市川市文化会館にて、雪組全国ツアー公演「情熱のバルセロナ/RIO de Bravo!」を観劇してまいりました。



…しかし、その前に別の組の話を書いてもいいですか。

宙組大劇場公演、やっぱり休演者が出てしまいましたね(T T)それも、4人も(溜息)

(鳳翔)大くん、カチャ(凪七瑠海)、舞姫あゆみさん、花音舞ちゃん。
うち三人は博多組(涙)。三週間、がんばってくれた仲間たち。
そして、月組から復帰して、はりきって男役を楽しんでいたはずの、カチャ。

……半月前の花組を思いだしてみれば。
きっと皆、数日で復帰してくれるはず!!、と信じつつ。

どうぞしっかり養生したうえで、早く復帰してくださいますように。
そして、これ以上はどうぞ拡がることのありませんように…(祈)。


代役は、男役はカイちゃん(七海ひろき)、(蒼羽)りくくん、モンチ(星吹彩翔)がわけあうみたいですね。娘役は、特に発表がないけど……下級生だからかな?
初日がやっとあいたかと思えば、怒涛の代役稽古……。みんな大変でしょうけれども、どうぞ無理をしないで、病に負けずに、、、どうか。


なんだか言葉が見つかりません。
遠い空の下で、宙のみんなの幸せを、祈っています。








で。
雪組公演。


いやー、楽しかったです。
私はやっぱり、このトップコンビが好きなんだなあ、と実感しちゃいました(^ ^)

水くんって、祐飛さんと研究科で一年しか違わないのに、情熱に溢れた若い役が多いような気がします。なんたってプレお披露目が沖田だもんね(^ ^)。学年相応だったのって、「マリポーサの花」のネロくらい?あ、トートは別ですが。
台詞の声が高くて澄んでいるから、若々しいイメージがあるんでしょうか。大人の役も似合う人なんですけど、宝塚で主演をはる以上、いつまでも若い役が違和感なくできるのは強みですね。

みなこちゃんは、ひたすらけなげで可愛かった(^ ^)。美形じゃないけど、存在自体がキュートで可愛い★化粧もだいぶよくなって(←贔屓目?)、輪郭のまん丸さはどうしようもないけど、それも含めてホントに可愛かったです(*^ ^*)。となみちゃんと水さんのコンビもすごく良かったし大好きだったけど、みなこちゃんとのコンビも大好きだ!






みなこちゃんが、最初にフランシスコ(水)の無事を祈ってマリア様に祈りを捧げる場面。
「あの方の命を救ってくださるのなら、私のこの目は二度とあの方のお顔を映すことはありません」と思いきれる強さと、そう言いながら震える手を合わせる苦しげな仕草。
父親さえ裏切ってもいい、と思わせた男を、二度と見ないと誓う、少女らしい一途な想い。
そして、その一途な祈りをさえ棄ててしまいたがっている、わがままな“女”としての自分への、嫌悪。

……みなこちゃんが泣くと、私も泣くみたいです。ほとんど条件反射だな私………。







で。
「情熱のバルセロナ」という、ものがたり。

私はもちろん初演はまったく未見。お恥ずかしながら、「赤と黒」に並ぶといわれるスタンダールの名作(らしい)「パルムの僧院」も読んでいません。ただ、漠然とかおりちゃん(晴華みどり)演じるリンダ公爵夫人が良い役だ、ということくらいしか知りませんでした。


で。

終演後の、というか、観ている間中思っていたこと。


これは、そもそも主役はリンダだろう!?
フランシスコでもロザリアでもなく、物語の主筋の主役は完全にリンダですよね?


いや、トップコンビはとても素敵でしたよ?
情熱的に恋をして、盲目的に突っ走る若い美青年・フランシスコの水さんも、
清純で敬虔なカトリック教徒・ロザリアのみなこちゃんも。


でも。
物語の主役は、どうみてもリンダだった……。

貴婦人と若いツバメの恋物語で始まって、若いツバメが年齢相応の美少女に恋をして……というストーリーの流れは、有名なシュトラウスのオペラ「ばらの騎士」と同じ。あれも、プリマドンナは侯爵夫人(元帥夫人)マリー・テレーズ役で、クレジットを見てもオクタヴィアン役は彼女の次だし、ゾフィーなんて、へたをすればオックス男爵より下だったりします。

それでも、宝塚化(「愛のソナタ」)すれば当然トップコンビがオクタヴィアンとゾフィーに配役されるわけですし、「パルムの僧院」も、フランシスコとロザリア主演に書き直されるのは当然といえば当然なのですが。

しかし!この作品は、そもそも物語の発端自体がリンダ側(エドゥアルド大公の横恋慕)にあるんですよね。「ばらの騎士」は、物語自体はオクタヴィアンを中心に進むんですけど、この「情熱のバルセロナ」は、物語全体の焦点がフランシスコじゃなくてリンダになっている。しかも、リンダには心情をあらわにする名曲が二曲もある!!
いやーーー、これだけの大役って、主演以外で観たことないですよ私。やっぱり柴田さんって、女役の良い役を書かせたら右に出るものはいないんだろうなあ……。



この滅多にない大役を、かおりちゃんは天与の美貌と華と、そして歌唱力で見事にこなしていた、と思います(^ ^)。

ただ。
一ヶ月後の楽へむけて成長していくでろうことに期待しつつ、ちょっとだけ苦言を述べるとするならば。
最高の女、『バルセロナ一の貴婦人』と呼ばれた女にしては、若干、キャラ的に少女めいたキャピキャピ感があるのが気になりました。フランシスコの「憧れの女」なのだから、ああいう少女らしさが表に出ている必要は無いんじゃないかな、と。たとえば、もう少し低い声で喋るとか、テンポを落として優雅に話すとか、そういう細かいところまで神経をつかって、緊張感をもって演じてもらえたらなー、と思います。
でも、かおりちゃんもとっても良かったです。前向きで、タフで、挫けない意地っ張りさがよく出ていました(^ ^)。「高慢な女」というにはちょっと子供っぽくて、「イヤらしいおじさんに触られるのなんて絶対イヤっ!!」みたいな潔癖さや生硬さを感じたのがちょっと疑問といえば疑問だったけど、真直ぐで一本気で、気風のいい佳い女、でした。



しかし、これだけの良い役だと、他の組の女役さんでも観てみたくなるのが人情というものですが(かおりちゃんに不満があるわけではありません)。……今って、そういう格の女役さんがいない時期なのでしょうか。案外と思いつかないなあ。
かろうじて、卒業が決まってしまいましたが城咲あいちゃんなら出来そう。ちょうどロザリアにぴったりなしずくちゃんもいるし、観てみたかったですね。

それか、逆にまさおくんかみりおくんの主演バウで、しずくちゃんのリンダに蘭ちゃんのロザリアとか、そういうのも面白そう(はぁと)。いろいろと途中で終わってしまったエピソードも多かったので、もう少しいろいろと(ルイスとかラファエルとかを)書き込んで話を膨らませて、若手バウで上演してみてはどうでしょう! それだったら、花組でだいもんフランシスコ、千華ちゃんロザリア、きらりんのリンダ、真瀬くんルイス伯爵とか、すっげー観てみたいです。それか、宙組で、ちーちゃんか大ちゃんのフランシスコにみーちゃんのルイス伯爵、アリスちゃんのリンダ、とか(^ ^)。

本音をいえば、専科時代のあすかちゃんで観たかった(切望)。かしげちゃん&るいちゃん時代の宙組に特出して、とか。あああ、すっげーよさそう……(*^ ^*)。

(繰り返しますが、いま現在上演されているキャストに不満があるわけでは決してありません)





閑話休題。

リンダの愛人・ルイス伯爵のユミコさん(彩吹真央)。
観るまでは、「哀しみのコルドバ」のロメロみたいな役なのかな?と思っていたのですが、、、残念ながら髭はつけてくださらず……(←そこ?)

いや、あの、その。
役柄的には、すべてを呑み込んでリンダを包み込む包容力が魅力な役。ユミコさんって、いままではあまり包容力を見せるような役が当たったことが無いような気がして、すごく新鮮でした。……ただ、ちょっと二枚目すぎちゃったかな(^ ^;。普通に、リンダをはさんでフランシスコと恋敵っぽく見えてしまって、途中でちょっとだけ「リンダ、そろそろルイス伯爵に申し訳ないって思おうよ……」とか思ってしまったんですが(汗)

っていうか、それより問題なのは、“ルイス伯爵、フランシスコを助けてる場合ですか!?”って思っちゃったところかな……。あの、逃亡先の別荘での朝の風景とか、ルイス伯爵には見せられない場面のような気がするんですが。

かおりちゃんもユミコさんも、若く美しくてバリバリ現役に見えることが問題なんじゃないかなー、と思いました。ルイス伯爵という役は、もうちょっと枯れていてもいいんじゃないか、と。
……と思っていたら、初演では実はもっと年配の役だったということを教えていただきました。当時二番手の剣幸さんは、キタロウ(緒月遠麻)が演じたラファエルだったんだそうですね。納得……。






で、そのキタロウのラファエル。

いきなりの登場があまりにも格好よくてびびりました(^ ^;ゞ 
すげーかっこいいーーーーーーーーーーっ!!大スターだ!

アウトローな詩人で、リンダに憧れている男。
「フランシスコ⇒リンダ」の表現が薄いので、「ラファエル⇒リンダ」の想いの強さにびっくりしました。マチルダ(神麗華)から渡されたリンダの指輪を、ものすごく大切そうに指に嵌めて、慈しむようにはずす仕草とか、びっくりするほど愛に溢れていて。
そういえば、キタロウとかおりちゃんって、「君を愛してる」で夫婦役だったなー、とか、
あれ以外にキタロウに決まった恋人がいたことってあまり無いような気がする、とか、
そんなことを思いました。



ラファエルとリンダ、ラファエルとルイス伯爵、ラファエルとエドゥアルド大公が顔を合わせる場面がなかったことが、とても残念!!どれほどドラマティックな場面になったことか!
ラファエルはあの後、どうするのかなあ。ラファエル以外のメンバーは、その後の、ある意味とても平穏な、波風のない人生というものが想像できるのですけれども、ラファエルだけちょっと掴めない。
もしかしたら、本格的な自由主義運動に身を投じてしまうのかもしれませんね。で、大公暗殺を企てて失敗し、捕えられる。獄の中で、最後の祈りのために現れたのがフランシスコ、みたいな?
……原作も読んでないし、初演も知らないし……言いたい放題だな、私。




(真波)そらちゃんの将軍(ロザリアのパパ)は、さりげなく巧い配役だなーと思いました。
お髭が似合いすぎてくらくらしました。台詞もあのくらいの量なら声がいいから大丈夫!!

ハマコさんの大公閣下は、なにもコメントすることはありません。どうぞどこまでも行っちゃってください。……ラストのリンダとのやり取り以外はもう少し“お上品”を意識したほうが貴族っぽいかもしれませんが。でも、リンダとの会話の方が作品的にはずっと重要だしね。


そして。
猫的に、お芝居のMVPは、この重苦しい作品を思いっきり軽やかに投げ捨ててくれた、大公夫人の花帆杏奈ちゃん にあげたいです!!




あああ、ショーまで話がたどり着かなかったよ……(↓)
次回は、(多分)ラファエルの仲間たちの話から(*^ ^*)。



コメント

nophoto
夜野
2009年11月17日7:39

みつきねこさま
お久しぶりですー。
来週、観劇するんです!なんか、楽しみ~!!

宙組の娘役さんですが、通し役がないので発表されてないと思います。
お二人とも見せ場はバザールですが、舞姫さんの代役(ダンサー)は、琴羽桜子さん、花音さんの代役(シンガー)は、七瀬りりこさんだと思います。急な代役だったのに、自分の色を出していたお二人。宙組の層の厚さを感じました。

みつきねこ
2009年11月18日1:30

夜野さま
お久しぶりです&コメントありがとうございまーす(はぁと)
雪組さんは来週ですか。夜野さまのステキレポートを心待ちにしていま~す♪

そして、宙組の代役情報もありがとうございました。桜子ちゃんだったのかーーー!おお、がんばれ!!りりこちゃんはエトワールもあって、代役もあって、新公もあって……大変ですね(- -;。この経験を、さらに歌声に生かしてほしい、かも。

今日になってさらに休演者が増えてしまって、すごく切ないです。明日の休演日は、皆さんゆっくり休んで、元気に木曜日を迎えてほしい……(祈)