銀座博品館劇場にて、ミュージカル「SHOUT!」を観てまいりました。

女性5人+演奏3人による、60年代ロンドンを舞台にしたミュージカル。
一言で感想を書くのが非常に難しい作品ではありましたが、
間違いなく一見の価値はありました。

うん、楽しかったですー!とっても!

「Stylish&Cool」モデル系美女・ブルー=紫吹淳
「Domestic&Material」良妻賢母代表・オレンジ=樹里咲穂
「Sexy&Surprising」恋多き女性・グリーン=岡千絵
「Naive&Unique」キュートな個性派・レッド=入絵加奈子
「Adventurous&Enthusiastic」パワフルガール・イエロー=森口博子

いやーーーーー、この5人を集めたキャスティングディレクターに、まずは大きな拍手を送りたいです。
すごかった!!
だってもう、岡千絵さん、リカさん、樹里ちゃんの三人が、ミニスカはいて並ぶんですよ!!(壊)
しかも、リカさんはただのミニじゃないの。超ミニ

鼻血。


いやー、良いモノを見せていただきました。

 

 

 
まずは、岡・樹里の二人を従えてさえ、「超絶スタイルのモデル系」と言われて説得力のあるリカさんの凄味。
サスーン風の、っていうか60年代風のショートボブにくっきりアイラインのモードメイクがものすごく似合って、そのまま本当にファッションショーに出てきそう。一人だけモデル立ちだし、モデル歩きだし、なんだか凄くいい感じに浮いていました。

ソロ歌は、他の4人の声がパワフルすぎてちょっと……えーっと(^ ^; 元々やわらかくてぼわんと響く声なので、パワーに欠けていたのは否めません。でも、コーラスの低音でつやのある声が響いていて、素晴らしかったです。
リカさんがいたからこそ、あの難しいコーラスができたんだと思う。さすがの貫禄でした!

チラシやカーテンコールのイメージほど「主演」色のない作品でしたけれども、リカさんはリカさんの仕事をきっちりこなして、良い作品に仕上げたなーと思います。あの“超絶スタイル”は他にいないし、良い配役だったと思います。

 

 

 
樹里ちゃんは、今更何もコメントすることはありません。
主役のいない作品ですが、基本的にコーラスのリードを取るのは殆どオレンジ。これは、元々オレンジの仕事なのか、樹里ちゃんだから任されたのか、オリジナルを観たことがないのでわからないのですが…

キャラクターもキュートで可愛かったです。
恋愛結婚するんだけど、夫が実は同性愛者だった(らしい)という設定で、帰ってこない旦那を待ってキッチンドランカーになっった、という設定の場面とかあるんですが、どんなに悲惨(なはずの)場面でも、樹里ちゃんがやるとなんともいえずキュートになってしまうのが凄いなあ、と。
パントマイムで酒を飲んで、パントマイムで掃除をして、パントマイムで窓を拭いて(←これが爆笑でした…ホントはすごく哀しいんだけど)、パントマイムでまた酒をがぶ呑みする……

樹里ちゃんって、私が思っていたよりもっと凄い人なのかも、と
思いました。

月組ファンとしては、樹里ちゃんとリカさんが並んでいるのを観るだけでなんだか懐しくて、幸せな気持ちでした☆(ベルナルド&アニタも、ニコラス&リカルドも、大好きだったなぁ…)

 

 

 
岡千絵さんは、ス・テ・キ。
色っぽくてハチャメチャで、スタイル抜群!ちょっと垂れ目に唇の下のつけぼくろが色っぽい。本当に、可愛くてイイオンナなんですよね♪

男を次から次と変えていく“恋多き”セクシーガール、だけど最後には「たったひとりのベターハーフ」と出会って幸せに結婚する。
結婚がイコール幸せではない(オレンジ)けれども、愛する人と結婚して共に生きることが幸せ(グリーン)なのだ、と、そんなメッセージを担うキャラクターでした。

ちょっとヤバい場面もあったりして、「清く正しく美しい」宝塚ファンの猫なんぞは思わず目を伏せてしまったりするんですけれども(←え?)、とにかく歌も芝居も踊りも、何もかもステキでした(はぁと)

 

 
何を着せても似合う人間離れしたスタイルの3人は、基本的に脚線美を強調するミニスカートにパンプスのスタイル。
そして、加奈子ちゃんには黒のハイソックス、森口さんには白いビニールのブーツ、という絶妙なアイテムを加えて、キャラクターの個性づくりに一役かう…衣装は十川ヒロコさん、でいいのかな?実に見事な仕事をされていました。
どれも本当に似合ってて可愛かったです♪

60年代ファッションは、私にとってはかなり“レトロな”ファッションなんですけれども。それでも、この舞台で披露される衣装の数々は、「世界の最先端だったロンドン」の薫りが色濃く出ていて、とても新鮮でした。

 

 

 
博子さんはポール・マッカートニーのファンで、彼のおっかけをやっちゃうような積極的な女の子。なにごとにも体当たりでぶつかっていく、冒険的でアメリカンなイメージ。

私は、タレントとしての「森口博子」を全然知らない(←あの頃から本当にテレビを見ていなかった…)人間なのですが、あまりの歌の巧さと魅力に、本当にびっくりしました。
ってゆーか、可愛い〜!!40歳にはとても見えない。どう見ても樹里ちゃんと同世代でしょ!?という感じ。
美人で、エネルギッシュで、パワフルで、ものすごーく魅力的。後半に大きなナンバーが集中しているのですが、ホントステキでした♪ダンスはあまり得意でないようでしたが、ちゃんとついてってたし、何よりリズム感がいいんですね。

とにかく、歌の巧いのには驚きました。「タイタニック」、観られなかったのが残念です…。せっかく来年再演されるのに、出ないなんて(涙)。

 

 

 
加奈子ちゃんは、結構お久しぶり………かな?
一番最近に観たのは何だろう。相変わらずちっさくて可愛くて、歌声がパワフルで、顔芸すごくて、最高に面白かったです。
他の4人よりだいぶ年下の設定で、物語の最初は中学生かなにかなんですよね、たしか。それがまた違和感アリアリな可愛らしさで。
相変わらずだなあ〜、と。

永遠の少女、といえば、ミュージカル界には土居裕子さんとか、伊東恵里さんとか、他にも劇団四季関係に何人かいますけれども。
加奈子ちゃんの「少女」っぷりは、結構怖いところが毎回良い味になっているんですよね…。今回も、あまりにもレッドがハマり役すぎて、本当に驚いてしまいました。
あれだけの顔芸ができる「永遠の少女」っていない……(^ ^;ゞ。

「ミス・サイゴン」の初演が1992年だから、加奈子ちゃんの名前を初めて覚えてから、もう16年もたつんですね。
キムもエポニーヌも、本当に大好きでした。特にエポニーヌは、個人的には歌穂ちゃんより好きになったくらい、当たり役だったと今でも思っています。

あのキムが、エポニーヌが、
16年を経て、レッドが演れる女優になったんですね。
素晴らしい、と思います。心の底から。これからも、舞台でお会いできるのを楽しみにしています。



作品的には、「すごく楽しいけどワケが解らない」というのが正直なところでした。

60年代のロンドン・ポップスを次から次へと歌いついで、その合間にショートコントが挟まる形式のショー。

架空の女性誌「SHOUT」をキーに、
1962年から1970年までを一年づつ、
その年に流行った音楽と、その年に起こった事件をネタに、

5人の女の子(レッドがローティーン→、他の4人はハイティーン→)の生活と恋を、一人芝居(っていうか、コント)でつづっていく。

…何の予習もせずに客席に座ってしまったので、まず、この作品の形式を理解するまでにちょっと時間がかかりました。
いきなり5人の歌から始まって、怒涛のように歌い踊られてしまうので、息をつく暇がないんですよね。

ああ、こういう形式で進むんだな、と、大枠が見えてきたのは、もう終わりかけの頃で。それまで結構混乱しっぱなしで、もったいないことしたなあと思います。
これからご覧になる方は、“そーゆー形式なのね”と頭の隅においとかれると良いかもしれません。


そうやって、一年一年、丁寧に思い出を辿っていって、
女の子たちも、一年一年、丁寧に年を重ねていって。

男と出会い、別れ、また出会い、また別れ…
「話題はLOVE。だってそれしかないじゃない!?」
という年頃から、
「わたしらしく」
を合言葉に、生き方を模索しはじめる年齢になって。

そして。

ラストシーンは、たぶんもう80年代なんですよね。ちゃんと、ファッションがそんな感じになっているし。

彼女らも一人前の大人のオンナになって、それぞれに「自分の人生」と「人生の伴侶」を見つけている、時代。

そして、
「あの頃は楽しかったね!」と語り合う、5人のキュートな女性たち。

その輝き、
そのエネルギー、

その、生きるために必要な、パワー。


生きることは楽しいでしょう?というメッセージが明快で、あまりの眩しさに涙が出ました。
嫌なことがたくさんあるわけですよ。5人の人生には。
美人じゃなかったり、
男と長続きしなかったり、
夫がホモだったり、
出会いが無かったり、
……自分がレズだったり。

マリファナを吸ってみたり、
LSDに逃げてみたり、
いろいろやってみて、

でも、逃げられない。

逃げたって仕方が無い。だって、生きているんだもの。

生きていれば、嫌なことはたくさんある。
でも、

……楽しい事だって、あるじゃない?



難しいなあ、と思ったのは、私があまりにも「60年代ロンドン」について何も知らないからなのだと思います。
曲も2曲くらいしかわからなかったし、ダンスも見覚えがない。
とにかく、芝居の中にちりばめられた当時の当地ネタがさっぱりわからない。時代の空気がせっかく舞台の上に色濃くあるのに、それを感じられない自分がとても悲しかった。

そういう、「2008年の日本」の観客にはわからない、あるいは気づきにくいネタについては、もう少しわかりやすく表現できなかったのかなあ、と思ったことは否定しません。
ただ、今回の「SHOUT!」については、プログラムで「60年代ロンドン」という特別な時代に関する薀蓄を語るページが充実していて、とても面白かったです。

まぁ、開演前にこれを読んだ方がいいかどうか、は、判断の分かれるところだと思いますが。


でもまぁ、わからなくても感動はできます。
感動は頭で理解したって得られない。感動するのはハートですから。

5人の女の子たちの10年間を一緒に追体験して、
そして最後に、

「楽しかったね」「生きるのって楽しいよね」と、力強く言ってもらえる、感動。

……そうだね、楽しいのかもしれないね。
自分自身が、楽しく生きよう!と思いさえすれば。



まぁ、論じるより観るが易し。

ぜひぜひみなさま、お時間のアキがありましたら、ご観劇くださいませ(今月末まで)。
そして、ぜひぜひ私に細かいネタの種を教えてくださいm(_ _)m。

あ。
一つだけ忠告。休憩無しなので、開演前のトイレは必須ですよ♪


コメント

nophoto
乾海苔
2009年4月4日14:59

初めまして
乾海苔と申します

森口博子さんが好きで森口さんの名前を色々検索してるうちにたどり着きました
本来は歌手・タレントですがここ数年は舞台でも活動してるので、舞台での森口さんの感想とか評判が気になって検索してた感じです

そんな中「テレビでの森口さんのことを知らなかった」という内容の記事は初めてだったので思わず書き込みしてみました^^

それではまた来ます
http://ameblo.jp/hosi-nori/

みつきねこ
2009年4月5日0:36

乾海苔さま
はじめまして!いらしていただいてありがとうございました。
あの、すみません、さすがに森口さんのお名前くらいは存じ上げてましたよ!(滝汗)
こんなに歌の上手な方だとは知りませんでしたが。

今は、博子さんの出演される舞台はチェックしています(^ ^)。そしたら、また遊びにいらしてくださいね。

nophoto
乾海苔
2009年4月5日12:25

こんにちは
「テレビを全く見ない」という感じなのかと受け取っていました^^
名前をきいたことはあったのですね~

舞台での森口さんを相当気に入った感じですね~
今後こちらで感想を含めた記事も楽しみにします^^

みつきねこ
2009年4月5日23:21

>舞台での森口さんを相当気に入った感じですね~
はい♪
かえすがえすも、「タイタニック」初演を見逃したことが悔やまれます(^ ^)