なんだかすっかり書き終わった気でいました……「CLUB SEVEN」。
そういえば一幕終わったところまででしたね(汗)。


というわけで。間があいてしまいましたが、休憩をはさんで第二幕。
関係ないけど、「CLUB SEVEN」って今までも休憩ありましたっけ?先月のキャラメルボックスでは「初めての休憩」を売りにしていたんですが……。



幕開きは、Fantastic Musical「マネキンとあやつり人形」。

玉野さん扮する、仮面をつけた“怪人(ご本人談)”が幕前に登場。カカッツーン、カカッツーン、微妙にぶれたような、不可思議な足音が響く。
舞台センターに留まって持っていた鞄を開き、中から人形を取り出し、舞台前面にゆっくりと並べていく…と同時に幕があがり、後ろに立っているマネキン人形たちにライトがあたっていく。


怪人がまたゆっくりと立ち上がり、怪しげな足音を響かせながら立ち去ると。
徐々に人形たちが動き出す。
ゆっくりと、ぎこちなく、踊りだす。

でも。舞台奥の椅子に置かれたあやつり人形(東山)だけは、動けない。


踊り子人形(樹里)が、あやつり人形を踊りに誘う。彼を縛り付ける糸に気づいた踊り子人形は、ぎこちない動作で、一本づつその糸をはずしてあげる。

身軽く踊りだすあやつり人形。しばらくソロでパフォーマンスを愉しんで、それからふ、と気づいたように踊り子人形と組む。
人形たち皆の、楽しげな微笑。さんざめき。

そして。


華やかなダンスナンバーの最中に、

……怪人が、戻ってくる。



慌ててポジションへ戻る人形たち。

糸の外れたあやつり人形を見て怒った怪人は、舞台前面に並ぶ人形たちから踊り子人形をとりあげて。

…首を捻って投げ捨てる。

ばたり、と軽い音をたてて、崩れ落ちる舞台奥のマネキン(樹里)。

他の人形たちも、一瞬悲痛な目を向けて、
それでも何事もなかったようにポーズをとって立ち続ける。


怪人が去った後。

あやつり人形は、腕を伸ばす。
床に倒れた踊り子人形に向かって、精一杯に。

ふたたび糸につながれ、動くことのできない彼の、精一杯の、愛。


彼は、力づくで糸を引きちぎる。
ぶつん、ぶつん、と、運命の弓弦が鳴り響く。


糸が切れたあやつり人形は、踊り子人形のところへいけるのか?


いいえ。
糸が切れたあやつり人形は、動けない。
椅子からは立ち上がっても、ふらりとゆらめいて、ぱたりと倒れてしまう。踊り子人形が倒れたときよりも、もっとずっと軽い音をたてて。

それでも彼は、腕を伸ばす。
腕も、肩も、指も、精一杯に伸ばせるだけ伸ばして、

あと、少し。
あと、ほんの少しで、手が届く…



糸を断ち切った後悔と、
少しでも彼女に近づきたいという熱情と。
それらを滲ませたまま、動かなくなった彼の頬に当たるライトが。

切なくて。



セリフも歌も一切無い、動きのみのパフォーマンスでしたが。
まず、玉野さんの“怪人”ぶりが素晴らしかった。
カカッツーン、カカッツーン、という、頭に響く不可思議な足音。鞄から人形を取り出すとき、あるいは戻すときの、実に怪しい雰囲気。間の取り方。特に、鞄へ戻すときの、一体づつ人形を取り上げては一瞬考えこむ、その間の取り方の怖かったこと!!

そして、東山くん。糸につながれているときの不自由さと、解き放たれたときの優雅な美しさ。
そして、糸を無理やり切るまでの表情の変化と、切れた後の力尽きよう。
すべてが美しくて、哀しかった。

パワーのある存在が、そのパワーを奪われたときの脆さ。切なさ。
美しさには、パワーと脆さ、両方が必要なんだな、と。
心から納得しながら。



で。
ちょっとぶっ飛んでいた気持ちをしっかり戻してくださる、ありがたーい(そしておもろい)トークをはさんで、いよいよお待ちかね、の50音順ヒットメドレー。



これねぇ…終了後でもいいから、曲目リストを出してほしいものだ、と毎回思うんですよね。特に今回は、「新バージョン」ということで知らない曲が凄く多かったので。かなり真剣にほしいよー。
一応アンケートには書いてみたけど、まあ無理だろうなあ。
(ネタ的な使われ方の曲も多いし)



とりあえず、宝塚ファンとしてはずせないのは「うたかたの恋」2発でしょうか。
「ぬ」で、ものすごーーーーく良く知っている前奏が流れた!と思ったら、樹里ちゃんルドルフ&優里ちゃんマリーが!! くるくる巻き毛の優里ちゃんが物凄く可愛いです。そして、アンドレみたいな樹里ちゃんはとてもステキ……なんだけど、もちろん化粧替えの時間も男役用の下着に着替える時間もある訳が無い。実に女らしいラインのまま、軍服着て気障っている姿は……ちょっとヤバイよソレ……(^ ^;ゞ
がんばれ樹里ちゃん、負けるな樹里ちゃん(笑)。

その後、もう一回同じ前奏がかかったんだよね。何のときだったかな…
そのときは、オカマな二人が扮していて、ほとんど歌わずにすぐはけちゃいましたけど。

宝塚関係は、「すみれの花咲く頃」は毎回出るんですけど、今まではあんまり他の曲は使われていなかった……ような気がするのですが。(OGは必ず出てたのに)
今回は結構多かったような気がします。

えーっとえーっとえーっと。
すいません、私の海馬は旅に出てしまったらしく、全く思い出せない。あんなに笑ったのに。二度と忘れない!と思ったのに。
バイク旅行ネタも最高に面白かったんだけど、曲はなんだっけ…☆たちのパフォーマンスも、りんごの木も、優里ちゃんの蚊も、画面は物凄くよく覚えているのに曲を覚えてないから説明できない(T T)。うう、駄目かも。

ごめんなさい。やっぱりもっと早く書かなくちゃいけなかったですね…。


「ん」は定番の「Seasons Of Love」。どこで何度聴いても名曲です、これは。結局、この「50音メドレー」は、観客を思いっきり笑わせて、愉しませて、ラストにこの曲をやるための企画だったのだ、と思います。

525600の過ぎた時。
昨日もない、明日もない、ただ今日のこの日が、
この舞台があるだけの人生、

そんな思いをこめて。



「……LOVE…」という、ラストのユニゾンが。
ライトの落ちた舞台にとけていく。



そして、

ラストの締めは、いつもどおりの「CLUB SEVEN」リプライズ。
美しい彼らの、美しいダンス。
黒一色に身をかため、シンプルな舞台いっぱいに、伸び伸びと踊る7人の仲間たち。


私が観たのは千秋楽だったのですが、なんと!アンコールに応えてもう一度「CLUB SEVEN」を踊ってくださいました♪♪
……かなり皆へろへろりんでしたが……(^ ^;ゞ。


まぁ、とにかく。

理屈を言っても仕方がない!楽しいものは楽しいんです!

絶対に映像化することのできないこの作品。この眼で観ることができたことが、腹を抱えて笑うことができたことが、とても嬉しい。

幸せな時間を、幸せな3時間を、
3時間分の血と汗と涙(←すげー濃そう…)を、

本当に本当に、ありがとうございましたっっ(はぁと)。




コメント

nophoto
はにはに
2008年4月16日17:20

過去に戻らずに手当たり次第にレスしちゃいます。

あのあやつり人形の場面はすごーーく良かった!
あの木偶人形ってどこかに売ってるのでしょうか?
皆、あれと同じにカクンってしていてすごいとか
そちらにも感心しました。
そして玉野さん、不気味な人形師とても良かったと思います。
たまこちゃんも可愛いけど、こういうのが出来るところが
すごいなぁって思ってます。

ところで、Mr.ボージャングル再演ですね♪
嬉しいけど、今度はタータン出演でなんかおおっ!!と
思ってしまいました。配役的なバランスではレアちゃんで
良かったんだけど・・・ ふふふ

50音はそりゃもう、死にそうに楽しかった♪
もう一度リピートして見たいくらいです。
(2回みろよ!って?!)

楽のお楽しみで「クラブセブン」2回というのも羨ましい限り。

ああ、来年も楽しみにしてます〜♪
3時間ぎっしりだし会場が暑いので、ドリンクとか
あったらいいのになぁ・・・

みつきねこ
みつきねこ
2008年4月17日2:51

木偶人形は売ってると思います。以前仕事で使っていたものに良く似てましたから。
でも、確か関節の角度は自由でしたけどねー(かくんかくん動くものではない)。振付として人形振りは面白いし、模型もいろいろあるのかもしれませんが。

>3時間ぎっしりだし会場が暑いので、ドリンクとかあったらいいのになぁ・・・
初演はたしかドリンク付きでしたよね…?私はギリギリに行ったので飲み損ねたような記憶が…。気のせい?

「TAP GUY」再演は…嬉しいけど、傷心中なので今は突っ込まないでやってください。レアちゃんのアンジェラ、あんなに素晴らしかったのになぁ…(愚痴ですみません。上演までに立ち直ります)

っていうか、アンジェラがタータンさんなんですかねぇ?タータンさんは剱持さんの役で、樹里ちゃんがアンジェラだとばかり思っていたのですが(クレジットは剱持さんの方が先でした)。