年が上の方ほどお団子の位置が低く、このメンバーだと最下になる美穂さんが殆ど頭の天辺みたいな位置で結んでいたのが面白かったです。こういうところにも学年って出るんだなあ(笑)。
3.長唄 鞍馬山(涼紫央、鶴見舞夕、真風涼帆、瀬稀ゆりと、輝咲玲央、本城くれは)
ここから本題、という感じで、義経絵巻が始まります。
有名な、鞍馬寺の天狗たちと剣術の修行をする牛若丸の物語。牛若丸にすずみん、僧正坊(大天狗)にどいちゃん、他のメンバーは烏天狗というキャストでした。
いやはや、面白かった!個人的に、場面として一番面白かったのはここなんじゃないかと思います(^ ^)。すずみんの牛若丸は、目張りをくっきりと描きすぎてちょっと面白いことになっていましたが、踊りは元気で良かったです。子役なので元気いっぱい!という感じでしたが、いつものすずみんの雰囲気と全然違っていて、新鮮でした。
どいちゃんは凄く良かった~!!ダンサーですけど、もしかして、日舞も得意なんでしょうか(*^ ^*)。大天狗の大きな衣装に着られることなく、しっかり威厳をもってコミカルに踊ってくれました♪
真風くん以下は、銀で羽の文様が描かれた黒の衣装がすごく格好よくて、素敵でした。振りも結構跳んだりはねたり大変そうでした。途中で、天から吊った綱の端を手に持ったまま袖から現れる場面があっったのですが、あれって、本来ならフライングというか『飛んで』登場するはずだった筈ですよね?たぶん。何故、あんなふうに中途半端に無くなっちゃったのかなあ…?
一人で剣の稽古をする牛若丸に、お堂の中から大天狗が現れて、烏天狗たちと稽古の相手をしてやる、というストーリーは、シンプルだし見ているだけで解りやすいし、大変楽しい演目でした♪
4.長唄 橋弁慶(京三紗、蘭寿とむ、北翔海莉)
一幕ラストの場面。まずは常盤御前(京)が、牛若丸(蘭トム)を説教する場面から始まります。「仏門に入る」という約束で命を助けられた息子が、その仏門(鞍馬寺)で剣の修行をし、父の仇を討たんとしていることを知った母親が、家宝の笛を与えてその無謀を諌めんとする。
長唄ですが、芝居仕立てで常盤御前や牛若丸の台詞もあり、蘭トムさんの子供っぽい作り声がとても面白かった(^ ^)。白塗りの蘭トムさんは、ラズロの渋い格好良さはどこへやら、色白の美少年っぷりが素晴らしかったです。
後半は、みっちゃんの弁慶と蘭トムさんの牛若丸で、五条の橋の立ち回り。能の橋弁慶を一度観たことがあるのですが、身の軽い牛若丸の動きが非常に派手だった記憶があるのですが、こちらは比較的、キレイな舞いでまとめてあって、戦いの緊迫感は弱かったですが、少しずつ惹かれあい、最後に主従の誓いをたてるまでが自然で解りやすかったと思います。
5.常磐津 十二段松の調べ(大空祐飛、野々すみ花)
休憩を挟んで、二幕の最初は色模様。
鞍馬山を出て、奥州平泉を目指す途中の義経と、三河矢作の宿の長者の娘・浄瑠璃姫の悲恋。
このまま寺の小僧として朽ちることに肯えなかった義経が、道中の恋を棄てて東北へ旅立つとき、姫に与えた名笛「薄墨」。先を急ぐ義経と、後に残され、想いは募るばかりの浄瑠璃姫。ついに愛しい人の後を追って歩き出した姫だったが……
浄瑠璃姫伝説には、「追いかけたが女の脚で追いつけるはずもなく、絶望した姫は遂に川に身を投げた」というタイプと、「衣川舘の闘いを生き延びて、蝦夷地へ落ち延びた義経と再会した」というタイプがあるようです。後者はさらに、中国大陸へ渡ってチンギス・ハーンになるまで浄瑠璃姫が同行した、というふうに続くみたいですね。
今回の舞は、残念ながらそこまでのストーリーではなく、普通に矢作宿での出会いと恋、そして別れというシンプルな流れだったと思いますが、、、祐飛さんとすみ花ちゃんのコンビだと、技術的なことはおいといて(汗)、言葉のない舞なのに、どんどん物語が拡がっていくというか、発展させてしまう芝居力があるので、とても面白かったです。観客の想像力でどうにでも見えるところが日本舞踊の面白いところですね。
しかし、二人とも色っぽかった……。ナウオンとかの、ほのぼのした空気を纏ったすみ花ちゃんが、ああして衣装をつけて化粧をすると、途端に「女」になるのが不思議です。そして、祐飛さんのあの柳腰(←もしもし?)ああ、もう一度観たいなあ(^ ^)。
6.清元 吉野山(柚希礼音、夢咲ねね)
浄瑠璃姫と別れて平泉に上った義経が、兄・頼朝の力になるべく鎌倉へ南下し、さらに木曽、都、そして平家を追って壇ノ浦まで転戦した、その後。兄に裏切られて追われる身となった義経を案じた静御前と、彼女を守護し供をする佐藤忠信(実は源九郎狐)の物語です。
美しい姫装束のねねちゃんがめっちゃ可愛らしい。見惚れちゃいました。芝居仕立てで、結構台詞もあるのですが、歌舞伎調の台詞回しにだいぶ苦労していましたね(^ ^)。
対する忠信の礼音くんは、結構激しい動きも多くて大変そうでした。でも、台詞は普通に現代っ子口調なのがなんだか不思議な感じ。姫と現代っ子が話してる!、って感じ(^ ^;。
連舞ではないので、礼音くんが一人で踊っている感じでしたが、このお二人の空気の違いというか、同じ世界で向かい合っていない感じがうまく生かされた演目だな、と思いました。
7.常盤津 弓八島(轟悠)
屋島の戦いの様子を詳しく語る義経の霊。詞があまり聞き取れないので今ひとつ話がわからなかったのですが、屋島海中に弓を落とし、「義経の弓が弱いと知られては源氏の屈辱」と必死に拾った……という話が後半のメインだったのかなあ?能登守教経が出てこないので、最後の八艘跳びはどうするのかしら?と思ったのですが、すみません、よくわかりませんでした。
轟さんの日本舞踊は春に観た「風の錦絵」以来でしたが、さすがに綺麗だな、と感心しました。
せっかくなので、松本さんとの連舞で観てみたかったです。でも、義経に関連した連舞ってあまり題材が無いみたいなので、仕方ないのでしょうか?
8.長唄 賤の小田巻(松本悠里)
長唄の囃方…というか、唄の方にお一人、素晴らしく好みの声の方がいらっしゃって。その方が唄いだすたびにテンションが上がってました。他の方とはトーンが全然違っていて、もしかしたら本来の長唄むきの声ではないのかもしれませんが、すごく素敵だったんですよ(*^ ^*)。
おかげで、なんとか最後まで意識を保つことができました(^ ^;ゞ
あああ、プログラムには三人の方のお名前が載っているのですが、いったいどなただったのでしょうか……?
フィナーレ
プログラムに『童謡メドレーです』と書いてあったので、非常に動揺してしまいましたが……
実に実に、楽しかったです♪
紋付に緑の袴で、星組チーム、宙組チーム、専科チーム、みたいな感じでチームごとに別れてやってくれたのですが、宙組4人の可愛らしさに嵌りました。いや~~、本当に可愛い!!
なんだか、個性はバラバラだけど世界が近い、というか、物凄く息の合う4人なんじゃないかな?と思いました(←贔屓目?)
まー、とにかく、可愛らしさの質が似ているのがなんとも言えず良かったです。祐飛さんVS.他の三人で、掛け合いというか、違う曲を交互に踊るのですが。その切り返し方とか、すごく面白かったです。ああ、口で説明できないのがもどかしい……。
後半、一人で踊る祐飛さんを止めて自分たちの仲間に入れようとする蘭トムさん(なんか、こう説明すると真面目な場面みたいだな…)が、祐飛さんの(今だけは)細い手首を「ぐっ」と握るときの力強さにちょっとドキッとしました。ええ。蘭トムさんかっこいい~(←お前は誰のファンなんだ)
轟さん一人だけ、「屋島」の義経の衣装をつけて登場して、それでもちゃんと童謡を歌ってくれたのがとても楽しかった。ラスト、銀橋にずらっと緑の袴が並んで、その真ん中に義経(轟)と静(松本)が微笑んで立っているさまが、「ああ、これが宝塚なんだな…」という、何というのかな、すごく不思議な感動がありました(汗)。
宝塚舞踊会も50回目。これからは毎年ではなく隔年で実施するそうなので、もう祐飛さんが出演することは無さそうですが、これからも、宝塚は「日本物」の灯を消すことなくがんばってほしいな、と思います。そういう意味では、名取のトップスターも一人くらいは居て欲しい、、、かも、しれません(はぁと)。
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