宝塚大劇場にて、宙組公演「薔薇に降る雨/Amour それは…」を観劇してまいりました。



初舞台生の口上は、晴音アキさん、凰津りささん、輝月ゆうまさん。二人目の凰津さんの声がとても素敵でした。いい声が聴けて幸せ(*^ ^*)。
元星のゆかりちゃん(綺華れい)にそっくりな人がいてびっくりしました。プログラムの写真を見てもいまひとつ確信が持てず……誰だったんだあれは。ロケットでもすごく目立っていたのですが。
しかし、初舞台生ロケットは、何度観ても楽しいですね!本当に“フレッシュ!”って感じで。
エトワールのまさみちゃん(美羽あさひ)の周りを囲む雛鳥たちが、本当にキラキラしていました♪




この作品、プログラムの表紙のタニちゃんが凄く素敵ですね!とくに、私は裏表紙の後姿のシルエットが、ライティングからなにから完璧な出来でめっちゃ感動してしまいました。
正塚さん、ポスターも良かったしプログラムも素晴らしいし、舞台面も綺麗だし、そういうセンスはホントに凄いなあ、と毎回感心します。



作品としては、「愛するには短すぎる」とちょっと似た展開でした…よね?
昔愛し合っていたのに故あって別れた恋人たちが、数年ぶりに再会する。けれども二人は、もう違う道を歩いてしまっている……。(ずいぶん乱暴なまとめですが)
男には恋人(美羽あさひ)がいて、女には婚約者(悠未ひろ)がいる。
男にとっての恋人は空気のような存在で、
女にとっての婚約者は、家を救ってくれる大富豪……。


ちょっとした陰謀がらみの事件を解決して、もつれた糸を解くのが調査会社を営むタニちゃんなわけですが。
この陰謀がまた、解決含めていかにも正塚さんらしい“やっつけ仕事”なので、細かいツッコミはしませんが。どうも正塚さんは、「マリポーサの花」くらい真剣に取り組むとちゃんと細かいところまでつじつまを合わせてくるけど、こういう軽いタッチの恋愛モノになると「とりあえずなんか事件をおこしとけ」的ないい加減さがありますよね。

それでも、主役が格好良ければそれで良いのが宝塚ではありますが。



ただ、やっぱり物語の根幹に関わるところで、イヴェットの父親(寿つかさ)が、『7年前、娘を閉じ込めてまで平民の男と別れさせようとした厳格で貴族的な父親』というイメージとは全く違うキャラクターだったのは……ちょっとどうかと思いましたね。
でも、すっしーさんのキャラクターを変えてしまうと後半の話が成り立たないので、イヴェットがジャスティンに語る言い訳を変えればいいと思うんですよ。実際、あの父親を見てしまうと、あれはあくまでも言い訳で、実際には閉じ込められたりしたわけではなく、イヴェット自身の意思がくじけてしまって列車から降りられなかったんだろうな、とは思ったんですけどね。
ウメちゃんは、ちゃんと「嘘吐きな女」としてイヴェットを創っていたので、それはそれで良いような気もしますが。



みーちゃん(春風弥里)とえつこちゃん(大海亜呼)の二人は、最初のクラブシーンですでに「7年前のジャスティンとイヴェット」なんですね。(役名は“コロス”)
二人が「愛の一夜」を過ごす場面のダンスは、平澤智さんの振付なんですね。清冽な激情のダンスで、とても良かったです。動きが軽やかで重さを感じないところが幻影らしくていい。平澤さんってこういう振付もするんだ……と、目から鱗の数分間でした。
翌朝、髪を降ろしたイヴェットの気怠げな風情に、惚れ直しました(*^ ^*)。ウメちゃんであのダンスを観たかった!



タニちゃんのジャスティンは、正塚作品の主人公にしては随分饒舌。
あんなにベラベラと自分の過去やら未来の夢やらを語りまくる主人公って珍しくないですか?突然ペンギンを視にいきたくなったりしても、その理由やら何やらを喋り捲ったりする人は今までいなかったような気がするんですが…。
やっぱりタニちゃんだと、若さに任せてなんでも言っちゃう(黙っていられない)男になってしまうのかしらん。


むしろ、蘭トムくんのヴィクトールの方が、寡黙でしっかりもので有能で、従来の正塚作品の主人公っぽい(笑)。立ち位置としては「愛するには短すぎる」のトウコさんの役みたいな感じでしたけど、『元々二人は親友だった』とか『ヴィクトール → イヴェットの片想い』という設定がない分、主役コンビとの絡みが薄くなって、有能で仕事熱心なところが前面に出ていました。
その分、回りの卒業生たちとさりげなーく絡んだりして、面白い役になっていたような気がします。



あと、今回印象的だったのはゆっち(彩苑ゆき)の公爵夫人。すごく良かったです!最初気がつかなくて、あの巧い人は誰だろう?とか思っていたのですが。
威厳と重々しさがあって、なのに軽みもあって、実にいいお芝居でした。正塚さんありがとう。

卒業生ではまちゃみも良かったです。リアル感のないタニウメのコンビに対して、良い感じに現実味があって。“現実”を引きずる重たさを感じさせて、良い意味で存在感がありました。
ぱっと目を惹く華やかさのある人ではありませんが、しっとりとした柔らかさがあって、こういう役はいいなあと思います。これまた正塚さんありがとう!!と凄く思いました♪



…書きたいことはいろいろあるんですが、ネタバレしないでこれ以上のことを書くのが難しいので、東宝に来るのを待つことにします。


ショーはただただひたすら“綺麗”。
美しくて華のあるトップコンビがいると、これだけ「ただただ美しいだけ」の場面が続いても十分楽しめますね。とりあえずどの場面のウメちゃんも溜息が出るほど美しくてうっとりしました。タニちゃんももちろん綺麗!
麗しくて華やかでうっとりできた一時間でした。





幸運にも前楽を観ることができましたので、今更ですが、「大和悠河サヨナラショー」の曲目リストだけアップさせていただきます。

すっしーさんがタニちゃんの経歴を読み上げている間に、ちゃんと光る触角をつけたアスカルゴ(華凜もゆるさん)が袖から登場。読み終わった原稿を奪い取って、分厚い白い本を渡す…

○「宙・ファンタジスタ」プロローグ(全員)
残念ながら、卵のセットは無し。タニちゃんは後姿でせり上がり、組子全員の「ファンタジスタ!」の叫びと共に振り返ってスポット。
「トップスター・タニちゃん」の始まりを告げたあの印象的なショーを、サヨナラショーの始まりに持って来るあたりはさすが、と嬉しくなりました。

○「シンデレラ・ロック」(タニちゃん)
銀橋で2+6カラットと。いやー、映像でしか観てないのに凄く好きになった作品で、タニちゃんの原点だなあと思います。「若さスパークリング」な2+6カラット(トムくん、みっちゃん、ともちん、七帆くん、十輝くん、みーちゃん、大くん、ちーちゃん)のがんばりっぷりが可愛い(^ ^)。

○「コパカバーナ」ボレロ(タニちゃん)
どっかで聴いた曲……とだいぶ悩んでしまいました(星組版しか観ていないので/汗)

○「エイジ・オブ・イノセンス」(まちゃみ)
懐かしかった……。可愛かったなあ、まちゃみ。ちょっとウザい役でしたけど(^ ^;)

○「バレンシアの熱い花」瞳の中の宝石(タニちゃん・ウメちゃん → ゆっち)
フェルナンドとイザベラで歌ったあと、デュエットダンスのバックでゆっちのソロ。このソロはかなり絶品でした。かなり泣けた。
…でも、本当はロドリーゴとシルヴィア(全ツ版/七帆&まちゃみ)にも出てきて欲しかった……。

○「UNDERSTUDY」(七帆)
良い歌でした。残念ながら舞台は観られなかったのですが、初めて生で聴いて、思わず泣けてしまいました。
七帆………どうして辞めてしまうの(泣)あんなに素敵なのにどうしてどうして……(繰り言)。

○「雨に唄えば」Good Morning!(ウメちゃん)
トムくん、みっちゃんと三人で。
わざわざサヨナラショーのある前楽を観に行った最大の目的は、大好きだったウメちゃんのキャシーを観るためだったので、もんのすごぉく嬉しかったです!!
タップも相変わらず軽やかで華やか。いやー、本当に可愛いよぉ~(はぁと)ウメちゃんのキャシー、本当に大好きだったんですよぉ(感涙)

○「雨に唄えば」Singi’ In The Rain(タニちゃん)
銀橋を一人渡り。さすがに雨は降りませんでしたが。

○「The Last Party」LIFE(タニちゃん)
「雨に唄えば」からそのまま続けて、だったと思いますが、タニちゃん完全に泣いちゃってて、最初歌になりませんでした。サビに入ってやっと復活、という感じ。
たぶん、舞台でもそうやって歌っていらしたんでしょうね。ああ、宙組さんにとっては、スコットはあくまでもタニちゃんただ一人なんだろうなあ、と寂しく想いながら。

○「A/L」
大階段でのダンス。娘役さんたち+タニちゃん→ウメちゃん。

○「宙・ファンタジスタ」(男役)
大階段のダンス。カッコよかった!!(感涙)

○「外伝・ベルサイユのばら」
最初卒業生が全員並んでて、ウメちゃんがセンターに来て、、、そのへんでちょっと泣いてしまったので記憶が曖昧ですが、その後組全員が揃って、最後にタニちゃんがセリ上がり(?)だったような気がします。




タニちゃんらしい、清清しくて爽やかなサヨナラショーでした。
月組ファン的には月組時代が「シンデレラ・ロック」一本だったのは残念ですが、その後の方が長くて濃いんだから仕方ないのかな。

ただ、星組さんの公演でも思ったんですが、トップコンビ同時退団の場合でも、コンビのサヨナラショーではなく、あくまでもタニちゃんのサヨナラショーに卒業同期がちょっと特別扱い、みたいな感じになるものなんですね。ウメちゃんのファン的には、ちょっと寂しいかも。
まぁ、娘役のサヨナラは千秋楽にしかショーがつかないから、私みたいな軽いファンがふらっと観たりできないので、ありがたいことですが。




今日は千秋楽でしたね。
観ることはできませんでしたが、タニちゃん、ウメちゃん、ゆっち、七帆くん、まちゃみ、華凜さん、美牧さん、香翔さん、萌野りりあちゃん、咲真さん、みんなみんなお疲れ様でした♪
この大切な日に、素晴らしいお天気になって何よりでした。ファンの皆様が悔いなくお見送りできたことを祈ります。

そして、宙組の皆様、東京でお待ちしていま~す♪



コメント

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りりー
2009年5月19日20:55

ゆかりさん似の人というのは、麗奈ゆうさんではないでしょうか?
私も似てるなぁと思っていたので!

みつきねこ
2009年5月19日23:30

麗奈ゆうさんですか!ああ、やっぱりそうですよねぇ……。たぶんそうだと思います!
綺麗な人ですよね!これからもチェックしてみたいと思います♪

りりーさま、ありがとうございましたm(_ _)m。