宝塚バウホールにて、「二人の貴公子」を観劇してまいりました。
まさお(龍真咲)、みりお(明日海りお)、初主演おめでとうございました!
そして、千秋楽おつかれさまでしたm(_ _)m。
二人とも、ワークショップ(まさおは「Young Bloods!」、みりおは「ホフマン物語」)で主演経験がありますが、今回は期間も長く役替りもない通常公演。いろいろ大変だったんだろうなーと思います。私が観たのは楽に絡む週末だけなのですが、ほぼ満席だったし、客席はすごい熱気でした(*^ ^*)。
原作は、ジョン・フレッチャーとウィリアム・シェイクスピアの合作で、原作台本は河合祥一郎訳。脚本・演出は小柳奈穂子。
白いキャンバスをイメージしたセットに、美しいメンバーを美しいままに載せて、美しい物語を紡ぐ……というところは、なかなかがんばっていたと思います。まぁ、素材(原作と役者)がしっかりしているので、演出家の苦労も少なかったかもしれませんが(苦笑)。
少なくとも、「忘れ雪」の児玉さんみたいに、プログラムに「こんなもの全然やりたくなかったのにー(←意訳)」と書いてあったりはせず、なかなかに意欲的な言葉が書いてあったことにホッとしました(^ ^)。
全編を彩る「真夏の夜の夢」のイマジネーションは、小柳さんのアイディアでしょうか?なかなかうまくはまっていたと思います。「牢の中」と「外」をひっくり返す(「あのお二人がいるところが牢の外で、あたしたちがいるここが牢の中だとでもいうように」<牢番の娘>、「我々が牢に閉じ込められているのではなく、この世の悪から護られているんだと思えばいいのだ」<アーサイト>)…それによって“見える世界”をひっくり返したように、「幻想(妄想)世界=森の中」と「現実=森の外」という二つの世界を象徴的に構築するために、「森」の狂気をもっとも端的にあらわした『真夏の夜の夢』を使うあたり、うまいアイディアだなあと感心しました。
仮面の扱いと、「森の中では違う自分が目を醒ます」という歌が雰囲気づくりに効いていたと思います。
ただ、原作での劇中劇はもっと象徴的なものであるらしいので、そちらだったらもっとテーマがダイレクトに伝わったのかもなあ、と思ったりはしました。原作を読んでいないので、わからないのですが…。
ネットで感想を読むと、作品的には賛否あるようですが、私はとても気に入りました(はぁと)。
役者が目当てでの遠征でしたが、作品としても非常に興味深い作品だったと思います。
ただ。
正直に言えば、面白かったからこそ、違う演出家で見たかったなあ、という思いはあります。まだまだ男役10年にも届かない彼らなのに、芝居として任された部分が大きすぎるような気がしたので。
特にラスト!!あの難しい芝居を、そのままやらせてしまったことは罪が深いと思う。
もう少し、演出としてするべきことがあったと思うし、まだ彼らは、そういうスタッフワークを必要とする学年だと思うのです。
たとえばこれが、かしげちゃんのパラモンに祐飛さんのアーサイトとか、水くんのパラモンにユミコちゃんのアーサイトとか、そういうコンビでの舞台だったら、ある程度任せていいと思うんですよね。でも、まさおとみりお、とくにまさお(パラモンの方が芝居として難しいので)に関しては、ちょっと厳しかったんじゃないかなー、と思ってしまいました。
そしてそれが、作品全体の賛否両論になったのではないか、と。
…とりあえず、メインキャストについて。
パラモン(龍真咲)
「太陽と月」という比喩の中で、あくまでも「太陽」であり、わがままで自分勝手で子供で、なのにどうしようもなく愛されるキャラクター。
その美貌も輝きも他の何にも替え難く、「愛さずにはいられない子供」なキャラクターをやらせたらこの人を超えることは難しいんじゃないかと思っているくらい、私は、まさおの演じる子供っぽい男が大好きです。どうしようもなく子供だからこそ、好き。
パラモンって本当に、わがままだし気分屋だし想像力が無いから相手の立場になんて絶対に立たないし、口が達者で、尊大で、わがままで、身近にいたら絶対「最低っ!!」と思うことが一日に一回くらいあるだろうなぁ、と思うんですよね。なのに、本能的なところでものすごく優しいし、意外なところで正義漢で、絶対に嘘を吐かないし、一生懸命だし、裏切らない。とにかく、精神的には『健康な子供』のまま、身体だけが美しく成熟しつつある青年。
こういうアンバランスさというのは、なかなか演じようと思っても演じられるものではないものなのですが。
龍真咲、という役者には、「Young Bloods!」の頃から変わらず、それだけは腐るほどあるんですよね……。
そういう意味で、もう少し力のある演出家と組んでいたなら、パラモンはまさおの代表作になりえた役だった、言い方を変えれば、まさおが「Young Bloods!」以降で伸び悩んでいたところを一挙に解決させられる役だった筈なのに、と残念でなりません。
「二人の貴公子」という戯曲は、まさにそういう「身体は大きくなったけど我侭な子供のまま」であった青年が、もっとも大切なものを喪って、大人になる物語なのですから。
姿が美しく、声も滑舌も良く、動きもきれい。殺陣はまだまだ不慣れな感じでしたが(良い斬られ役がいないせい?)、よく頑張っていたと思います。
ただ、やっぱり内面の構築が弱いんですよね、彼女は。まさおの芝居を観るたびに思うのですが、この人には「愛する」芝居が難しいらしい。だから、ジャッキーみたいな役は嵌るんですけど、なかなか役柄の幅が広がらない。ジェラルドが限界で、それ以上に深く「愛する」芝居をしようとすると、子供みたいに「欲しがる」演技になってしまいがち(^ ^;
「優しくする」「可愛がる」「憧れる」などは出来るので、今回はなんとか、エミーリアへの恋を「憧れ」で処理し、牢番の娘へは「優しくする」ことで芝居として成立させていましたが、毎回それで誤魔化すのは難しいと思うんですよね。
まさおの、あの美貌に内面が伴えば天下無敵だと思うので。
どうか、一刻も早く恋人でも作るとか(真顔)、いろいろトライしてみてほしいなあ、と思います。
アーサイト(明日海りお)
パラモンの従兄弟。「太陽と月」という比喩の中では常に「月」であり、「この世に生きて意味があるのはパラモンで、彼のいない自分には意味がない」くらいのことを思っている男。
今回の公演で驚いたのは、二人の宛書っぷり(汗)でした。純粋で真っ直ぐで我侭な子供・パラモンと、そんなパラモンに憧れてひたすら追いかけ続け、あれやこれやとフォローしていくうちに大人になってしまった青年・アーサイト、という構図に、萌。
……というか、みりおくんは本当に色っぽいですよね!まさおくんにはない色気があって、内面の充実が伺えます(^ ^)。
アーサイトの苦悩は、必ずしもエミーリアへの恋心だけじゃないんですけれども、でも、根っこのところにきちんと愛があるのがすごく良かったです。
アーサイトは、一方的な一目惚れながらもちゃんとエミーリアを愛したからこそ、「二度と会えない」ことへの悲しみが深いんですよね。「二度と会えない」どころか、名乗ってさえいない彼は、エミーリアに存在を知って貰うことさえできないのですから。
恋したばかりで一番盛り上がっているときに、「二度と相見えることは無い」という宣告を受けた男が、もう一度彼女に会える、もしかしたら傍近くに仕えることさえできるかもしれないチャンスにめぐり合ったら、どうするか。
その答えが、アーサイトの行動として納得できたところが凄いなあと思いました。
「名前は牢の中に置いてきました…」と低く言いながら“遍歴の騎士”(紫門ゆりや)に剣をたてるアーサイト。剣の柄に手をかけた瞬間の、昏い貌。愛のために、あるいは真の希みを叶えるために、友も自分も裏切る覚悟で、振り翳す白刃。
みりおくんって、どちらかと言えば優等生で「正しい」人を得意とするタイプだと思われがちな印象がありますが、この人はあの「暁のローマ」のアントニウスを演じきった人。嘘も裏切りも、なんでもござれなんですよね。この学年で、本当に幅の広い人だなあ、と感心します。
「エリザベート」新公は、やっぱりトートなんでしょうか。ぜひぜひ彩星りおんのシシィと組んで、素晴らしい公演を…(←言霊)
エミーリア姫(羽桜しずく)
すみません、私はやっぱりしずくちゃんのファンみたいです。エミーリアは、彼女しか考えられません(泣)。
一人前の女ではない、記号としての「少女」でなくてはならないエミーリア。
妹ではない、ロリータでもない、まさに処女神ディアナの化身のような“少女”。
親友であったフラヴィーアとの思い出を大切に両手に抱いているために、他のものを受け入れる隙間がない。他のものを受け入れることが、すなわちフラヴィーアへの裏切りだと感じてしまう、『少女』。
そういう頑なさと、子供っぽい潔癖さ。パラモンが子供である以上に、エミーリアが“子供”であることは、物語上の大きなポイントだと思います。
パラモンがエミーリアに抱いたものは憧れだったけれども、アーサイトはエミーリアを愛していた。
そしてエミーリアは、アーサイトに親しみを感じていて、パラモンには恋をしてしまった。
しかも姫は、パラモンへの恋を自覚できない。フラヴィーアを裏切った自分を認められないから。
アーサイトへの親しみは、それだけでは罪を形成しない。けれども、そんな理由でアーサイトを択ぶことはできない。
……そのすれ違いが、悲劇の始まり……。
登場のピンクのドレスも、二幕のディアナの神殿での蒼い衣装も、後半の花嫁衣裳も、どれも本当によく似合って神々しいまでに美しく見えました(←たぶん贔屓目)。
二人の美しい貴公子が、遠くから眺めただけで問答無用で恋に落ちるに十分な美しさ。
二幕の決闘シーンも、「このひとのためなら命を賭けるのも仕方ない」とすんなり納得してしまう。
可愛い娘役は数多居れども、ピンスポを浴びて「神々しい美しさ」で長時間立っていられる姫役者は案外少ないもの。彼女の持つ「透明で硬質」な美しさが、このエミーリアという役に合っていたのだと思います。
存在自体がファム・ファタルなひとなので、劇団も大切にしてほしいなあ…。
鬘やアクセサリーは、批判される方が多いので、改善の余地はたくさんあるんでしょうねぇ。…あの美貌にさらに伸び代があるなんて信じられない、と思う自分は、単なるファンです、多分(^ ^;ゞ。
……そして、この水晶のように硬質な姫役者に、熟しきった手弱女の美しさを存分に発揮した天野ほたるを併せて使った小柳さんのセンスには脱帽しました。いやあ、眼福、眼福。
「サウダージ」であーちゃんにワケアリの大人の女をやらせようとして玉砕していた稲葉さんのセンスとは雲泥の差、かもしれません。
あらら、やっぱり長すぎちゃった(T T)。
すみません、続きはまたいずれ。(ってか、雪組も書くよね?いつ?)
.
まさお(龍真咲)、みりお(明日海りお)、初主演おめでとうございました!
そして、千秋楽おつかれさまでしたm(_ _)m。
二人とも、ワークショップ(まさおは「Young Bloods!」、みりおは「ホフマン物語」)で主演経験がありますが、今回は期間も長く役替りもない通常公演。いろいろ大変だったんだろうなーと思います。私が観たのは楽に絡む週末だけなのですが、ほぼ満席だったし、客席はすごい熱気でした(*^ ^*)。
原作は、ジョン・フレッチャーとウィリアム・シェイクスピアの合作で、原作台本は河合祥一郎訳。脚本・演出は小柳奈穂子。
白いキャンバスをイメージしたセットに、美しいメンバーを美しいままに載せて、美しい物語を紡ぐ……というところは、なかなかがんばっていたと思います。まぁ、素材(原作と役者)がしっかりしているので、演出家の苦労も少なかったかもしれませんが(苦笑)。
少なくとも、「忘れ雪」の児玉さんみたいに、プログラムに「こんなもの全然やりたくなかったのにー(←意訳)」と書いてあったりはせず、なかなかに意欲的な言葉が書いてあったことにホッとしました(^ ^)。
全編を彩る「真夏の夜の夢」のイマジネーションは、小柳さんのアイディアでしょうか?なかなかうまくはまっていたと思います。「牢の中」と「外」をひっくり返す(「あのお二人がいるところが牢の外で、あたしたちがいるここが牢の中だとでもいうように」<牢番の娘>、「我々が牢に閉じ込められているのではなく、この世の悪から護られているんだと思えばいいのだ」<アーサイト>)…それによって“見える世界”をひっくり返したように、「幻想(妄想)世界=森の中」と「現実=森の外」という二つの世界を象徴的に構築するために、「森」の狂気をもっとも端的にあらわした『真夏の夜の夢』を使うあたり、うまいアイディアだなあと感心しました。
仮面の扱いと、「森の中では違う自分が目を醒ます」という歌が雰囲気づくりに効いていたと思います。
ただ、原作での劇中劇はもっと象徴的なものであるらしいので、そちらだったらもっとテーマがダイレクトに伝わったのかもなあ、と思ったりはしました。原作を読んでいないので、わからないのですが…。
ネットで感想を読むと、作品的には賛否あるようですが、私はとても気に入りました(はぁと)。
役者が目当てでの遠征でしたが、作品としても非常に興味深い作品だったと思います。
ただ。
正直に言えば、面白かったからこそ、違う演出家で見たかったなあ、という思いはあります。まだまだ男役10年にも届かない彼らなのに、芝居として任された部分が大きすぎるような気がしたので。
特にラスト!!あの難しい芝居を、そのままやらせてしまったことは罪が深いと思う。
もう少し、演出としてするべきことがあったと思うし、まだ彼らは、そういうスタッフワークを必要とする学年だと思うのです。
たとえばこれが、かしげちゃんのパラモンに祐飛さんのアーサイトとか、水くんのパラモンにユミコちゃんのアーサイトとか、そういうコンビでの舞台だったら、ある程度任せていいと思うんですよね。でも、まさおとみりお、とくにまさお(パラモンの方が芝居として難しいので)に関しては、ちょっと厳しかったんじゃないかなー、と思ってしまいました。
そしてそれが、作品全体の賛否両論になったのではないか、と。
…とりあえず、メインキャストについて。
パラモン(龍真咲)
「太陽と月」という比喩の中で、あくまでも「太陽」であり、わがままで自分勝手で子供で、なのにどうしようもなく愛されるキャラクター。
その美貌も輝きも他の何にも替え難く、「愛さずにはいられない子供」なキャラクターをやらせたらこの人を超えることは難しいんじゃないかと思っているくらい、私は、まさおの演じる子供っぽい男が大好きです。どうしようもなく子供だからこそ、好き。
パラモンって本当に、わがままだし気分屋だし想像力が無いから相手の立場になんて絶対に立たないし、口が達者で、尊大で、わがままで、身近にいたら絶対「最低っ!!」と思うことが一日に一回くらいあるだろうなぁ、と思うんですよね。なのに、本能的なところでものすごく優しいし、意外なところで正義漢で、絶対に嘘を吐かないし、一生懸命だし、裏切らない。とにかく、精神的には『健康な子供』のまま、身体だけが美しく成熟しつつある青年。
こういうアンバランスさというのは、なかなか演じようと思っても演じられるものではないものなのですが。
龍真咲、という役者には、「Young Bloods!」の頃から変わらず、それだけは腐るほどあるんですよね……。
そういう意味で、もう少し力のある演出家と組んでいたなら、パラモンはまさおの代表作になりえた役だった、言い方を変えれば、まさおが「Young Bloods!」以降で伸び悩んでいたところを一挙に解決させられる役だった筈なのに、と残念でなりません。
「二人の貴公子」という戯曲は、まさにそういう「身体は大きくなったけど我侭な子供のまま」であった青年が、もっとも大切なものを喪って、大人になる物語なのですから。
姿が美しく、声も滑舌も良く、動きもきれい。殺陣はまだまだ不慣れな感じでしたが(良い斬られ役がいないせい?)、よく頑張っていたと思います。
ただ、やっぱり内面の構築が弱いんですよね、彼女は。まさおの芝居を観るたびに思うのですが、この人には「愛する」芝居が難しいらしい。だから、ジャッキーみたいな役は嵌るんですけど、なかなか役柄の幅が広がらない。ジェラルドが限界で、それ以上に深く「愛する」芝居をしようとすると、子供みたいに「欲しがる」演技になってしまいがち(^ ^;
「優しくする」「可愛がる」「憧れる」などは出来るので、今回はなんとか、エミーリアへの恋を「憧れ」で処理し、牢番の娘へは「優しくする」ことで芝居として成立させていましたが、毎回それで誤魔化すのは難しいと思うんですよね。
まさおの、あの美貌に内面が伴えば天下無敵だと思うので。
どうか、一刻も早く恋人でも作るとか(真顔)、いろいろトライしてみてほしいなあ、と思います。
アーサイト(明日海りお)
パラモンの従兄弟。「太陽と月」という比喩の中では常に「月」であり、「この世に生きて意味があるのはパラモンで、彼のいない自分には意味がない」くらいのことを思っている男。
今回の公演で驚いたのは、二人の宛書っぷり(汗)でした。純粋で真っ直ぐで我侭な子供・パラモンと、そんなパラモンに憧れてひたすら追いかけ続け、あれやこれやとフォローしていくうちに大人になってしまった青年・アーサイト、という構図に、萌。
……というか、みりおくんは本当に色っぽいですよね!まさおくんにはない色気があって、内面の充実が伺えます(^ ^)。
アーサイトの苦悩は、必ずしもエミーリアへの恋心だけじゃないんですけれども、でも、根っこのところにきちんと愛があるのがすごく良かったです。
アーサイトは、一方的な一目惚れながらもちゃんとエミーリアを愛したからこそ、「二度と会えない」ことへの悲しみが深いんですよね。「二度と会えない」どころか、名乗ってさえいない彼は、エミーリアに存在を知って貰うことさえできないのですから。
恋したばかりで一番盛り上がっているときに、「二度と相見えることは無い」という宣告を受けた男が、もう一度彼女に会える、もしかしたら傍近くに仕えることさえできるかもしれないチャンスにめぐり合ったら、どうするか。
その答えが、アーサイトの行動として納得できたところが凄いなあと思いました。
「名前は牢の中に置いてきました…」と低く言いながら“遍歴の騎士”(紫門ゆりや)に剣をたてるアーサイト。剣の柄に手をかけた瞬間の、昏い貌。愛のために、あるいは真の希みを叶えるために、友も自分も裏切る覚悟で、振り翳す白刃。
みりおくんって、どちらかと言えば優等生で「正しい」人を得意とするタイプだと思われがちな印象がありますが、この人はあの「暁のローマ」のアントニウスを演じきった人。嘘も裏切りも、なんでもござれなんですよね。この学年で、本当に幅の広い人だなあ、と感心します。
「エリザベート」新公は、やっぱりトートなんでしょうか。ぜひぜひ彩星りおんのシシィと組んで、素晴らしい公演を…(←言霊)
エミーリア姫(羽桜しずく)
すみません、私はやっぱりしずくちゃんのファンみたいです。エミーリアは、彼女しか考えられません(泣)。
一人前の女ではない、記号としての「少女」でなくてはならないエミーリア。
妹ではない、ロリータでもない、まさに処女神ディアナの化身のような“少女”。
親友であったフラヴィーアとの思い出を大切に両手に抱いているために、他のものを受け入れる隙間がない。他のものを受け入れることが、すなわちフラヴィーアへの裏切りだと感じてしまう、『少女』。
そういう頑なさと、子供っぽい潔癖さ。パラモンが子供である以上に、エミーリアが“子供”であることは、物語上の大きなポイントだと思います。
パラモンがエミーリアに抱いたものは憧れだったけれども、アーサイトはエミーリアを愛していた。
そしてエミーリアは、アーサイトに親しみを感じていて、パラモンには恋をしてしまった。
しかも姫は、パラモンへの恋を自覚できない。フラヴィーアを裏切った自分を認められないから。
アーサイトへの親しみは、それだけでは罪を形成しない。けれども、そんな理由でアーサイトを択ぶことはできない。
……そのすれ違いが、悲劇の始まり……。
登場のピンクのドレスも、二幕のディアナの神殿での蒼い衣装も、後半の花嫁衣裳も、どれも本当によく似合って神々しいまでに美しく見えました(←たぶん贔屓目)。
二人の美しい貴公子が、遠くから眺めただけで問答無用で恋に落ちるに十分な美しさ。
二幕の決闘シーンも、「このひとのためなら命を賭けるのも仕方ない」とすんなり納得してしまう。
可愛い娘役は数多居れども、ピンスポを浴びて「神々しい美しさ」で長時間立っていられる姫役者は案外少ないもの。彼女の持つ「透明で硬質」な美しさが、このエミーリアという役に合っていたのだと思います。
存在自体がファム・ファタルなひとなので、劇団も大切にしてほしいなあ…。
鬘やアクセサリーは、批判される方が多いので、改善の余地はたくさんあるんでしょうねぇ。…あの美貌にさらに伸び代があるなんて信じられない、と思う自分は、単なるファンです、多分(^ ^;ゞ。
……そして、この水晶のように硬質な姫役者に、熟しきった手弱女の美しさを存分に発揮した天野ほたるを併せて使った小柳さんのセンスには脱帽しました。いやあ、眼福、眼福。
「サウダージ」であーちゃんにワケアリの大人の女をやらせようとして玉砕していた稲葉さんのセンスとは雲泥の差、かもしれません。
あらら、やっぱり長すぎちゃった(T T)。
すみません、続きはまたいずれ。(ってか、雪組も書くよね?いつ?)
.
コメント
とっても心にズッキューンヒットしてくる感想読ませてもらえて、ありがとうございました☆
「二人の貴公子」、ううう、見たかった見たかったですワタクシ…。
まさおくん、みりおくん、しずくちゃん、なんてもう、なあああんて美貌三重奏☆じゃあないですか!
おまけにほたる嬢にも素敵んぐな役がふられていたとは。
東京で見られるものじゃないとはわかってはいても、同時期違う方のシェイクスピア作品某ロミオにかかりっきりになってしまって、遠征なんて夢の夢な我が身であります。ほんとにトホホです(汗)
長いなんてとんでもない、もっともっと書いていただきたいくらいです。
ねこ様のご感想を頭におきながら、スカステでの放送を待ちたいと思います(^^)
機会がありましたら、また書いて下さいませ〜♪
色々と手伝わせてしまいまして、本当に有難うございました。
これに懲りずにまた5月も何かと宜しくお願いします。
今回の感想書くの、難しいですね。
肯定的な私は
シェイクスピアらしく、せりふがそれらしかったし舞台もグローブ座になってたりで
それなりに面白かったです。
まさおくんのギラギラっぷりとか、みりおくんの清潔な色気とか、しずくちゃんの可愛さとか
ほたるちゃんの「美貌」とか。
専科さん二人のすごさとか、紫門くんのいい感じの声とか、蘭はなちゃんの可愛さと
前よりも芝居の声が聞き取り易い声質になったぞとかね。
あ、しずくちゃんの侍女二人は一人はとてもきれいで可愛く(でもセリフは少ないし出番も少ない)もう一人はきれいさはともかく芝居がうまくて、表情とか佇まいとかとても良いとか。
シェイクスピア役の寿音くんのあっさりと面白いことを言うがんばりとか、麗百愛ちゃんの裸足なのにトウシューズが見えた踊りとか。
ところが、ここで
あまり乗り気でない私がまった!といわんばかりに登場。
なんか文化祭でやったらちょうどよかったような作品だなぁ~とか
主演の二人が水、彩吹くらいのレベルでやらないと作品として成り立たないのではとか
そしてまさおくんはあまり相手役を愛してないし(まだみりおくんのほうを愛してるって
いえたかも)みりおくんも、一人できらきらしているうちに完結しちゃうタイプで
こちらもあまり相手役を必要としないから、まさお&みりおのM2コンビってないかもとか
しずくちゃんは1部の芝居がへたすぎるとか(2部はよかった)
若者達の群衆芝居が間が悪くてセリフを言うまで棒立ちってのはまずいよとか、
紫門くんは1部の出会いの場面をもっとしっかりやらないとせっかく美味しい役なのに
話が何だかわからなくなるよとか
二つに意見が割れて感想かけません。ねこさまの続きを拝見するのを楽しみにしていま~す。
いやもう、とにかく美しい空間でありましたことよ<二人の貴公子。
これだけ美しい人がたくさん出てくる舞台って少ないので、それだけでもう、めっちゃ幸せでした。
…某ロミオさまには敵いませんけどね(笑)。
あ、ちゃんとそっちも観ましたよー!うちのご贔屓くんは全然舞台に出てくれないので拗ねています。マキューシオとか絶対似合うと思うんだけどな。
>おまけにほたる嬢にも素敵んぐな役がふられていたとは。
ほたる嬢は最強でしたわ。しかも、あの美貌であの萬さまの奥様ですのよ!!くらくら。
スカステで、あの圧倒的な美しさがどこまで伝わるかわかりませんが(←ちょっといじわる)、早く放送してほしいですよねぇ~~(^ ^)。
いつも的確なコメントをありがとうございます(^ ^)。5月も呼んでくださいね♪
>今回の感想書くの、難しいですね。
そうなんですよ。結構何度も書き直したりして、意外と苦労しています。あれでも。
私の中にも「まぁなんて美しいの(*^ ^*)」的な私と「それじゃダメだろうお前」的な私がいるんですけど、、、、やっぱり私、月っ子には甘いんですかね…(汗)。
>主演の二人が水、彩吹くらいのレベルでやらないと作品として成り立たないのではとか
ですね。
本文でも書きましたけど、今の宝塚では、シェイクスピア(ましてやこの作品)を『力づくでなんとかする』ことができるのは水&ユミココンビくらいだと思うんですよね。
役への嵌り度は、たぶん水&ユミコよりまさおみりおの方が上だろうなーと思うのですが、いかんせん技術的な粗が誤魔化しきれないので。
この二人に宛てるのに悪い作品ではないし、小柳さんもよくがんばっていたし、
この若く美しいメンバーが揃ったら、これをやりたくなる気持ちはわからないでもない。
だけど。
この作品を上演する上で、「地の利」と「人の輪」はあったんだけど、「天の時」ではなかったんだなあ、という印象でした。
…ってな話を、少し時間をかけて書きたいと思っています。
のびのびしている間に、また衝撃のニュースが無いことを祈りつつ…。
ところで。
文化祭って、こんな難しいげな劇をやるんですか?
観たことがないので想像ができない…。
みつきねこ様の感想を見てから行きたいなぁと…まだかなぁと思っていましたら、同じ日でしたのね、母娘で前楽と楽を観てきました。行く前にアチコチ感想読んだけど、真っ白な気持ちで観ることにしました。
ツッコミたくなるとこはあったけど、そんなことは横に置いといて。
まさおくんヤァー突っ走ってました。でもそんなまさおがイイだなぁ…甘々な私 そこまで泣くかってくらい、気が付くと母娘で泣いてましたけど(笑)なぜか本公演より、大阪侍やアレックス、博多のミーマイとかのまさおがいいんだよね…ギラギラしてて!
みりおちゃんファンの娘と美しい二人の並びに、眼福
楽のご挨拶もお上手になって…ウルウルで御座いました。
次はエリザベート 二人はルキーニとルドルフ…まさおルキーニ楽しみだけど器用なだけに心配!
長くなってすみませんまた寄らせて頂きます。
コメントありがとうございます!!読んでくださって、ありがとうございました。
>でもそんなまさおがイイだなぁ…甘々な私
そうなんですよ!。まさおくんは、そういうどうしようもないところが可愛いんです(*^ ^*)
Alexも博多座ミーマイもすごく良かったですね♪♪「夢の浮橋」の役も、宛書だなあと思いましたけど、特に博多のジャッキーは素晴らしかった!もう一度あのジャッキーに会いたいです(笑)。
>みりおちゃんファンの娘と美しい二人の並びに、眼福
お嬢さまはみりおくんなんですね。みりおくんとまさおくん、本当に美しくていい並びですよね♪今回組替えとかなくて本当に良かった!と、ホッとしてます。
ルキーニとルドルフや革命家トリオはあまり絡む場面がないのが残念ですが……でも、フィナーレとかで並んでくれたらいいなあ、とかこっそり期待してみたりして(^ ^)
>まさおルキーニ楽しみだけど器用なだけに心配!
うーん、それは……ファンじゃない人から見たら、「まさおって器用だよねー」で終わってしまうかもしれないけれども、まさおくん自身が何かを掴むことが出来たらそれでいいんじゃないかな、と思っています。いい作品ですからね。真正面から役と向かい合う強さを持っている人だと思うので。
さすがに今回は大劇場には行けそうにないし、人気公演だけに何回観られるかわかりませんけれども、必ず観て感想書くつもりですので、よろしければまた遊びにいらしてくださいませm(_ _)m。