外伝・ベルサイユのばら【2】
2009年9月25日 宝塚(花)宝塚大劇場花組公演「外伝・ベルサイユのばら」。
期末でばたばたしておりまして、なかなか更新できずすみません(涙)(誰も待ってないかな…)
本公演と新人公演をいっぺんに観ましたので、キャストごとの感想も本公演と新人公演、まとめて書かせていただきます。ちなみに、ネタバレしてます(^ ^)のでご注意を(今更)。
■アンドレ(真飛聖/望海風斗)
「外伝」シリーズの中でも底辺を争うアラン編とアンドレ編に主演したまとぶん。そのがんばりに涙が出ました(涙)。
アランとアンドレの違いがいまひとつよく判らなかったりしたのも、あの脚本じゃしょうがない……(涙)。
それにしても、まとぶんの黒髪は似合いますね♪美形は何を着ても美形だけど、やっぱりコスチューム映えするのは強みだわ。
でも、その台詞。…言いたくないのはわからないでもないのですが、語尾を斬り捨てる癖は、やっぱり直したほうがいいと思う……。
だいもんは、「太王四神記」に引き続き、新公とは思えない出来でのクリーンヒット。歌がうまいのは勿論なんですが、温かみがあって真摯な芝居がとても好きです。がむしゃらで一生懸命で、しかも茶目っ気もある、素敵な役者だとあらためて思いました。新公を卒業してからの活躍が、今から楽しみです。
ただ……これから活躍の場も増えるだろうと思うからこそあえて書きますが、姿勢だけは早急になんとかした方が良いのでは。歌も芝居もダンスも美貌もハイレベルなだいもんの、唯一の欠点なんじゃないかと思うんですが(; ;)、「太王四神記」の甲冑や今回の軍服など、首の詰まった衣装を着たときに首が前に出てしまう癖を、なんとか矯正できないものでしょうか…。
「ベルばら」の世界でも、室内着っぽいブラウスとか、アジール酒場での衣装なんかだったら全然違和感なくてかっこいいのになあ。
身体はすごく細い人なので、ああいう大きな衣装を着るときにはあちこち詰めたり補正したりしているんでしょうけれども、その補正後の衣装に合わせて、姿勢も変えないと。特に、首回りはちょっとしたことで変に見えるので、時間をかけてしっかり調整してほしいです。
せっかくの端正な美貌を、存分に生かさなくっちゃ勿体無い!!
■マリーズ(桜乃彩音/天咲千華)
マリーズについては、先日だいぶ書いたので省略。
演出の差もあり(どこが違うのかいちいち指摘はできませんが、なんだか全然違って見えました)、私は天咲さんの方が好きでした。だいもんとの並びがうっとりするほど可愛かった(^ ^)。
歌は、「バレンシアの熱い花」のマルガリータを思えば夢のように上達しましたね(; ;)。
まだまだなところもあるけど、気持ちの入った、良い芝居歌でした。
■アラン(壮一帆/嶺乃一真)
壮ちゃん、カッコいい(*^ ^*)。
「宝塚的主役」は「こう」あるべきだ、という制約が(植田さん的に)あるらしく、アラン編のアランとアンドレ編のアンドレを演じたまとぶんは、あまり二人の性格の違いを出せなかったのですが。
壮ちゃんのアランは、全ツのアンドレとは全く違うキャラクターで、面白かったです。
あんなアラン、初めて観ました。
怜悧で鋭利で、やさぐれてて、ペシミスティックで、しかも、どS。すげー、ワイルドなクールビューティ(反語)でした。たぶん、あのアランには、怖ろしい幽霊の妹がとり憑いたりはしとないんだろう…(黙)
もとい。
芝居も半ばを過ぎるまで登場してこないアランですが(←ま、そゆこともある。「ダル・レークの恋」のペペルよりはマシかも?)、出てきたときのテンションがきちんと周りにあっているのはさすがだな、と思いました。
アンドレの目が見えないことがわかったときの演技など、いちいちアクションが大きすぎて無駄に笑いをとってしまうのはわざとなのかな?と疑問も抱きつつ、アンドレの目が見えないことをバラす場面では、その大仰さ、というか、アランが上から目線でアンドレを見下ろしている感覚の大切さを感じました。
新公は、この公演で卒業する嶺乃くん。結構大役をやってきた人ですが、アランの役作りは“ひたすら真面目”というように見えました。それはそれでアリだけど、もうちょっと、アランというキャラの前向きなタフさ、ガツガツした空気が欲しかったような気がします。
髪形や化粧はがんばっていたんだけどな。スタイル良いし。大役に畏縮しているように見えたのが残念。
■マロングラッセ(邦なつき/華月由舞)
新公の由舞ちゃんがすごく良かったです。可愛くて優しいおばあちゃんで。
邦さんはさすがの貫禄で、ご本人は普通に演じていらっしゃったのですが、「銀ちゃんの恋」のヤスの母くらいの出番で十分な印象を残す濃い目の芝居のまま、1時間半、誰よりも出番の多い役(T T)を演じきられてしまうと、ちょっと他の現役が負けてしまう、というか…
問題は脚本、なんですよね。邦さんほどのベテランにあの役をふるなら、もう少し出番を減らすか演出面で調整するべき。あるいは、逆にしっかり『語り手』としての地位を与えて、もっと色々と、必要な説明をさせればいいのに。
由舞ちゃんはその点、最上級生としてなかなか良いバランスで演じていたと思います。まろやかな低い声が特徴の人なので、べらべら喋っても喧しくないし、アンドレを叱りつけるところもすごく情感が篭ってました。
とくに、ラストのマリーズと二人の場面が秀逸。
ただ、せっかくの美貌が年配メークで隠されていたのがとても残念……。でも、他に美人娘役に是非やってほしいような役も無いしなあ……(T T)。
■子マリーズ(天咲千華/こと華千乃)
■子アンドレ(大河凛/桜咲彩花)
本役の二人の透明感と声の良さに、CSニュースで映像が流れた瞬間からずっと楽しみにしていた場面。プロローグもなく、突然マロン・グラッセの登場で始まるのに吃驚しましたが、凛ちゃん、繊細な少年役がぴったりはまっていてとても良かったです。
巴里祭でも歌が巧いのに驚いたんですが、透明感のある良い声ですね。ちょっと男役としては高くて細い声ですが、これからが楽しみです。
天咲さんは、中日では子アンドレだったみたいですね。マリーズもすごく可愛くてよかったけど、子アンドレもちょっと観てみたかった(^ ^)。
■ブイエ(星原美沙緒/真瀬はるか)
今まで、宝塚のベルばらでは、ブイエ将軍は常に悪役だったんですよね。ジャルジェ家と対立する人物だから。
今回は、珍しくブイエ将軍側に立ったエピソードが多く、アンドレ編というより、むしろブイエ編だった印象。こんな機会は滅多に無いので、ジャルジェパパとの確執を突っ込んで描いて欲しかったなあ…(←アンドレ編じゃなくなっちゃうよ汗)
で。
新公真瀬くんの恰好良さに惚れました。いやマジで。髭萌え(はぁと)。
優しくて好々爺で、美形だけど高潔で。愛人をかこう色気はなく、可愛いマリーズを猫みたいに可愛がってる様子が想像できる。マリーズという娘を得て、彼はとても幸せなんだな、と、嫌味なく納得するんです。
そして、新公のマリーズは、ブイエ家で幸福なのだと思いました。だからこそ、アンドレの前で我が儘に振る舞っても、執念を感じないから怖くない。
そして、幸せだからこそ、アンドレを死地に追いやった罪悪感に苦しむ。
…やっぱり、鈴木さん、本公演も演出しようよ…(泣)
■副官エーベル(眉月凰/冴月瑠那)
ブイエ将軍に付き従う副官役、ということで、小芝居を封じられたルナちゃんが、普通に二枚目で立っているのが面白かったです。演出によってはわいわい騒ぐ賑やかしのたいこもちみたいな役になってることもあるんですが、今回はブイエ将軍が良い人なので、副官も真面目な二枚目に。
いや〜、ルナちゃんってやっぱり美形なんだなあ(贔屓目)。軍服の着こなしもすっきりして、カッコよかった(はぁと)。
そして、村人の弾けようが楽しかったです。目の保養、目の保養♪
■ジャルジェ(箙かおる/浦輝ひろと)
配役を見たとき、ブイエの星原先輩と逆なんじゃ!?と思いましたが、脚本的にキャラが逆なのね、と納得しました。
マロングラッセとの会話は、もう少し感情の動きがあっても良いのに、と思いましたが…。
新公浦輝くんは、優しくて朴訥な、苦悩のパパでした。長身に正装がよく似合い、幅のある強い声が将軍らしい。当たり役だったと思います!
続く
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期末でばたばたしておりまして、なかなか更新できずすみません(涙)(誰も待ってないかな…)
本公演と新人公演をいっぺんに観ましたので、キャストごとの感想も本公演と新人公演、まとめて書かせていただきます。ちなみに、ネタバレしてます(^ ^)のでご注意を(今更)。
■アンドレ(真飛聖/望海風斗)
「外伝」シリーズの中でも底辺を争うアラン編とアンドレ編に主演したまとぶん。そのがんばりに涙が出ました(涙)。
アランとアンドレの違いがいまひとつよく判らなかったりしたのも、あの脚本じゃしょうがない……(涙)。
それにしても、まとぶんの黒髪は似合いますね♪美形は何を着ても美形だけど、やっぱりコスチューム映えするのは強みだわ。
でも、その台詞。…言いたくないのはわからないでもないのですが、語尾を斬り捨てる癖は、やっぱり直したほうがいいと思う……。
だいもんは、「太王四神記」に引き続き、新公とは思えない出来でのクリーンヒット。歌がうまいのは勿論なんですが、温かみがあって真摯な芝居がとても好きです。がむしゃらで一生懸命で、しかも茶目っ気もある、素敵な役者だとあらためて思いました。新公を卒業してからの活躍が、今から楽しみです。
ただ……これから活躍の場も増えるだろうと思うからこそあえて書きますが、姿勢だけは早急になんとかした方が良いのでは。歌も芝居もダンスも美貌もハイレベルなだいもんの、唯一の欠点なんじゃないかと思うんですが(; ;)、「太王四神記」の甲冑や今回の軍服など、首の詰まった衣装を着たときに首が前に出てしまう癖を、なんとか矯正できないものでしょうか…。
「ベルばら」の世界でも、室内着っぽいブラウスとか、アジール酒場での衣装なんかだったら全然違和感なくてかっこいいのになあ。
身体はすごく細い人なので、ああいう大きな衣装を着るときにはあちこち詰めたり補正したりしているんでしょうけれども、その補正後の衣装に合わせて、姿勢も変えないと。特に、首回りはちょっとしたことで変に見えるので、時間をかけてしっかり調整してほしいです。
せっかくの端正な美貌を、存分に生かさなくっちゃ勿体無い!!
■マリーズ(桜乃彩音/天咲千華)
マリーズについては、先日だいぶ書いたので省略。
演出の差もあり(どこが違うのかいちいち指摘はできませんが、なんだか全然違って見えました)、私は天咲さんの方が好きでした。だいもんとの並びがうっとりするほど可愛かった(^ ^)。
歌は、「バレンシアの熱い花」のマルガリータを思えば夢のように上達しましたね(; ;)。
まだまだなところもあるけど、気持ちの入った、良い芝居歌でした。
■アラン(壮一帆/嶺乃一真)
壮ちゃん、カッコいい(*^ ^*)。
「宝塚的主役」は「こう」あるべきだ、という制約が(植田さん的に)あるらしく、アラン編のアランとアンドレ編のアンドレを演じたまとぶんは、あまり二人の性格の違いを出せなかったのですが。
壮ちゃんのアランは、全ツのアンドレとは全く違うキャラクターで、面白かったです。
あんなアラン、初めて観ました。
怜悧で鋭利で、やさぐれてて、ペシミスティックで、しかも、どS。すげー、ワイルドなクールビューティ(反語)でした。たぶん、あのアランには、怖ろしい幽霊の妹がとり憑いたりはしとないんだろう…(黙)
もとい。
芝居も半ばを過ぎるまで登場してこないアランですが(←ま、そゆこともある。「ダル・レークの恋」のペペルよりはマシかも?)、出てきたときのテンションがきちんと周りにあっているのはさすがだな、と思いました。
アンドレの目が見えないことがわかったときの演技など、いちいちアクションが大きすぎて無駄に笑いをとってしまうのはわざとなのかな?と疑問も抱きつつ、アンドレの目が見えないことをバラす場面では、その大仰さ、というか、アランが上から目線でアンドレを見下ろしている感覚の大切さを感じました。
新公は、この公演で卒業する嶺乃くん。結構大役をやってきた人ですが、アランの役作りは“ひたすら真面目”というように見えました。それはそれでアリだけど、もうちょっと、アランというキャラの前向きなタフさ、ガツガツした空気が欲しかったような気がします。
髪形や化粧はがんばっていたんだけどな。スタイル良いし。大役に畏縮しているように見えたのが残念。
■マロングラッセ(邦なつき/華月由舞)
新公の由舞ちゃんがすごく良かったです。可愛くて優しいおばあちゃんで。
邦さんはさすがの貫禄で、ご本人は普通に演じていらっしゃったのですが、「銀ちゃんの恋」のヤスの母くらいの出番で十分な印象を残す濃い目の芝居のまま、1時間半、誰よりも出番の多い役(T T)を演じきられてしまうと、ちょっと他の現役が負けてしまう、というか…
問題は脚本、なんですよね。邦さんほどのベテランにあの役をふるなら、もう少し出番を減らすか演出面で調整するべき。あるいは、逆にしっかり『語り手』としての地位を与えて、もっと色々と、必要な説明をさせればいいのに。
由舞ちゃんはその点、最上級生としてなかなか良いバランスで演じていたと思います。まろやかな低い声が特徴の人なので、べらべら喋っても喧しくないし、アンドレを叱りつけるところもすごく情感が篭ってました。
とくに、ラストのマリーズと二人の場面が秀逸。
ただ、せっかくの美貌が年配メークで隠されていたのがとても残念……。でも、他に美人娘役に是非やってほしいような役も無いしなあ……(T T)。
■子マリーズ(天咲千華/こと華千乃)
■子アンドレ(大河凛/桜咲彩花)
本役の二人の透明感と声の良さに、CSニュースで映像が流れた瞬間からずっと楽しみにしていた場面。プロローグもなく、突然マロン・グラッセの登場で始まるのに吃驚しましたが、凛ちゃん、繊細な少年役がぴったりはまっていてとても良かったです。
巴里祭でも歌が巧いのに驚いたんですが、透明感のある良い声ですね。ちょっと男役としては高くて細い声ですが、これからが楽しみです。
天咲さんは、中日では子アンドレだったみたいですね。マリーズもすごく可愛くてよかったけど、子アンドレもちょっと観てみたかった(^ ^)。
■ブイエ(星原美沙緒/真瀬はるか)
今まで、宝塚のベルばらでは、ブイエ将軍は常に悪役だったんですよね。ジャルジェ家と対立する人物だから。
今回は、珍しくブイエ将軍側に立ったエピソードが多く、アンドレ編というより、むしろブイエ編だった印象。こんな機会は滅多に無いので、ジャルジェパパとの確執を突っ込んで描いて欲しかったなあ…(←アンドレ編じゃなくなっちゃうよ汗)
で。
新公真瀬くんの恰好良さに惚れました。いやマジで。髭萌え(はぁと)。
優しくて好々爺で、美形だけど高潔で。愛人をかこう色気はなく、可愛いマリーズを猫みたいに可愛がってる様子が想像できる。マリーズという娘を得て、彼はとても幸せなんだな、と、嫌味なく納得するんです。
そして、新公のマリーズは、ブイエ家で幸福なのだと思いました。だからこそ、アンドレの前で我が儘に振る舞っても、執念を感じないから怖くない。
そして、幸せだからこそ、アンドレを死地に追いやった罪悪感に苦しむ。
…やっぱり、鈴木さん、本公演も演出しようよ…(泣)
■副官エーベル(眉月凰/冴月瑠那)
ブイエ将軍に付き従う副官役、ということで、小芝居を封じられたルナちゃんが、普通に二枚目で立っているのが面白かったです。演出によってはわいわい騒ぐ賑やかしのたいこもちみたいな役になってることもあるんですが、今回はブイエ将軍が良い人なので、副官も真面目な二枚目に。
いや〜、ルナちゃんってやっぱり美形なんだなあ(贔屓目)。軍服の着こなしもすっきりして、カッコよかった(はぁと)。
そして、村人の弾けようが楽しかったです。目の保養、目の保養♪
■ジャルジェ(箙かおる/浦輝ひろと)
配役を見たとき、ブイエの星原先輩と逆なんじゃ!?と思いましたが、脚本的にキャラが逆なのね、と納得しました。
マロングラッセとの会話は、もう少し感情の動きがあっても良いのに、と思いましたが…。
新公浦輝くんは、優しくて朴訥な、苦悩のパパでした。長身に正装がよく似合い、幅のある強い声が将軍らしい。当たり役だったと思います!
続く
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