東京宝塚劇場にて、星組公演「太王四神記II」を観劇してまいりました。

#昨夜アップする予定だったのですが、途中で寝てしまったために一日遅くなってしまいました。すみません(汗)





8月、9月は何かと忙しく、なかなか観にいけなかったのですが、なんとか最後の週末に潜り込むことができました。
華美ゆうかちゃんと純花まりぃちゃんを、私なりにですがちゃんと見送ることができて、ホッとしています。
まりぃちゃん、本当に綺麗…。せっかく歌える美人なのに、結局ソロを歌うような役を観るることができず残念ですが、最後は本当に大輪の花の美しさでした。そしてセーム様、大劇場で観たときとは随分変わっていましたが、もの凄く良かったです!卒業は残念ですが、最後にいい役で、物語をしっかり締めてくれたことが嬉しいです。



華美さんのセーム様は、ものすごく息子への依存度の高い母親、でした。大劇場ではそんなに思わなかったのになあ…。息子を溺愛して、すさまじく甘やかしていそうな感じ。
ヨン・ガリョが割と“強い父親”像だったので、そこでバランスを取っている気がしました。

で。
母親に溺愛され、甘やかされて育った星組版のホゲ。ところどころで“ちょ、ちょっとテルくん、大丈夫?”と思ってしまったくらい、母と子の愛は濃くて深くて、深すぎな気がしました(- -;。
母子が同期で仲がよいから、とかだけじゃないと思うんですよね、アレは。芝居自体が、あるいは演出自体がそういうものになっていた、と思う。そして、華美さんのしっとりとした美しさと熱量のある演技は、その演出意図にしっかり応えていたんだろうな、と。



で。溺愛されたホゲ様につて(^ ^)。

先日、CSで流れていた大劇場のアフタートークを見ていたら、「ラストシーンのゴンドラに乗るとしたら、誰と乗りたいですか?」という質問がありまして。これに、質問者のコメントとして、「…ホゲ様は、やっぱりお母様とでしょうか?」というのがついていたんですよね。
そのときは「おいおい、んなわけないじゃん!」と思ったのですが。
舞台を観て、もの凄く納得してしまいました(^ ^;ゞ。確かに、テルくんのホゲは、ちょっとそんな雰囲気があったと思います。いわゆる“マザコン”的な、共依存の関係が。




…花組版は残念ながらそういう機会がありませんでしたが、もし花組版でもアフタートークがあって、同じ質問が出たとしても、コメントは違っていたんじゃないかな、と思うんですよね。むしろ、「チョク・ファンですか、それともイルスですか?」みたいな(滝汗)、そっちに流れたんじゃないかな、と(←単に私が気になってるだけですが)


うん。
花組版のホゲは、どちらかというと男同士の関係が強く印象に残り、
星組版のホゲは、どちらかというと女性との関係が印象としては残りやすかった、ような気がします。
小池さんの意図としては、タムドクとホゲの関係をシンプルにしよう、というのがあったんじゃないかな、と。セームとホゲの関係を強調し、ホゲのキハに対する想いを“純愛”側にふったことで、ホゲとタムドクとの関係は、シンプルな恋敵になりますから。




そう。「キスが巧い」という理由で「愛のない結婚」の場面でキハとキスすることになった大空ホゲ(「カサブランカ」制作発表での小池さんの発言より)と、本来の小池脚本どおり、キスはせず、「指一本ふれていない」という台詞も残った凰稀ホゲ。


なんだか今更書くと後出しジャンケンみたいなんですけど(^ ^;、私は、大劇場で星組版を観たときに、そうだよね、このホゲはキスしないよね、と思ったクチなんです。まさか、こちらが元々のカタチだとは思わなかったのですが、『こういうホゲもありだよなあ』、と。



私は、花組版のホゲは、キハ自身を愛してはいない、と解釈していたりするんです。
彼が愛したのは、「俺を王だと言った巫女」であって、「キハ」じゃない。
だけど、「愛のない結婚」の場面で彼の隣に立つ女は、「神懸って託宣を宣べる巫女」じゃなくて、正気の「キハ」、ただの女なのです。だから彼は、その“生身の女”にキスをすることで、「巫女」を縛ろうとする。自分の傍に。

祐飛さんのホゲは、キスをすることで自分の闇を再確認していたわけで、そこに愛はなかった。キスをする対象は、彼にとっての愛の対象ではなかったのだから。



でも、星組版のホゲは、キハの美しさに目が眩んで(?)、女としてのキハに恋をしているんですよね。もちろん「俺を王だと言った巫女」だからこそ、の恋なんですけど、でも、キハ自身に惚れていることも間違いない。
だから、彼は、恋しい女に“指一本触れられない”。彼女が愛しているのが誰なのか、わかってしまったから。



「俺が愛したのは炎の巫女」「お前が/私が愛したのは真の王」という歌が、星組と花組で全然違う意味に聞こえてきたのが面白いなあ、と。
花組版では、「俺が愛したのは炎の巫女」=「お前(キハ)じゃない」と聞こえ、「私が愛したのは真の王」=「あの人こそが真の王だから、私はあの人を愛した」「だが、今お前の隣にいるのは俺だ」と。
星組版では、「俺が愛したのは炎の巫女」=「お前こそが(俺の)炎の巫女」と聞こえ、「私が愛したのは真の王」=「私が愛したから、彼は(私にとっての)真の王になった」「ならば、俺もお前に愛されれば王になれる」、と。

そうと知ってもお前を/私を抱く
いつわりの愛に、この身をやつして……


……あれ?でも、ホゲはキハを抱かないよね……?(今頃気づいた)(あれ?星組版は歌詞変わってましたっけ?)(おろおろ)



考えてみれば、普通に男女三人の三角関係になっていた星組版の方が本来の形だ、というのは、宝塚なんだから当然なことで。花組版の、タムドクとホゲがお互いに依存しあって、それにキハが絡むという歪つな関係の方が、宝塚的には特殊なんですよね(^ ^;ゞ。
私みたいな深読み好きなファン(←少数派?)には、その歪さこそが興味深かったのですが(T T)。…まぁ、若い礼音くんを中心とする星組のトップコンビお披露目公演なんだから、シンプルで解りやすい三角関係が正解だし、キャストも皆さんも良く嵌っていたと思います(^ ^)。









話は変わるのですが。

大劇場では、ばたばたしてプログラムを買いそこね、下級生を全くチェックできなかったので、今回は事前チェックをがんばりました♪

そして。
最初の凱旋の場面で、黄色の親子(長が水輝涼、息子が天寿光希)が乾杯して仲良く喋っているのをみて、なんだかそれだけで幸せで。他のことはかなりどうでもよくなってしまった(^ ^)。
いやぁん、水輝くんも天寿くんも大好きだ☆

で。この親子、並んでみるとなんとなーく、あご周りの輪郭が似ている……ような気がするんですけど、気のせいでしょうか(汗)。



天寿くんといえば。最初のポンファ通での鴨のソロ(花組では真瀬くんが歌っていたところ)が天寿くんであることに、全然気づいていなかった……遅いっ(汗)。場面が始まったとき、どこに居るんだろう?と思って端から探していたんですよね。ああ、良かった気がついて!!いい声だなあ(*^ ^*)。
だいぶ本格的に嵌りつつあるみたいで、武道大会とかめっちゃ黄色チームばかり視てしまいました(滝汗)。身のこなしが軽くて可愛いなあ(←贔屓目?)。

あと、黒チームは面帽を降ろしているので、どれがセドル(壱城あずさ)だか判らず、すごく必死で探してしまいました。長の息子は腰帯が紅いことに気づいたのは、既に大会も終盤(涙)。ああ、もう少し早く気づきたかった……(←花組では気づかなかったんかい!!)(だって花組では探さなくても判ったからーーー)


新公でひっかかった本城くれはさんも気になるし、観客席のキトリちゃんは表情豊かでめっちゃ可愛いし、やっぱり武道大会は忙しい(T T)。一度や二度ではとても全部は見切れません(涙)。っていうか、やっぱり天寿くんに気をとられすぎ!玄武なんて、上手側の天寿くんしか視えてませんでしたよ……(溜息)





それにしても。
あらためて、最初の凱旋の場面で、ホゲと4部族の息子たちが揃って登場し、笑顔で会話をしてお互いに讃えあっているのを視ると、プルキルの提案した策略って、本当に悲惨な、酷い話なんだな、と実感しますね。
確かに、あの場面があるからこそ、花組版では無理のあった策略が、星組版ではちゃんと策略として成り立っていたんですけれども。

同じ釜の飯を喰い、共に闘った仲間であるはずの息子たちを虐殺する、そんな非道なことを、ヨン・ホゲがするはずが無い!と、誰もが思う。
だからこそ、その罪を、共に戦場に出ていないタムドクにかぶせることが可能になる。



……そうか、そういう策略だったんですね、あれは。

ただ。そこまで非道なことをやってのけてしまえるほどには、ホゲ自身が壊れていなかったのが問題だった、かな…。




すみません、だんだんホゲ様の話が止まらなくなってきましたが……そんなにテルくんのファンだったっけ私?(←いや、それは違うんじゃあ…)。





大劇場では全く思わなかったのですが。
今回、あらためて観劇して。

未来が見えなくなった(たぶん、4部族の息子たちを裏切った時?)あたりから、台詞の無いところでは常に薄嗤いを浮かべるようになるテルくんのホゲ………を、観て。


一年半前に嵌りこんだ、「凍てついた明日」のクライドを思い出しました。



この日記でもずいぶん熱く語ったテルくんのクライドですが。
具体的にどこがどう、ということではないんですが、シリアスな場面で浮かべるうす嗤いとか、そういうものに、クライドの深い絶望と諦念と同じものを感じたんですよね。
行ってはいけないと判っているのに、行き着くところまで行かないと止まれない。それはやっぱり、若さゆえの弱さなのかな、と。

クライドという役が、本質的なところでタータンよりもテルくんのための役になっていたように、ホゲもまた、テルくんの未完成さ、役者としての未熟さ・ヘタレさが、ちゃんとホゲの弱さとして表現されていた。そして、その“テルくんらしい”小器用な弱さが、礼音くんの荒っぽさとちょうどかみ合っていたんですよね。
「凍てついた明日」を2パターン演出した荻田さんも凄かったですが、今回の小池さんのテルくんの使い方も、さすが!と思いました(^ ^)。まあ、礼音くんと相性が良かった、ということなんでしょうけれども。
ますます、今後の星組が楽しみです。




……なんだか、ホゲ様と天寿くんのことしか書いてないような気がする(汗)。
タムドク様は普通に格好良くて、キハ様は普通に可愛くて、プルキル様はどうしたらいいのか解らないほど素敵でした(*^ ^*)。




何はともあれ、お披露目公演、千秋楽おめでとうございましたm(_ _)m。
全国ツアー組も、DC組も、スケジュール厳しそうですけど、がんばってくださいね(^ ^)。
楽しみにしています♪



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