外伝・ベルサイユのばら
2009年9月23日 宝塚(花)宝塚大劇場にて、花組公演「EXCITER!!」と、新人公演「外伝・ベルサイユのばら」を観てまいりました。
「EXCITER!!」、凄く良かったです。
文句無く盛り上がれる。いやー、やっぱり藤井さんのショーって大好き(*^ ^*)♪ 新公も良かったし、月組っ子が揃って観に来てくれてたし……日帰りで身体はキツかったけど、とっても幸せな遠征でした♪♪
早く東京に来ないかな~(^ ^)。通うぞ~!!
…いえ、もちろん本公演の「外伝・ベルサイユのばら」も観ましたよ、ちゃんと。寝ることもなく、最後までばっちりと。
花組ッ子のがんばりに、涙が出ましたが。
舞台面は綺麗で、しかも男役も娘役も、子役も、今回特別配属の『女子部』のお姐さま方も皆本当に美形ぞろいで美しくて、台詞も巧いしダンスも揃っているし……
………「外伝ベルサイユのばら」というタイトルのショーだと思って、脚本をカットして観ると、とても楽しめるんじゃないかと思います(; ;)
それにしても、花組ってベルばら運が無いんだなあ。
去年全ツで「ホラー アラン編」をやって、今回本公演で「アンドレ編」って。
雪組のジェローデル編も大概だったけど、アラン編は本当に凄かったんだぞ!(怒)
そして、アンドレ編も、アラン編に負けず劣らずホラー風味……
ヒロインが幽霊でさえなければ、何がきても大丈夫!と思っていたのですが、幽霊よりも何よりも、生きている人間が一番怖い!!上には上があるんですね。……この感想、アラン編を観たときにも書いたな。花組っ子が本当に不憫だ(T T)。
ある意味、マリーズ(桜乃彩音)って幽霊より怖いんですよ(泣)。
プログラムに明記されているんですが、最初のプロヴァンスでのアンドレとの別れが1763年、なんですよね。で、パリ進駐の前日にアンドレと再会したのが、1789年ですよ?その間、26年。
26年間探し続けて、やっとめぐり合った男に、当たり前のように26年前の約束の履行を求める女。
……現代劇に良くあるじゃないですか。そういう、“怖い話”が。
アンドレが去った後、ブイエ将軍(星原美沙緒)とマリーズとの会話が、怖くて怖くて、震えました。
と、本公演を観たときは思ったのですが。(すみません、この後は若干ネタバレがあります)
新人公演は、ホラーじゃなかった!!
……何が違うのか良く判らないのですが、天咲千華ちゃんのマリーズは、怖くなかったんです(^ ^)。
シャープな美貌の彩音ちゃんと違って、幼げで砂糖菓子みたいな可愛らしさが個性の人だから、でしょうか。ラストに、ブイエ将軍(真瀬はるか)と会話しながら泣き崩れる風情が本当に子供みたいで。可愛くて。
「Non…」と答える声の震えとか、唇を噛み締めて宙を仰ぐ横顔とか、まるで殉教者のように綺麗でした。愛する男を死地に追いやると同時に、自分も現世での幸せは諦めてしまった貌。
革命の後にもう一度出てくるんですが、この時の衣装が修道服でないのを不思議に思ったくらい、憂き世離れした少女で。ああ、この子には現実を見つめて生きていくのは難しかったんだろうな、と納得させられました。
アンドレを探している間は、“アンドレと逢いさえすれば全てがうまくいく”と信じていられた間は、活気に溢れて明るく元気だけれども。
その夢が潰えてしまったら、針を刺した風船と同じ。裡に詰まっていたはずの活気も明るさも元気さも、ぱぁん、と音をたててはじけてしまう……倒れ伏した天咲さんの表情には、そんな説得力がありました。
なんというか、年齢設定が全然違って見えたんですよね。
原作では、アンドレが両親を亡くして祖母に引き取られたのは8歳の時。ちなみに、革命は1789年だから、34歳。
で。本公演のアンドレとマリーズは、同い年か、へたしたらマリーズの方が歳上?くらいに見えたんですよね。プロヴァンスでの別れから26年過ぎていることも考えれば、最低でもラストシーンのマリーズは33~4歳。
実際、彩音ちゃんは大人っぽい人なので、ちゃんとそのくらいに見えていたと思います。
ピンクの輪っかのドレスが、似合わないわけではないけど、ちょっと気恥ずかしい、くらいには。
で。
マリーズがパリに出てきてから、「アジール」の店で一年ほど働いて、それからブイエ将軍(星原先輩)の養女になって2年、ですよね。ってことは、パリに出てきた時点で、最低でも30歳。当時の常識でいえば、完全な“嫁きおくれ”ですよね…?
「おじさんやおばさんに可愛がってもらうんだよ」という子アンドレ(大河凛)の台詞のように、両親を亡くして親戚の家で育てられたマリーズ。その歳まで縁談の一つもなく…ってことはないでしょうから、「私には思う人があるので」とか言って断り続けていたのでしょうか。でも、さすがに断りきれなくなって、むりやりパリに出てきた、と。
酒場で働くうちに、女主人のシモーヌ(夏美よう)から養女の話が持ちかけられる。
「最近奥様を亡くされてね…」と。
15,6の子供じゃあるまいし、それって普通に後添えっつか愛人だろう!?
身分の差があるから妻にはできず、名目は養女に、ってのもよくある話…ですけど、アンドレを探すためとか言いつつ、それで良いのかマリーズ!?
そういう、手段を選ばないところがホラーに見えるの…とっても。
だけど。
新公のマリーズ(天咲千華)は、アンドレ(望海風斗)より、だいぶ幼い印象でした。
プログラムの年代は「本公演用」として無視するとして。
もうこの際なので、原作の設定を完全に無視して、オスカルとアンドレが出会った年齢は13歳、1789年にはオスカルもマリーもフェルセンもアンドレも、まとめて23歳だった、ってことにする!(←そんな無茶な)(でも実際、大河凛ちゃんのオスカルも鳳真由ちゃんのフェルセンも、20代前半に見えたんだよ…)
と、言う訳で、プロヴァンスでの別れのシーンからバスティーユまで、10年。しかも、この時マリーズはまだ七つ(!)
小二のおしゃまなお嬢ちゃんが、近所のお兄ちゃんに恋をする。なのに、お兄ちゃんは中学生になったばかりで引っ越してしまう……そんな設定でどうでしょう。
これだったら、マリーズがパリに出てきたのは、まだ花の17歳。なんとかギリギリ、ブイエ将軍の「養女に」っていう申し出も信じられる、かも?(←新公ブイエ将軍の真瀬くんの好々爺っぷりから信じられるかも)
大好きな近所のお兄ちゃんとの思い出を後生大事に抱えていた少女と、可愛い少女のことは“幼い頃の思い出”のアルバムの中にごっちゃに放り込んで、普段は思い出すこともない、青年。
少女は、お兄ちゃんと再会するまで大人になることを放棄して、“少女”のままで居続けようとする。最初の縁談を断ったことで養家にいられなくなり、パリに出ても、酒場で働いても、その純粋さを喪うことなく、少女のまま。
そして、青年にとって、少女から貰ったリボンは、「母の形見」の代わりとして表層意識に刻まれて。彼は後生大事にそれを持っているけれども、少女の記憶とは直接繋がらない。
そんな二人が、出会ったとしたら。
全ての決着がつこうとしている、その、運命の夜に。
…まとまらなくてすみません。
いろいろ書いてますけど、本公演も新人公演も、本当におもしろかった、です。花っ子たちも専科のお三方も、あの脚本で可能な限りの力を尽くされている、というのがひしひしと感じられて。ホント、泣けてきました。
本公演には本公演なりのよさがあり、新人公演には新人公演なりのよさがあった。
でも。
なぜ、これが外伝でなければならないのか、が判らない。
外伝、ということは、本編では語れないことを描くためのもの、ですよね?
でも、この作品で描かれているのは、アンドレに幼馴染がいた、という事実だけ。あとは全て、本伝で語られていることばかりです。
昨年全ツで三組にわたって上演された「三部作」は、一応、オスカルが死んだあと革命の推移を語りたい、という気持ちで書かれたものだと思うんですよね。
実際の脚本をいくら読んでも、そんなこと伝わってきませんでしたけど。
それでも、外伝でなくては語れなかったことが、膨大な説明台詞の片隅に潜んでいました。
なのに、「アンドレ編」には何一つ目新しいことがなかった。
マリーズという登場人物は新しいけど、彼女によってもたらされる新情報がなかったんです。
たとえば。
アジール酒場でのアンドレとマリーズのニアミスのときに、警察を呼んできたマリーズのプロヴァンス訛を耳にしたアンドレが、懐かしい故郷の思い出を語る場面を入れる、とかね。そんな程度でも良いんですよ。
本編のアンドレは、最初から、「オスカルと出会ったときに人生が始まった」キャラクターです。それより過去は、存在しない。
だけど、この物語で初めて、プロヴァンスという故郷があったのか、と気づいたんです。だから、そこでの生活をもう少し語ってほしかった。アンドレの母がどんな人で、邸のオークの木にどんな秘密があったのか、そんなことを、少しでもいいから、アンドレの言葉で。
あるいは。
アジール酒場でのアンドレとベルナールを逢わせちゃう、とか。
アンドレは偽名を使っているからマリーズは気づかない、ってことにして、平民たちの中で暢気にやっているアンドレの様子を描くだけでも良い。どうせアジールがアンドレの行きつけの店だっていう設定なんだし、オスカルの居ないところでのアンドレの様子がわかるだけでも面白い。
あるいは、せっかく、マリーズの庇護者をブイエ将軍にして、彼の良心的なところを描いているんだから、ブイエ将軍とジャルジェ准将の対立の原因をもう少し突っ込んで描いてもいい。(←それじゃアンドレ編じゃなくてブイエ編になっちゃいますが)
なんでもいいから、「外伝」で、マリーズを出さないと語れないような、本編の裏エピソードがないと、「外伝」の意味が無いと思うんです。
だったらせめて、本編にして欲しかった!!
あのまんまマリーズを外して、バスティーユにオスカルを入れれば本編になるし。
正直に言えば、本編だろうが外伝だろうが植田大先生の「ベルサイユのばら」なんて観たくないけど(T T)、それでも、ホラーなベルばらより、だいぶマシだわ。
新人公演の演出は鈴木圭さんだったんですが。鈴木さん、本公演も見てあげてほしかったよ……大劇場公演は「逆転裁判」があったから仕方なかったのかもしれませんが、東宝公演は本公演もしっかり見てあげてください(切望)
なんだか、話があっちこっち飛んでしまってすみません。あまりにも衝撃的な作品だったもんで。
キャストの感想は、また後日。
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「EXCITER!!」、凄く良かったです。
文句無く盛り上がれる。いやー、やっぱり藤井さんのショーって大好き(*^ ^*)♪ 新公も良かったし、月組っ子が揃って観に来てくれてたし……日帰りで身体はキツかったけど、とっても幸せな遠征でした♪♪
早く東京に来ないかな~(^ ^)。通うぞ~!!
…いえ、もちろん本公演の「外伝・ベルサイユのばら」も観ましたよ、ちゃんと。寝ることもなく、最後までばっちりと。
花組ッ子のがんばりに、涙が出ましたが。
舞台面は綺麗で、しかも男役も娘役も、子役も、今回特別配属の『女子部』のお姐さま方も皆本当に美形ぞろいで美しくて、台詞も巧いしダンスも揃っているし……
………「外伝ベルサイユのばら」というタイトルのショーだと思って、脚本をカットして観ると、とても楽しめるんじゃないかと思います(; ;)
それにしても、花組ってベルばら運が無いんだなあ。
去年全ツで「
雪組のジェローデル編も大概だったけど、アラン編は本当に凄かったんだぞ!(怒)
そして、アンドレ編も、アラン編に負けず劣らずホラー風味……
ヒロインが幽霊でさえなければ、何がきても大丈夫!と思っていたのですが、幽霊よりも何よりも、生きている人間が一番怖い!!上には上があるんですね。……この感想、アラン編を観たときにも書いたな。花組っ子が本当に不憫だ(T T)。
ある意味、マリーズ(桜乃彩音)って幽霊より怖いんですよ(泣)。
プログラムに明記されているんですが、最初のプロヴァンスでのアンドレとの別れが1763年、なんですよね。で、パリ進駐の前日にアンドレと再会したのが、1789年ですよ?その間、26年。
26年間探し続けて、やっとめぐり合った男に、当たり前のように26年前の約束の履行を求める女。
……現代劇に良くあるじゃないですか。そういう、“怖い話”が。
アンドレが去った後、ブイエ将軍(星原美沙緒)とマリーズとの会話が、怖くて怖くて、震えました。
と、本公演を観たときは思ったのですが。(すみません、この後は若干ネタバレがあります)
新人公演は、ホラーじゃなかった!!
……何が違うのか良く判らないのですが、天咲千華ちゃんのマリーズは、怖くなかったんです(^ ^)。
シャープな美貌の彩音ちゃんと違って、幼げで砂糖菓子みたいな可愛らしさが個性の人だから、でしょうか。ラストに、ブイエ将軍(真瀬はるか)と会話しながら泣き崩れる風情が本当に子供みたいで。可愛くて。
「Non…」と答える声の震えとか、唇を噛み締めて宙を仰ぐ横顔とか、まるで殉教者のように綺麗でした。愛する男を死地に追いやると同時に、自分も現世での幸せは諦めてしまった貌。
革命の後にもう一度出てくるんですが、この時の衣装が修道服でないのを不思議に思ったくらい、憂き世離れした少女で。ああ、この子には現実を見つめて生きていくのは難しかったんだろうな、と納得させられました。
アンドレを探している間は、“アンドレと逢いさえすれば全てがうまくいく”と信じていられた間は、活気に溢れて明るく元気だけれども。
その夢が潰えてしまったら、針を刺した風船と同じ。裡に詰まっていたはずの活気も明るさも元気さも、ぱぁん、と音をたててはじけてしまう……倒れ伏した天咲さんの表情には、そんな説得力がありました。
なんというか、年齢設定が全然違って見えたんですよね。
原作では、アンドレが両親を亡くして祖母に引き取られたのは8歳の時。ちなみに、革命は1789年だから、34歳。
で。本公演のアンドレとマリーズは、同い年か、へたしたらマリーズの方が歳上?くらいに見えたんですよね。プロヴァンスでの別れから26年過ぎていることも考えれば、最低でもラストシーンのマリーズは33~4歳。
実際、彩音ちゃんは大人っぽい人なので、ちゃんとそのくらいに見えていたと思います。
ピンクの輪っかのドレスが、似合わないわけではないけど、ちょっと気恥ずかしい、くらいには。
で。
マリーズがパリに出てきてから、「アジール」の店で一年ほど働いて、それからブイエ将軍(星原先輩)の養女になって2年、ですよね。ってことは、パリに出てきた時点で、最低でも30歳。当時の常識でいえば、完全な“嫁きおくれ”ですよね…?
「おじさんやおばさんに可愛がってもらうんだよ」という子アンドレ(大河凛)の台詞のように、両親を亡くして親戚の家で育てられたマリーズ。その歳まで縁談の一つもなく…ってことはないでしょうから、「私には思う人があるので」とか言って断り続けていたのでしょうか。でも、さすがに断りきれなくなって、むりやりパリに出てきた、と。
酒場で働くうちに、女主人のシモーヌ(夏美よう)から養女の話が持ちかけられる。
「最近奥様を亡くされてね…」と。
15,6の子供じゃあるまいし、それって普通に後添えっつか愛人だろう!?
身分の差があるから妻にはできず、名目は養女に、ってのもよくある話…ですけど、アンドレを探すためとか言いつつ、それで良いのかマリーズ!?
そういう、手段を選ばないところがホラーに見えるの…とっても。
だけど。
新公のマリーズ(天咲千華)は、アンドレ(望海風斗)より、だいぶ幼い印象でした。
プログラムの年代は「本公演用」として無視するとして。
もうこの際なので、原作の設定を完全に無視して、オスカルとアンドレが出会った年齢は13歳、1789年にはオスカルもマリーもフェルセンもアンドレも、まとめて23歳だった、ってことにする!(←そんな無茶な)(でも実際、大河凛ちゃんのオスカルも鳳真由ちゃんのフェルセンも、20代前半に見えたんだよ…)
と、言う訳で、プロヴァンスでの別れのシーンからバスティーユまで、10年。しかも、この時マリーズはまだ七つ(!)
小二のおしゃまなお嬢ちゃんが、近所のお兄ちゃんに恋をする。なのに、お兄ちゃんは中学生になったばかりで引っ越してしまう……そんな設定でどうでしょう。
これだったら、マリーズがパリに出てきたのは、まだ花の17歳。なんとかギリギリ、ブイエ将軍の「養女に」っていう申し出も信じられる、かも?(←新公ブイエ将軍の真瀬くんの好々爺っぷりから信じられるかも)
大好きな近所のお兄ちゃんとの思い出を後生大事に抱えていた少女と、可愛い少女のことは“幼い頃の思い出”のアルバムの中にごっちゃに放り込んで、普段は思い出すこともない、青年。
少女は、お兄ちゃんと再会するまで大人になることを放棄して、“少女”のままで居続けようとする。最初の縁談を断ったことで養家にいられなくなり、パリに出ても、酒場で働いても、その純粋さを喪うことなく、少女のまま。
そして、青年にとって、少女から貰ったリボンは、「母の形見」の代わりとして表層意識に刻まれて。彼は後生大事にそれを持っているけれども、少女の記憶とは直接繋がらない。
そんな二人が、出会ったとしたら。
全ての決着がつこうとしている、その、運命の夜に。
…まとまらなくてすみません。
いろいろ書いてますけど、本公演も新人公演も、本当におもしろかった、です。花っ子たちも専科のお三方も、あの脚本で可能な限りの力を尽くされている、というのがひしひしと感じられて。ホント、泣けてきました。
本公演には本公演なりのよさがあり、新人公演には新人公演なりのよさがあった。
でも。
なぜ、これが外伝でなければならないのか、が判らない。
外伝、ということは、本編では語れないことを描くためのもの、ですよね?
でも、この作品で描かれているのは、アンドレに幼馴染がいた、という事実だけ。あとは全て、本伝で語られていることばかりです。
昨年全ツで三組にわたって上演された「三部作」は、一応、オスカルが死んだあと革命の推移を語りたい、という気持ちで書かれたものだと思うんですよね。
実際の脚本をいくら読んでも、そんなこと伝わってきませんでしたけど。
それでも、外伝でなくては語れなかったことが、膨大な説明台詞の片隅に潜んでいました。
なのに、「アンドレ編」には何一つ目新しいことがなかった。
マリーズという登場人物は新しいけど、彼女によってもたらされる新情報がなかったんです。
たとえば。
アジール酒場でのアンドレとマリーズのニアミスのときに、警察を呼んできたマリーズのプロヴァンス訛を耳にしたアンドレが、懐かしい故郷の思い出を語る場面を入れる、とかね。そんな程度でも良いんですよ。
本編のアンドレは、最初から、「オスカルと出会ったときに人生が始まった」キャラクターです。それより過去は、存在しない。
だけど、この物語で初めて、プロヴァンスという故郷があったのか、と気づいたんです。だから、そこでの生活をもう少し語ってほしかった。アンドレの母がどんな人で、邸のオークの木にどんな秘密があったのか、そんなことを、少しでもいいから、アンドレの言葉で。
あるいは。
アジール酒場でのアンドレとベルナールを逢わせちゃう、とか。
アンドレは偽名を使っているからマリーズは気づかない、ってことにして、平民たちの中で暢気にやっているアンドレの様子を描くだけでも良い。どうせアジールがアンドレの行きつけの店だっていう設定なんだし、オスカルの居ないところでのアンドレの様子がわかるだけでも面白い。
あるいは、せっかく、マリーズの庇護者をブイエ将軍にして、彼の良心的なところを描いているんだから、ブイエ将軍とジャルジェ准将の対立の原因をもう少し突っ込んで描いてもいい。(←それじゃアンドレ編じゃなくてブイエ編になっちゃいますが)
なんでもいいから、「外伝」で、マリーズを出さないと語れないような、本編の裏エピソードがないと、「外伝」の意味が無いと思うんです。
だったらせめて、本編にして欲しかった!!
あのまんまマリーズを外して、バスティーユにオスカルを入れれば本編になるし。
正直に言えば、本編だろうが外伝だろうが植田大先生の「ベルサイユのばら」なんて観たくないけど(T T)、それでも、ホラーなベルばらより、だいぶマシだわ。
新人公演の演出は鈴木圭さんだったんですが。鈴木さん、本公演も見てあげてほしかったよ……大劇場公演は「逆転裁判」があったから仕方なかったのかもしれませんが、東宝公演は本公演もしっかり見てあげてください(切望)
なんだか、話があっちこっち飛んでしまってすみません。あまりにも衝撃的な作品だったもんで。
キャストの感想は、また後日。
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