霧矢大夢さん、月組次期トップスター内定おめでとうございます〜〜〜(はぁと)


いやあ、今度ばかりは間違いないだろうとは思っていましたが、やはり正式に発表されると喜びもひとしおですね!!
中日お披露目、宙組の東宝公演が終わったら駆け付けますから、頑張ってくださ〜〜〜い!!
演目と相手役の発表を、楽しみにお待ちしています。

あああ、きりやんで観たい作品が多すぎる〜!(汗)






…で。

シアタークリエにて、「ブラッド・ブラザーズ」を観劇してまいりました。


『blood brother』。
“血を分けた兄弟”“切っても切れないもの”“同胞”“血盟の義兄弟”“戦友”、そして、“黒人同士の仲間”という意味もあるらしいですね。

この作品では、主に1番の意味と2番の意味を重ねて使っていたような気がします。
血を分けた兄弟であることを知らずに、血盟の義兄弟になった二人の、双子の兄弟の、ものがたり。



私は以前、島田歌穂と前田美波里が二人の母親を、そして、双子の兄弟を坂本昌行と赤坂晃が演じたバージョン(2003年だったらしい)を観たのですが……
正直、あのときはあまりぴんと来なかったんですよね。
歌穂ちゃんのジョンストン夫人はすごく良かったんですけど、他の三人がどうもミスキャストな気がして。特にあってないなあと思ったのが美波里さんで、彼女は「マンマ・ミーア」で演じたターニャみたいな、底抜けにポジティヴな、くじけないリアルな女がピッタリ嵌るタイプで、ライオンズ夫人みたいな、なんというか、後ろ向きで影に怯えるようなタイプにはどうしたって見えなかったんですよ。
音楽はいいのに、なんだか勿体無いなあ、という感想で終わった公演でした。


しかし!

今回、何が良かったって、ライオンズ夫人の久世星佳が!!
もう、本当に素晴らしかった!!穏やかでつつましくて、でも、結構追い詰められがちな女性。
思いあまってジョンストン夫人の首に腕を回すシーンの迫力とか、本当に凄かった(汗)。

この物語がそもそも悲劇である以上、あまりポジティヴな登場人物がいると話が合わないんですよね。キャラクターとして、ジョンストン夫人がすごくポジティヴで現実的なタイプなので、ライオンズ夫人は、もう少しこの世とあの世の境目をふらふらと歩いているタイプでないと。
その、絶妙のバランスが素晴らしかった。矛盾だらけの古臭い物語が、すごく説得力をもったのに、彼女の手柄は大きいと思います。



ジョンストン夫人は、私が観たのはTSUKASAでした。
いやーーーー、赤坂ACTシアターで「RENT」を観ながら、ああ、ミミがHIVを乗り越えて生き延びたら、まさにジョンストン夫人みたいなたくましい色気勝負のおっかさんになるのかなあ、、、なんて夢を見ました。(TUKASAは、日本版RENTのオリジナル・ミミ)

いやはや。
「まるでマリリン・モンロー♪」と繰り返す彼女のナンバーの切なさ。
次から次へと子供を産みながら、「でもねぇ、可愛いんですよみんな…」と呟く、とろけるような笑顔。
愛情に溢れた、素敵な母親。ちょっとハスキーな声は相変わらずで。酒と煙草で荒れた声に聴こえるところがまた素晴らしい。
ライオンズ夫人を狂わせるなんて思いもせずに、エディにロケットを渡す場面、とても切なかったです。






ジョンストン家の息子、ジョンストン家に残ったミッキーは、武田真治(8月)。
一幕のわんぱく坊や(だけど兄ちゃんには勝てない)から、二幕の真面目な労働者、そして、獄に入ってからのやつれたメイク……感情の振り幅が一番大きな役で、大変だっただろうなぁ、と思います。
すごく良かったんですけど、まだ開幕したばかりでいっぱいいっぱいだったのも感じたかな。1,2週間たったらさぞ深い芝居になるだろうに…と、ちょっと残念にも思いました。

腕白坊主のときの笑顔が、顔全体で笑っていてとても可愛くて、。
私は、このひとは多分、「エリザベート」のトートしか観ていないと思うのですが、実は、あの突拍子もない解釈のトートが大好きだったんですよね(汗)。役を自分に惹きつけるパワーのある役者だな、というのを凄く感じます。





金持ちのライオンズ家に貰われていったエディは、岡田浩暉(8月)。
何を隠そう、このひとが目当てだったわけですが(汗)。
期待に違わぬ、さすがの芝居でした。いやもう、あのぶっ飛んだ子供時代が最高です。ミッキーより悪ガキだよそれじゃ……と思うくらいな、間抜けでKYな“いい家の坊ちゃん”。
ミッキーが大好きで、ミッキーの傍に居たくて。
ミッキーの彼女だからこそ、リンダが欲しい。ミッキーに恋をしてるリンダと、一日中ミッキーの話をしていたい。そんな壊れた恋心。

彼の、あのさりげなくて実に自然なKYで嫌味な芝居が、本当に素晴らしかった!観客の気持ちを、ちゃんとミッキー側に送り出す空気づくりをきちんとやってのけて、それでも、エディに悪気はないことまできちんと伝えてみせる。凄いなあ、と思います。
最後の演説場面のスーツの似合いようも含めて、このひとのエディを観ることができて、良かったです。



ミッキーの幼馴染のリンダは、鈴木亜美。
とにかく可愛いです。文句なし。スタイルが良くて黄色いドレスがよく似合う。武田さんと並んでも違和感のないサイズなのがとても素敵。
積極的でポジティヴで、一生懸命な可愛い少女。ミッキーとエディ、二人の男に愛されるだけの魅力に溢れて、良かったと思います。




そして。
MCは、かの下村尊則。
劇団四季を退団してから、初めて舞台で拝見しましたが。
……いやあん。夢の配達人がそっこに居るじゃないの〜〜〜〜♪♪♪

何度か書いていますけれども、私はこういう、「説明役」がいるお芝居ってあまり好きではないんですが。
まぁ、さすがにこの話は説明役でもおかないと何がなんだかさっぱりわからないので、仕方ないんだろうなあ……。脚本的にはもう少し処理のしようがあったとは思いますが、この脚本でいく以上、下村さんというキャスティングは神だな、と思いました。
はい。
立っているだけであやしいし。(←怪しい?妖しい?)
ミルク売ってるし。(←ルキーニやってくれないかなあ……)
素敵だし。(←もしもし?)



脚本・音楽は、ウィリー・ラッセル。演出はグレン・ウォルフォード。
ロンドン初演が1983年……25年前、か。
脚本的には弱い部分もありますが、物語のほとんどをジョンストン夫人の視点で紡いでおいて、最後の最後に、ミッキーの一言によって全てを引っくり返してのけた脚本は、もしかしたらものすごく面白いんじゃないか、と思いました。
迷信の扱い方とか、MCが出張りすぎなところとか、ちょっと古臭い感じは否めないんですけどね、でも、テーマや時代はすごく“今”にマッチしているなあ、と思います。
25年前にこれが描かれていたのか、と思うと、しみじみと作家の先見を誉めたい気がします。




暗くて悲惨な物語なだけに、あまり積極的にお勧めはいたしかねるのですが。
……岡田さんのエディ&武田さんのミッキー、この二人の子役なんて滅多に観られるものではないので、観ておいて損はない、かも(^ ^;



コメント

nophoto
hanihani
2009年8月11日11:09

下村さん、ルキーニやってほしいな☆

久世さん、確かに似合いそうだって、観にいく気はいまのところない
音楽は好きなのですが、暗いよ、話が・・・(涙)

それと、博多座に行くお金をためてまして(すみません、ぺこぺこ)

みつきねこ
2009年8月11日23:43

下村さんのルキーニ、観てみたいですよね(はぁと)
ちょっと色気ありすぎなイタリア男になりそうですが。

暗い話なので、無理にお勧めはしません(^ ^)。
個人的には岡田さんのフランツも観てみたいな、と思っていたりします★