世田谷パブリックシアターにて、「江戸の青空」を観劇してまいりました。
この作品は、去年の「A MIDSUNNER NIGHT’S DREAM」~THEじゃなくてAなのが素敵~」と同じく、北九州芸術劇場プロデュース、G2演出。ちょうど今、新国立劇場ではジョン・ケアード演出の夏の夜の夢」をやっていたりするのが面白いなあと思ったりします(^ ^)。
「江戸の青空」は、江戸落語を元にした作品。元ネタになった落語は、「井戸の茶碗」「厩火事」「お神酒徳利」「火焔太鼓」「笠碁」「三軒長屋」「芝浜」「たらちね」「文七元結」「柳田格之進」「らくだ」「和歌三神」。谷さんの一連の落語モノと共通のものもありながら、料理の仕方が違うのが興味深かったです。
まぁ、個人的には『なんで北九州芸術劇場プロデュースなのに“江戸”なんだろう?』とか、『格之進は彦根の人なのに何故標準語なんだろう?』とか、素朴な疑問を抱きつつ(^ ^)。
柳田格之進(西岡徳馬)
元彦根藩士。生真面目すぎるほど真面目な男。四角四面すぎて同僚に疎まれ、浪人する羽目に。心機一転、江戸へ出てくるが、昔を思い出しても先を考えても落ち込むばかり…。
主役らしい主役はいない構成でしたが、基本的に彼を中心に物語は動いていました。なんといっても、ラストに「江戸の青空」を見上げるのは彼だしね。
いやーーー、それにしても西岡さんは格好良いです♪♪♪渋くて素敵(はぁと)。いやもう、声がすばらしいの。ぼそっと喋るたびにドキッとします(*^ ^*)。立ち回りの姿勢の良さとか、本当にしびれるほど素敵で。
西岡さんなら彦根弁(どんなのか知りませんが)で喋ることも余裕で出来ただろうと思うのですが、あえて標準語で演じたのはどうしてなんでしょうね?言葉が違うと、異邦人感がより高まったと思うのですが……実際の高座では、登場人物がどこの出身でも、全部江戸言葉でやるものなのでしょうか…?
くず屋清兵衛(中村まこと)
落語によく出てくるくず屋。格之進の伝家の仏像を預かったばかりに面倒に巻き込まれる彼ですが、最後にちょっと逆襲もしたりして(^ ^)、つくづくと脚本の千葉さん……というか、多分“原案構成”となっている4人(東野ひろあき、千葉雅子、松尾貴史、G2)の凄さを感じさせる役でした★
猫のホテルの看板役者ですが、私が観たのは「NODA・MAP」くらいかな…
いやー、達者な人ですよね。合いの手が実にいい呼吸ではいって、気持ちが良い。西岡さんの格好良さをさりげなーくフォローしつつ、ちゃんと江戸の空気に変えていくところが良かったです。
勝五郎(戸次重幸)
博打好きで飲んだくれの魚屋。ひさしぶりに仕事に出たが、浜辺で五十両の入った財布を拾う。コレ幸いと仲間たちと椀飯振舞のドンチャン騒ぎをするが、翌朝、その拾い物は夢だと女房に言われ、心を入れ替えて真面目に働き始める。
お久(須藤理彩)
勝五郎の女房。たぶん髪結い(?)
冒頭から碁会所で仕事をサボっている勝五郎と大喧嘩をし、家に帰って「厩火事」のネタで勝五郎を試そうとし、彼の大事なのチンチロリンの椀を壊してしまう。
咄嗟に茶碗よりもお久を気遣う勝五郎を見直しかけるが、すぐに「お前がいなくなったら食えねえじゃねえか」と言われてだいぶ拗ねるが、次の日に久しぶりに仕事に向かった亭主にホッと一息…なのも束の間、五十両拾ってドンチャン騒ぎをはじめた夫を懲らしめるため(?)に、その五十両をくず屋の持っていた仏像の中に隠してしまう。
……なんだかすごーく良いコンビでした!舞台の立ち上がりが碁会所での二人の喧嘩なんですが、実に掛け合いのテンポがいい。迫力のある言い争いで、回りで逃げ惑う昼行燈たちがなんだか可愛らしくみえました(^ ^)。
ぽんぽんと文句を言い立てながら、その実、亭主に惚れきっているお久が超可愛い。二枚目ですもんねぇ~~。なんだかんだ言いながら亭主の方も女房に惚れきっているあたり、江戸落語のお約束のような気もしますが、息の合ったよいコンビでした♪
おさき(松永玲子)
お久の妹。しっかり者で口が達者だが、姉のことは結構心配しているらしい。
この姉妹の父親が易者だったことが物語の鍵になるんですが、頭の回転の早いこの女房の方が、亭主の善六より番頭として有能そうに見えるのは私だけでしょうか?(^ ^;ゞ
善六(柳屋花緑)
質・両替の萬屋の番頭で、おさきの亭主。騒ぎに巻き込まれて右往左往する。
出てくるたびに「地味な奴」みたいなことを言われていました(^ ^)が、結構男前だと思うんだけどなあ。
落語が本職の真打ですが、この作品で使われているようなネタは得意なんでしょうかねぇ。私は「宝塚BOYS」くらいしか観ていませんが、台詞がなめらかで声がよくて、高座をきいてみたいなあと思いました。できれば、善六が主役の「お神酒徳利」を♪
文七(小西遼生)
萬屋の手代。碁好きな若者で、舞台最初の碁会所(勝五郎とお久の喧嘩の場)で格之進と知り合い、主人の碁の相手を頼む。
集金の帰り、浜辺でハマナスを摘んでいて五十両を落としてしまい、落ち込む。
「若い」「二枚目」「ハンサム」と言われまくる役でしたが、そ、そんなに…?と思ってしまった……(^ ^;ゞ せっかくの美形も、オペラグラスを忘れると見つけられないものなのね(涙)。
ちょっと生意気な感じがよく出ていて可愛かったです。でも、所作はまだまだだなあ…。
萬屋源兵衛(松尾貴史)
萬屋の主。善六や文七の主人。商いについては堅物で真面目らしいが、大変なケチンボで口喧しい。主人の機嫌が悪いと番頭たちはさぁ大変!ストレスで掃除をしまくり、家の中がピカピカになってしまうほど(^ ^;ゞ
べた惚れの妾・お兼を長屋に囲っていて、日々スケベ親父ぶりを発揮しているが、その両隣が勝五郎・お久の鉄火な夫婦と、反対側は千代田朴齋の道場。この両隣を追い出して、三軒長屋をぶち抜きたいと思っている……。
原案構成のメンバーに入っているだけあって、難しい役を引き受けたな、と思いました(^ ^)。いろんな作品を組み合わせたストーリーの要になっているというか、いろんなストーリーの矛盾を一手に引き受けたような役でしたね。プログラムでも書いておられましたが、碁への熱中ぶりと、お金への執着と、お兼への執着(色好み)、どれが上なのかなあ、と思いながら観てました。あれだけのケチンボ設定なら、碁に夢中になるあまり五十両の大金をチェックもせずに棚にしまわせるとかあり得ないし、そんなお宝と客人を置いてはばかりに行ったりもしそうにないし…。物語の要の部分なのにちょっと疑問、だったのがすこーし残念でした。
…今頃気づきましたが、善六も文七も違う作品(善六は「お神酒徳利」文七は「文七元結」)の主人公なのに、こうやって並べると六→七と順番がそろうんですねぇ(感心)。っていうか、偶然…?
お兼(蘭香レア)
源兵衛の妾。
仇っぽい美女、という設定があまりにもぴったりすぎて、うっとりしてしまいました。なんども書いているような気がしますが、とにかくあの声が好きだ!!あの声と、抜いた襟元にしどけない所作、そして、何と言ってもあの気怠げな喋り方!!
いやあん、レアちゃん本当に素敵~~~♪
朴齋にコナをかけるところでサービスしてくれる脚が、白くてとってもキレイだけど、筋肉質であんまり色っぽくないところはご愛嬌(笑)。
お絹(いとうあいこ)
格之進の娘。
生真面目で損をしがちな父親にそっと寄り添いながらも、武士の娘らしい気丈さ、何かコトがあれば一歩も引かない気迫もあって、実に良い役でした。
いとうさんははじめて拝見しましたが、可愛い人ですね(はぁと)。文七に淡い恋心を抱いていたのか、ぜーんぜん気づいていないのか、どっちともとれる演技でしたが、あまりに可愛いのでどっちでもいーや、という気分になりました(*^ ^*)。
千代田朴齋(吉田鋼太郎)
勝五郎・お久夫婦と同じ長屋で剣術道場をやっている。女好き。
…本来は講釈師らしい(笑)。
いやーーー、胡散臭さ、インチキ臭さがダダ漏れしていて、実に素敵でした(はぁと)。「ムサシ」の柳生宗矩も良かったけど、今回は最初からインチキだから(笑)。きっと、格之進みたいなお侍さんに憧れて、「あんなふうになりたいなあ…」と思って、役者気分で道場はじめたんだろうな、みたいな(爆)、そういう子供みたいに素直な胡散臭さ。
明るくて、いい加減で、めげなくて、太っ腹で、子供っぽくて。いいキャラクターだなあ、と思います。格之進も、この人をみていたら“生真面目”とか“四角四面”でない自分を考え始めちゃうよねえ、と納得してしまいました(笑)。
山坂転太(植本潤)
花組芝居の植本さん。去年のパックも素晴らしかったけど、今回もさすが!!G2演出とは相性がいいのかも。テンポがよくて、出てくるだけでふっと空気が変わるのが凄いなー。
ストーリーは、登場人物が複雑に絡み合って込み入っているけれども、解りやすくてとても楽しかったです。因果はめぐる五十両。いい加減でてきとーな江戸の町民たちの中にまざった、たった独りの異邦人が、新しい生き方を見つけてふたたび故郷に向かって旅立つまでの物語。
それはただの“帰郷”ではなく、やはり“旅立ち”なのだ、と、江戸の青空を見ながら思う、
……そんな物語。
渋くてカッコいい西岡さんが、最後にふと見せる微かな笑顔が、とても優しげでよかったです。
素敵な物語をありがとう(^ ^)/。
世田谷PT公演は明日で終わりですが、これから北九州をはじめ、各地を回るみたいなので、お近くの方はぜひ足をお運びください♪♪
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この作品は、去年の「A MIDSUNNER NIGHT’S DREAM」~THEじゃなくてAなのが素敵~」と同じく、北九州芸術劇場プロデュース、G2演出。ちょうど今、新国立劇場ではジョン・ケアード演出の夏の夜の夢」をやっていたりするのが面白いなあと思ったりします(^ ^)。
「江戸の青空」は、江戸落語を元にした作品。元ネタになった落語は、「井戸の茶碗」「厩火事」「お神酒徳利」「火焔太鼓」「笠碁」「三軒長屋」「芝浜」「たらちね」「文七元結」「柳田格之進」「らくだ」「和歌三神」。谷さんの一連の落語モノと共通のものもありながら、料理の仕方が違うのが興味深かったです。
まぁ、個人的には『なんで北九州芸術劇場プロデュースなのに“江戸”なんだろう?』とか、『格之進は彦根の人なのに何故標準語なんだろう?』とか、素朴な疑問を抱きつつ(^ ^)。
柳田格之進(西岡徳馬)
元彦根藩士。生真面目すぎるほど真面目な男。四角四面すぎて同僚に疎まれ、浪人する羽目に。心機一転、江戸へ出てくるが、昔を思い出しても先を考えても落ち込むばかり…。
主役らしい主役はいない構成でしたが、基本的に彼を中心に物語は動いていました。なんといっても、ラストに「江戸の青空」を見上げるのは彼だしね。
いやーーー、それにしても西岡さんは格好良いです♪♪♪渋くて素敵(はぁと)。いやもう、声がすばらしいの。ぼそっと喋るたびにドキッとします(*^ ^*)。立ち回りの姿勢の良さとか、本当にしびれるほど素敵で。
西岡さんなら彦根弁(どんなのか知りませんが)で喋ることも余裕で出来ただろうと思うのですが、あえて標準語で演じたのはどうしてなんでしょうね?言葉が違うと、異邦人感がより高まったと思うのですが……実際の高座では、登場人物がどこの出身でも、全部江戸言葉でやるものなのでしょうか…?
くず屋清兵衛(中村まこと)
落語によく出てくるくず屋。格之進の伝家の仏像を預かったばかりに面倒に巻き込まれる彼ですが、最後にちょっと逆襲もしたりして(^ ^)、つくづくと脚本の千葉さん……というか、多分“原案構成”となっている4人(東野ひろあき、千葉雅子、松尾貴史、G2)の凄さを感じさせる役でした★
猫のホテルの看板役者ですが、私が観たのは「NODA・MAP」くらいかな…
いやー、達者な人ですよね。合いの手が実にいい呼吸ではいって、気持ちが良い。西岡さんの格好良さをさりげなーくフォローしつつ、ちゃんと江戸の空気に変えていくところが良かったです。
勝五郎(戸次重幸)
博打好きで飲んだくれの魚屋。ひさしぶりに仕事に出たが、浜辺で五十両の入った財布を拾う。コレ幸いと仲間たちと椀飯振舞のドンチャン騒ぎをするが、翌朝、その拾い物は夢だと女房に言われ、心を入れ替えて真面目に働き始める。
お久(須藤理彩)
勝五郎の女房。たぶん髪結い(?)
冒頭から碁会所で仕事をサボっている勝五郎と大喧嘩をし、家に帰って「厩火事」のネタで勝五郎を試そうとし、彼の大事なのチンチロリンの椀を壊してしまう。
咄嗟に茶碗よりもお久を気遣う勝五郎を見直しかけるが、すぐに「お前がいなくなったら食えねえじゃねえか」と言われてだいぶ拗ねるが、次の日に久しぶりに仕事に向かった亭主にホッと一息…なのも束の間、五十両拾ってドンチャン騒ぎをはじめた夫を懲らしめるため(?)に、その五十両をくず屋の持っていた仏像の中に隠してしまう。
……なんだかすごーく良いコンビでした!舞台の立ち上がりが碁会所での二人の喧嘩なんですが、実に掛け合いのテンポがいい。迫力のある言い争いで、回りで逃げ惑う昼行燈たちがなんだか可愛らしくみえました(^ ^)。
ぽんぽんと文句を言い立てながら、その実、亭主に惚れきっているお久が超可愛い。二枚目ですもんねぇ~~。なんだかんだ言いながら亭主の方も女房に惚れきっているあたり、江戸落語のお約束のような気もしますが、息の合ったよいコンビでした♪
おさき(松永玲子)
お久の妹。しっかり者で口が達者だが、姉のことは結構心配しているらしい。
この姉妹の父親が易者だったことが物語の鍵になるんですが、頭の回転の早いこの女房の方が、亭主の善六より番頭として有能そうに見えるのは私だけでしょうか?(^ ^;ゞ
善六(柳屋花緑)
質・両替の萬屋の番頭で、おさきの亭主。騒ぎに巻き込まれて右往左往する。
出てくるたびに「地味な奴」みたいなことを言われていました(^ ^)が、結構男前だと思うんだけどなあ。
落語が本職の真打ですが、この作品で使われているようなネタは得意なんでしょうかねぇ。私は「宝塚BOYS」くらいしか観ていませんが、台詞がなめらかで声がよくて、高座をきいてみたいなあと思いました。できれば、善六が主役の「お神酒徳利」を♪
文七(小西遼生)
萬屋の手代。碁好きな若者で、舞台最初の碁会所(勝五郎とお久の喧嘩の場)で格之進と知り合い、主人の碁の相手を頼む。
集金の帰り、浜辺でハマナスを摘んでいて五十両を落としてしまい、落ち込む。
「若い」「二枚目」「ハンサム」と言われまくる役でしたが、そ、そんなに…?と思ってしまった……(^ ^;ゞ せっかくの美形も、オペラグラスを忘れると見つけられないものなのね(涙)。
ちょっと生意気な感じがよく出ていて可愛かったです。でも、所作はまだまだだなあ…。
萬屋源兵衛(松尾貴史)
萬屋の主。善六や文七の主人。商いについては堅物で真面目らしいが、大変なケチンボで口喧しい。主人の機嫌が悪いと番頭たちはさぁ大変!ストレスで掃除をしまくり、家の中がピカピカになってしまうほど(^ ^;ゞ
べた惚れの妾・お兼を長屋に囲っていて、日々スケベ親父ぶりを発揮しているが、その両隣が勝五郎・お久の鉄火な夫婦と、反対側は千代田朴齋の道場。この両隣を追い出して、三軒長屋をぶち抜きたいと思っている……。
原案構成のメンバーに入っているだけあって、難しい役を引き受けたな、と思いました(^ ^)。いろんな作品を組み合わせたストーリーの要になっているというか、いろんなストーリーの矛盾を一手に引き受けたような役でしたね。プログラムでも書いておられましたが、碁への熱中ぶりと、お金への執着と、お兼への執着(色好み)、どれが上なのかなあ、と思いながら観てました。あれだけのケチンボ設定なら、碁に夢中になるあまり五十両の大金をチェックもせずに棚にしまわせるとかあり得ないし、そんなお宝と客人を置いてはばかりに行ったりもしそうにないし…。物語の要の部分なのにちょっと疑問、だったのがすこーし残念でした。
…今頃気づきましたが、善六も文七も違う作品(善六は「お神酒徳利」文七は「文七元結」)の主人公なのに、こうやって並べると六→七と順番がそろうんですねぇ(感心)。っていうか、偶然…?
お兼(蘭香レア)
源兵衛の妾。
仇っぽい美女、という設定があまりにもぴったりすぎて、うっとりしてしまいました。なんども書いているような気がしますが、とにかくあの声が好きだ!!あの声と、抜いた襟元にしどけない所作、そして、何と言ってもあの気怠げな喋り方!!
いやあん、レアちゃん本当に素敵~~~♪
朴齋にコナをかけるところでサービスしてくれる脚が、白くてとってもキレイだけど、筋肉質であんまり色っぽくないところはご愛嬌(笑)。
お絹(いとうあいこ)
格之進の娘。
生真面目で損をしがちな父親にそっと寄り添いながらも、武士の娘らしい気丈さ、何かコトがあれば一歩も引かない気迫もあって、実に良い役でした。
いとうさんははじめて拝見しましたが、可愛い人ですね(はぁと)。文七に淡い恋心を抱いていたのか、ぜーんぜん気づいていないのか、どっちともとれる演技でしたが、あまりに可愛いのでどっちでもいーや、という気分になりました(*^ ^*)。
千代田朴齋(吉田鋼太郎)
勝五郎・お久夫婦と同じ長屋で剣術道場をやっている。女好き。
…本来は講釈師らしい(笑)。
いやーーー、胡散臭さ、インチキ臭さがダダ漏れしていて、実に素敵でした(はぁと)。「ムサシ」の柳生宗矩も良かったけど、今回は最初からインチキだから(笑)。きっと、格之進みたいなお侍さんに憧れて、「あんなふうになりたいなあ…」と思って、役者気分で道場はじめたんだろうな、みたいな(爆)、そういう子供みたいに素直な胡散臭さ。
明るくて、いい加減で、めげなくて、太っ腹で、子供っぽくて。いいキャラクターだなあ、と思います。格之進も、この人をみていたら“生真面目”とか“四角四面”でない自分を考え始めちゃうよねえ、と納得してしまいました(笑)。
山坂転太(植本潤)
花組芝居の植本さん。去年のパックも素晴らしかったけど、今回もさすが!!G2演出とは相性がいいのかも。テンポがよくて、出てくるだけでふっと空気が変わるのが凄いなー。
ストーリーは、登場人物が複雑に絡み合って込み入っているけれども、解りやすくてとても楽しかったです。因果はめぐる五十両。いい加減でてきとーな江戸の町民たちの中にまざった、たった独りの異邦人が、新しい生き方を見つけてふたたび故郷に向かって旅立つまでの物語。
それはただの“帰郷”ではなく、やはり“旅立ち”なのだ、と、江戸の青空を見ながら思う、
……そんな物語。
渋くてカッコいい西岡さんが、最後にふと見せる微かな笑顔が、とても優しげでよかったです。
素敵な物語をありがとう(^ ^)/。
世田谷PT公演は明日で終わりですが、これから北九州をはじめ、各地を回るみたいなので、お近くの方はぜひ足をお運びください♪♪
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