東京宝塚劇場にて、星組公演「My Dear NewOrleans/A bientot」を観劇してまいりました。



お芝居の話はあらためてさせていただくとして。
とりあえず、藤井さん渾身の「60分間のサヨナラショー」から。




思えば。
藤井さんの大劇場デビューは、ずんこさん(姿月あさと)のサヨナラ公演、「Glorius」でした。

あれ以来、というか、その前に観たドラマシティの「Alas」以来、私は藤井ショーのファンのまま今に至るわけですが。
……本当に、この人の造る「サヨナラ公演」って凶器なんだな、と。



噂には聞いていましたが、本当に「60分間のサヨナラショー」そのものだったことに改めて驚きました。特に、後半の怒涛のようなサヨナラ場面のてんこもりっぷりには。
溢れる涙は、止まる暇もなくて。

ラストの大階段でのソロの「時間を止めて」は、久々の凶器でした。


っていうか、星組さんのファンは大変だなあ…と思ったのは、幕が降りてからの送り出しの音楽としてトウコさんの「さよならみなさま」が流れてくること(T T)。
い、痛いよあれは……。あやうく、立てないかと思いました(泣)。







全体の構成は「Non-Stop」そのもの。
古びたレビュー小屋の妖精たちだけが知っている、夢のレビュー。




ショーの終盤、楽屋で物思いに沈むアランが立ち上がると、ふいにセットがハケて後ろの組子たちの笑顔が見えた瞬間の感動は、言葉では表せません。
そこからもう、パレードのラストまで涙が止まらなくて。いやー、藤井さんのサヨナラショーを甘く見てタオルを用意していなかった私の大失敗でした。

そして、そこから続く、あすか以外の組子ほとんど全員とトウコさんが絡む場面は、音楽こそ違いますけど全体の動きはほぼ「Glorious」と同じ。ずんこさんがサヨナラ公演で希望を訊かれて、「組子全員と絡みたい」と言った、というエピソードに沿った名場面を再び観ることができて幸せです。
組子たちに愛されて、組子を愛して、、、本当に、長くはないけれども幸せなトップ生活だったんじゃないかと思います。若い頃の抜擢ぶりを考えれば異例な遅さでの就任で、もしかしたらご本人には焦りもあったのかもしれないけれども、終わりよければ全て良し!なのではないでしょうか。


宝塚という枠を離れて、さらに自由になるために、今は精一杯、この大きな舞台と、大勢の仲間たちと、大編成のオーケストラと、眩いライトと、華やかな衣装と、、、そんなさまざまな“美しいもの”たちを、満喫してくださいね。






そして、あすかちゃん。

ああ。トップスターのサヨナラ公演というのは、あくまでも「トップスターのサヨナラ公演」なんだなあ、と思いました。
トップコンビのサヨナラ公演ではなく、あくまでもトップスターのサヨナラ公演。
藤井さん入魂の“60分間のサヨナラショー”は、あくまでも10人のサヨナラショーではなく、「安蘭けいのサヨナラショー」。

当たり前のことです。
宝塚なんだから、そんなの、当たり前。


だけど。
トップスターと次期トップのデュエットダンスはとても良い企画だと思うけど、なにもその二人で銀橋にまで出てこなくたっていいんじゃないのっ!?

トップコンビのデュエットダンス、とっても素敵だったのに、ちょっと短くない!?
あすかちゃんにも銀橋に出てほしかったよーーーーー。銀橋に出て、二人でポーズ決めて、それからあすかちゃんだけはけてトウコさんのソロ、でもいいじゃないかーーーーー(T T)。

あすかちゃんはあすかちゃんで、センターでの見せ場もたくさんもらって、贅沢すぎるって言われてしまいそうなんですけど。
“大女優エトワルアムール”のあまりの可愛らしさも、その美しさも、ジザベルの完璧なスタイルも、カンカンの圧倒的な華やかさも、エトワールのそれはそれは絶品の素晴らしさも、間違いなく素晴らしいプレゼントだったんですけど。

でも、コンビでの場面も、もっともっとほしかったなあ(T T)。
…すみません、欲深なファンでm(_ _)m。



それにしても、短いとはいえデュエットダンスの音楽が「愛の讃歌」というのは、拷問……と思う…(T T)。






しいちゃん。
ソロでの見せ場を貰うよりも(もちろん中詰めではソロありですが)、トウコさんとあすかちゃんの三人での場面を選んだんでしょうか。しいちゃんらしい?良い場面でした。あすかちゃんはあの素晴らしいスタイルを存分に見せ付けて美しかったし、しいちゃんはなんていうか、凄絶な迫力だった。
私にとって、しいちゃんのベストアクトは1に「ヘイズ・コード」、2に「スカーレット・ピンパーネル」だったので、ああいう優しいけどちょっと鈍感な紳士が最後に観られなかったことは残念でしたが、本当に美しい人だと改めて思いました(*^ ^*)。
あと2週間、かぁ。寂しくなるなあ…。




和くんは、(夢咲)ねねちゃんと一場面。ちょっとコミカルな場面でしたが、スターになって激しく踊る場面も伸び伸びしていて、幸せそうだったのが嬉しい。
キンさん(朝峰ひかり)、紫蘭ますみさん、涼乃かつきちゃん、星風エレナちゃん、一輝慎さん……皆、輝くような笑顔で踊ってましたね(; ;)。麻尋くんも、特別場面があったりとかはしなかったけど、なんていうか、不思議と目を惹く「卒業生オーラ」がありました。
……思う存分お見送りするのは大変そうですが、ファンの方、しっかりと見守ってあげてくださいませ(T T)。






歌劇誌の大劇場千秋楽の写真とか見ても、10人って多いんだなあ、と、しみじみ思います。
組ファンの皆様の心中を思うと、切ないです。
しかも、このチケットの無さがまた(涙)。通いたいのに通えない人、多そうだもんなあ…。観たい方々全てに、チケットがゆきわたりますように。(でも、私ももう一回観たいよ~~~!!)





そして、送り出す側に立った礼音くん。
プログラムの写真を一目見て、「ザ、ザネリ…」と思ったことは、正直に告白しておきます。
そういえば、あれも藤井さんでしたね。「イーハトーブ・夢」。ものすごく好きなバウ作品の一つですが。

…いやー、踊れるっていいですね。今回は、妖精役のせいか、割とバレエチックな振り付けが多かったので、本来の礼音くんの魅力がいつもより出ていたような気がします。
脚を上げるにしても、腕を挙げるにしても、やわらかく上がって高い位置で留まる、あの雰囲気がすごく好きなんですよ、私。肩や腰がぶれることなく、脚なら脚だけがすっと軽く上がるところも好き。どんだけ筋力があるんだ!といつも感動します(^ ^)。
だけど、男役として踊っているときはどうしてもビシっと上げてビシっと止まることを要求されがちなんですよねー。もちろん礼音くんはそういう踊り方もできるけど、やっぱり本来の踊りじゃないんだなー、と思うことがあるので。


メインで踊る鏡の場面は、振り付けが平澤さんなのでかなりテクニカル(?)なんですけど、すごく気に入りました。藤井さんお得意の(そしてよくキャスティングで失敗している)耽美系の場面ですが、今回は平澤さんの振り付けとあかし(彩海早矢)の色気に助けられた…かな?(^ ^;。
藤井さんって、主演にあわせて宛書するのは天才的なのに、二番手さんのキャラクターを間違えていることが多いので、博多座がちょっとだけ不安です。お願いだから、みっちゃんにドラキュラとかさせないでね(涙)。


そして、この場面を名場面にした(と私は思う)、じゅんな(水輝涼)のカゲソロに泣きました。美声だとは思っていた(というか知ってた)けど、ああいう柔らかい声も出せたんだ……。硬軟自在じゃないか。しかもあのラストの高音!!あれ難しいんだよ(@ @)。うわあ、こんな歌を聴いてしまうとまた欲が出るじゃないか(泣)。
ところで、あの歌って既存曲…なのでしょうか?ご存知の方、曲名とか教えてください(泣)。もし新曲だったら、じゅんなに合わせて音楽の手島恭子さんが書いてくださったってこと?……すげーーー。(←かなり考えにくいけど汗)

キトリ(稀鳥まりや)の“カゲ台詞”が段々低くなっていって、じゅんな(水輝涼)のソロにつながっていくところが凄く好きです。じゅんなも新公を卒業して、だいぶ上級生枠に入ってきましたが、これからも末永く活躍してください!!(切に祈る)。




すずみんは、最初の銀橋での“ご婦人”の口真似も可愛かったけど、やっぱり中詰めの最初の歌が好きです。エレナ様との絡みも、色っぽくて好き。




ねねちゃんは、和くんの場面んの相手役と、中詰めの「フル・フル」がメイン…かな。
なかなか踊れない(?)和くんを慰めて励ますねねちゃんがとてもけなげで可愛いです。「エリザベート」で大抜擢された昔から「純粋な少女の包容力」を持っていた人ですが、心配そうに相手役を見つめながら踊る後姿に、胸を掴まれました。

そして、「フル・フル」。「絢爛II」の隅っこで踊っていた頃から嫌味のないコケティッシュさで目を惹いていたねねちゃん。少し大人になって『舞台の怖さ』を知った今、「フル・フル」のコケティッシュさは痛々しいほどで。
あれはあれで大好きなんですけど、ね。一階席で観てみたかった…(*^ ^*)。

でも、いつの日か、そんな怖さも不安も乗り越えて、もう一度あの輝く笑顔で魅せてくれることを祈っています。




ともみん(夢乃聖夏)のダンスはやっぱり好きだなあ。彼女のスタイルの素晴らしさは、すでに財産だと思う。藤井さん、ダルマを用意してくださってありがとうございます。

そして。どうやら私は、先日の新公で天寿光希さんに落ちたらしく、気がつくと彼女を追いかけていました。……いやあ、本当に綺麗な人ですよねっ!(←誤魔化すな)

オープニングのカゲソロが素晴らしい!と思っていたら、音花ゆりちゃんだったんですね。誰だろうと思ったのですが。「ブエノスアイレスの風」のフローラ以来、すっかり歌姫に定着ですね(^ ^)。

中詰めのピエロ(ピトル)の大輝真琴ちゃんがめっちゃ可愛い。





…他にもいろいろ書きたいことはあるのですが、あまりにも長くなるのもどうかと思うので、このあたりで。




あ。
とか言いつつ、質問を二つばかり。

中詰めのオレンジのダルマさんたちが一列に並ぶところ(しいちゃんとコトコトの場面の本舞台)で、センター二人の上手側の方はどなたでしょうか??スタイルの良さに釘付けだったのですが、顔がわからず(涙)。

カンカンで(違うかも?)見事な側転を披露していたのは、どなたでだったのでしょうか…?
【リリー様から情報をいただきました。本城くれはさんと麻央侑希さんだそうです。リリー様、ありがとうございました!】





あああ、最初で最後のお別れをしっかり言うために行ったはずなのに、やっぱりもう一回観たいよお~(泣)。



コメント

nophoto
りりー
2009年4月12日13:59

私も、とうこさんの「時間を止めて」のソロからちえさんの歌での黒燕尾あたりまで涙が止まりませんでした…。


オレンジのダルマさんはわかりませんが、側転のお二人は本城くれはさんと麻央侑希さんみたいですよ☆歌劇で読んだので間違いないと思います。

みつきねこ
2009年4月12日22:08

側転の情報ありがとうございます~!!本城さんと麻央さんでしたか!うーん、新公で覚えたはずなのになあ(涙)。

トウコさんが「時間をとめて」って歌うのは反則ですよねぇ!!
その昔、汐風幸ちゃんが東宝千秋楽の挨拶で「今はただ、別れが寂しい」って言ってのけて以来の衝撃的な歌詞でした。
藤井さんの確信犯っぷりに、……ちょっと、感謝してます。