毎度のことながら、先が見えないレポートです。
花組公演「太王四神記」。



第11場 ヤン王の寝室

上手端にタムドク、下手端にヤン王が立って、会話を交わす。
「タムドク。自分の有能さを、ヨン・ガリョに明かしてしまったな…」
そう、小言を述べるヤン王。



小池さんの脚本において、全ての行動が謎に包まれているのは、実はヤン王なんじゃないかと思うのですが……どなたか私に、ヤン王の真意を説明してくださいませんか?(泣)。
そもそもヤン王は、火天会について何を知っているのでしょうか。「チュシンの王だと知られれば、命を狙われる」というのは、火天会の目的を知っていないと出てこない台詞ですよね?

そもそもヤン王は、甥のホゲをタムドクの身替りにするつもりだった、って解釈であってますか?
チュシンの王はホゲであり、タムドクは愚かでひ弱い皇子だと喧伝して、火天会にホゲを狙わせ、命を(あるいは身柄を)奪わせるつもりだった。
だから、いくらホゲが優秀な青年に育っても、脅威とは思っていない。いずれ火天会によって奪われる命。競争相手のホゲが消えてから、少しづつタムドクの“愚か者の仮面”をはがし、王位に就ける。

だから、「お前を王位に就けるまでは、私は死ねない」……そりゃ、そうなんだけど(^ ^;


そう考えてくると、ヤン王とセームの兄妹の争いは、蛇とマングースの闘いだったんだな、と納得するんですよ。
息子を(自分の代わりに)王にすることしか頭になくて、あれこれ動いた末に破滅する妹と、
火天会を使って息子の地位を脅かす甥を暗殺しつつ、その機を捉えて火天会をも滅ぼそう、くらいのことは考えていた兄。

おそらく、ヤン王は幼い頃から自分を莫迦にしていた妹を、心の底で憎んでいたんだろうなぁ、とか邪推したくなってしまうんですよ。その怨みの深さと、純粋な悪意に。




でも、彼はセームの小細工には気がつかない。それは、ヤン王自身の人徳に問題があるんじゃないかと思ってしまうのです。
猜疑心の強い、悲観的な支配者。

傍に近づける医者はただ一人で、そのただ一人とも信頼関係が築けていない。あるいは、医者の人間性を見抜けていない。彼の身体を純粋に心配し、あれこれチェックする人間も身近には居ない。唯一、息子タムドクだけが心配して書庫に籠もり、キハを連れてきてくれたことで命が助かるが、その行動自体を咎めずにはいられない……。



実際、この後の行動を考えても、ヤン王が何を考えているのか私にはさっぱりわかりません(泣)
もしかしたら、ヤン王は王位を継いだ自分に引け目があったのかもしれない。その「生まれには疑いがある」ということで。
だから、自分の息子に王位を継がせることに拘ってしまい、結果として大きく国を乱す……


……舞台で観ていると、ヤン王の行動はすっごく謎です。
謎なのはヤン王の行動だけじゃないから、まぁいいけど(汗)。




ところで。
ヨン・ガリョはセームのしていたことを知らなかった、と私は思っているのですが……
どうなんでしょうね。知っていたんですかねぇ?
チョ・ジュドも、どこまで知っているんだか。解らないことだらけだな。






そういえば、セームの通夜の場で書くのを忘れていたんですが、
プルキルが提案した「悪企み」って………あれは意味のあるものなんですか?(率直な疑問)

①ヤン王の快気祝いに、葡萄大会、違う、武道大会を開催する。
②闘っている隙に4部族の息子たちをさらって辺境へ連れて行って殺し、その罪をタムドクになすりつける。
③四部族の長を煽って王家への反乱を引き起こす。
④(ヤン王を退位させて?)ホゲを王位につける。


……えーっと。

①は良いんです。王の病気で沈んだ国民の気持ちを引き立て、景気を良くする好企画ですよね。
④も、わからないでもない。というか、ソレが目的だからね。

しかーし。
②の意味がわからない。これは③を実現するための企みですよね。でも、今現在タムドクに全く人望がないのに、③までしないと④が実現できないのか?
この時代の王位継承が、そんなにルール化されているとは思えないんだけどなあ。

そもそもホゲに王位を継ぐ権利がないんならわかります。大和朝廷だったら、ヨン家に降嫁したセームの血筋には、もう王位継承権は認められないはず。
でも、以前からホゲは王位の候補の一人だったわけで。血筋でタムドクか、能力でホゲか?ってところまでは来ていたわけでしょう?何故今更、そんな大騒ぎを引き起こしてまでタムドクを引き摺り下ろさなくてはならないのか?

朱雀の神の、詔まで戴いたというのに。



だから、これはやっぱり全面的にプルキルの企みなんだと思いたい。その目的も、脚本に書かれているようなことではなく、“闘い”のエネルギーがプルキルのパワーの源なのだ、って感じで。
高句麗世界が乱れれば乱れるほど、憎悪や悲しみ、苦しみを糧としてプルキルのパワーは増し、どんどん若返る…みたいな。

うーん、楽しそうな壮ちゃんのプルキルを観るたびに、この人の本当の目的はなんなのかなあと思ってしまいます……「世界を手に」して、そこで彼は何をしたいんだろうか、と。




……暗い話が長くなってしまってすみませんm(_ _)m。


第12場 ポンファ通り

何度観ても何を観ていいのかわからなくて、ぼけーっと眺めて居るうちに終わってしまう、切ない場面です(T T)。完全に目が“溺れて”いますね、私。


幕が開いたら、とにかく武道籤を売っているコムル村一党をチェック。「ヒョンゴが勝負の行方を占っている」……とプログラムにありますが、どう見てもヒョンゴは手相を見てます。手相でどうして“勝負の行方”がわかるんだろう(T T)。(白華)れみちゃん個人が賭け(籤)に勝つか負けるかがわかるのか?もう籤買っちゃってるのに?……意味不明。
(れみちゃんを例に出したのは、なんかすごく真剣っにヒョンゴ先生の手相占いを聞いてたから。深い意味はありません)


ヒョンミョンは首から箱を提げて、籤の販売中。お釣りを出すのがメチャメチャ早いんですけど、間違いとかないんだろうか。
前にも書きましたが、ここに出てくるめおちゃん(真野すがた)とじゅりあちゃんが面白い。あースタイルよくてカッコイイ街人がいるなー、と思うとめおちゃんだし、あー派手な美人、と思うとじゅりあだし(笑)。何度でも引っかかる私。
天真みちるちゃんの笑顔が好きです。なんか元気になる。そして、真瀬くんが好きだ。観ているだけで幸せになれる。

籤を買おうと並んでいる列に横入り(?)してくるシウ族の3人(朝夏まなと、冴月瑠那、夏城らんか)。みわっちスジニがぶらぶらと歩いてきて、さっとチュムチの服から財布を抜き出す。
それを見咎めるタムドク。
……すみませんすみませんすみません、私はあまりにいっぱいいっぱいで、タムドク様の登場を観たことがありません(T T)(ちなみに5場のヨン・ホゲも、きらりんが「ホゲさまよ!」と叫ぶまで観たことがない)。タムドク様は花道から登場されるのでしょうか。それとも袖から?“初めての外出”の割には堂々としてるよなーと毎回思うんですけど、登場から堂々とされているのでしょうか。それとも段々自信がついてくる感じ?
最初から自信たっぷりなのだとしたら、それは皇子様だからなのかしらん。と、誰にも答えられそうにない疑問をこねくってみたりして。


スジニの腕を掴んだまま、奪った財布を返すようにと促すタムドク。
そういえばスジニが女の子だと気づくのはいつなんでしょうね。最初から解っているように見える日もあるし、違うような気がするときもあるんですが。
【Cul様をはじめ、いろんな方に一斉に突っ込んでいただきました。スジニが自分で「少年!?女の子だよっっ!!」っと言ってるじゃんねぇ…(汗)。大変失礼いたしました!ご指摘いただいた皆様、ありがとうございますm(_ _)m】



財布を差し出されて、破顔一笑、嬉しそうに礼を言うまぁくんが可愛いです。そして、「お前ってホントドジだよなー」みたいに囃したてるルナちゃんと夏城くんが素敵(はぁと)。
喜ぶまぁくんに、お礼を強要するみわっち。女は強いなあ。

タムドクを振り返って、「見逃してくれた礼はこの店でいい?」みたいなことを言う。……トラジの店って、やっぱり焼肉屋なんでしょうか?スジニが入りたがってるってことは。
ここでもまた飛び上がって喜んでいるさあや。自分の顔を指差して、うんうん頷いてたのは見ました。タムドクt「トラジ?」「あ、あたしよあたし」みたいな会話をしていたような気がします……(曖昧)。



タムドクたちが店に入ろうとしたあたりで、上手にパソン姐さん(桜一花)が登場。
剣(「龍星」でウメちゃんが使ってた二本組のアレ)を両手に持って歌い踊る一花は、本当に本当に可愛いです(きゅん)。しかし、パソンは「チュシンの星が輝いた」子供時代にある程度の年齢になっていたはずなので、おそらくはキハより上、タムドクやホゲより10歳近く歳上のはずだと思うんですが………
なんてことはもう気にしません。だって一花だもん!可愛いよーホントに可愛いよー(*^ ^*)。


パソンに声をかける、チョルロ族のセドル(月央和沙)。
「山奥の田舎もんが、この剣の価値がわかるのかい!?」って一花、酷い(涙)。チョルロ族の出身地って、靺鞨とどんだけ違うんですか?靺鞨も相当な田舎だと思うんだけど。
そんなパソンを一所懸命フォローしている(でもイマイチ役に立ってない)チュモン(嶺乃一真)が無駄に可愛くて、つい注目してしまいます。


この間に、もう上手にはケマ族(日向燦、煌雅あさひ、鳳真由)が来ている。
パソンに声をかけ、商談に行く途中で……チョルロ族を「田舎もん」と莫迦にすることは忘れない。嫌味いっぱいのマメちゃんがとても素敵です。
アーサーの笑顔が好きだ。しかしこの人、どうしてこんなところで紅い甲冑をつけているんでしょうか。忙しいだろうに……(←余計なお世話)

この場面の用事はホゲ(あるいはヨン家)の私用なので、公的身分をもつチョク・ファンは居ません。ちょっと寂しい…(T T)。




ケマ族の軽口にシウ族が乗った形で、シウ族とチョルロ族が喧嘩を始める。
結構派手な取っ組み合い。いい年して、往来でそんなことすんなよ……。

店に入っていたはずのタムドクたちがいつの間にか居て(早っ)、喧嘩を止めに入る。大劇場の最初の頃は、なんかお店の前で屯ってたら巻き込まれちゃった、って感じだったと思うんですけど、いつの間にかタムドクが積極的に止めに出てくるようになったんですね。
手にした剣?で楽々と剣戟を止めるタムドク。

彼は、コ将軍や近衛隊のメンバー、そしてホゲ以外の人と戦ったのは、これが初めてなんですよね?もうちょっと「へぇー、普通の人ってこんなに弱いんだー」みたいな感動があってもいいような気がしたりもしましたが、まぁ、いらないのかな?

それを、上手セットの壇上で眺めるカグン将軍(高翔みずき)が素敵なオジサマっぷりなんですが、残念ながらこの時点ではかなり意味不明な人です。スポット浴びていることも含めて、すごく謎。



で、セドルの「高句麗一強いのは自分だと思っていたが、お前には勝てん!」という台詞があり、
「それではこのタムタム、武道籤はセドルに賭けよう!」と宣言するタムドク。
ちゃんとヒョンミョンから札も買って(毎回3枚4枚と押し付けられているのが笑えます)、ちゃんとお金を払って籤を買う皇子様。
それも、そこそこの小銭は用意してあるのが良いですよね♪身支度といい、お金といい、、、、タムドクのお出かけの準備を調えたのは誰なんでしょうね。カクダンじゃないよなあ(←カクダンも私用で街に遊びに出たことなんて無さそう)。やっぱりコ将軍……かなあ?ちょっと萌え。




そのまま、「あっちの通りまで籤を売りに行こう!タムタムもおいで!」と連れて行かれるタムドク。
そのままの勢いで、次の「武道大会の場」になだれ込むわけですが。




……国王快癒祝いのイベントに、皇太子が(公式に)出席しない、、、あり得ない事態だと思うんですが(涙)。どうなんでしょう……


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コメント

nophoto
Cul
2009年2月26日9:09

ねこ様♪

すごい読み応えのあるレポありがとうございます。

いつタムドクがスジニが女子だと気づくのかは、スジニ本人が言ってます。
タ「こら少年、〜盗みはいけない」ス「少年!?少女だよ」〜そんなにさらっとバラすなら、男子のふりをする意味っていったい?

見逃してくれたお礼に一杯おごるよ、トラジの店さ♪の時のさあやのアピールっぷりは本当に可愛いですね(^^)
私が観た時は、タムが猛アピールさあやに気づいて指差しながら「トラジさん?」、嬉しそうにうんうん頷くトラジがすっごい可愛い。
スジニが見守ってるのも(一番年下なのに)微笑ましい。
しかしちゃんと繁盛してそうなのにトラジの喜びよう…きっとトラジが好きで通う客も沢山いるんだろうな。可愛い子ちゃんもどっさりだし☆

籤売りたちがはける時、面倒見のいいスジニが「タムタム、あんたも来る?」と、一緒に連行して、武道大会観戦になだれこむんですね。

ヤン王は、ホゲが火天会に害されるのを、望みはしないまでも仕方ないと考えてる。それで息子が助かるなら、と。

セームは火天会の存在を知らない? 知ってても、チュシンの星のもとにうまれたとアピールしなければいけない立場。
…どう考えてもホゲがかわいそう。
(関係ないけど、ドラマでは、毒を調達したのはサリャンらしいですね。ヤン王毒殺計画からしてプルキルが関わってそう…)
で、いろんな陰謀の外に、ボーっとした、頼りない、でも普通に優しいヨン・ガリョがいて。ホゲの教育的に蚊帳の外でも、ホゲの環境的にはけっこう救いになってたと思います。友達もいるしね。

続き、ますます楽しみにしています(^^)

みつきねこ
2009年2月27日2:01

スジニの件、ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m。本当にいろんな方からご連絡をいただいちゃいました…(^ ^;ゞ。みなさま、いつも読んでくださってありがとうございますm(_ _)m。

そういえば、スジニが「女の子だよっ!」と言うたびに、『あんたそれ隠してるんじゃないの?』と心の中で毎回突っ込んでいるのに……何処へ逝ってしまったの私の海馬。


>しかしちゃんと繁盛してそうなのにトラジの喜びよう…きっとトラジが好きで通う客も沢山いるんだろうな。

ですねー♪なんの店だかよくわからないけど、少なくとも私はトラジが好きで通ってます。

>可愛い子ちゃんもどっさりだし☆

ええ、もうねぇ~(*^ ^*)♪


>セームは火天会の存在を知らない? 知ってても、チュシンの星のもとにうまれたとアピールしなければいけない立場。

セームは知らないんじゃないかなーと思っています。それは“王を継ぐ者”だけの秘密だったんじゃないかな、と。だからタムドクは知っている。そして、おそらくヨン・ガリョも、政治の中枢にいる人だから漠然とは知っていて、ホゲに伝えている(「あの秘密組織か」)。でも、その目的や設立動機は良く知らない……そんな感じなんじゃないでしょうか?(適当)


>(関係ないけど、ドラマでは、毒を調達したのはサリャンらしいですね。ヤン王毒殺計画からしてプルキルが関わってそう…)

おお!!そうなんですね。新情報ありがとうございます。
まぁ、花組版を観ていて、最初の陰謀にプルキルが関わっていないのを凄く不思議に思っていたので、納得です。
ただ、火天会側がセームを唆したのか、医者の裏にいて薬草の入手に関わっただけなのか、あるいはセームが火天会を知っていて依頼したのか……セームのキャラクターは、それによってだいぶ違いますね。どれなのかなあ?

で。
ヨン・ガリョのことはまた後日☆っていうか、しゅん様のヨン・ガリョが素敵すぎてヤバいです(苦笑)。