東京宝塚劇場にて、花組新人公演「愛と死のエジプト」 「愛と死のアラビア」を観てまいりました。
新公演出は鈴木圭。
私は彼が演出した舞台を観たのはこれが初めて…だと思います。たぶん。
水さんの「里見八犬伝」もみっちゃんの「SECOND LIFE」も観られなかったし、新公も観てないと思う。
バウ作品は、どちらも評判良かったみたいですし(身近で観た人がいないので良くわかりませんが…)、どちらかというと齋藤さん系の、ちょっと展開に無茶はするけど、ファンに「ここがスゴク好き!」と言わせる場面をきっちり創ってくるタイプの演出家なのかな、と思っていましたが、
今回の新公は『思いのほか手堅くきたな』、というのが率直な感想でした。
演出的にも、芝居に関してはほとんど変更なかったと思います
(ショー部分、特に「悠久のナイル」は大きく違いましたが)。
役者の演技についても、特に“演出としてこの人の解釈を変えたんだな”“演出変更の意図を持って演技指導したな”と思ったところは無かったような気がします。
手堅く。
きっちり。
ちゃんと。
…そんな印象。
トマス(真飛聖)朝夏まなと
この人は、主演ももう4回目?…ですよね?(マラケシュ、黒蜥蜴、アデュー、今回)最近一人で何回も新公をやる人が少ないので、すごいなあと素直に思います。
「蒼いくちづけ」Bチームは観られませんでしたが、「アデュー・マルセイユ」新公の時と今回と、ずいぶん雰囲気が変わったなーと思いました。
うん、やっぱり「蒼いくちづけ」の経験が生きているのでしょうか?
相手役がれみちゃんだったのも大きいかな?学年も近いし、経験値もちょうど釣り合ってる感じなので、やりやすかったのでは?
とにかく、二人の並びがすごくキレイで、よくお似合いでした。サイズ的にもちょうどいいし、いいコンビだと思います。
芝居の方向性もあっているような気がするので、いずれバウとかで組んでほしいかも?(今回は作品がアレなので、あまり自信がありませんが…)
ただ、トマス、という男の人間的な面白み、にかけては、さすがにまとぶんは巧かったんだなーと思いました。砂漠を追いかけてきたヤシムに、「さ、帰ろうか」と言うときの茶目っ気とか。
ああいう茶目っ気が、本公演でのトマスの人間的な魅力であり、最後の牢獄の場面でのドナルドとのやりとりも、そういうところがあるから余計に感動的になるんですよね…
まぁくんのトマスは、もっと生真面目で一生懸命な、「青臭い坊や」だったような気がしました。台詞のはしばしが。
それはそれで格好いいし、今回トゥスン(嶺乃一真)がものすごく幼くて吃驚するほど可愛らしかったので、それなりに全体のバランスは取れてはいたのですが、もう少し奥のある造形ができれば面白くなるのになー、と思いましたね。
「Mind Traveller」の若者役みたいな、賑やかしの発散系の役だと、もうそこしか目に入らないみたいな華やかなオーラを出す人なんですけれども、今回はトマスという役を、辛抱役だと思いこんでいたような気がします。
……まぁ、逆に正統派のトマスだったという言い方もできるんですけどね(^ ^)。
アノウド(桜乃彩音)白華れみ
ヒロイン経験豊富なれみちゃん、と書きだそうしたんですが、そういえば新公ヒロインはまだコレが二回目なんですね(ローマ、今回)。
ワークショップで二回ヒロインしていたので、つい。
姿が美しくて、いかにも“娘役”らしい風情がある人ですが、ポルキアといい、アノウドといい、なぜ数少ない新公ヒロインがいつも薄倖の「あなたのお傍にいたいのです」タイプの女性なんだろう…。
ワークショップ(「Young Bloods」「BourbonStreet Blues」)では、どちらも強気な現代っ子(←Bourbon…は’50s だけど)で、すごく可愛くて魅力的だったのに(^ ^)。もう一度ああいう役で観てみたいなー。
台詞の声が意外なくらい彩音ちゃんに似ていたのは、真似をしていたのでしょうか…?彩音ちゃんとは期も一期しか違わないんだし、もっと自信を持って「白華れみのアノウドはこれ!」って打ち出してほしかったような気がしました。
アノウドじゃ個性の出しようもないから仕方ないよね、とも思うんですが……でも、やり方はいろいろあると思うんですよ。たとえば、もっとお嬢様っぽく、毅然とした感じにする、とか。あるいは逆に、もっとおどおどと怯えた感じにしちゃう、とか。
まぁくんのトマスが、本役さんより生真面目で生硬な雰囲気になったぶん、アノウドはもっと母性を出してみるっていう手もあったんじゃないかなー、とか。
どうすればいいのか具体的には判りませんけれども、あの"堅物トマス"っぷりでは、あんな土壇場の瀬戸際になっても可愛い妹にあんな告白は出来なさそうな気がしてならなかったので……(*^ ^*)
まぁ、そのあたりは演出家の解釈だと思いますが。
…すみません、勝手なことばかり書いて。
えーっと、れみちゃんの、コスチュームの似合いようと、仕草の美しさがとにかく素晴らしかったです。伊達にポルキアやってないね!古代ローマ風の衣装と、アラビア風の衣装、着こなしが似てる気がします。とにかく文句なく美しかった!!
あと、奴隷として登場したときのお辞儀の仕方が可愛くてお気に入りです♪♪
サミーラ(白華れみ)野々すみ花
この人が、ある意味一番意外だったかも。
本役さんとは全然違うアプローチで来るだろう、と思っていたのですが、芝居自体は本役さんと殆ど変わらなかったような気が……(汗)
あ。でも、そういえば。
アノウドが治療の途中で気を失ったとき、咄嗟にヴェールを脱ごうとする芝居って、れみちゃんがやっているんでしょうか?あのときの焦った顔と反射的な手の動きがちょっと印象的だったんですが。(本公演では何を見ているんだろう私…?)
イブラヒム(大空祐飛)望海風斗
すげーカッコよかったです。ちゃんと20歳の若者だった(^ ^)。
まぁくんのトマスが若返っているのに、ちゃんとトマスより歳下の、怜悧で有能な20歳に見えました♪♪父上(扇めぐむ)とのバランスもGOODだったし、何よりあの学年できっちり目を利かせられるのが素晴らしい。
髭もとってもよく似合ってました(はぁと)♪
あれがほんの数時間前にはヤシムをやっていたのかと思うと……(しかもこれがまた当たり役だったりする)、すごーく不思議な気がします(^ ^)。
それにしても良い声だ!!
台詞の声も、歌も、絶品でした。うっとり。
ちょっと高めだけど、芯と深みがあって、なんていうか、嘉月絵理ちゃんみたいな声なんですね(*^ ^*)
歌はさすが。(エンカレメンバーだもんな……当然といえば当然か…)「アラビアの伝説を…」の歌の、最初の音程があやしいところも、嫌味かと思うほどきっちり歌ってくれました(^ ^)(…やっと正しい音程がわかったぞ!…がんばれ祐飛さん^ ^)(←祐飛さんの魅力はそんなところにあるんじゃないからいいの)
そんなところかな?
次回は……どうしようかな。太守一家の話からか、ベドウィンとマムルークか、それとも……明日考えます……。
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新公演出は鈴木圭。
私は彼が演出した舞台を観たのはこれが初めて…だと思います。たぶん。
水さんの「里見八犬伝」もみっちゃんの「SECOND LIFE」も観られなかったし、新公も観てないと思う。
バウ作品は、どちらも評判良かったみたいですし(身近で観た人がいないので良くわかりませんが…)、どちらかというと齋藤さん系の、ちょっと展開に無茶はするけど、ファンに「ここがスゴク好き!」と言わせる場面をきっちり創ってくるタイプの演出家なのかな、と思っていましたが、
今回の新公は『思いのほか手堅くきたな』、というのが率直な感想でした。
演出的にも、芝居に関してはほとんど変更なかったと思います
(ショー部分、特に「悠久のナイル」は大きく違いましたが)。
役者の演技についても、特に“演出としてこの人の解釈を変えたんだな”“演出変更の意図を持って演技指導したな”と思ったところは無かったような気がします。
手堅く。
きっちり。
ちゃんと。
…そんな印象。
トマス(真飛聖)朝夏まなと
この人は、主演ももう4回目?…ですよね?(マラケシュ、黒蜥蜴、アデュー、今回)最近一人で何回も新公をやる人が少ないので、すごいなあと素直に思います。
「蒼いくちづけ」Bチームは観られませんでしたが、「アデュー・マルセイユ」新公の時と今回と、ずいぶん雰囲気が変わったなーと思いました。
うん、やっぱり「蒼いくちづけ」の経験が生きているのでしょうか?
相手役がれみちゃんだったのも大きいかな?学年も近いし、経験値もちょうど釣り合ってる感じなので、やりやすかったのでは?
とにかく、二人の並びがすごくキレイで、よくお似合いでした。サイズ的にもちょうどいいし、いいコンビだと思います。
芝居の方向性もあっているような気がするので、いずれバウとかで組んでほしいかも?(今回は作品がアレなので、あまり自信がありませんが…)
ただ、トマス、という男の人間的な面白み、にかけては、さすがにまとぶんは巧かったんだなーと思いました。砂漠を追いかけてきたヤシムに、「さ、帰ろうか」と言うときの茶目っ気とか。
ああいう茶目っ気が、本公演でのトマスの人間的な魅力であり、最後の牢獄の場面でのドナルドとのやりとりも、そういうところがあるから余計に感動的になるんですよね…
まぁくんのトマスは、もっと生真面目で一生懸命な、「青臭い坊や」だったような気がしました。台詞のはしばしが。
それはそれで格好いいし、今回トゥスン(嶺乃一真)がものすごく幼くて吃驚するほど可愛らしかったので、それなりに全体のバランスは取れてはいたのですが、もう少し奥のある造形ができれば面白くなるのになー、と思いましたね。
「Mind Traveller」の若者役みたいな、賑やかしの発散系の役だと、もうそこしか目に入らないみたいな華やかなオーラを出す人なんですけれども、今回はトマスという役を、辛抱役だと思いこんでいたような気がします。
……まぁ、逆に正統派のトマスだったという言い方もできるんですけどね(^ ^)。
アノウド(桜乃彩音)白華れみ
ヒロイン経験豊富なれみちゃん、と書きだそうしたんですが、そういえば新公ヒロインはまだコレが二回目なんですね(ローマ、今回)。
ワークショップで二回ヒロインしていたので、つい。
姿が美しくて、いかにも“娘役”らしい風情がある人ですが、ポルキアといい、アノウドといい、なぜ数少ない新公ヒロインがいつも薄倖の「あなたのお傍にいたいのです」タイプの女性なんだろう…。
ワークショップ(「Young Bloods」「BourbonStreet Blues」)では、どちらも強気な現代っ子(←Bourbon…は’50s だけど)で、すごく可愛くて魅力的だったのに(^ ^)。もう一度ああいう役で観てみたいなー。
台詞の声が意外なくらい彩音ちゃんに似ていたのは、真似をしていたのでしょうか…?彩音ちゃんとは期も一期しか違わないんだし、もっと自信を持って「白華れみのアノウドはこれ!」って打ち出してほしかったような気がしました。
アノウドじゃ個性の出しようもないから仕方ないよね、とも思うんですが……でも、やり方はいろいろあると思うんですよ。たとえば、もっとお嬢様っぽく、毅然とした感じにする、とか。あるいは逆に、もっとおどおどと怯えた感じにしちゃう、とか。
まぁくんのトマスが、本役さんより生真面目で生硬な雰囲気になったぶん、アノウドはもっと母性を出してみるっていう手もあったんじゃないかなー、とか。
どうすればいいのか具体的には判りませんけれども、あの"堅物トマス"っぷりでは、あんな土壇場の瀬戸際になっても可愛い妹にあんな告白は出来なさそうな気がしてならなかったので……(*^ ^*)
まぁ、そのあたりは演出家の解釈だと思いますが。
…すみません、勝手なことばかり書いて。
えーっと、れみちゃんの、コスチュームの似合いようと、仕草の美しさがとにかく素晴らしかったです。伊達にポルキアやってないね!古代ローマ風の衣装と、アラビア風の衣装、着こなしが似てる気がします。とにかく文句なく美しかった!!
あと、奴隷として登場したときのお辞儀の仕方が可愛くてお気に入りです♪♪
サミーラ(白華れみ)野々すみ花
この人が、ある意味一番意外だったかも。
本役さんとは全然違うアプローチで来るだろう、と思っていたのですが、芝居自体は本役さんと殆ど変わらなかったような気が……(汗)
あ。でも、そういえば。
アノウドが治療の途中で気を失ったとき、咄嗟にヴェールを脱ごうとする芝居って、れみちゃんがやっているんでしょうか?あのときの焦った顔と反射的な手の動きがちょっと印象的だったんですが。(本公演では何を見ているんだろう私…?)
イブラヒム(大空祐飛)望海風斗
すげーカッコよかったです。ちゃんと20歳の若者だった(^ ^)。
まぁくんのトマスが若返っているのに、ちゃんとトマスより歳下の、怜悧で有能な20歳に見えました♪♪父上(扇めぐむ)とのバランスもGOODだったし、何よりあの学年できっちり目を利かせられるのが素晴らしい。
髭もとってもよく似合ってました(はぁと)♪
あれがほんの数時間前にはヤシムをやっていたのかと思うと……(しかもこれがまた当たり役だったりする)、すごーく不思議な気がします(^ ^)。
それにしても良い声だ!!
台詞の声も、歌も、絶品でした。うっとり。
ちょっと高めだけど、芯と深みがあって、なんていうか、嘉月絵理ちゃんみたいな声なんですね(*^ ^*)
歌はさすが。(エンカレメンバーだもんな……当然といえば当然か…)「アラビアの伝説を…」の歌の、最初の音程があやしいところも、嫌味かと思うほどきっちり歌ってくれました(^ ^)(…やっと正しい音程がわかったぞ!…がんばれ祐飛さん^ ^)(←祐飛さんの魅力はそんなところにあるんじゃないからいいの)
そんなところかな?
次回は……どうしようかな。太守一家の話からか、ベドウィンとマムルークか、それとも……明日考えます……。
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コメント
私も昨日、花の新公を観てきました。
役のキャラクターや話の意図が見えない脚本ですよねぇ、これ。(以下自粛・・・)
ゆうくんに茶目っ気がある、と書いていらっしゃいますが、
「あー、そうなのよ!そうなのよ!」と大きく頷いてしまいました。
ちゃらんぽらんなだけではなかったり(シモン)、厳しいだけではなかったり(トマス)、という深い人間性を自然に感じさせてくれるんですよね。
だいもんは、上手ですよね。
本人には、もっと弾けて欲しいし、劇団側には、もっと彼女を抜擢して欲しいです。
本当に、ヤス、やってほしいですねぇ。
ねこさんの、新公レポ、続き、楽しみにしています。
私は、花や月の新公は観たことがないので、想像がつきませんが、みんな頑張っていたようで、よかったです♪
さて、サミーラがとっさにヴェールを外そうとする場面ですが、れみちゃんもやっています。ムラからやっていたと思います。同じように…ではないかもしれませんが、自分のことよりお嬢様が大切なんだろうな、ということがよくわかる、いい芝居だな、と思います。
そう、まとぶんの、辛いときにもちょっと茶化しつつ、前向きにがんばろう!みたいなところが結構好きなんです。
ただ、真剣な場面なのにちょっと不真面目に見えちゃったり、芝居が荒っぽかったりするところがあるので、そういうのはもう少し本人が気をつけてくれるといいんだけどなあ、と思うんですよね。
(トマスの芝居も、東宝にきて随分良くなりましたけど、大劇場では叫び芝居っぽいところが目立ったので…)
だいもんは本当に素敵でした(*^ ^*)。ヤス、似合うと思うんだけどなーーーー。
れみちゃんのサミーラもちゃんと観てるんですけどねぇ。気がつかなかったなぁ……。次回はしっかり見てみます!