宝塚花組 日本青年館公演「銀ちゃんの恋」。早いもので、もう3日が過ぎました。
ドラマシティ公演と比べて変わったなーと思うのは、銀ちゃんとヤスの関係でしょうか。
どこかどう、と説明するのは難しいのですが、ドラマシティの時以上に、濃~いものが流れ始めたような気がします。ドラマシティの最初の週末あたりでは、お互いに一方通行で完全には伝わっていない感じだったのに、2週目にはそのあたりが解決したなーと思って……
で、青年館では、ちょっとイッちゃった感じに濃ゆいものが漂ってます(汗)。
祐飛さんも、みつるくんも、普段からあまり「女性」らしさを感じさせない人たちなので、なんか凄くナチュラルに「男同士の濃い友情」を表現しちゃってて、こわいくらいです。この二人、次の作品でちゃんと“男役”に戻れるのかしら(^ ^;ゞ
で。
お二人の喉は、一進一退、って感じですね…。
ある意味、長いことあの喉とつきあってきて、付き合い方がわかってきたんじゃないかと思う場面もありましたが。特にヤスは、かすれ声が色っぽくていい味になってますし。
ただ、銀ちゃんの一幕のソロが苦しそうなのがかわいそうで……ホント、万全な状態で公演させてあげたかったなあ……(←何者だよ)
そして、橘さんがちょっとヤバくなってきた感じ。小夏もそろそろ限界かも。
演出の根幹が怒鳴り芝居なので(つか作品はどれもそうですが)、キツいんでしょうねぇ…
なんとか最後までもたせてくれることを祈るばかりです。
まだ、全20場の第一場さえ終わっていない私のレポート。
今日は少し進めるつもりなのですが、その前に一つ、青年館で初めて気づいた下級生の小芝居チェックを。
第一場Bのオープンセット。銀ちゃん土方の出番が終わり、橘の坂本竜馬がジミーの沖田総司に迫りまくる場面。
その後ろで、並んで新撰組しているアーサー(煌雅あさひ)と輝良まさと。
「キッスさせろ!」と竜馬が騒ぎだしたあたりで、輝良くんがアーサーに投げキスしてるっ!?しかも、アーサーは笑顔で受けて、ちょっと照れてるっ!?
……私もそこを注目したのは初めてだったのですが、ドラマシティでもやっていたのでしょうか…?それなりに観ていたつもりっだったんだけどなぁ。
いやー、びっくりしました。そんなところをお見逃しないように、是非是非、2回3回とご覧になることをお勧めいたします(^ ^)。
ちなみにこの後、銀ちゃんの子分連中が橘に襲い掛かって動きをとめる場面でも、初輝くんや嶺乃くんは必死で橘を助けようとしてトメやヤスに蹴られているんですけど、アーサーと輝良くんの二人は、ほけっと様子を眺めているんですよね。やる気ねー感じで可愛いです。その癖、橘が解放されると慌てて寄ってって太刀を受け取ったりするのが素敵(^ ^)。
名前もない役ではありますけど、一人ひとり、キャラ立ってるなーと思う場面ではあります。
あと、小ネタとは違うんですけど、青年館公演の印象をひとつ。
とにかく、笑いが大きくて公演が盛り上がりますね。ネタの一つ一つが丁寧に拾われて、ちゃんと“爆笑”になるんですよ。
なんでだろう?よく「東京と関西では笑いのツボが違う」と言われますけど、つか芝居は東京の笑いなんでしょうかねぇ?ドラマシティでもそれなりに受けてたけど、青年館みたいに、なんかやるたびに爆笑の渦、って感じではなかったので…
それだけ、芝居がこなれて間が良くなったってことでしょうかねぇ。間が良くなったことは間違いないし、そう思っていいんなら安心なんですけど。
この作品は「笑って泣いて」が基本なので、笑うときは遠慮なく笑い、泣くときも遠慮なく泣いていいんだと思います。大丈夫!舞台を楽しんでくださいね♪
さて。
それでは、こないだの続きを。
「銀四郎さまぁ~♪」
黄色い声とともに、ミニスカートの『若い娘』が駆け込んでくる。
もう、その完璧なまでの『若い娘』っぷりときたら!!!
つい一瞬前まで子分どもを殴り倒していた銀ちゃんが、その声を聞いた瞬間に、人が変わる。
「と・も・こ・さぁ~~~ん(はぁと)」
満面の笑顔で、軽やかにステップを踏んで、朋子(華耀きらり)のところへ跳んでいく、銀ちゃん。その変わり身の早さに、客席は大爆笑。
子分たちはちょっとホッとしたような生ぬる~い笑顔で、そんな銀ちゃんを見守っている。
終始“黄色い声”で喋り続ける朋子。
頭は空っぽっぽいけど、上流階級のお嬢さんらしく品のある美形。っていうかもう、とにかくきらりんの朋子は最高に最高すぎて、コメントのしようがありません。立ち姿も衣装も髪型も化粧も声も喋りかたも脚も手も、なにもかもが完璧な朋子。完璧すぎて、一幕後半でちょっと違和感があるんですけど、でも、そんな違和感も何もかも吹っ飛ばして素敵なお嬢さん。
この後出てくる小夏との対比が見事でした。よくぞこんなキャラクターを考えてくれました。
ありがとう石田さん。
銀ちゃんの、子分たちへの
「てめぇら、いつまで朋子さんを待たせておくんだ。喫茶室でコーヒーでもお世話せんかい!」
という台詞と、朋子さんへの
「僕、メークを落としたらすぐ行きますから、喫茶室、こいつらと先に行っててくださーい♪」
という台詞の、声色から口調から、なにもかも違う役者っぷりが凄いなあ、と。別人格のように見えて、きっちりとコレも銀ちゃんの一面、とわかるところが凄い。久世さんの変わり身もすごいと思いましたが、祐飛さんもどうしてどうしてなかなかです。
朋子さんの細っこい後姿が上手袖に消えると、銀ちゃんは「こりゃ脈アリだ!!」と喜んで、スキップして舞台奥へはけていく。
祐飛さんのスキップ、スキップと呼ぶには歩幅が大きすぎて、3歩くらいで奥についてしまうのがすごいです……。
一人舞台上に残るヤス。階段をためつすがめつチェックしながら上まであがって、振り返っておびえたりしています。いちおう、この時からヤスの頭には「銀ちゃんのために階段落ちを…」っていうのは、のどにひっかかった小骨のようにあったんでしょうね。言い出すきっかけが見つからなかっただけで。
そこに、下手から小夏が登場。華やかなステージ衣装に、楽屋着がわりのガウンを羽織って。
「小夏さん…?」
「…あんた、銀ちゃんについてる人ね」
ひくい、落ち着いた声。野々すみ花という女優が高く評価されるのは、この声のバリエーションだと思います。耳に優しい、幅のある声。エリスのような細く頼りない声でも喋れれば、こんな「落ち目の女優」の声も出せる、その見事さ。
ドラマシティでは、すみ花ちゃんのもつ純粋で一途な透明感と、“小夏”という濁りのある女優役の間で戦っていた感もありましたが、青年館ではすっかり落ち着いて、ひとりの「小夏」がいるという印象になっていたのはさすがだなあと思いました。
それにしても、この台詞。
「あんた、銀ちゃんについてる人ね」
…ってことは、小夏はヤスのことをほとんど知らないんですね。あんなにも、銀ちゃんの近くにいる二人なのに。名前も知らない。正式に紹介されたことがあるかどうか、ってくらいなんでしょう。
まぁ、朋子さんも銀ちゃんの子分たちを一人ひとり見分けているかどうかは疑問なので、あんな感じで「たくさんいる子分の一人」くらいに思っている可能性もあるかもしれませんが。
でも。
「……売れなくなった女優に付きまとわれて困ってるって、銀ちゃんから聞いてるでしょ」
こういう台詞が出るってことは、小夏自身は、ヤスたちは自分を知らない(ただ、スター女優としての“小夏”を知っているだけ)と思っているんですよね?
あんなにも、銀ちゃんの魂の近くにいる二人のはず、なのに。
しかもこのとき、小夏と銀ちゃんは5年(?)越しで同棲していたはず。つまり、ヤスは銀ちゃんの家に行ったこともないってことですよね?
銀ちゃんにとって、「映画界」という世界の中では、相方はヤスだった。小夏は「映画に命懸けてる」という銀ちゃんとヤスの共通の思いさえわかっていない。「映画」という世界の中で、銀ちゃんとヤスはいつも一緒で、同じ方向を見て、「良い映画」の為に全てを賭ける覚悟もあって。
なんていうか、精神的には、同棲しているようなものだったはずなんですけれども。
でも。
「現実」の世界では、銀ちゃんにとってヤスは部外者だった。「現実」の恋人は小夏で、家にあげて私生活の面倒を見させるのは小夏だけ。
ヤスの4畳半に行くことはあっても、ヤスが銀ちゃんの家に踏み込むことはない。そういう、一方的な関係だった二人。
魂を分け合って、でも現実には距離をおいて生きている二人の男の間に、割り込んできた一人の女。
彼女自身が割り込もうとしたわけではないけれども、結果的には彼女の存在が二人の関係をゆがめることになった。
彼女の希みとは、無関係なところで。
小夏は、好きな男に手弁当を作った自分を嘲いながら、ヤスに弁当包みを渡す。
もう、男の心が離れているのは気づいている。でも、どうしようもない。
手弁当を作ったからって、どうなるというものでも、ない。
でも、作ってしまった。
あたしって、莫迦……。
そんな気持ちを、受け取るつもりも、その器もない男。
ヤスから渡された「小夏の弁当」を、「モテる男は辛いねぇ」かなんか言いながらアッサリ受け取って、でも、朋子に見咎められるとためらいもなく棄てる、そんな、最低の男。
「銀ちゃん…女って、馬鹿ないきものよね…」
小夏の呟きが耳に沁みる。
上手から登場して、傷ついた小夏を慰める専務が、とても素敵です。役得。
渋くて優しい、素敵なオジサマ。とても、あの銀ちゃんと同期とは思えな…あ、いえ(汗)。
「私も女優です。キャメラの前では、涙は見せません」
そう宣言して、その言葉通り、ライトが入った瞬間に笑顔を浮かべる小夏………。
や、やっと第一場が終わった……
スピードアップするつもりだったのになあ(涙)。
.
ドラマシティ公演と比べて変わったなーと思うのは、銀ちゃんとヤスの関係でしょうか。
どこかどう、と説明するのは難しいのですが、ドラマシティの時以上に、濃~いものが流れ始めたような気がします。ドラマシティの最初の週末あたりでは、お互いに一方通行で完全には伝わっていない感じだったのに、2週目にはそのあたりが解決したなーと思って……
で、青年館では、ちょっとイッちゃった感じに濃ゆいものが漂ってます(汗)。
祐飛さんも、みつるくんも、普段からあまり「女性」らしさを感じさせない人たちなので、なんか凄くナチュラルに「男同士の濃い友情」を表現しちゃってて、こわいくらいです。この二人、次の作品でちゃんと“男役”に戻れるのかしら(^ ^;ゞ
で。
お二人の喉は、一進一退、って感じですね…。
ある意味、長いことあの喉とつきあってきて、付き合い方がわかってきたんじゃないかと思う場面もありましたが。特にヤスは、かすれ声が色っぽくていい味になってますし。
ただ、銀ちゃんの一幕のソロが苦しそうなのがかわいそうで……ホント、万全な状態で公演させてあげたかったなあ……(←何者だよ)
そして、橘さんがちょっとヤバくなってきた感じ。小夏もそろそろ限界かも。
演出の根幹が怒鳴り芝居なので(つか作品はどれもそうですが)、キツいんでしょうねぇ…
なんとか最後までもたせてくれることを祈るばかりです。
まだ、全20場の第一場さえ終わっていない私のレポート。
今日は少し進めるつもりなのですが、その前に一つ、青年館で初めて気づいた下級生の小芝居チェックを。
第一場Bのオープンセット。銀ちゃん土方の出番が終わり、橘の坂本竜馬がジミーの沖田総司に迫りまくる場面。
その後ろで、並んで新撰組しているアーサー(煌雅あさひ)と輝良まさと。
「キッスさせろ!」と竜馬が騒ぎだしたあたりで、輝良くんがアーサーに投げキスしてるっ!?しかも、アーサーは笑顔で受けて、ちょっと照れてるっ!?
……私もそこを注目したのは初めてだったのですが、ドラマシティでもやっていたのでしょうか…?それなりに観ていたつもりっだったんだけどなぁ。
いやー、びっくりしました。そんなところをお見逃しないように、是非是非、2回3回とご覧になることをお勧めいたします(^ ^)。
ちなみにこの後、銀ちゃんの子分連中が橘に襲い掛かって動きをとめる場面でも、初輝くんや嶺乃くんは必死で橘を助けようとしてトメやヤスに蹴られているんですけど、アーサーと輝良くんの二人は、ほけっと様子を眺めているんですよね。やる気ねー感じで可愛いです。その癖、橘が解放されると慌てて寄ってって太刀を受け取ったりするのが素敵(^ ^)。
名前もない役ではありますけど、一人ひとり、キャラ立ってるなーと思う場面ではあります。
あと、小ネタとは違うんですけど、青年館公演の印象をひとつ。
とにかく、笑いが大きくて公演が盛り上がりますね。ネタの一つ一つが丁寧に拾われて、ちゃんと“爆笑”になるんですよ。
なんでだろう?よく「東京と関西では笑いのツボが違う」と言われますけど、つか芝居は東京の笑いなんでしょうかねぇ?ドラマシティでもそれなりに受けてたけど、青年館みたいに、なんかやるたびに爆笑の渦、って感じではなかったので…
それだけ、芝居がこなれて間が良くなったってことでしょうかねぇ。間が良くなったことは間違いないし、そう思っていいんなら安心なんですけど。
この作品は「笑って泣いて」が基本なので、笑うときは遠慮なく笑い、泣くときも遠慮なく泣いていいんだと思います。大丈夫!舞台を楽しんでくださいね♪
さて。
それでは、こないだの続きを。
「銀四郎さまぁ~♪」
黄色い声とともに、ミニスカートの『若い娘』が駆け込んでくる。
もう、その完璧なまでの『若い娘』っぷりときたら!!!
つい一瞬前まで子分どもを殴り倒していた銀ちゃんが、その声を聞いた瞬間に、人が変わる。
「と・も・こ・さぁ~~~ん(はぁと)」
満面の笑顔で、軽やかにステップを踏んで、朋子(華耀きらり)のところへ跳んでいく、銀ちゃん。その変わり身の早さに、客席は大爆笑。
子分たちはちょっとホッとしたような生ぬる~い笑顔で、そんな銀ちゃんを見守っている。
終始“黄色い声”で喋り続ける朋子。
頭は空っぽっぽいけど、上流階級のお嬢さんらしく品のある美形。っていうかもう、とにかくきらりんの朋子は最高に最高すぎて、コメントのしようがありません。立ち姿も衣装も髪型も化粧も声も喋りかたも脚も手も、なにもかもが完璧な朋子。完璧すぎて、一幕後半でちょっと違和感があるんですけど、でも、そんな違和感も何もかも吹っ飛ばして素敵なお嬢さん。
この後出てくる小夏との対比が見事でした。よくぞこんなキャラクターを考えてくれました。
ありがとう石田さん。
銀ちゃんの、子分たちへの
「てめぇら、いつまで朋子さんを待たせておくんだ。喫茶室でコーヒーでもお世話せんかい!」
という台詞と、朋子さんへの
「僕、メークを落としたらすぐ行きますから、喫茶室、こいつらと先に行っててくださーい♪」
という台詞の、声色から口調から、なにもかも違う役者っぷりが凄いなあ、と。別人格のように見えて、きっちりとコレも銀ちゃんの一面、とわかるところが凄い。久世さんの変わり身もすごいと思いましたが、祐飛さんもどうしてどうしてなかなかです。
朋子さんの細っこい後姿が上手袖に消えると、銀ちゃんは「こりゃ脈アリだ!!」と喜んで、スキップして舞台奥へはけていく。
祐飛さんのスキップ、スキップと呼ぶには歩幅が大きすぎて、3歩くらいで奥についてしまうのがすごいです……。
一人舞台上に残るヤス。階段をためつすがめつチェックしながら上まであがって、振り返っておびえたりしています。いちおう、この時からヤスの頭には「銀ちゃんのために階段落ちを…」っていうのは、のどにひっかかった小骨のようにあったんでしょうね。言い出すきっかけが見つからなかっただけで。
そこに、下手から小夏が登場。華やかなステージ衣装に、楽屋着がわりのガウンを羽織って。
「小夏さん…?」
「…あんた、銀ちゃんについてる人ね」
ひくい、落ち着いた声。野々すみ花という女優が高く評価されるのは、この声のバリエーションだと思います。耳に優しい、幅のある声。エリスのような細く頼りない声でも喋れれば、こんな「落ち目の女優」の声も出せる、その見事さ。
ドラマシティでは、すみ花ちゃんのもつ純粋で一途な透明感と、“小夏”という濁りのある女優役の間で戦っていた感もありましたが、青年館ではすっかり落ち着いて、ひとりの「小夏」がいるという印象になっていたのはさすがだなあと思いました。
それにしても、この台詞。
「あんた、銀ちゃんについてる人ね」
…ってことは、小夏はヤスのことをほとんど知らないんですね。あんなにも、銀ちゃんの近くにいる二人なのに。名前も知らない。正式に紹介されたことがあるかどうか、ってくらいなんでしょう。
まぁ、朋子さんも銀ちゃんの子分たちを一人ひとり見分けているかどうかは疑問なので、あんな感じで「たくさんいる子分の一人」くらいに思っている可能性もあるかもしれませんが。
でも。
「……売れなくなった女優に付きまとわれて困ってるって、銀ちゃんから聞いてるでしょ」
こういう台詞が出るってことは、小夏自身は、ヤスたちは自分を知らない(ただ、スター女優としての“小夏”を知っているだけ)と思っているんですよね?
あんなにも、銀ちゃんの魂の近くにいる二人のはず、なのに。
しかもこのとき、小夏と銀ちゃんは5年(?)越しで同棲していたはず。つまり、ヤスは銀ちゃんの家に行ったこともないってことですよね?
銀ちゃんにとって、「映画界」という世界の中では、相方はヤスだった。小夏は「映画に命懸けてる」という銀ちゃんとヤスの共通の思いさえわかっていない。「映画」という世界の中で、銀ちゃんとヤスはいつも一緒で、同じ方向を見て、「良い映画」の為に全てを賭ける覚悟もあって。
なんていうか、精神的には、同棲しているようなものだったはずなんですけれども。
でも。
「現実」の世界では、銀ちゃんにとってヤスは部外者だった。「現実」の恋人は小夏で、家にあげて私生活の面倒を見させるのは小夏だけ。
ヤスの4畳半に行くことはあっても、ヤスが銀ちゃんの家に踏み込むことはない。そういう、一方的な関係だった二人。
魂を分け合って、でも現実には距離をおいて生きている二人の男の間に、割り込んできた一人の女。
彼女自身が割り込もうとしたわけではないけれども、結果的には彼女の存在が二人の関係をゆがめることになった。
彼女の希みとは、無関係なところで。
小夏は、好きな男に手弁当を作った自分を嘲いながら、ヤスに弁当包みを渡す。
もう、男の心が離れているのは気づいている。でも、どうしようもない。
手弁当を作ったからって、どうなるというものでも、ない。
でも、作ってしまった。
あたしって、莫迦……。
そんな気持ちを、受け取るつもりも、その器もない男。
ヤスから渡された「小夏の弁当」を、「モテる男は辛いねぇ」かなんか言いながらアッサリ受け取って、でも、朋子に見咎められるとためらいもなく棄てる、そんな、最低の男。
「銀ちゃん…女って、馬鹿ないきものよね…」
小夏の呟きが耳に沁みる。
上手から登場して、傷ついた小夏を慰める専務が、とても素敵です。役得。
渋くて優しい、素敵なオジサマ。とても、あの銀ちゃんと同期とは思えな…あ、いえ(汗)。
「私も女優です。キャメラの前では、涙は見せません」
そう宣言して、その言葉通り、ライトが入った瞬間に笑顔を浮かべる小夏………。
や、やっと第一場が終わった……
スピードアップするつもりだったのになあ(涙)。
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コメント
レポが凄い!
『銀ちゃん』、”お芝居が好き”と言っている生徒さんが多いので、本当に目が20個くらい欲しいです。
輝良くん&サキちゃんのアドリブ、教えてくださってありがとうございます!
私が観たときは、二人で刀を構えつつ、うろたえる輝良くんにサキちゃんが横足で蹴りを入れていました。
橘のお取り巻きにも名前が欲しいですね。通し役なんですもの。
ねこさんのペースで、レポ、仕上げてください。
楽しみにしています。
二人のアドリブは、日替わりなんですね。どっちにしても、仲良しなお二人です。
あの4人、名前がほしいです~。適当につけるぞ、こら。
あと、いつかそのうち書くつもりで取っといてあるんですけど(笑)、私の一番好きなアーサー。二幕で橘が「向こうが1人殺すなら、こっちは2人殺すんだ!きーーーっ!!」ってなっている場面なんですけど、嶺乃「殺すって…」初輝「わてらのことかいな」の後、「そんな…」っていう一言がすごい好きなんです。
腰に響く低音に、ズキュンときました(笑)。
あ、それと。こちらにコメントつけるのも大変恐縮なのですが(汗)…
「卒業」は常識だと思うんですけど、「昭和枯れススキ」ってどっかで使ってましたっけ?