SWAN~白鳥の乙女
2009年4月19日 宝塚(雪)東京會舘にて、白羽ゆりミュージックサロン「SWAN」を観ることができました♪
出演は、雪組84期の三人。白羽ゆり・音月桂・麻樹ゆめみ。
となみちゃんとキムちゃんは、舞台でも絡むことが多いんですけど、ゆめみちゃんはあんまり絡まないので、「あ、そういえばこの三人で同期なんだなー」と思ったのですが……
先月観たあすかちゃんの「Postlude」は、普通のディナーショーにかなり近い形式でしたが、となみちゃんは完全に 入団してからの10年間(音楽学校時代も含めて12年間?)を振り返る という形式でした。
最初に初舞台公演の「未来へ」と「シトラスの風」で始まって、カラマーゾフの「心の中の神」で終わる、その構成も実に見事でした。構成・演出は、ベテランの三木さん。となみちゃんをセンターに立たせつつ、キムちゃんの見せ場もきちんと作って、ゆめみさんの場面もつくって……それでいて寄せ集め感のない、流れるような“ベテラン”らしい味のある構成でした。
初舞台の二曲が終わって、ちょっとトークをはさんで「下級生時代の曲をお聞きください」と始まったのが、BLUE MOON BLUEより、「二人だけのデート」。
可愛い曲でしたが、あのローズルーム一杯に詰め込まれた観客の、いったい何割が当時のとなみちゃんを知っているんだろう? な~んてことを思いました。
本公演はもちろん、当時はまだ新人公演とかでも大した役はついてなかったんですよね。まぁ、「BLUE MOON BLUE」は、ウサギちゃんという大役がついていたので映像で観てもすぐわかりますけど。本当に可愛かったなぁ……(*^ ^*)。となみちゃんが卒業したら、ウサギちゃんたちもあーちゃん(花瀬みずか)を残すのみ、になるんですね。博多ウサギもとっくに卒業してしまったし。“この中から何人トップが出るだろう?”とワクワクしていたのに、結局となみちゃんだけ。……皆可愛かったのになあ(T T)。
続いて、キムちゃんとのデュエットで「逃れえぬ想い(更に狂わじ)」。……いやぁ、これタニちゃん(それも9年前の!)とのデュエットだったんだよね。……ありがとうキムちゃん。あらためて聴くと、いい歌だわ本当に。
となみちゃんも本当に歌が巧くなったなあ、としみじみ懐かしいです。
「更に狂わじ」。…書いてる途中で根本ストーリーが大きく変わったのが丸見えな作品で、いろいろ惜しいところはありましたが、今につながる大野さんの香気が色濃く漂っていた作品。また何かの機会に再演してほしいなあと思っています。……動員に苦戦しがちな日本物で、しかも主演(きりやん)が娘役とは恋愛しない作品なので、難しいとは思いますけれども。
キムちゃんが引っ込んでとなみちゃんだけが残り、ゆめみさんが出てきて、二人で「あなたと私は裏表」。いやー、可愛い。眼福、眼福。
私はこの作品(日生劇場「風と共に去りぬ」)でとなみちゃん落ちしたので、とても懐かしかったです。スカーレットIIがめっちゃ可愛かったんだもん(*^ ^*)。今回、この曲が選ばれて、ああ、となみちゃんにとってもあの役は大事な役だったんだな、と思って、とても嬉しかったです。
続いてキムちゃんと「モヤモヤモヤ(恋天狗)」のデュエット。途中まで、なんだっけ……「キエレメ・ムーチョ」だっけ?ノバ・ボサ・ノバの曲のどれかにすごく似ていたので、ノバの曲だとばかり思っていましたが。恋天狗だったのか。……そういえば見てないんですよね、あのシリーズは。月組でさえ、何か忙しい時期だったか何かでどうしても行けなくて、すごく悔しい思いをした記憶が……。観たかったなあ(T T)。
で、「タカラヅカ・グローリー」で締めて、もう一度トークに。
「同期でラブソングをデュエットするのは、恥ずかしいけど、嬉しいです……」とか言っていたのはこのときかな?
たぶん、音楽学校時代の思い出を話したのもこのときだと思うんだけど。もしかしたら最初のトークだったかな?(すみません覚えてません)
となみちゃんの方言が凄かったっていう話と、とにかく凄く一生懸命だった…という話くらいで、特に「ココだけの話!」みたいなのは無かったような。とにかく三人仲良いんだな、と微笑ましくなるようなトークでした。
で、となみちゃんが着替えに引っ込んで、キムちゃんとゆめみさんで「そうして彼女は、84期初のトップ娘役になりました!」みたいな前フリをしてから、二人で「ごらんなさい」を歌い始めました。
白スパンの衣装にキメキメの男役メイクで、必死に可愛らしく小公子を演じようとするキムちゃんと、イイ女メイクのままこれまた可愛らしい小公女になりきろうとしているゆめみさんが、それはそれはとても素敵で、眼が離せませんでした。
長いナンバーをフルコーラス歌って、ポーズまで決めたところで、アントワネットのとなみちゃんが登場。
ここはやっぱり、ホンモノの女王様衣装+女王様鬘を期待してしまったのですが、出てきたとなみちゃんは予想外にシンプルな衣装と鬘で。黄色でまとめた髪飾りも、すべてがとても美しく似合っていたんですけど、いかんせん暗転の中で想像していた姿とは全然違っていたので、反射的に「…あれっ?」と思ってしまいました……(^ ^;ゞ
これからご覧になる皆様。残念ながらアントワネット様は登場されませんので、いらん期待をなさいませんように!
歌は「青きドナウの岸辺に」と「ばらのスーベニール」二曲続けて。とても良かったです。衣装のショックから抜けた後は、素直に感動しました。うん、貫禄ついたなあ、、、と。
二曲歌うと、この衣装はそれでおしまいらしく、軽やかに舞台袖へ引っ込みます。そして、ラテンな衣装に着替えたキムちゃんとゆめみさんの「コパカバーナ」。すごく良かったです!やっぱりキムちゃんにはラテンが似合う。(ゆめみさんには何でも似合います♪)
途中から、紅の衣装に着替えたとなみちゃんも加わって、三人で「コパカバーナ」を熱唱。
そして、すぐに続けて「来てよ男」ですよあなた(!)。
となみちゃんの「来てよ男」、ものすご~~~く好きだったので、めっちゃ嬉しかったです。ああ、ピアノのセットが欲しかったよっ!(涙)。キムちゃんの合いの手もタイミングよく入って、お稽古期間なんてほとんど無いのに、同期ってすごいなあ、と感心しました。
それにしても、となみちゃんの低音の響きの豊かさにはうっとりします。弦楽器みたいな声ですよね。ちゃんと身体が鳴ってるの。チェンジボイスの訓練をして、もう少し低音の響きを残してソプラノが歌えるようになったら、ミュージカル女優としては一流になるのになあ。とりあえず、ミシェル・ルグランの曲を歌うことは決定しているので、がんばってほしいなあと思います☆
ここでまたちょっとトークをはさんだと思うんですが。キムちゃんが着替えに抜けたはずなので、ゆめみさんと二人でつないだはずなんだけど、、、あれっ?すみません、内容覚えてないぞ。何をだっけなー。
とりあえず、「今までは私の出た作品から選ばせていただいたのですが、次はちょっと雰囲気を変えて、大好きな街・NYの歌を聴いてください」というような前フリがあって、客電が落ちると、客席後方からキムちゃんが登場!でした。
そういえば。今回の「SWAN」では、客席登場はほとんどなかったんですよね。となみちゃんは、客席降りは何度かあったけど客席登場は無し。キムちゃんはココと、あとゆめみさんと二人で後方から登場したことが一回あったはず……なんのときだっけ?(私の可愛い海馬よ…)
宝塚のショーで「NY」の場面によく出てくる、太い縦ストライプのジャケットのキムちゃんは、客席を回りながらのNYメドレー。客席いじりも慣れたものです。全ツとかでの客席降り、多いですもんねぇ。
三曲くらいは歌ったのかな?かなりがっつりと「キムちゃん」を堪能できた場面でした。舞台にあがってからも色っぽく歌いつづけて、ちょっとドキドキするくらい格好良かったです。この人がまだディナーショーをやったことがない、ってことが信じられない。好きそうなのに。
しばらーくキムちゃんが歌って、また綺麗に着替えて化粧もちょっと直したとなみちゃんが登場。黒のシンプルなスパンコールドレス。デコルテの美しさと腰まわりの細さ。本当に、こういうシンプルなドレスがよく映えるスタイルだなあ、と感心しながら。
で、二人で「初めての恋(ガイズ&ドールズ)」。月組で「ガイズ」を上演したときは、となみちゃんはもう組替え後だったんですよね。…残念だなあ。となみちゃんのサラ、当たり役になったんじゃないかと思うのに…。ぱっと眼を惹く美しさと気の強さ、そして酔っ払ったときのコケティッシュさ。うーん、ぴったりだと思うんだけど(*^ ^*)。
ここでもう一度トークをはさみます。とりあえず、着替えるために袖に入ったキムちゃんの話で盛り上がっていたのはココかな?「頼りになるね」っていう話から、「あんなに可愛かったのに…」みたいな話になって。「いや、今でも可愛いよ」「いや、頼りになりますよ」と焦ったように持ち上げる二人が、なんだかお姉さんでした(^ ^)。
着替えたキムちゃんが、袖から顔だけ出して「なになに?今なんて言った?」と突っ込むと、「いや、キムは可愛いねって」と、フォローできてないことを言うゆめみさん。でも、満面の笑顔で「えっ?そうなの?もっと言って!」と促すキムちゃん、あなたはちょっと男役の自覚が足りないんではないかい?男役10年だっつーのに…。
で、「せっかく同期三人揃ったので(←おそらく、“歌える同期が”と言いたかったのではないかと思われます)ちょっと難しい歌も歌ってみよう、ということで、、、Let’s JAZZ!」とう前フリで、流れた曲が「IN THE MOOD」。
三人のコーラスが絶妙で、これは吉田優子さんの編曲の勝利かな?となみちゃんは低音が魅力だし、ゆめみさんは上から下まで全部出る歌姫だし、キムちゃんも男役としては音域広くて高いところも安定して歌えるし…というわけで、三人のパートが入り乱れて上を歌ったり下を歌ったりするかなり難しい編曲でしたが、見事に歌いこなして、ばっちりでした♪息もあってて、さすが同期!という感じ。
そのまま三人で「ムーンライトセレナーデ」につないで、となみちゃんが着替える間に二人で「Unforgetable」。この辺までが、スタンダードナンバーコーナー。
でも、ほとんどは何かのショーで使ったことがある曲なんじゃないか…?と思ったりしつつ。
着替えて戻ってきたとなみちゃんは、ロングのストレートな鬘に変えて、神々しいほど美しくて。
「伝わりますか(ジェローデル編)」と「心の中の神(カラマーゾフの兄弟)」を続けて歌って、締めました。
オリジナル曲は無かったけど、「心の中の神」は、となみちゃんのための名曲だったんだな、と。となみちゃんの音域にあわせて、声質にあわせて、となみちゃんのタメに、齋藤さんが用意してくれたオリジナル曲だったんだ、と思いました。
祐飛さんの一番最初のディナーショー「Selfish!」で、ほぼ相手役待遇だったとなみちゃん。
あのときの可愛いサリーが、こうして大輪の華を咲かせて花園を去ろうとするときに、最後の締めの音楽を提供したのが齋藤さんだったことは、単なる偶然ですけれども。なんだか、嬉しかったのは事実です。
止まらない拍手。
止まらないアプローズ。
アプローズに応えて、鳴り出した音楽は……
前奏を聴いて、会場中の人が息を呑みましたね。
こういうコンサートでは、版権の問題か何かで歌えないのかと思っていたのに。
軽やかな音の羅列は、あきらかに、
「エリザベート」より、「私だけに」。
となみちゃんの、“天使のような”シシィが、私は本当に大好きでした。
国を治めることなど全く不可能な、天然100%の無垢なシシィが、繋がれた鎖をただ否定するためだけに歌われた、名曲「私だけに」。
でも。
この「SWAN」の「私だけに」は、凄まじい光と開放感に溢れかえって、ものすごいパワーのあるHappy Songでした。
聴いている観客を、無理矢理に“幸せ”にしてしまうパワーを持った、歌。
「エリザベート」という作品とは無関係なところで、「音楽」の、この歌の持つ力に圧倒されて。卒業を前にしたとなみちゃんの、その「前へ」飛び出していこうとするパワーに、打ち倒されて。
自分の来し方を振り返って、通ってきた道を辿りなおして、そして、その先へ続く道を歩き続けよう、と。
となみちゃんの、そういう明解な意思とパワーを、強く感じたコンサートでした。
涙をこらえながら「本当に楽しくて…幸せです。」と、小さな声で挨拶していたとなみちゃん。
研1の「から騒ぎ」の時から、ずっと見てきたとなみちゃん。
10年間、夢を見せてくれてありがとう。
視ていた私も、幸せだったよ。
.
出演は、雪組84期の三人。白羽ゆり・音月桂・麻樹ゆめみ。
となみちゃんとキムちゃんは、舞台でも絡むことが多いんですけど、ゆめみちゃんはあんまり絡まないので、「あ、そういえばこの三人で同期なんだなー」と思ったのですが……
先月観たあすかちゃんの「Postlude」は、普通のディナーショーにかなり近い形式でしたが、となみちゃんは完全に 入団してからの10年間(音楽学校時代も含めて12年間?)を振り返る という形式でした。
最初に初舞台公演の「未来へ」と「シトラスの風」で始まって、カラマーゾフの「心の中の神」で終わる、その構成も実に見事でした。構成・演出は、ベテランの三木さん。となみちゃんをセンターに立たせつつ、キムちゃんの見せ場もきちんと作って、ゆめみさんの場面もつくって……それでいて寄せ集め感のない、流れるような“ベテラン”らしい味のある構成でした。
初舞台の二曲が終わって、ちょっとトークをはさんで「下級生時代の曲をお聞きください」と始まったのが、BLUE MOON BLUEより、「二人だけのデート」。
可愛い曲でしたが、あのローズルーム一杯に詰め込まれた観客の、いったい何割が当時のとなみちゃんを知っているんだろう? な~んてことを思いました。
本公演はもちろん、当時はまだ新人公演とかでも大した役はついてなかったんですよね。まぁ、「BLUE MOON BLUE」は、ウサギちゃんという大役がついていたので映像で観てもすぐわかりますけど。本当に可愛かったなぁ……(*^ ^*)。となみちゃんが卒業したら、ウサギちゃんたちもあーちゃん(花瀬みずか)を残すのみ、になるんですね。博多ウサギもとっくに卒業してしまったし。“この中から何人トップが出るだろう?”とワクワクしていたのに、結局となみちゃんだけ。……皆可愛かったのになあ(T T)。
続いて、キムちゃんとのデュエットで「逃れえぬ想い(更に狂わじ)」。……いやぁ、これタニちゃん(それも9年前の!)とのデュエットだったんだよね。……ありがとうキムちゃん。あらためて聴くと、いい歌だわ本当に。
となみちゃんも本当に歌が巧くなったなあ、としみじみ懐かしいです。
「更に狂わじ」。…書いてる途中で根本ストーリーが大きく変わったのが丸見えな作品で、いろいろ惜しいところはありましたが、今につながる大野さんの香気が色濃く漂っていた作品。また何かの機会に再演してほしいなあと思っています。……動員に苦戦しがちな日本物で、しかも主演(きりやん)が娘役とは恋愛しない作品なので、難しいとは思いますけれども。
キムちゃんが引っ込んでとなみちゃんだけが残り、ゆめみさんが出てきて、二人で「あなたと私は裏表」。いやー、可愛い。眼福、眼福。
私はこの作品(日生劇場「風と共に去りぬ」)でとなみちゃん落ちしたので、とても懐かしかったです。スカーレットIIがめっちゃ可愛かったんだもん(*^ ^*)。今回、この曲が選ばれて、ああ、となみちゃんにとってもあの役は大事な役だったんだな、と思って、とても嬉しかったです。
続いてキムちゃんと「モヤモヤモヤ(恋天狗)」のデュエット。途中まで、なんだっけ……「キエレメ・ムーチョ」だっけ?ノバ・ボサ・ノバの曲のどれかにすごく似ていたので、ノバの曲だとばかり思っていましたが。恋天狗だったのか。……そういえば見てないんですよね、あのシリーズは。月組でさえ、何か忙しい時期だったか何かでどうしても行けなくて、すごく悔しい思いをした記憶が……。観たかったなあ(T T)。
で、「タカラヅカ・グローリー」で締めて、もう一度トークに。
「同期でラブソングをデュエットするのは、恥ずかしいけど、嬉しいです……」とか言っていたのはこのときかな?
たぶん、音楽学校時代の思い出を話したのもこのときだと思うんだけど。もしかしたら最初のトークだったかな?(すみません覚えてません)
となみちゃんの方言が凄かったっていう話と、とにかく凄く一生懸命だった…という話くらいで、特に「ココだけの話!」みたいなのは無かったような。とにかく三人仲良いんだな、と微笑ましくなるようなトークでした。
で、となみちゃんが着替えに引っ込んで、キムちゃんとゆめみさんで「そうして彼女は、84期初のトップ娘役になりました!」みたいな前フリをしてから、二人で「ごらんなさい」を歌い始めました。
白スパンの衣装にキメキメの男役メイクで、必死に可愛らしく小公子を演じようとするキムちゃんと、イイ女メイクのままこれまた可愛らしい小公女になりきろうとしているゆめみさんが、それはそれはとても素敵で、眼が離せませんでした。
長いナンバーをフルコーラス歌って、ポーズまで決めたところで、アントワネットのとなみちゃんが登場。
ここはやっぱり、ホンモノの女王様衣装+女王様鬘を期待してしまったのですが、出てきたとなみちゃんは予想外にシンプルな衣装と鬘で。黄色でまとめた髪飾りも、すべてがとても美しく似合っていたんですけど、いかんせん暗転の中で想像していた姿とは全然違っていたので、反射的に「…あれっ?」と思ってしまいました……(^ ^;ゞ
これからご覧になる皆様。残念ながらアントワネット様は登場されませんので、いらん期待をなさいませんように!
歌は「青きドナウの岸辺に」と「ばらのスーベニール」二曲続けて。とても良かったです。衣装のショックから抜けた後は、素直に感動しました。うん、貫禄ついたなあ、、、と。
二曲歌うと、この衣装はそれでおしまいらしく、軽やかに舞台袖へ引っ込みます。そして、ラテンな衣装に着替えたキムちゃんとゆめみさんの「コパカバーナ」。すごく良かったです!やっぱりキムちゃんにはラテンが似合う。(ゆめみさんには何でも似合います♪)
途中から、紅の衣装に着替えたとなみちゃんも加わって、三人で「コパカバーナ」を熱唱。
そして、すぐに続けて「来てよ男」ですよあなた(!)。
となみちゃんの「来てよ男」、ものすご~~~く好きだったので、めっちゃ嬉しかったです。ああ、ピアノのセットが欲しかったよっ!(涙)。キムちゃんの合いの手もタイミングよく入って、お稽古期間なんてほとんど無いのに、同期ってすごいなあ、と感心しました。
それにしても、となみちゃんの低音の響きの豊かさにはうっとりします。弦楽器みたいな声ですよね。ちゃんと身体が鳴ってるの。チェンジボイスの訓練をして、もう少し低音の響きを残してソプラノが歌えるようになったら、ミュージカル女優としては一流になるのになあ。とりあえず、ミシェル・ルグランの曲を歌うことは決定しているので、がんばってほしいなあと思います☆
ここでまたちょっとトークをはさんだと思うんですが。キムちゃんが着替えに抜けたはずなので、ゆめみさんと二人でつないだはずなんだけど、、、あれっ?すみません、内容覚えてないぞ。何をだっけなー。
とりあえず、「今までは私の出た作品から選ばせていただいたのですが、次はちょっと雰囲気を変えて、大好きな街・NYの歌を聴いてください」というような前フリがあって、客電が落ちると、客席後方からキムちゃんが登場!でした。
そういえば。今回の「SWAN」では、客席登場はほとんどなかったんですよね。となみちゃんは、客席降りは何度かあったけど客席登場は無し。キムちゃんはココと、あとゆめみさんと二人で後方から登場したことが一回あったはず……なんのときだっけ?(私の可愛い海馬よ…)
宝塚のショーで「NY」の場面によく出てくる、太い縦ストライプのジャケットのキムちゃんは、客席を回りながらのNYメドレー。客席いじりも慣れたものです。全ツとかでの客席降り、多いですもんねぇ。
三曲くらいは歌ったのかな?かなりがっつりと「キムちゃん」を堪能できた場面でした。舞台にあがってからも色っぽく歌いつづけて、ちょっとドキドキするくらい格好良かったです。この人がまだディナーショーをやったことがない、ってことが信じられない。好きそうなのに。
しばらーくキムちゃんが歌って、また綺麗に着替えて化粧もちょっと直したとなみちゃんが登場。黒のシンプルなスパンコールドレス。デコルテの美しさと腰まわりの細さ。本当に、こういうシンプルなドレスがよく映えるスタイルだなあ、と感心しながら。
で、二人で「初めての恋(ガイズ&ドールズ)」。月組で「ガイズ」を上演したときは、となみちゃんはもう組替え後だったんですよね。…残念だなあ。となみちゃんのサラ、当たり役になったんじゃないかと思うのに…。ぱっと眼を惹く美しさと気の強さ、そして酔っ払ったときのコケティッシュさ。うーん、ぴったりだと思うんだけど(*^ ^*)。
ここでもう一度トークをはさみます。とりあえず、着替えるために袖に入ったキムちゃんの話で盛り上がっていたのはココかな?「頼りになるね」っていう話から、「あんなに可愛かったのに…」みたいな話になって。「いや、今でも可愛いよ」「いや、頼りになりますよ」と焦ったように持ち上げる二人が、なんだかお姉さんでした(^ ^)。
着替えたキムちゃんが、袖から顔だけ出して「なになに?今なんて言った?」と突っ込むと、「いや、キムは可愛いねって」と、フォローできてないことを言うゆめみさん。でも、満面の笑顔で「えっ?そうなの?もっと言って!」と促すキムちゃん、あなたはちょっと男役の自覚が足りないんではないかい?男役10年だっつーのに…。
で、「せっかく同期三人揃ったので(←おそらく、“歌える同期が”と言いたかったのではないかと思われます)ちょっと難しい歌も歌ってみよう、ということで、、、Let’s JAZZ!」とう前フリで、流れた曲が「IN THE MOOD」。
三人のコーラスが絶妙で、これは吉田優子さんの編曲の勝利かな?となみちゃんは低音が魅力だし、ゆめみさんは上から下まで全部出る歌姫だし、キムちゃんも男役としては音域広くて高いところも安定して歌えるし…というわけで、三人のパートが入り乱れて上を歌ったり下を歌ったりするかなり難しい編曲でしたが、見事に歌いこなして、ばっちりでした♪息もあってて、さすが同期!という感じ。
そのまま三人で「ムーンライトセレナーデ」につないで、となみちゃんが着替える間に二人で「Unforgetable」。この辺までが、スタンダードナンバーコーナー。
でも、ほとんどは何かのショーで使ったことがある曲なんじゃないか…?と思ったりしつつ。
着替えて戻ってきたとなみちゃんは、ロングのストレートな鬘に変えて、神々しいほど美しくて。
「伝わりますか(ジェローデル編)」と「心の中の神(カラマーゾフの兄弟)」を続けて歌って、締めました。
オリジナル曲は無かったけど、「心の中の神」は、となみちゃんのための名曲だったんだな、と。となみちゃんの音域にあわせて、声質にあわせて、となみちゃんのタメに、齋藤さんが用意してくれたオリジナル曲だったんだ、と思いました。
祐飛さんの一番最初のディナーショー「Selfish!」で、ほぼ相手役待遇だったとなみちゃん。
あのときの可愛いサリーが、こうして大輪の華を咲かせて花園を去ろうとするときに、最後の締めの音楽を提供したのが齋藤さんだったことは、単なる偶然ですけれども。なんだか、嬉しかったのは事実です。
止まらない拍手。
止まらないアプローズ。
アプローズに応えて、鳴り出した音楽は……
前奏を聴いて、会場中の人が息を呑みましたね。
こういうコンサートでは、版権の問題か何かで歌えないのかと思っていたのに。
軽やかな音の羅列は、あきらかに、
「エリザベート」より、「私だけに」。
となみちゃんの、“天使のような”シシィが、私は本当に大好きでした。
国を治めることなど全く不可能な、天然100%の無垢なシシィが、繋がれた鎖をただ否定するためだけに歌われた、名曲「私だけに」。
でも。
この「SWAN」の「私だけに」は、凄まじい光と開放感に溢れかえって、ものすごいパワーのあるHappy Songでした。
聴いている観客を、無理矢理に“幸せ”にしてしまうパワーを持った、歌。
「エリザベート」という作品とは無関係なところで、「音楽」の、この歌の持つ力に圧倒されて。卒業を前にしたとなみちゃんの、その「前へ」飛び出していこうとするパワーに、打ち倒されて。
自分の来し方を振り返って、通ってきた道を辿りなおして、そして、その先へ続く道を歩き続けよう、と。
となみちゃんの、そういう明解な意思とパワーを、強く感じたコンサートでした。
涙をこらえながら「本当に楽しくて…幸せです。」と、小さな声で挨拶していたとなみちゃん。
研1の「から騒ぎ」の時から、ずっと見てきたとなみちゃん。
10年間、夢を見せてくれてありがとう。
視ていた私も、幸せだったよ。
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