先がさっぱり見えない日記ですが、公演の終わりが見えてきてしまったのでがんばりたいと思います。
東京宝塚劇場花組公演「太王四神記」。
(もうどこまで書いたか覚えてないよ……あ、二度目のポンファ通りまでだった。……まだ一幕かっ!!)



第13場 高句麗一武道大会

武道籤をあっちの通りに売りに行こう!とスジニたちがタムドクを連れて上手にはける前に、背景の壁が飛んで、武道大会のセットに。どぉん、どぉんと鳴る打音にあわせて、ゆっくりと盆が回ってくる。このときのワクワク感ったらないですよね(^ ^)。「もうすぐはじまる武道大会♪」という静かなコーラスがだんだん盛り上がっていくのが良い!!
ここの演出、大好きです☆胸が熱くなる☆

新公では時間短縮のためにこの演出が丸ごとカットされて、いきなり闘いから始まったのですが。
スジニたちの会話の途中から後ろで盆が回り始めたことにすごく驚きました。「え、え、盆が回り出しっちゃったよ!どうするの一体!?」と客席でオロオロしてた(汗)。最初からあの演出だったらとまどいもなかったのかなあ……?でも、やっぱり回ってくる間の五軍紹介が大好きなので、無くて寂しかったです(T T)。



審判アーサー(煌雅あさひ)の声にあわせて、ワンフレーズづつパフォーマンスを見せる各軍のメンバーたち。
それぞれを応援する人たちが、その都度盛り上がって応援しているんですが。
…ここもポンファ通りなみに目が足りない場面なんですよねー。いつもいろんなところに目移りしまくった末に、終わってみたらなんにも覚えてなーい(嘆)。



こないだ初めて気がついてすごくツボったのは、青軍パパ(眉月凰)の親バカっぷり(^ ^)。
いつもは上手奥の観客席に気をとられて、あまり下手のパパたちが観れていないのですが、先日、たまたまそっちをチェックしたんです。
パパたちは3人ともそれぞれにパフォーマンスが大仰で楽しいんですが、服の色どおりにいつもクールな青軍パパが、滅茶苦茶ハイテンションに息子に向かって手を振り、手をメガホンにして何か叫んでいるなんて!(^ ^;ゞ。

漠然と、黄軍パパ(紫陽レネ)のパフォーマンスが一番激しいだろうと予想していたんですけど、いやいや青軍が一番オモシロかったです。
緑軍パパ(夕霧らい)は、パフォーマンスというか、ちょっと色気を振りまいて引っ込んでいたような(汗)。あの行動は日替わりなんでしょうか。次回観るときは忘れずにチェックせねば。



上手の観客席は、凄いです。激しいです。
とりあえず、“ホゲ様のお気に入り”の座を譲る気なさそうなきらりん(華耀きらり)・くみちゃん(芽吹幸奈)の二人は、赤い札を必ず一枚は持っていて(^ ^)、赤軍の紹介のときとかにはそれを振ってアピールしてます。ホゲ様もたまには応えてあげればいいのになー。(←そんな余裕ないから)
きらりんは赤のほかに緑を持ってるときが多いかな?らいらい同期だからでそうか。右手に赤、左手にもう一色、みたいな感じで両手をあげて振ってたりする。(←やりすぎなところが可愛い)。セドルよっち(月央和沙)も同期なんですけど、黒を持ってることは少ないような。
くみちゃんは、私が見るといつも赤しか持ってない気がします(^ ^)。
さあやは緑か黄色が多い…かな。赤を持っているのは殆ど見たことありません(残念)。あと他に、絶対赤を持っているのはアルバイトのめおちゃんとじゅりあ。特にじゅりあは、赤しか持っていないことが多いような気がします。



一通りパフォーマンス(入場行進?)が終わると、あらためて競技が始まる。

まずは、青軍(浦輝ひろと/天真みちる・真輝いづみ・和海しょう)と黄軍(瀬戸かずや/花峰千春・銀華水・鳳龍あや)の闘い。
平場に8人が広がって、2人づつ4組に組んだとき、一番手前の上手側でジャンプする青軍の天真みちるくんに惚れました。ジャンプそのものというより、着地のなめらかさが凄くキレイ。音も無く舞い降りるんですよね。基本的に、ジャンプ力があって着地の静かな人が好きなので、嬉しいです。(でもロケットの顔芸はかんべんしてほしい……)
いつもそこに目を奪われているうちに決着がついてしまうのがちょっと残念。天真くんと組んでいるのが誰かもわからないんですよねー。黄軍は全員区別がつくはずなんだけど、天真くんしか見てないらしい…。


……という勢いで逐一書いているといつまでたっても終わらないので、ちょっと飛ばします。
あああ、天地神堂の巫女さんたちを全員わかる自分になりたかった……。



とりあえず。大劇場の最初の頃にも書きましたが、
祐飛さん、あなたはイカサマする必要まったく無いですからっ!!




第14場 謀略

息子を王位に就けんと策謀を寝るヨン・ガリョ様の腹黒さが素敵です。
でも、新公ヨン・ガリョの優しさと甘さも大好きだ(*^ ^*)。



そういえば。
ここでも語られる、「四部族の息子たちを攫って殺し、タムドクの仕業にみせかける」という謀略ですが。


ドラマのあらすじを読み直したのですが、ヨン・ガリョたちは『王がタムドクの即位に反対させないために部族長の息子たちを人質に取った』と部族長たちに信じさせる のですね。
最初から殺すことが目的ではなく、王が彼らを人質にしたと思い込ませることで反感をあおることが目的だった、ということであれば、一応謀略として成立する…かも?

ここはともかく、タムドクの即位に反対させることが目的なんですよね。
タムドク(“ひ弱な皇子”)に王位を継がせることに元々反対な部族長たちが『部族長の息子たちを人質にしてまで有能な後継候補を退け、無能な愛息子を王位に就けようとする姑息な王』に従うはずもなく、反乱の中でヤン王自身が退位せざるを得なくなるのも時間の問題。

息子たちを直接的に殺したのがタムドクかどうか、よりも、息子たちを攫ったのが王であると信じさせることの方が重要のような気がするし、納得もしやすいですよね。

舞台における“謀略”の意味不明さは、物語全体の「ご都合主義」というか「ヤっちゃった感」をすごーく強めていると思うので、もう少し慎重に潤色してほしかったなあ、と思います。


花組はもうどうしようもないから、星組版はこのあたり手を入れてほしいなあ。
セームの葬儀の後、「それなら良い手がございます」の次に
「息子たちを攫い、部族長たちに『王に脅迫されている』と思い込ませる」
という、ちょっと複雑な内容をうまく説明するだけで、後はほとんど変更なしでいけると思うんですよね。
で、「王を惑わす軟弱な皇子タムドクをヨン・ホゲが成敗する」とか、さ。(←ちょっと乱暴)


なーんてことを思いつつ。


「あの巫女はタムドクの恋人か?」
「どうせタムドクの片思い」
「だが手を取って逃げた」
「相手は皇子。恥はかかせられない」

という掛け合いが、とても好きだったりします。

ホゲの切ない思いが、悲しい。
「手を取って逃げた…」と呟くときの目が良い。
愛してはいないのに、恋しい。
恋しいから、切ない。
そうやってプルキルの前に隙だらけで立っているホゲの“若さ”が、いろんな経験を積んで初めて演じられる“若さ”であり、無理して背伸びしている“青さ”だから、とても哀しくなるのです。

“若さ”ゆえの先の視えない怖さ、というものは、先を知っているからこそ現実味をもって感じられるのかもしれません。
……こんなことを考えるのは、観ている私がもう若くないからなのかもしれませんが…(^ ^;ゞ



ドラマのホゲは、(いろんな人の話を総合すると)本気でキハを愛しているんですね。
キハのために全てを奉げてしまう?という話を聞きました。

花組の、本公演のホゲは、一人の人間としてのキハのことは全く愛していないのだと私は解釈しています。
ホゲはキハという女を知らない。どんな女で、どんな考えを持っていて、どんな生き方をしてきたのか、そんなことは、なにひとつ。
ただ、「彼を王だと言った女」に、“恋”をしているだけ…。

“王座”という目に見えぬものに恋をした男の、アイデンティティそのもの。
それは、母 との確執 の妄執にさらされた末の、究極の自己愛であり、「王にふさわしからぬ」心のありようだった…。





第15場 ミョンヒョン山

山道を往くタムドクとキハ。
上手の端で、プルキルの水晶玉に見入るヨン家チーム。

ここの演出も巧いなあ、と思います。サリャンが上手袖から水晶玉を持って現れると、舞台中央から移動して上手に集まるわるものチーム。同時に後ろがあいて、山道のセットが回ってくる。
おしのび用の気軽な衣装だけど、生い立ち的に山になんて行ったことがないであろうタムドクと、イベント用の巫女の正装のままのキハ。
どちらも、なんとなく歩きにくそうなところがツボです。

プルキルが水晶玉に術をかける(?)と、キハの肩の烙印が熱を持ってキハを操ろうとする。
「先に行ってください…後から参ります」
あれは、「このまま私は大長老の許に連れ戻されてしまう…でも、タムドク様だけは逃がして差し上げなくては!」ってことでいいですか?

…っつーか、観劇中はそんなこと全く考えず、ひたすら、彩音ちゃんの白い肩よりもっと白い真飛さんの手に見惚れている自分って…。



タムドク(=チュシンの王)がキハの肩の烙印に手を当てることで、プルキルの力が消される。
これってつまり、プルキルの力自体が神器のパワーを利用したもの、と解釈しても良いのでしょうか?若返ったのも子キハ(=朱雀の神器)を手に入れた後だし。
神器は潜在的に超自然的なエネルギーを持っているので、うまくそれを利用すれば何でもできる(←「百億の昼と千億の夜」のオリハルコンとか)。そして、その利用方法を知っているのは、この時代にはプルキルただ一人だった。(神話の時代には当たり前の技術だったかもね)

ただ、神器自体が“チュシンの王”の支配下にあるので、タムドクが望めば神器のパワーはタムドクの意思に従う。…タムドクは、生まれながらの超能力者で、本能的に神器のコントロールができる、ってことでいいのかな。(←何か納得したらしい)
ってことは、“烙印の力が消された”時点で、『チュシンの王』の正体は明らかだ、と…。(あれっ?)


「烙印の力が消された…」
という大長老様の呆然とした呟きを最後に、上手のわるものチームは暗転。
タムドクとキハのラブラブな愛の賛歌に。


この歌、好きなんです実は。「あなたの瞳に希望の光が見えたから」好きになったの、と告白するキハに対して、「それは、僕が君を見ていたからさ」と応えるタムドク……気障すぎて、初恋だとは思えません。女の子の口説き方は誰に教わったんですか?コ将軍は無理ですよねぇ…。
…まぁ、タムドクさんは「キハと一緒にいる」かぎり、「絶望にうちひしがれる」ことはないはずなので、プログラムの歌詞を改めて読むと、矛盾しているなあ、と思うんですが(*^ ^*)。


「生れ落ちたこの岩屋で、僕はもう一度生まれなおしたい。…きみとふたりで」
甘い囁き。


にっこり笑ってうなずくキハの手を、っていうか結構手首あたりをギュッと握って、カーテンの中に入っていくタムドクさんの性急な様子が、微笑ましくて可愛いです☆




長くなってしまったので、また切ります。
……せっかく武道大会を諦めたのに、一幕終わらないなんて……(↓)。
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コメント

nophoto
hanihani
2009年3月17日20:02

ミョンヒョン山をカットして、武道大会を詳細にしてもよかったような・・・
(個人の偏った嗜好)

毎日せっせと更新しないともうすぐ花組が終わり、東京は星が始まり
大劇場の雪組とかバウの二人の貴公子とか色々と貯まってしまうのが心配でーす
(またもひとごと)

ところで原作ではホゲさまも子供の頃からキハのことをチェックしているので
>あの巫女はタムドクの恋人か
の歌詞も私にはなにやら因縁ありげに聞こえてきます。
あのときの祐飛さん、素敵だわぁ

確かに今の経験を積んだ祐飛さんが醸し出す「若さ」と「青さ」の表現が素敵なんですよね
ねこさまって深いですね (尊敬のまなざし☆)

みつきねこ
2009年3月18日0:59

はにはにさま、いつもコメントありがとうございます☆

武道大会は、結構書いていたんですけど、収拾つかず力尽きました(汗)。小ネタとして書いておけばよかったです(反省点その1)。

…というわけで、毎日せっせと更新します!(ホントか?)



>ところで原作ではホゲさまも子供の頃からキハのことをチェックしているので
>>あの巫女はタムドクの恋人か
>の歌詞も私にはなにやら因縁ありげに聞こえてきます。

ああ、なるほど。そうなんですね。
物語的に、タムドクとキハ、ホゲとキハは、それぞれ幼い頃から知っている方が絶対自然ですもんね。それも、三人で仲良し的な普通の幼馴染じゃなくて、少なくともホゲはタムドクがキハを知っていることを知らない、っていう設定だと結構いろんな謎がすっきりするんだよなぁ、と、これは初見のときから思っていました。
…でも、舞台ではあのセームの葬儀の場で会うのが初めてなんですよね……(残念)

潤色の天才・小池さんも、今回は膨大すぎてさすがに詰めの甘いところがたくさんあるなー、と、あらためて思います。
星組版のときは、そのあたりまで詰めてくるかもしれませんね。楽しみです。