花組大劇場公演「太王四神記」より。
まっつ(未涼亜希)=ヒョンゴ 高句麗の隠れ里・コムル村の(新しい)村長
オープニングで上手花道にセリ上がりで登場します!ファンの方はお見逃し無く!!
全体を通して「語り手」という位置づけで、特に一幕前半の怒涛の展開は、滑舌がよくて声の良いまっつがわかりやすく説明してくれるからかろうじてついていける……という感じです。
あまり“説明役”のいる戯曲って好きではないんですけど、今回はどうしても必要だったのがよーくわかりました(T T)。かの「レ・ミゼラブル」以上にプロローグで説明しなくてはならないことが多すぎて、しかも言葉(地名とか)に親和性がなさすぎて耳に残らない(涙)。
まっつほど明瞭で聞き取りやすい語り口でも、一瞬でも気を抜いたらもう何もわかりません……(T T)。
まぁ、まっつの語る物語を「聞く」相手がいれば別に問題無かったのに、と思うんですけどね。ドラマではスジニに話して聞かせてたみたいですし。ただ、みわっちは神話の中でセオをやらないといけないから、ヒョンヤン(望海風斗)に、とか。あるいは誰かに子スジニをやらせるとかでも良かったのになぁ…。
みわっち=セオ/スジニ
かーわーいーいーーーーっ!!
プロローグ(神話時代)のセオの衣装が、シンプルなんですけどすごくよく似合ってて、可愛いです。虎族の女王カジン(桜乃彩音)の衣装がちょっと男っぽい赤みの強いものだったりするせいもあって、みわっちの方が娘役みたいでした(^ ^)。
スジニになてからも、まっつと同じ衣装で銀橋を駆け抜けていっても、肩にもつかないくらいのショートカットに鎧をつけた軍装に乱暴な言葉遣いでも、ちゃ~んと“男の子っぽい女の子”に見えたのが素晴らしいです。本当に性別を超越した人だ…。これでフィナーレは誰よりも男前でカッコイイんだから詐欺だよなー、と思いましたわ(*^ ^*)。
踊りながら歌う場面とかもあるんですけど、すごく聞きやすくてびっくり(←すみません)。音域があっているのか、娘役しているときの方が肩の力が抜けるのか…(^ ^;。小池さんってさすがだなあ、とあらためて思ってしまいました。
みつる(華形ひかる)=サリャン
東宝公演のプログラムでは、写真撮りなおしてあげてください、小池さん……。
とお願いしたくなるくらい、プログラムでは鬘も眉もなにもかもがもうだめ、って感じですが、舞台では普通に銀髪の美形さんでした。火天(ファチョン)会のメンバーで、壮ちゃんに従って2000年生きてきた……のかな?最初の場面にも居るってことは、そういうことでいいんでしょうか。
ちょっとラストに関わるので詳しくは書きませんが、二幕後半の祐飛さんホゲ様との場面は相当おいしいです。銀ちゃんとヤスふたたび(笑)。出番はそんなにありませんが、印象に残る良い役でした☆……だからさ、写真差し替えてあげてくれってばー!
めおちゃん(真野すがた)=青龍/カンミ城主チョロ
プロローグで青龍として踊った後、しばらくお休みのチョロ様。二幕でチョロ様として登場してからは、割と出ずっぱりでまとぶんに付き従いますが、それまでは暇を持て余して(?)いるらしく、町人としてだいぶバイトをされています♪この町人がすごくかっこいいんです♪一幕後半の町の場面では、たしか上手の方で小芝居していたはずなので、観てあげてくださーい(^ ^)。
本来のチョロ役では、登場時の気怠げな王子様っぷりと、仮面が取れて素顔が現れたときの「案外いい男だねぇ」という誰かの溜息がすごく納得できる美形っぷりでポイントGET!って感じでした。橘さんもそうでしたけど、めおちゃんのキャラにあっていてすごく良かったと思います。
桜一花=北の靺鞨(まっかつ)出身の鍛冶職人、パソン
かーわーいーいーーーーっ!!
子役も自分でやってた一花ちゃん。髪を横でひとまとめにした少女パソンが死ぬほど可愛いです。お兄ちゃん(天真みちる)におんぶされたときの小ささとか怯えようとか、もう完璧、って感じ。天真みちるくんも、短い場面ながら妹への愛が感じられていい場面でした。
大人になってからは、弟子(?)の嶺乃一真くんを連れ歩く姐さんですが、とにかく可愛いので何しても許してしまう(笑)。結構いろんなところで本題に絡む重要な役だし、ソロもあって一花らしい活躍ぶりでした。ああ、このところ一花ちゃんは立て続けに美味しい役にあたっていて幸せです。
…この調子で書いていくと全然終わりそうにないので、今日のところは神話の場面に話を絞りたいと思います。
私も3回観てやっと話の流れがわかるようになったので、これからご覧になる皆様に(ほんのちょっとですが)おすそわけというか、お伝えしたいと思います☆
第一場 神話時代
炎を操る虎族の女王カジンと、心優しい熊族の娘セオの対立。
虎族は魔力をもって熊族を支配する。炎を操る女王カジン、強大な魔力を持つ魔術師プルキル。二人の指導者を持つ虎族に、熊族は抗うことができない。
虎族によって弾圧される熊族(=人間)を救うため、“神の子”ファヌン(天を崇める北方民族?)が地上に降り来たりて、女王カジンの炎の魔力を宝玉に篭め、セオに与える。これによって力を喪った虎族は支配者の地位から脱落し、地上に平和が訪れる。
ファヌンとセオは愛し合い、子が生まれる。
しかし、魔力を奪われたカジンもまた、ファヌンに恋をしていた。プルキルに唆されたカジンは、セオの子を奪い、紅の宝玉と引き換えることを要求する。
わが子を救うため、宝玉を渡そうとするセオ。
地上の平和のため、セオを止めようとするファヌン。そのファヌンに、セオは「自分の子供を死なせる平和に意味など無い!」(←台詞はうろ覚えです)と言い放ちつつ、それでも一瞬は戸惑う。
しかしカジンは、宝玉を差し出そうとするセオを待たず(たぶん逡巡しているのを見てムカっときたんだろう)、子供を谷に投げ落とす。
子供を殺された衝撃のあまり、黒朱雀に変化するセオ。
地上を襲う炎を鎮めようと、ファヌンは雲・風・雷(←だったかな?)の3神を率いて雨を呼ぶが、セオの炎に抗しきれず、最後には自らセオを矢で射て落とす。
…ちょっと面白い神話なので、詳しく書いてみましたが。
実際の高句麗建国神話は、天帝の子と河の神の娘が結婚し、その子が長じて初代国王(朱蒙)になるというもの。「太王四神記」で語られる神話は、これより古朝鮮建国神話に良く似ています。こちらは、「天帝の子ファヌンが地上に降りると、熊と虎が「人間になりたい」と近づいてきた。人間に変化するためのルールを両者に伝えたが、そのルールを守れたのは熊だけだったので、ファヌンは熊女を愛し、世界樹の下で子供を作った。この子が長じて初代国王(檀君)になった」、というもの。熊は水に近しく、高句麗神話の河の神と同様、水の神(蛇)を崇める農耕民族のことではないかという説があるようです。
私が読んだ本には、檀君神話で人間になれなかった虎がどうなったのかは書いてなかったのですが、望みをかなえた熊を恨んで何かをしたというエピソードはあっても不思議はないですね(私が読んだのは日本の神話を解釈する目的で周辺国の神話をまとめたものなので、各国の神話の詳しいところはよくわからないのです)。
また、四神思想が入る前は“赤虎は炎、白虎は風”というモティーフもあったようなので、虎族が炎を操ったのも不思議はないのかもしれません。
しかーし、この神話で不思議なのは、最終的に黒朱雀になって地上を滅ぼそうとしたのは熊族のセオ(みわっち)であってカジン(あやね)ではなかったことなんですよね…。それなのに、炎の紅玉(朱雀の神器)の護り手は、セオの転生・スジニ(額に黒朱雀の烙印があった)ではなく、カジンの転生・キハ。なんか理屈に合わない。
そして、ファヌン(まとぶん)が愛したのはセオであって、カジンは一方的な片思いだったこともちょっと不思議。ドラマでは、タムドク(まとぶん)とキハ(あやね)とはいろいろありつつも、最終的にタムドクが選ぶのはスジニ(みわっち)なのでつじつまがあうのですが、小池版ではトップ娘役=キハですから、タムドクの恋人は完全にキハ一人なので…。
そのあたりは、配役的にどうしようもないところではあるのですが、細かい伏線に拘る小池さんらしくない杜撰さだなーと思ってしまいました。
まぁ、観る側が細かいことを気にしなければいのですけどね(苦笑)。
この時の三神(青龍・白虎・玄武)は、めおちゃん・まぁくん・だいもん。銀髪の鬘にそれぞれの色のメッシュを入れて、ビジュアルもがんばってました。
ただ。
いやー、わかるんですけどねぇ、雨・風・雷の“三神”+炎で“四神”、なのかーーーーーっ。
………なんだか素直に納得できない私は、ただの「創竜伝」ファンなのかもしれま(黙)
もとい。
中国系の「四神」思想と、扶余系の「五部族」思想が話の中で(舞台演出としても)混ざっているのが、一番の混乱の元かもしれませんね。
ファヌンは、セオを射ち落としたあと、
♪いつの日かチュシンの星が輝く夜に
♪世界を治める王を遣わす
♪チュシンの王は私に代わり
♪愛に満ちた世界を造る
と予言し、4つの神器を残して天に帰っていった。
虎族の魔術師プルキルは、秘密組織・火天(ファチョン)会を作り、その大長老としてチュシンの王の誕生を待つことにする。
……いいんですけどね、小池さん。
大長老の目的は、「チュシンの王を探し、その手許に自然と集まるはずの4つの神器を奪い、世界を制すること」…ってことでいいんですよね…?
いつの間にプルキルは、「4つの神器をそろえたものが世界を制することができる」ことを知ったんでしょうか。しかも、その4つの神器と護り手の仲を裂くための方法を、どうやって知ることができたのでしょうか……。
虎族の魔術師としてカジン様に仕えていた頃から知っていたのかなあ…?
ま、そんなことはともかくとして。
とにかくプルキルはそういう目的を抱いて、2千年の雌伏の時間を過ごす。
そして、あっという間に2千年後。
チュシンの星(チュシン=朝鮮、でいいんですよね…?“チュシンの星”って、北極星とかそういう意味はないのかな…違うよな、多分)が輝いを強めたとき、高句麗の王妃と王の妹は二人して臨月を迎えた。
余談ですが、占星術で輝く日がわかったようなので、たぶん何か天文学的に意味のある現象だったんでしょうね、「チュシンの星」。
王妃(初姫さあや)の清純で神秘的な美しさと、王妹(花野じゅりあ)の毒々しい野心に満ちた笑顔の落差にヤられました。小池さん、さすがに女役の扱いが秀逸です。美しい二人が美しく両側に並んで「眠れ良い子よ」と歌う場面が、たまらなく好きだったりします。美女二人は母として神々しいほどに美しく、音楽もいい(はぁと)
……というところで、今日のところは終わりにさせていただきます。
ああ、さあやの美しさの1/3(3役なので)だけでも伝えられて良かった……(^ ^)
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まっつ(未涼亜希)=ヒョンゴ 高句麗の隠れ里・コムル村の(新しい)村長
オープニングで上手花道にセリ上がりで登場します!ファンの方はお見逃し無く!!
全体を通して「語り手」という位置づけで、特に一幕前半の怒涛の展開は、滑舌がよくて声の良いまっつがわかりやすく説明してくれるからかろうじてついていける……という感じです。
あまり“説明役”のいる戯曲って好きではないんですけど、今回はどうしても必要だったのがよーくわかりました(T T)。かの「レ・ミゼラブル」以上にプロローグで説明しなくてはならないことが多すぎて、しかも言葉(地名とか)に親和性がなさすぎて耳に残らない(涙)。
まっつほど明瞭で聞き取りやすい語り口でも、一瞬でも気を抜いたらもう何もわかりません……(T T)。
まぁ、まっつの語る物語を「聞く」相手がいれば別に問題無かったのに、と思うんですけどね。ドラマではスジニに話して聞かせてたみたいですし。ただ、みわっちは神話の中でセオをやらないといけないから、ヒョンヤン(望海風斗)に、とか。あるいは誰かに子スジニをやらせるとかでも良かったのになぁ…。
みわっち=セオ/スジニ
かーわーいーいーーーーっ!!
プロローグ(神話時代)のセオの衣装が、シンプルなんですけどすごくよく似合ってて、可愛いです。虎族の女王カジン(桜乃彩音)の衣装がちょっと男っぽい赤みの強いものだったりするせいもあって、みわっちの方が娘役みたいでした(^ ^)。
スジニになてからも、まっつと同じ衣装で銀橋を駆け抜けていっても、肩にもつかないくらいのショートカットに鎧をつけた軍装に乱暴な言葉遣いでも、ちゃ~んと“男の子っぽい女の子”に見えたのが素晴らしいです。本当に性別を超越した人だ…。これでフィナーレは誰よりも男前でカッコイイんだから詐欺だよなー、と思いましたわ(*^ ^*)。
踊りながら歌う場面とかもあるんですけど、すごく聞きやすくてびっくり(←すみません)。音域があっているのか、娘役しているときの方が肩の力が抜けるのか…(^ ^;。小池さんってさすがだなあ、とあらためて思ってしまいました。
みつる(華形ひかる)=サリャン
東宝公演のプログラムでは、写真撮りなおしてあげてください、小池さん……。
とお願いしたくなるくらい、プログラムでは鬘も眉もなにもかもがもうだめ、って感じですが、舞台では普通に銀髪の美形さんでした。火天(ファチョン)会のメンバーで、壮ちゃんに従って2000年生きてきた……のかな?最初の場面にも居るってことは、そういうことでいいんでしょうか。
ちょっとラストに関わるので詳しくは書きませんが、二幕後半の祐飛さんホゲ様との場面は相当おいしいです。銀ちゃんとヤスふたたび(笑)。出番はそんなにありませんが、印象に残る良い役でした☆……だからさ、写真差し替えてあげてくれってばー!
めおちゃん(真野すがた)=青龍/カンミ城主チョロ
プロローグで青龍として踊った後、しばらくお休みのチョロ様。二幕でチョロ様として登場してからは、割と出ずっぱりでまとぶんに付き従いますが、それまでは暇を持て余して(?)いるらしく、町人としてだいぶバイトをされています♪この町人がすごくかっこいいんです♪一幕後半の町の場面では、たしか上手の方で小芝居していたはずなので、観てあげてくださーい(^ ^)。
本来のチョロ役では、登場時の気怠げな王子様っぷりと、仮面が取れて素顔が現れたときの「案外いい男だねぇ」という誰かの溜息がすごく納得できる美形っぷりでポイントGET!って感じでした。橘さんもそうでしたけど、めおちゃんのキャラにあっていてすごく良かったと思います。
桜一花=北の靺鞨(まっかつ)出身の鍛冶職人、パソン
かーわーいーいーーーーっ!!
子役も自分でやってた一花ちゃん。髪を横でひとまとめにした少女パソンが死ぬほど可愛いです。お兄ちゃん(天真みちる)におんぶされたときの小ささとか怯えようとか、もう完璧、って感じ。天真みちるくんも、短い場面ながら妹への愛が感じられていい場面でした。
大人になってからは、弟子(?)の嶺乃一真くんを連れ歩く姐さんですが、とにかく可愛いので何しても許してしまう(笑)。結構いろんなところで本題に絡む重要な役だし、ソロもあって一花らしい活躍ぶりでした。ああ、このところ一花ちゃんは立て続けに美味しい役にあたっていて幸せです。
…この調子で書いていくと全然終わりそうにないので、今日のところは神話の場面に話を絞りたいと思います。
私も3回観てやっと話の流れがわかるようになったので、これからご覧になる皆様に(ほんのちょっとですが)おすそわけというか、お伝えしたいと思います☆
第一場 神話時代
炎を操る虎族の女王カジンと、心優しい熊族の娘セオの対立。
虎族は魔力をもって熊族を支配する。炎を操る女王カジン、強大な魔力を持つ魔術師プルキル。二人の指導者を持つ虎族に、熊族は抗うことができない。
虎族によって弾圧される熊族(=人間)を救うため、“神の子”ファヌン(天を崇める北方民族?)が地上に降り来たりて、女王カジンの炎の魔力を宝玉に篭め、セオに与える。これによって力を喪った虎族は支配者の地位から脱落し、地上に平和が訪れる。
ファヌンとセオは愛し合い、子が生まれる。
しかし、魔力を奪われたカジンもまた、ファヌンに恋をしていた。プルキルに唆されたカジンは、セオの子を奪い、紅の宝玉と引き換えることを要求する。
わが子を救うため、宝玉を渡そうとするセオ。
地上の平和のため、セオを止めようとするファヌン。そのファヌンに、セオは「自分の子供を死なせる平和に意味など無い!」(←台詞はうろ覚えです)と言い放ちつつ、それでも一瞬は戸惑う。
しかしカジンは、宝玉を差し出そうとするセオを待たず(たぶん逡巡しているのを見てムカっときたんだろう)、子供を谷に投げ落とす。
子供を殺された衝撃のあまり、黒朱雀に変化するセオ。
地上を襲う炎を鎮めようと、ファヌンは雲・風・雷(←だったかな?)の3神を率いて雨を呼ぶが、セオの炎に抗しきれず、最後には自らセオを矢で射て落とす。
…ちょっと面白い神話なので、詳しく書いてみましたが。
実際の高句麗建国神話は、天帝の子と河の神の娘が結婚し、その子が長じて初代国王(朱蒙)になるというもの。「太王四神記」で語られる神話は、これより古朝鮮建国神話に良く似ています。こちらは、「天帝の子ファヌンが地上に降りると、熊と虎が「人間になりたい」と近づいてきた。人間に変化するためのルールを両者に伝えたが、そのルールを守れたのは熊だけだったので、ファヌンは熊女を愛し、世界樹の下で子供を作った。この子が長じて初代国王(檀君)になった」、というもの。熊は水に近しく、高句麗神話の河の神と同様、水の神(蛇)を崇める農耕民族のことではないかという説があるようです。
私が読んだ本には、檀君神話で人間になれなかった虎がどうなったのかは書いてなかったのですが、望みをかなえた熊を恨んで何かをしたというエピソードはあっても不思議はないですね(私が読んだのは日本の神話を解釈する目的で周辺国の神話をまとめたものなので、各国の神話の詳しいところはよくわからないのです)。
また、四神思想が入る前は“赤虎は炎、白虎は風”というモティーフもあったようなので、虎族が炎を操ったのも不思議はないのかもしれません。
しかーし、この神話で不思議なのは、最終的に黒朱雀になって地上を滅ぼそうとしたのは熊族のセオ(みわっち)であってカジン(あやね)ではなかったことなんですよね…。それなのに、炎の紅玉(朱雀の神器)の護り手は、セオの転生・スジニ(額に黒朱雀の烙印があった)ではなく、カジンの転生・キハ。なんか理屈に合わない。
そして、ファヌン(まとぶん)が愛したのはセオであって、カジンは一方的な片思いだったこともちょっと不思議。ドラマでは、タムドク(まとぶん)とキハ(あやね)とはいろいろありつつも、最終的にタムドクが選ぶのはスジニ(みわっち)なのでつじつまがあうのですが、小池版ではトップ娘役=キハですから、タムドクの恋人は完全にキハ一人なので…。
そのあたりは、配役的にどうしようもないところではあるのですが、細かい伏線に拘る小池さんらしくない杜撰さだなーと思ってしまいました。
まぁ、観る側が細かいことを気にしなければいのですけどね(苦笑)。
この時の三神(青龍・白虎・玄武)は、めおちゃん・まぁくん・だいもん。銀髪の鬘にそれぞれの色のメッシュを入れて、ビジュアルもがんばってました。
ただ。
いやー、わかるんですけどねぇ、雨・風・雷の“三神”+炎で“四神”、なのかーーーーーっ。
………なんだか素直に納得できない私は、ただの「創竜伝」ファンなのかもしれま(黙)
もとい。
中国系の「四神」思想と、扶余系の「五部族」思想が話の中で(舞台演出としても)混ざっているのが、一番の混乱の元かもしれませんね。
ファヌンは、セオを射ち落としたあと、
♪いつの日かチュシンの星が輝く夜に
♪世界を治める王を遣わす
♪チュシンの王は私に代わり
♪愛に満ちた世界を造る
と予言し、4つの神器を残して天に帰っていった。
虎族の魔術師プルキルは、秘密組織・火天(ファチョン)会を作り、その大長老としてチュシンの王の誕生を待つことにする。
……いいんですけどね、小池さん。
大長老の目的は、「チュシンの王を探し、その手許に自然と集まるはずの4つの神器を奪い、世界を制すること」…ってことでいいんですよね…?
いつの間にプルキルは、「4つの神器をそろえたものが世界を制することができる」ことを知ったんでしょうか。しかも、その4つの神器と護り手の仲を裂くための方法を、どうやって知ることができたのでしょうか……。
虎族の魔術師としてカジン様に仕えていた頃から知っていたのかなあ…?
ま、そんなことはともかくとして。
とにかくプルキルはそういう目的を抱いて、2千年の雌伏の時間を過ごす。
そして、あっという間に2千年後。
チュシンの星(チュシン=朝鮮、でいいんですよね…?“チュシンの星”って、北極星とかそういう意味はないのかな…違うよな、多分)が輝いを強めたとき、高句麗の王妃と王の妹は二人して臨月を迎えた。
余談ですが、占星術で輝く日がわかったようなので、たぶん何か天文学的に意味のある現象だったんでしょうね、「チュシンの星」。
王妃(初姫さあや)の清純で神秘的な美しさと、王妹(花野じゅりあ)の毒々しい野心に満ちた笑顔の落差にヤられました。小池さん、さすがに女役の扱いが秀逸です。美しい二人が美しく両側に並んで「眠れ良い子よ」と歌う場面が、たまらなく好きだったりします。美女二人は母として神々しいほどに美しく、音楽もいい(はぁと)
……というところで、今日のところは終わりにさせていただきます。
ああ、さあやの美しさの1/3(3役なので)だけでも伝えられて良かった……(^ ^)
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