エリザベート来日公演一周年記念、「ウィーンミュージカルコンサート」の、二幕。



二幕の前半は、「MOZART!」

1幕のウィーンの街で歌われるコーラスナンバーの後、ヴォルフとスタンツィのラヴデュエット。「愛していれば分かり合える」だっけ?
ヴォルフガングはもちろんルカス・ぺルマン、コンスタンツェも「勿論」マジャーン・シャキ。
マジャーンはどこかでスタンツィの経験もあるのでしょうか?すごく心細げな、非常にスタンツィらしいスタンツィでした。
ドイツ語圏ミュージカルのスターを見るたびにいつも感心するのは、歌唱力だけの電信柱系がいないこと。言葉は通じないのに、作品のストーリーも知らなかったりするのに、ちゃんとその「役」の心情が伝わってくるんですよね。なぜ伝わるんだろう?何が違うんだろう?不思議でなりません。


次はアンドレ・バウアーで、レオポルトのナンバー。アンドレはトークでコロレード大司教の経験があると言っていたので期待していたんですが、パパでしたね。日本でいえば鈴木総馬さん系の、穏やかで深みのある美声なのに、あの不満と野心に凝り固まったクソオヤジの歌。かなり胸に突き刺さる芝居歌でした。
あんなパパがいたら、そりゃーヴォルフも必死になるよな…。


次がスタンツィの二幕のソロだったかな?
これはもう、文句なく素晴らしかった!!一幕の内気で目立たない末娘から、今をときめくモーツァルトの妻としてダンスパーティに明け暮れる“ファーストレディ”への変化。その“ファーストレディ”の苛々と憤懣…「何かが足りない」焦燥感。
小池さんが演出した東宝版のコンスタンツェは、演者が誰であっても等しく「夫が構ってくれなくて淋しいのに強がっている、素直になれない女の子」だったのですが、マジャーンのスタンツィは、「最先端の女」だったのです。
女王のような、華やかで嘲笑的で破滅的な、“享楽的な女”。

…ああ、マジャーンのスタンツィを本編で観てみたいよーーーっ!!



そして、マヤ・ハクフォートの男爵夫人で「星から降る金」。
…マヤの声はどちらかというと鋭い声で、あまり包容力のある声ではないんですよね。だから、どんな場面のどういう意味を持って歌われるかを考えながら、ミュージカルの一場面として聴いてしまうと、ちょっと物足りない気がしたことは否定しません。

ただ、「一曲」としては本当に素晴らしかった!
全然違う作品の全く違う場面に使いたくなりそうなくらい、名曲で名唱で、そして、ド迫力でした(*^ ^*)。



そして極めつけ、マテ・カマラスのコロレード大司教!!
びっくりしました。マテは絶対シカネーダーだと思ったのに(^ ^;

いやー、ホント極めつけだった。マテの大司教。こんな解釈ありかっ!?って感じ。神に対する怒りと不満を真っ向から表にだして、あからさまに闘いを挑む、宣戦布告の音楽だったんです!
あのマテの大司教を軸に解釈して演出したら、すっごく面白い作品になるか、ぶっつぶれるか……どっちかだろうなあ。

私はあの怒りに満ちた大司教様が、大好きです。
そろそろ、日本でも新解釈の大司教様が出てこないかなー(←まだ当面無理か…/涙)



そして真打(?)、ルカスの「影を逃れて」。
ルカスは実際にこの作品でヴォルフガング役を演じたことはナイと思うのですが…(もしやってたらすみません)、
「愛していれば分かり合える」くらいのナンバーでは十分ヴォルフになりきっていたルカスも、さすがにこの歌は、「歌手ルカス・ぺルマン」として歌っていた印象でした。

音楽としても良い曲ではあるのですが、やっぱり根本的に芝居のクライマックスの歌なので、ちょっと惜しかったなー。声もテクニックも十分だし、雰囲気も衣装もぴったりなので、ぜひ彼にはヴォルフを演じてほしいです。

…いいのかそんな野望を書いて。ルカス&マジャーンのコンビで、マテがコロレード、なんて話になったら、貯金崩してしまいそうです私…。



ちょっとトークをはさんで、最後に「ELIZABETH」。
こちらはほぼ作品の順番どおり、だったかな?
残念ながら、衣装は全然違いましたけれども。

プロローグから早速面白かったんですが、とりあえず今日はここまで♪


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