宝塚歌劇団雪組の、
81期のゆり香紫保さん、
86期の谷みずせさん、穂月はるなさんの3人が、東京宝塚劇場千秋楽をもって卒業することが発表されました。


すでに発表済みの白羽ゆり嬢(84期)と合わせて、4人。
誰が辞めても寂しいのにかわりはないのでしょうけれども、4人とも悲しいなあ。

ラギちゃんが卒業されて、これからは仲良しさんだったジャニーズ系美少年・たにやんを応援しよう!と思っていた矢先でした。
「星影の人」で、きゃびぃ(早花まこ)と二人でヤンヤヤンヤしていたはるなちゃん、「Joyfull!2」でも「ミロワール」でも、ラギちゃんと組んで踊ってくれたはるなちゃん、本当に本当に、可愛くてお気に入りだったのになぁ…(T T)
そして、ラギちゃんやシナちゃんの最後の白い服に、可愛いキリンとゾウのアップリケをしてくれたゆり香さん。雪組は上級生が少なくて、灯さんが卒業された今、娘役の一番上はゆり香さんだったんですよね。下級生にとってはすごく心強い存在だったんだろうと思います。
となみちゃんももちろん残念だし、4人とも……(T T)。

最後の公演が、素敵な作品になりますように☆





さて。
日本青年館「忘れ雪」。

今日は、橘深雪さん(舞羽美海)から。

みみちゃん、とりあえず、ランドセルが似合ってたことに驚きました。
どちらかといえば学年の割に大人っぽい美貌だと思うし、ダンサーでスタイルも良くて、あまり子供っぽい感じでは無いはずなんですが、本当に違和感なく小学生でしたね。
不思議な人だ。

そして。
私はずっと、彼女が絵を描く人だというのをもっと前面に出せばいいのに、と思っていました。
事故によって彼女が喪ったものは、ただの視力ではなく「絵を描くことそのもの」であり、「画家としての未来」でもある…んですよね。

巴里へ留学してまで勉強してきた、絵。それを奪われた深雪。
深雪はただ、「眼が見えなくなった」から一希の前から逃げたのではないのだろう、と思うのです。
夢を喪ったから、もう一希の前には出られない、と思った。
新しい夢を見つけるまで(そんな日はこないかもしれないけれども)、夢を追い続けるあの人のもとに戻ることはできないのだ、と。

去年の年末に上演されていた宙組の「Paradise Prince」のキャサリンの迷いが思い出されて。
…その作品力のあまりの違いに、涙が出ました。
児玉さんには、そういう意図は全くないだろうことが余計に腹立たしい。もうちょっと考えるべきことがあるでしょう!サックスやマーチングを練習させるよりも、もっと大事なことがあるんじゃないのかっ!?(怒)

………いかんいかん、落ち着け自分。




「絵の勉強」を、義父や婚約者から逃げる方便につかっただけにしか見えなかったのが残念です。
深雪は、もう少し前に義父や南と対決するべきだった。
対決した上で逃げ出すならいいんです。養女にすぎない彼女の立場が弱いのは仕方が無いんだから。でも、その場面は入れるべきだった、と思う。

そちらの家庭での様子が全くわからないので、深雪が今まで長いこと遠慮して小さくなって生きてきたのか、そうでもないのか、南との婚約も強圧的に決められて断れなかったのか、マリア公園で一希と静香のデートを目撃した深雪が自棄を起こしてOKしただけなのか、そのあたりが不明なままなのですが…

まぁ、義父っていっても赤の他人ではないわけで、深雪から見たら「叔父さん」になるのかな?両親が死んで、伯父さん(葵吹雪)のところに引き取られたらその伯父の家が破産して、「京都の弟」のところに行った、んだから、叔父さんですよねぇきっと。
ランドセルを背負った可愛い小学生だった深雪と、7年が過ぎて美しく女らしく成長した深雪に、人格的な変化がない(←子役を使わなかったので当然)ってことは、そう虐待された生活を送っていたわけではなく、まあちょっと遠慮がちではあったとしても普通に生活していたってことなのかなー?と思うんですよね。
そうなると、南との婚約も自棄を起こした深雪自身が「Yes」と言ったとしか思えないわけで。
それを「何も言わずに一人で巴里へ行きます」って………
おいっ!!と思うわ(^ ^;


もうちょっと、鳴海と父親くらいの扱いで、深雪と義父の親子関係も示しておくべきだったんじゃないか、と思います。
……んで、深雪義父はにわにわ(奏乃はると)でお願いします、是非♪♪(言いたかったのはそれか!)



一幕ラストと二幕ラスト。深雪は二回(正確に言うなら、最初の京都行きを含めて三回)一希の前から姿を消すわけですが。

なんだかねー、せめて二幕の方だけでも、
絵を描けない私なんて生きる意味がないわ、とか、
一希さんの貌も見えないのに、傍にいちゃいけないんだわ、とか、
そういうのが欲しい。
じゃないと、一希がすごく無駄死ににみえるので。

……いや、実際無駄死にじゃん、って言われると返す言葉がないんですが(T T)。






笹川宗光(緒月遠麻)。

鳴海代議士(飛鳥裕)の秘書。
……いや、あんな政治家秘書ありえないでしょ。眼つきが悪すぎですから(- -;

いやー、バウで見たときは「フェルッティよりはだいぶマシか…」以上の感想はなかったのですが。

青年館で一番心が震えたのは、キタロウでした。
キタロウの「昌明さん」は、危険物だと思います。

この人、危ない。
反射的にそう思ってしまいました。
この人、ヤバい。だってこの人、なんだかんだ理屈つけてるけど鳴海代議士のことなんてこれっぽっちも考えてないでしょ!
愛しているのは昌明だけ

昌明のために彼の恋敵を潰そうとしたのか、あるいは、昌明が惚れた男が憎かったのか?
……どっちだよ、おい。

っていうか、後者ですよね?だって、一希が邪魔なだけだったらあんな手間隙かけて楽しそうに暴力を振るう必要無いんですもの。薬でも飲ませて、海に放り込んでThe END。あんな中途半端に暴力を振るってちゃったら、最終的に口を封じたっていろいろバレちゃいそうだし…。だったらさっさと(恋しい「昌明さん」にバレる前に)ヤっとけ、って!!




で。

そっと告白します。
私は、この公演みて、結構マジで泣いたんですが。

一番号泣したのが、ミナコちゃんの「先生を誰にも渡したくなかったからっっっ!!」という絶叫で、

その次が、キタロウの「…昌明さん……っ」でした……(^ ^;ゞ

あははははは(腐)。






気を取り直して、一希の弟、桜木満(大湖せしる)。

あははははー、満が出てくるたびに、「えっとこの話、時代はいつだっけ」と思いました。
まぁ、“半端者”は得てして時代遅れな服を着ているものですが、それにしてもさぁ……

それでもステキでした。せしる好きだー!!ああいう“チャラい”役をやらせると本当に絶品だと思うんですよ(*^ ^*)。ビジュアル万歳。ヘタレなツッパリ万歳。

…誰だよ、せしるにチャモロだのネロだのやらせやがったのは。



「兄貴のことは諦めなよ…」
静香さんに対して、不器用に思いを告げる満がかなり好きです。ミナコちゃんの受け方がいいのもあって、すごく切ない場面に仕上がっていた。せしるの不器用さがすごく愛おしいです。
そんな満に「そういう兄貴、きらいじゃないぜ」とか言わせてしまう児玉さんを東京湾に沈めたいんですけど、いいでしょうか。…まぁ、あの台詞を衒いもなく言えるせしるが一番凄いのかも、と思ったので、差し引きゼロでいいんですけど。
でも、結局とっ捕まって、そこでまた無駄にしょうもないことを言っちゃう満。ああ、本当に児玉さん、何を考えているんだ。何も言わないで、「……ごめん兄貴、ドジ踏んでホントごめん…」だけにしておけばいいのにっ!!



ここで笹川たちが「待ち構えて」いるのは、鳴海の密告があったからなんですよね?
鳴海は、父親の立場を守るタメに、そして深雪を得るために、親友を売った。

「一希には瑕をつけるな」とは言ったにしても、
「ライターからお前の正体がわかったらしい。適当に誤魔化して追い返せ」って言ったつもりだったとしても、
売ったことにかわりはない。

鳴海が、どんなふうに笹川たちに指示をしたのかがどうしても想像できなくって、児玉さんが(そしてテルくん本人が)どういうふうに考えて組み立てていらっしゃったのかが知りたいです。
深雪へ向かう気持ちを表現する場面がなかったのも残念。モノローグの歌一曲では無理でしょう普通。そういう、脚本にあいた大穴を埋められるようになったら鬼に金棒なんだけどなあ、テルくんは。




ところで。
なんで笹川たちはライター一個でそんなに逆上すんの?
たかがライターひとつ。警察に証拠物件として認められてもいない、本当に事件と関係しているのかどうかだってわかりゃしないものなのに。
死体の下になっていたとか、血痕がついてたとか、事故の直前まではそこにはなかったとか、何かそういう条件があるならまだしも、浮浪者(葵吹雪)が小遣い稼ぎのために適当なことを言って、そこらで拾ったライターを出した可能性だって否定できないのに…。
なのに、何故…?





中里信一(蓮城まこと)。

「腹に一物」抱えているひとたちと、「ピュアすぎて」闇に堕ちてしまった人たちしか出てこないこの物語の中で、唯一中里くんだけが普通でまともな人物でした。
とにかく普通の人。可愛くて優しくて、抜けてるんだけど意外とよく見てて、陽気で、元気で、歌が巧くて(?)、彼がいてくれるだけで、空気が明るくなる、そんな感じ。
鼻歌は毎日日替わりだったみたいですね。よくがんばった!!

満の静香さんへの気持ちは案外突っ込んで描いてあったのに、中里くんの気持ちはすごくおざなりだったのが微妙でした。もう少し突っ込んでもいいと思うんですが。「テリアの形の海苔」だけじゃなくって、ね。
あと、年齢設定が微妙だったなあ……眼鏡をかけると逆に大人っぽい感じになるんですね、キングって(*^ ^*)。いっそのこと、一希よりずっと歳上設定にしてしまう手もあったのでは、と思いました。清一郎(未沙のえる)の助手として長年勤めてきたベテランで、静香の狂恋をそっと見守る、みたいなスタンスの人にしても良かったのでは、と。
原作どおりなんですかねぇ…。
……掃除しないと鼻歌が歌えないから、下っ端にした、とか?(←ありそうで嫌だなあ)





最後に、高校時代の一希(帆風成海)。

みみちゃんと同期、ですか………わか~い!
高校時代を別人にする必要があるのだとしたら、キムちゃんより童顔でキムちゃんより子供体型で…っていうと帆風さんしかいないな、と納得できる人選ではありました。
仕草やらなにやらは、もっさりしていて垢抜けない感じでしたけど、一希の生来の優しさとオクテな感じは良く出ていたし、いい配役だったと思います。この学年にしては声も出来ていたし(*^ ^*)。これから痩せていけば、いい男役さんになるんじゃないでしょうか♪
次回大劇場の「ゾロ」でも、早速役がついたみたいなので(真那春人くんにはまだつかないのに/涙)、ぜひぜひがんばってほしいです!!

むしろ、深雪の子供時代は違う子の方がよかったと思うのですが、香盤を見ると娘役の最下がみみちゃんなので、無理だったんでしょうねぇ(T T)。

一番笑ったのは、帆風くんを笹川の事務所で見つけたときでした。
高校時代の己にぶちのめされる一希……萌え。





がおりちゃん(香稜しずる)は、メインは二幕ラストの蛇なんですけど、私は一幕のバーアルカトロスの客(最上手テーブル)の美貌に撃ち抜かれてました。いやあん、ホントにカッコイイ。
アルカトロスは、バーテンさんたちのダンスもカッコイイし、踊り子さんたちも可愛いし、思いっきり眼が泳いでました。
相変わらず花帆杏奈ちゃんが気になる私。ショーシーンの最初で、バックライトに浮かぶシルエットのラインを見て「おっ、イイオンナ♪」と思ったのが杏奈ちゃんでした(^ ^;ゞ。見惚れるわ~~!




二幕の刑事は、にわにわとがおりちゃん。この二人、本当にリアルで滅茶苦茶ステキでした。もっと出てくればいいのにーーーーっ。
にわにわの“つかみどころの無い”いやらしさと、がおりちゃんの性急な青さ。いいコンビネーションで、きっと検挙率高いんだろうなあ~と思わせるコンビでした。



卒業されてしまった葵さんは、深雪の伯父さんとか浮浪者とかあちこちで活躍しまくりでしたが、個人的なツボは、アルカトロスのバーテンさん。ショーを観ながら、なんか一人まぁるいひとがいるなー、と思ったらあーたんだった(汗)。ステキすぎる。


一希と深雪がデートをする遊園地の天使は、じんじん(神麗華)。「ホフマン物語」のピティキナッチョ(未沙のえる)をちょっと思い出してみたりしました。笑顔が可愛くてしっかり踊ってくれるじんじん、すごい良かったです。ありがとう児玉さん。



そして最後に、深雪の婚約者・南信一(真波そら)。

雪組の誇る美形軍団の筆頭の一人であるそらちゃん。あー、やっぱりカッコイイし、好きだ(*^ ^*)。
でも、やっぱり南の役をちゃんとやらせるのは無理だったんだろうなあ……(T T)。

あまりにも南が意味不明な人すぎるので、せめてあと二場面は欲しいんですよね。
一幕で、深雪義父と二人、あるいは深雪を入れて三人で今後について話し合う場面。
そして、二幕で深雪を探して一希のところに来る場面、あるいは、飛ばして鳴海代議士と対決する場面だけでもいいです。
この作品を物語として成立させるためには、かなり重要な役だと思うんですが……。

うーん、ホントはキタロウと逆の方がよかったような気がします。
そらちゃんの笹川は、キタロウとは違う意味で怖くてよかっただろうな、と思うし。




ただ観ながら思ったことを書いているだけなのに、結構不満が多いなあ。
面白かったんですけどね。やっぱりあれじゃあ役者が気の毒だもんねぇ。


それでも、挫けず諦めず投げ出さず、最後まで踏みとどまってがんばった総勢30名(専科の未沙さん含む)のがんばりに、大きな大きな大きな拍手!!を。

そして、この作品で卒業された葵さんの歩み往く道に、幸いの多からんことを祈って。



コメント

nophoto
dasy
2009年2月2日22:34

AQUA5の皆様、お稽古中ですので、どうぞお怪我だけはされませんように・・・
テルくんがいるうちにイベントらしきものがひとつでもできて何よりです。
で、忘れ雪・・・・ 最後に好きなところ・・・

※「昌明さん・・・」 ※メガネなオヅキのスーツ ※アルカトロスのダンサーのお姉さま達 ※アルカトロスのバーテン達(りーしゃ!!あずりん・・4人とも大好き) ※がおりクンのすべて  ※「かじゅきちゃ~ん」 ※エアーギター、エアードラム♪ ※「ハンパモノ」なせしる  ※じんじん ※そらちゃ~~~ん!  
あ"~ だめだ みんな大好き  

みつきねこ
2009年2月3日2:32

dasyさま
アクア5も、永遠ではないんですよね…。まぁ、メンバー交代とかして続くのかもしれませんけど、今のメンバーはもう期限切られてしまいましたしね。
いつか絶対コンサートをしてくれると思っていたのになーー。

キタロウの「昌明さん」、いいですよねぇ。アルカトロスは、バーテンもダンサーのお姉さまもシンガーのお姉さまもお客さまの皆様も、みんな素敵で嬉しいです(*^ ^*)。
役のついてた人もついてない人も、みんなが一丸となってがんばってましたよね!!次の作品を楽しみにしています★