東宝劇場 花組新人公演「愛と死のアラビア」、その3。



前回の続きを書く前に、ちょっとだけ違う話を。

先日、花組東宝劇場公演「愛と死のアラビア」を観劇してまいりました。
本公演については別途書きますが、取り急ぎ、先日サミーラの芝居について書いた処を確認してまいりましたので、ご報告。

結論からいうと、れみちゃんのサミーラも“アノウドが痛みのあまり気を失ったとき、慌てて自分のヴェールを脱いでアノウドにかけようとする”お芝居をしているんですが(夜野さま、ご教示ありがとうございます)、新公とは微妙に違っていました。

本役のれみちゃんは、ヴェールに手をかけんながら、咄嗟に気絶したアノウドの許に走りよろうとしていましたよね?で、1,2歩出たところで、トマスに「布を裂いてくれ」といわれて受け取りに行く感じ。

すみ花ちゃんは、戸口に控えたままの姿勢で咄嗟にヴェールに手をかけるんですが、トマスに「布を裂いてくれ」と言われるまでは動かないんです。で、そう言われて慌てて駆け寄ってたと思います。(関係ないけど、アノウドにヴェールを巻いてあげるすみ花ちゃんの手つきは、ものすごーーーーく不器用だった………)

ただの思い込みかもしれませんが。
なんとなく、れみちゃんのサミーラは気が強くてしっかりしていて、女主人とも仲のいい“乳姉妹”で、すみ花ちゃんは、おとなしくて控えめな“端女”、というふうな印象を受けました。
そして、そんな控えめな下女であるすみ花サミーラが、思わず「見てはなりません!」と厳しい口調で言い募ってしまうくらい、肌を見られるというのは女性にとって大きなタブーなのだ、という認識を与えてくれたような気がします。

元気で可愛いれみちゃんのサミーラ、
身分制のしがらみの中で、それでも女主人を守ろうとしたすみ花ちゃんのサミーラ、
どちらも可愛かったです♪



国衣の歌手(絵莉千晶)愛純もえり

さすがに絵莉さんの低音の迫力には及びませんでしたが(当たり前?)、いい声でした。幕開きの雰囲気づくり、よく出来ていたと思います。
ラストの低音で伸ばすところは声が出なかったせいか、……あれっ?カットされていたんだっけ?“ああ、鈴木さんはこういうふうに工夫するのね”、と思ったことは覚えているんですが、具体的にどうなっていたのか忘れてしまった……(ごめんなさい!ご覧になった方、教えてください/汗)



女豹S(舞城のどか)華月由舞
シャルキーの女S(〃)〃

麗しい(*^ ^*)
黒塗りにキツいツリ目。女としてもベリーダンサーとしても、抜群のスタイル。色っぽくて、可愛くて、サイコーの女でした。
振付はみほちゃんとは少し違っていましたが、目を離せないほど魅力的。素晴らしい!「エンター・ザ・レビュー」の猛獣&マヌカンメンバーには絶対入ってほしい!(^ ^)。



シャルキーの女A(すみ花の位置?)月野姫花

か、か、かわええ………(呆然)たまらないほど可愛いです。はい。
姫花ちゃん、ダンス巧いなあ〜(←今頃?)うっとり。



侍女(白姫あかり、月野姫花)瞳ゆゆ、桜咲彩花

…新公の二人がどうこう、よりも、プログラムをチェックしたおかげで本公演の二人の意味がわかったことが嬉しいかも。
二人だけが「侍女」で、他のメンバーは「シャルキーの女」なんですね!

ゆゆちゃんの、控えめに目を伏せた風情に萌えました。
桜咲さん(凄い芸名!)も可愛かった☆



ドナルド(愛音羽麗)彩城レア

元々歌えるし、声も悪くない人なんですが、台詞声のカン高さと台詞回しの硬さが役に合ってない印象がありました。台詞のテンポも乱れがちで、前半つっかけてみたり、後半転んじゃったり、いかにも喋りなれていない感じ。
……それなりに今までも役がついていたのに、あれぇ?と思ってしまいました。

みわっちの声もそんなに低くないんですが、響きが柔らかいので落ち着いて聴こえるのと、ゆったりと余裕のある口調が、谷作品の大芝居演出によく合っていたんですよね。作品によって、役によって、口調をきちんと変えられるのは役作りの基本のキなので、ネコちゃんにはもう少しがんばってほしいです。

牢獄でスコットランド民謡「ローモンド湖」をトマスとあわせる場面は、さすがに耳に優しいなー(←みわっちごめんなさい)、と感心したのですが。
数少ない西欧人の役とはいえ、化粧が少し白すぎて軍服を着るとオスカルみたい(仕草もちょっと女の子っぽい)だったとか、見た目にもいろいろ反省点はあるんですけれども。
まずは、得意分野であるはずの声のコントロールから始めてみたら良いのではないでしょうか。

……個人的には、今回くらいのタイミング(研9?)で、デジュリエ大佐とかアジズとか、ああいう威厳と迫力を必要とする役をやらせてあげたほうが、ネコちゃん自身の勉強にはなったんじゃないかなー、と思いました。



メドヘッド(嶺乃一真)天真みちる

巧い!
下級生の子役は、ある程度のところまでは“出来て当たり前”なんですけど、この人は本当に巧いんじゃないかなぁ、と思いました。他の役はよく知らないので、なんとなく、ですが。

とにかく、ドナルドの一挙手一投足に注目して、彼のやり方を覚えたい、彼が要望を声に出す前に対応したい!という意欲がよく見える役作りでした。
この子(メドヘッド)は伸びる、いい医者になるだろう、と思わせるものがあったのが凄い!次の作品が、とっても楽しみ!!




今になって、あらためて新公プログラムを見て発見したこと。

エジプト兵に扇くんがいたり、
シャルキーの女にきらりんがいたり、
黒衣の女にすみ花ちゃんがいたり、
隊商に菜生ちゃんがいたり……

……したんですね(; ;)全然気がつかなかったよ(ToT)

牢獄の兵士(イブラヒムの私兵)たちの中に、冴月瑠那ちゃんを見つけたのは、自分でも感心したんですけど(汗)(←美人はすぐ見つけられるらしい)

まー、とにかく役の少ない公演ですので仕方ないんですが、特に娘役は、結局本公演も新人公演も同じ“シャランラの女”(シャルキーのこと。byきらりん)だったりする人も多くて、
ああ、もうすこし何とかならなかったのかなあ、と思ってしまいますねぇ。

でも、花組さんも一人ひとりは凄くがんばっていて、新人公演、やっぱりとても面白かったです!

次はもっとたくさん魅力的な役のある作品でありますように!
(一本物だそうなので、カットが心配ですが…)



……ま、とりあえずは今の公演を、あと2週間。
楽しませていただきますので、どうぞよろしくお願いいたしまーす!

 
 

 
ここ半月ほど、日記を書くたびに、毎回途中で一回か二回はデータが消えてしまいます。
たとえ書き始めたばかりだったとしても、書こう!という気がそがれてしまうんですよねぇ…(泣)。
……もしかして、diarynote.jpの編集画面に直打ちしちゃいけないのかしら………(T T)。


コメント

nophoto
ももた
2008年8月5日3:08

初めまして。祐飛さんファン歴2年ほどのももたと申します。
以前から毎日のように読ませていただいてます。
いつも洞察の深い公演ご感想や下級生たちについての記述、過去の公演との比較など、勉強になることばかりです。ありがとうございます。

サミーラの件について書いてらっしゃったので、思わず書き込みさせていただきにまいりました。

れみちゃんは、たぶんムラの中盤以降(終盤近く?)、ヴェールを外す芝居をするようになったと思います。
(ムラ新公は観たのですが、その時、すみ花ちゃんがどうだったかは覚えておりません。ただ、その時点で本公演のれみちゃんは、まだやってなかったと思います)
でも、ムラでは、端に控えたままでヴェールを外そうとしてました。
(おろおろと、今にも駆け寄りたそうなそぶりはしていましたが)
昨日、今日と本公演を観ましたが、今はれみちゃん、確かにアノウドの近くに寄りながらで外そうとしてますよね。
しかも、外す動作をしながら身体が後ろ向きになっています。
(あれは、ヴェールを外し、顔をさらすところを、できるだけトマスに見られないように、ということなのかなぁ、と思いました)
ムラの時は、端に立って、視線はアノウドを見つめたまま、ヴェールに手をかけていました。

「乳姉妹」と「端女」、なるほどなぁ、と思いました。
二人がそれぞれどういう解釈で演じているのかは想像でしかありませんが、面白いですね。
あれだけしか出番のない(怒!)役ではありますが、れみちゃんがこの3カ月間、日に日に役への解釈を深め、工夫を重ねながら演じているのだなぁ、と思うと、その頑張りがとても嬉しいですし、すみ花ちゃんはすみ花ちゃんで、きちんと独自の解釈で役にアプローチしているのは立派だなぁ、と思います。

ところで、「乳姉妹」で思い当たったのですが、昨日、今日の観劇で新たに気付いたことがあります。
最初にアノウドとサミーラが追われて逃げてくる場面で、いったんテントの下手側に逃げてきて、そこでベドウィンたちに挟まれて、またテントの裏側へ逃げていく時に、手をつないで走っていってますね。
確かに言われてみると「乳姉妹」っぽいです。
以前からやってたかどうか、思い出せないのですが・・・。
新公でのれみちゃんとすみ花ちゃんはどうだったんでしょうか。

長々と書き込んで申し訳ありません。
これからも楽しみに読ませていただきますね。

nophoto
曜子
2008年8月5日3:17

ねこさん、こんばんは!
新公レポ、お疲れ様でした。
いつもながら、的確な表現でのレポ、楽しませていただきました。

一つ前の記事の、

>専科の重鎮が、今までの積み重ねで作り上げた難しい役

ムハンマド・アリ、アミナ、デジュリエ大佐、その他・・・。
少ない台詞や場面で、脚本に書かれていない、その置かれている立場や人となりを表現する必要があるのに、その脚本が本役さんのキャラクターや工夫に負う所が大きいような気がして、新公メンバーは、皆、よくやったなぁ、と思いました。

今日も、ニュースで新公映像が流れましたが、イブラヒム=だいもんの歌に、聞惚れつつ、苦笑いでした。
(祐飛さんも、だいもんも大好きです・・・)

これからも、ねこさんの記事、楽しみにしています。

追伸
webへの直打ちは、通信環境が不安定になったり、ホストの方でセッションタイムアウトをしたりすると遮断されて消えてしまうから、危ないですよ。

みつきねこ
みつきねこ
2008年8月6日1:15

曜子さま
コメントありがとうございます!なんだか色々書き忘れたのですが、あんまり長くなるのもナンなので、終わりにしてみました(^ ^)。
専科メンバーの役をやった人たちは、ホントに皆巧かったですね。
「黒蜥蜴」の新公を観たときは、まめちゃんとかさあやとか、87期が新公卒業しちゃったら大事な役は誰がやるんだろう?と思ったけど、88期も人材豊富でとっても良かったです!
次の新公が楽しみ☆

>今日も、ニュースで新公映像が流れましたが、イブラヒム=だいもんの歌に、聞惚れつつ、苦笑いでした。

(爆)(私もだいもん大好きです!)
あ、でも、今日の祐飛さんは比較的音あってましたよ♪

直打ちはやっぱり良くないんですね……やっぱりNotepad使った方がいいかなー。

みつきねこ
みつきねこ
2008年8月6日1:38

ももたさま、ありがとうございます〜(^ ^)。
サミーラの役作り、興味深いお話になってきましたね!

>れみちゃんは、たぶんムラの中盤以降(終盤近く?)、ヴェールを外す芝居をするようになったと思います。
最初から、ではなかったんですね…>れみちゃん。

>(おろおろと、今にも駆け寄りたそうなそぶりはしていましたが)

東宝新公のすみ花ちゃんも、そんな感じでした。

そういえば。大劇場で観たときは、れみちゃんのサミーラって凄くおとなしげな印象だったのに、東宝に来てずいぶん元気になったなー、と思ったんですよね。
具体的にここがこう違う、というのは判らなかったんですが、そういう細かい変化の積み重ねでキャラクターが変わってみえたんでしょうね。

>しかも、外す動作をしながら身体が後ろ向きになっています。(あれは、ヴェールを外し、顔をさらすところを、できるだけトマスに見られないように、ということなのかなぁ、と思いました)

そうそう!私もそう思いました。深いなあ、と。
しかも、取ろうか取るまいか逡巡しているようにも見えるんですよね。最初に取ろうとする動作をしてから、トマスがターバンにする布を渡すまでに、だいぶ時間があくので。(多分、実際には衣装なので取ることができないのでしょう)

すみ花ちゃんは、その違和感があまりなかったので、トマス側の段取りが微妙に違ったのかもしれません。さすがに細かいところは覚えていませんが……。

>「乳姉妹」と「端女」、なるほどなぁ、と思いました。
二人がそれぞれどういう解釈で演じているのかは想像でしかありませんが、面白いですね。

私の勝手な解釈ですけれども(^ ^;ゞ

>あれだけしか出番のない(怒!)役ではありますが、

本当ですよね!(怒)
っていうか、“お嬢さま”たるアノウドの出番でさえアレですからね(涙)。
れみちゃん、月組時代はどちらかというと“お嬢さん”系のキャラで売っていましたが、花組にくると結構気が強いタイプの役がきそうで、とても楽しみです♪私は「Borbon…」のれみちゃんも「Young Bloods」のれみちゃんも大好きだったので(*^ ^*)。

>最初にアノウドとサミーラが追われて逃げてくる場面
>(中略)手をつないで走っていってますね。

これは、大劇場がどうだったか(&東宝の初日頃がどうだったか)は覚えていないのですが、少なくとも東宝新公はやっていました(^ ^)。しかも、テントの影から二度目に(上手側に)出てきたときも、つないだままだったような気が(^ ^)。

というか。
東宝新公をご覧になった方に伺いたいのですが。
あの時、アル・マリクに最初に捕まりそうになったのがサミーラで、それを庇ってアノウドが捕まった……ように見えたのは、私の妄想でしょうか…?大劇場ではどうだったのでしょうか(^ ^;ゞ
ああ、自分の目に映ったものを、そのまま映写するカメラがほしい……(ドラえもんにあったなあそういうの)

ち、ちょっとぐたぐたになってしまいましたが、ももたさま、またこれからも遊びにいらしてくださいね♪