劇団四季劇場「秋」にて、「劇団四季ソング&ダンス 55ステップス」を観劇してまいりました。


ちなみに、 ★☆★ただいまクリスマスカーテンコール中★☆★ でした(^ ^)。
ご興味のある方は、あと数日がチャンス!?(最近どっかの回し者率高いな私)



「ソング&ダンス」シリーズでは、8年前の「Over The Century」にハマって通いつめた過去がある猫。
アレ以来の「ソング&ダンス」でしたが、似ているところもあったし、似ていないところもありましたね。とりあえず、もはや「四季ファン」とは言えない猫にとっては、「あまりよく知らない人ばかりだった」という感じがどうしてもしてしまって……
それにしても、阿久津くんがヴォーカルパートの筆頭メンバーになる日が来ようとは!!

彼らが現実に『今が旬』のスターたちなのであって、『Over The Century』で唄ったり踊ったりしていたメンバーはこの数年で殆どが退団してしまったのだ、と、そんな現実にまだ向かい合えていないようです……。






構成・演出・振り付けは、もちろん加藤敬二。
でも、残念ながら加藤さんが出ている回は観られず、出演者は以下のとおりでした。

ヴォーカルパート:
阿久津陽一郎、高井治、李涛
井上智恵、早水小夜子、花田えりか

ダンスパート:
脇坂真人、岩崎晋也、西尾健治、萩原隆匡、松島勇気
厂原時也、斎藤洋一郎、徳永義満、神谷 凌

坂田加奈子、柴田桃子、高倉恵美、杏奈、泉春花
加藤久美子、須田綾乃、恒川愛、駅田郁美、斉藤美絵子




「アプローズ」で幕をあけ、「アイーダ」「ライオンキング」で、ぐっと観客を引き込み、盛り上げる。続いて「壁抜け男」を挟んで「ノートルダムの鐘」「メアリ・ポピンズ」「マンマ・ミーア」。そして「サウンド・オヴ・ミュージック」で客席を巻き込んで、「リトルマーメイド」でひと息いれて、ラストは「美女と野獣(BE OUR GUEST!)」で盛り上げて、幕。


宝塚の「La Festa!」は、“源流”ともいうべき民謡メドレーで幕をあけましたけれども。
四季は「財産」である作品、率直に言えば“今一番の稼ぎ頭”であるディズニーミュージカルで始まった、というのが面白いなーとあらためて思いました(^ ^)。
“偉大な作曲家を偲んで”というお題目を唱えつつ、自らの原点を大切にしようとする宝塚と、
常に貪欲に新しいものを求めて成長しつづけるパワーを持つ劇団四季。
どちらも、日本の興行界では化け物クラスの動員を誇りながら、かたやオリジナルを大切にし、スター制度に拘って観客の好みの多極化に悩み、かたや「大規模な商業ミュージカルで儲けを出してフランスや日本の良質な現代劇を提供したい」と語り、ファンの反対を押し切ってキャストホンを廃止してのける。

今年55周年を迎えた劇団四季と、
来年95周年を迎える宝塚歌劇団。

どちらも、100年後200年後まで元気に残ってくれますように、祈りつつ。
(…その前に、日本が無くなったりしませんように……)




さて。
それでは、印象に残った場面をいくつか。


「ライオンキング」より「早く王様になりたい」
ボクシングの試合を模した演出が面白かったです。今回は、他の曲がどれも原作のイメージを大切にした演出だったので、これだけすごく違っていて面白かった。




「ノートルダムの鐘」より「トプシー・ターヴィー」(阿久津陽一郎)
あ、あ、阿久津くん、すげーーーーっ!!
色っぽくてワルくて妖しい。凄かったです。それこそ「キャバレー」のMCとかやらせてみたいくらい色っぽかった!!どうにも「アイーダ」のラダメス(=筋肉で考えるタイプ)のイメージが強くて、こういう色悪ができるタイプだと思っていませんでした(^ ^;ゞ
ちょっとユダ(ジーザス・クライスト・スーパースター)とか観てみたい気がしました。

そして、この場面の立役者はもう一人。エスメラルダを踊った加藤久美子さん。
宝塚ファン的には、卒業した舞城のどかちゃん系のゴージャス美女。浅黒く肌を塗って、超オトコマエだった!他の場面でのダンスをみていると、ちょっと男っぽい直線的なダンスを得意とするタイプみたいで、柔らかい女性的なダンスはいまいちなのかな?と思ったのですが、ここのエスメラルダの振り付けは本当に男前で、あれをあれだけ男前に踊りきれるダンサーは少ないだろうなーと思いました。



「マンマ・ミーア」から、「この手をすり抜けて」(早水小夜子)
早水さんのドナは観たことがない(っていうか、保坂知寿さんしか観たことがない)のですが、今の早水さんなら観てみたいかも、と思いました。
しっとりとやわらかく、切なげなのにあたたかみのある声。末次美沙緒さんのような「母」そのものの存在感ではなくて、やっぱりこの人の当たり役はグリザベラ(CATS)なんだなあ、と思ってしまいますが、この曲はすごく良かったです。
ソフィの花田さんは可もなく不可もなく、って感じでした。下手ではないけど、印象に残らない歌を歌われる方ですね。




「美女と野獣」より「BE OUR GUEST!」
李涛さんのルミエールは、カジモド(「僕の願い」)より数段良かったです(*^ ^*)。カジモドはやっぱり、ビデオで吹き替えをした石丸幹二さんとか、Over The Centuryでしばらく担当していた道口瑞之さんとか、ああいう超美声で肺活量が半端なくてロングトーンを支えられるひとで聴きたい曲なのですが、ルミエールは解釈次第でいろんなアプローチがあるので。
李涛さんのルミエールは、ちょっとコミカルなルミエールで、可愛かったです(はぁと)
【注意※申し訳ありません!!コメント欄でご指摘いただきましたが、この曲を歌われたのは李さんではなく、松島勇気さんだそうです。大変失礼いたしましたm(_ _)m。】


群舞は黒燕尾。いや、振り付けはカッコよかったんですけど、、、
すみません、私は宝塚ファンなもんで、どうしてもみなさんの着こなしが許せません………(汗)。黒燕尾のパンツがだぶだぶってどゆことよっっ!?
一番キレイに着てたのは坂田&高倉のOver The Century組(しかも女性)だったのは偶然でしょうか…?黒燕尾ってそれ自体が“芸”なんですねぇ。

ま、文句は言いつつも、やっぱり振付はカッコよかったです。はい。盛り上がりましたよ、さすがに♪




二幕は、前半が劇団四季オリジナルミュージカル(昭和三部作含む)、後半がロイド=ウェッバー特集でした。で、ラスト前に「ヴァリエーションズ」が入って、「スーパースター」で〆、という構成。



「夢から醒めた夢」から「夢を配る」(阿久津陽一郎)
……阿久津配達人、キターーーーっ!!と興奮しました。
寡聞にして知らないんですけど、彼は配達人やったことがあるのでしょうか?ものすごく似合ってましたけどなにか。怪しげで妖しくて。
ちょっと楽しみな人になりましたわ♪



「ユタと不思議な仲間たち」から「夢をつづけて」(井上智恵)
三木たかしの名曲、作品のラストを見送る一曲ですが。
可憐なソプラノではなく、経験豊富な智恵さんの声で聴くと、ますます森新一か森昌子あたりがカバーしていそうなナンバーに聴こえて仕方が無い……(; ;)
公演タイトルが「ソング&ダンス」なんだから、「ユタ」から持ってくるにしても体力づくりにすればいいのにーとちょっと思ってしまいました。




ここから、「異国の丘」「李香蘭」「南十字星」と“昭和3部作”の音楽が流れるのですが……
正直、ショーの構成として、ここの流れの意味がよくわかりませんでした。
作品を象徴するナンバーはほとんど使われていないし、でも全体を通して一つの場面になっているわけでもない。扱いがすごく中途半端でした。もっと、作品を象徴する曲を1~2曲と、ダンスナンバーにできる曲(「ラグタイムバンド」はそのままでいいから、「バリ舞踊」をやめて李香蘭の「五族協和」にするとか…)を入れて構成した方がよかったのでは、と思うんですよね。

「李香蘭」を象徴する曲が「二つの祖国」なのは納得なのですが、「異国の丘」と「南十字星」は違うだろう!!自分とこの劇団が、思いをこめて(ちょっと押し付けがましいけど)メッセージとして発信していこうという作品なのに、この切り口はないんじゃないか、と思いました。




「ジーザス・クライスト・スーパースター」から「ピラトの夢」(高井治)
高井さんのピラトは本当に絶品ですが、この場面(「祖国」の次)にこの曲が流れるとちょっと驚きます。智恵ちゃんの「私は彼がわからない」ではダメだったんでしょうか……(涙)。




「CATS」から「ラム・タム・タガー」(阿久津陽一郎)
いやー、阿久津さんすっかり「ソング&ダンス」の顔ですね!!
たしかにこのメンバーだと阿久津くんしか唄う人居ないけど……びっくりしました。
色っぽくてかっこいいです。ちょっと乱暴だけど、まぁ魅力にマイってもいいかな!?と思いました(*^ ^*)。




「CATS」から「メモリー」(早水小夜子)
十八番、というのはこういうものを言うんですね。
Over The Centuryでも同じ曲を唄っていた早水さん、さすがの貫禄でした。
シラバブは花田さん。彼女はシラバブが一番良かったような気がします。純真無垢でなんの色もないから。

そして!!
月明かりの中、紅いドレスで踊る女(演出としてはOver The Centuryと同じだけど、振付は全然違いました。ダンスの方が前に出てくる感じ)の高倉恵美さんがあまりにも美しくて、本当にステキでした!
相変わらず、白くて滑らかで傷一つない背中が輝くようです。小顔で首が長くて腰が豊かでスタイル抜群!本当に美しかった……うっとり。




「オペラ座の怪人」より「ミュージック・オヴ・ザ・ナイト」(高井治)
これまた十八番とはこのことか、と思いました。はい。実は高井さんのファントムって一回か二回しか観ていないのですが、また観たいなあ~~~!!

クリスティーヌはかなり本格的なバレエで華を添える感じでした。斉藤美絵子さん。最後の方で男性のバレエダンサーも出てくるのですが、こちらは松島勇気さんだったのかな?
今回ダンサーパートは本当に脇坂さんと坂田さんと高倉さんくらいしか知っている人がいなくて、あまりのメンバーの変わりように心底びっくりしました(T T)。

バレエのレベルとかは良くわかりませんが(^ ^;ゞ、斉藤さんの踊りは素晴らしかったです。音もなくふわっと跳んで、ふわっと降りる、その時間の流れが何か不思議なくらいでした。
高井さんの美声に酔い痴れながら、あの踊りを観る幸せ……(*^ ^*)。



「エヴィータ」から「ブエノスアイレス」(井上智恵)
智恵さん本領発揮!これまた十八番!!
このあたりは。本当にベテラン陣が十八番を出しまくりで、本当に「ミュージカルの花束」本領発揮、って感じでした♪演出の流れもよかったし、楽しかった!!




そして。
盛り上がって、盛り上がって、盛り上がったところで!

「ソング・アンド・ダンス」より、「パガニーニのヴァリエーションズ」

もちろん、加藤敬二さんがいないんだからトップダンサーは坂田加奈子。
暗い舞台にピンスポが入った瞬間に、涙が出るほど懐しかった~!(感涙)。

大好きだった「ヴァリエーションズ」。
あの一場面のために通った…とは言えないけれども、あの場面がなかったらあれだけの回数はいかなかったかもしれません。そのくらい、大好きで大好きで、見飽きることのない場面でした。
加奈子ちゃんのヴァリエーションズ。

…加奈子ちゃん、すいぶん痩せました?いや、全体のバランスが女らしくなったせいかな?
8年前は、むくつけき(笑)男たちを従えて誰よりも男前だった加奈子ちゃん。今は、一回りほっそりと(回りが大きいのかな?)小柄になって、屈強な兵士たちに守られる姫君みたいでした。

ただ守られるばかりの花じゃないのはもちろんですけど、でも、“花”だった。
あの、加奈子ちゃんが。

……すごく不思議な光景、でした。



ああああ、こうなってみると、「ヴァリエーションズ」が観たかったのはもちろんだけど、どーして「コンタクト」のイエロードレスがないんだあああああっっっ!!と叫びたい(汗)。
色気のひとかけらも無かった時代でさえ、あんなに魅力的でカリスマに溢れたイエロードレスだった加奈子ちゃん。
今の彼女のイエロードレスは、文句なく最強かもしれないじゃないか!(ラインの補整も詰め物の詰めこみ方も、だーいーぶ巧くなったことだし!)観たい!観たいぞーーーーっ!!





ヴァリエーションズが終わったら、「ジーザス・クライスト・スーパースター」で締め。

そのあとフィナーレ(パレード?)があって、バンドの紹介があって……

いったん幕が降りる。


で。袖から齋藤洋一郎さんが登場。「I GOT RYTHEM」のタップでカーテンコールの始まりです。


曲目リストによると、この後はそれなりに曲を用意していたようですが、とりあえず「クリスマス特別カーテンコール」期間中は、タップが終わったらクリスマスソングメドレーになってました(^ ^)。
みんながサンタ帽かぶってくれて、盛り上がってましたよーーー♪




何度も何度も幕があがって、
何度も何度も感動を伝えることができて、
…とっても楽しかったです。




帰りには、舞台上で俳優さんたちが勢ぞろいして撮った写真をプレゼントしてくれました。
…芝さんがいたり、実際にその日の舞台に立っていた人が映っているわけではないのが残念でしたが(汗)、いい記念になりました。

来年になって、カーテンコールが通常に戻った頃に、もう一度行ってみようかなー、なーんて思ったりしつつ(^ ^)。
でもやっぱり、「Over The Century」は楽しかったなーーーーー(元ファンのぼやき)



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コメント

nophoto
通りすがりです
2009年1月29日19:04

すみません、通りすがりのコメントで恐縮なのですが、どうしても気になってしまって一言だけ…
ビーアワゲストのルミエールの台詞を言ってるのは、李さんでなく松島勇気さんです。

差し出がましくごめんなさい。

みつきねこ
2009年1月30日8:35

ご指摘ありがとうございますm(_ _)m。大変失礼いたしました。
松島さん、李さん、そしてお二人のファンの方、皆様本当に申し訳ありません。

あれ?でも歌っていたのは李さんですよね?それも違ったのでしょうか…?
私ったら、どこ観ていたんだ??

nophoto
再度通りすがり
2009年1月31日17:16

歌ってるのも全部松島さんですよー
李さんはその後の群舞に出てますが、歌ってはいないです。

みつきねこ
2009年2月1日0:49

通りすがり様
ありがとうございます!!!
本当に申し訳ありませんでしたm(_ _)m。