ハリウッドの恋人【2】
2007年12月17日 宝塚(月) コメント (2)宝塚月組バウホール公演「Hollywood Lover」二日目。
今日は、この公演の来年の青年館公演の発売日。
っていうか。初日の翌日に続演分の発売って……ひどくないですか?
しかも実りなく終了、って、疲れたよーーー。
どうやら、ほんの数分でいったんは売り切れたらしいですね(T T)。いったいどこにあるんだチケット!!と朝から怒りにふるえてました。
まぁ、何故か夕方にはぴあに戻っていたという不思議な現象が起ていたらしいので、あるところにはあるんだろうなぁ。
平日昼なんて、ちょっとくらい出てきても行けないけど(涙)。
くそぉ、休日のチケットどこにあるんだよっ!!(怒)
以前私は、つたない知識しかないのに恥ずかしながら、柴田侑宏氏とその作品について、以下のようなことを書いてみました。
http://diarynote.jp/d/80646/20071011.html
今回。
「Hollywood Lover」の作・演出を手がけた、植田景子氏について、
しみじみと、
柴田さんの真の後継者は、もしかしたら正塚さんではなく景子さんなのかもしれない
と思ったのでした……。
>柴田さんは「人間を描く」作家で、
>正塚さんは「人生」を、あるいは「人と人との関わりを描く」作家
なのだとしたら。
植田景子氏は、まぎれもなく「人間を描く」ことを至上命題にされている方なんじゃないか、と。
今回作品のテーマは、「ステファーノ・グランディ」、というよりも、「“理想の男”そのもの」、だったと思います。
恋人に裏切られ、
認められつつあった映画業界を追いだされて、失意のうちに故郷に帰ったステファーノ。
にも関わらず、そこで一念発起して立ち直り、イタリア映画界のスター監督にまで登ってきた、タフで有能な、男。
彼が“理想の男”である、ということを表現するために、
“理想の男”とはどんな存在であるのかを描き出すために、
それだけのために、2時間の時間をかけて「ステファーノ」を描き出す。
彼が、“理想の男”だよ、“理想の男”とは、ステファーノのような男なんだよ、と…。
そのために配置されるのは、彼を裏切った、美しく悲観的で、ハリウッドの夢の象徴のようなスター。
愛に疲れて壊れかけた、元恋人。
そして、その夫である、数々の“奇跡のような成功”を収めてきた名物プロデューサー。妻を溺愛し、その愛で女をしばりつける、思いこみの激しい誠実で潔癖な、男。
ステファーノを描くために、愛に疲れ、生きることに絶望したローズを描き出し、
そのローズを描くために、ワンマンで我が侭な、子供のようなリチャードを配置する。
不要な役が一つもない芝居。
ただの、その場のにぎやかしとして設定される役がない。すべての役が、何かを表現するために存在している。
演出手法や展開は全然違うのですが、「役の役割」というものに対する考え方が、すごく柴田さんと共通しているんじゃないかな、と思いました。
撮影クルーのキビキビとした動きは、それを監督するステファーノの有能さを表現するため。
大勢がうろうろする現場では、全員にちゃんと仕事があって、下級生一人一人がしっかりその役割をこなしている。誰一人欠けても撮影は続行できない、その緊張感が素晴らしい!
パーティでのセレブたちの胡散臭さは、ハリウッドという世界を表現するため。
最後の方で、すずな(憧花ゆりの)が叫ぶ「それこそハリウッド!」という台詞に象徴される、「ハリウッド」の狂気。
ローズとリチャードが所属するハリウッドは、二人を狂わせた世界、でもある。
ハリウッドの狂気を打破するために現れたヒーローとしてのステファーノを描くためには、アンチ・ヒーローであるリチャードを、そして、彼の全てであったハリウッドをしっかり描かなくてはならないから。
すべては、ステファーノという夢の男を描くため、に。
そんなことを思いながら、11時の友の会優先公演を観劇しました。
………えっとー、
昨日ってもしかして、公開舞台稽古、だったのかにゃ………?
さすがに、6年前の「血と砂」の時のような、あまりの時間オーバーに2日目から大幅カット断行、いきなりオープニングが無くなったり、ヒロインのソロ曲がお蔵入りしたり、ほぼ一場面丸々なくなったり…なんて、そんなことはありませんでしたが。
でも、やっぱ舞台稽古は舞台稽古だったな…(苦笑)。
“たまたま初日が手に入って”、それでご覧になったみなさまへ、お願い。
いつでもいいので、もう一回だけ、ご覧になっていただけないでしょうか…(滝汗)。
まずね、祐飛さんの歌が違ってた(^ ^;ゞ
…決して上手いとは言いませんが、初日とはとりあえず別人だったなー。
まぁ、研16にもなってそれくらいコントロールできんのか、と思わないこともないですが。
…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……
初日、っていうのは、本当に特別なものなんですねぇ。
下級生たちは、そりゃ経験不足もあるし仕方ないかなーと思うけど、専科の磯野さん・五峰さんでさえ、芝居が全然違っていたんですよ〜!
2日目を見てはじめて、初日は皆、自分の果たすべき役割を果たすことだけで(下級生だと段取りを追うのに)精一杯で、全然回りが見えていなかったことに気づきました。
役の人物として自分の気持ちを語る、とか、役の人物になって回りをみる、ってことが、2日目にして出来るようになった人がほとんど。…ってことは、お稽古では出来ていたんだけど、初日はぶっ飛んじゃった、って可能性高いよね……?
この作品、このまま歌を全部抜いてストレートプレイとして上演しても通用するくらい、完成度の高い作品なんですが。
でも、完成度が高いだけに、上演する役者を選ぶ作品だな、と思いました。
台詞を言ったら、相手が次の台詞を言うのを待つのではなく、
相手に自分の思いを伝えるためのコトバを探して、自分が喋っている間に相手の気持ちが動いているのを確認して、相手が何と言ってくるかをドキドキしながら待つ、
そういうお芝居がきちんと出来るメンバーじゃないと、難しい作品なんじゃないかな、と思います。ストレートプレイな部分がすごく多いので。
今日、やっと本当の意味での初日があいて、
あと、バウホールで9日間。
その後、半月のお稽古を経て、青年館で1週間。
28人、誰一人欠けることなく、体調を崩す人もなく、1月25日が迎えられますように、と、
心の底から、祈っています!!
.
今日は、この公演の来年の青年館公演の発売日。
っていうか。初日の翌日に続演分の発売って……ひどくないですか?
しかも実りなく終了、って、疲れたよーーー。
どうやら、ほんの数分でいったんは売り切れたらしいですね(T T)。いったいどこにあるんだチケット!!と朝から怒りにふるえてました。
まぁ、何故か夕方にはぴあに戻っていたという不思議な現象が起ていたらしいので、あるところにはあるんだろうなぁ。
平日昼なんて、ちょっとくらい出てきても行けないけど(涙)。
くそぉ、休日のチケットどこにあるんだよっ!!(怒)
以前私は、つたない知識しかないのに恥ずかしながら、柴田侑宏氏とその作品について、以下のようなことを書いてみました。
http://diarynote.jp/d/80646/20071011.html
今回。
「Hollywood Lover」の作・演出を手がけた、植田景子氏について、
しみじみと、
柴田さんの真の後継者は、もしかしたら正塚さんではなく景子さんなのかもしれない
と思ったのでした……。
>柴田さんは「人間を描く」作家で、
>正塚さんは「人生」を、あるいは「人と人との関わりを描く」作家
なのだとしたら。
植田景子氏は、まぎれもなく「人間を描く」ことを至上命題にされている方なんじゃないか、と。
今回作品のテーマは、「ステファーノ・グランディ」、というよりも、「“理想の男”そのもの」、だったと思います。
恋人に裏切られ、
認められつつあった映画業界を追いだされて、失意のうちに故郷に帰ったステファーノ。
にも関わらず、そこで一念発起して立ち直り、イタリア映画界のスター監督にまで登ってきた、タフで有能な、男。
彼が“理想の男”である、ということを表現するために、
“理想の男”とはどんな存在であるのかを描き出すために、
それだけのために、2時間の時間をかけて「ステファーノ」を描き出す。
彼が、“理想の男”だよ、“理想の男”とは、ステファーノのような男なんだよ、と…。
そのために配置されるのは、彼を裏切った、美しく悲観的で、ハリウッドの夢の象徴のようなスター。
愛に疲れて壊れかけた、元恋人。
そして、その夫である、数々の“奇跡のような成功”を収めてきた名物プロデューサー。妻を溺愛し、その愛で女をしばりつける、思いこみの激しい誠実で潔癖な、男。
ステファーノを描くために、愛に疲れ、生きることに絶望したローズを描き出し、
そのローズを描くために、ワンマンで我が侭な、子供のようなリチャードを配置する。
不要な役が一つもない芝居。
ただの、その場のにぎやかしとして設定される役がない。すべての役が、何かを表現するために存在している。
演出手法や展開は全然違うのですが、「役の役割」というものに対する考え方が、すごく柴田さんと共通しているんじゃないかな、と思いました。
撮影クルーのキビキビとした動きは、それを監督するステファーノの有能さを表現するため。
大勢がうろうろする現場では、全員にちゃんと仕事があって、下級生一人一人がしっかりその役割をこなしている。誰一人欠けても撮影は続行できない、その緊張感が素晴らしい!
パーティでのセレブたちの胡散臭さは、ハリウッドという世界を表現するため。
最後の方で、すずな(憧花ゆりの)が叫ぶ「それこそハリウッド!」という台詞に象徴される、「ハリウッド」の狂気。
ローズとリチャードが所属するハリウッドは、二人を狂わせた世界、でもある。
ハリウッドの狂気を打破するために現れたヒーローとしてのステファーノを描くためには、アンチ・ヒーローであるリチャードを、そして、彼の全てであったハリウッドをしっかり描かなくてはならないから。
すべては、ステファーノという夢の男を描くため、に。
そんなことを思いながら、11時の友の会優先公演を観劇しました。
………えっとー、
昨日ってもしかして、公開舞台稽古、だったのかにゃ………?
さすがに、6年前の「血と砂」の時のような、あまりの時間オーバーに2日目から大幅カット断行、いきなりオープニングが無くなったり、ヒロインのソロ曲がお蔵入りしたり、ほぼ一場面丸々なくなったり…なんて、そんなことはありませんでしたが。
でも、やっぱ舞台稽古は舞台稽古だったな…(苦笑)。
“たまたま初日が手に入って”、それでご覧になったみなさまへ、お願い。
いつでもいいので、もう一回だけ、ご覧になっていただけないでしょうか…(滝汗)。
まずね、祐飛さんの歌が違ってた(^ ^;ゞ
…決して上手いとは言いませんが、初日とはとりあえず別人だったなー。
まぁ、研16にもなってそれくらいコントロールできんのか、と思わないこともないですが。
…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……
初日、っていうのは、本当に特別なものなんですねぇ。
下級生たちは、そりゃ経験不足もあるし仕方ないかなーと思うけど、専科の磯野さん・五峰さんでさえ、芝居が全然違っていたんですよ〜!
2日目を見てはじめて、初日は皆、自分の果たすべき役割を果たすことだけで(下級生だと段取りを追うのに)精一杯で、全然回りが見えていなかったことに気づきました。
役の人物として自分の気持ちを語る、とか、役の人物になって回りをみる、ってことが、2日目にして出来るようになった人がほとんど。…ってことは、お稽古では出来ていたんだけど、初日はぶっ飛んじゃった、って可能性高いよね……?
この作品、このまま歌を全部抜いてストレートプレイとして上演しても通用するくらい、完成度の高い作品なんですが。
でも、完成度が高いだけに、上演する役者を選ぶ作品だな、と思いました。
台詞を言ったら、相手が次の台詞を言うのを待つのではなく、
相手に自分の思いを伝えるためのコトバを探して、自分が喋っている間に相手の気持ちが動いているのを確認して、相手が何と言ってくるかをドキドキしながら待つ、
そういうお芝居がきちんと出来るメンバーじゃないと、難しい作品なんじゃないかな、と思います。ストレートプレイな部分がすごく多いので。
今日、やっと本当の意味での初日があいて、
あと、バウホールで9日間。
その後、半月のお稽古を経て、青年館で1週間。
28人、誰一人欠けることなく、体調を崩す人もなく、1月25日が迎えられますように、と、
心の底から、祈っています!!
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コメント
ただ、男性と女性の違いというのか、柴田先生ってロマンチストだよね。景子先生のほうが同じ女性として、ちょっと厳しいところがあるようなきがしますわ、ふふふ
それにしても、祐飛さんはすごい作品に巡り合ってしまったみたいですね。
昨日観た友人が、終わった後にすぐに帰れず宝塚阪急でお茶して、きれいなものを見ながら心を落ち着けて帰宅したと言ってます。
ああ、チケット1回しか購入できてないのですがどーしよー
2回くらい観ないと納得できなさそうな予感がします。
あと話は違いますが、ねこさまがお留守中に私は「The Light in the Piazza」と「Mr.Pinstripe」を観ましたよ〜
着眼点とか、物語の組み立て方とかは全然違うんですけど。
>柴田先生ってロマンチストだよね。
それは確かに、そうですね(はぁと)。
景子さんはロマンチストじゃなくて「理想論者」なんですよねー。厳しいっていうのもそうなんですけど、「現実」の汚さに対して容赦がないところがある。
……女性だからなのか、若いからなのか?(^ ^;ゞ。
彼女の場合、歯車が一個狂ったら、木村さん系の“おしつけがましいプロパガンダ”作品を創ってしまう可能性もあったと思うんです。
でも、自分の手法を確立した今は、もう大丈夫なんじゃないかな、と思いました。2幕ものなら、ですが(^ ^;
>それにしても、祐飛さんはすごい作品に巡り合ってしまったみたいですね。
はいっ!(^ ^)ノシ
ぜひぜひ、何回でも観てくださいねー♪♪
>「The Light in the Piazza」と「Mr.Pinstripe」を観ましたよ〜
観たかった………(T T)。
遠征とモロ被りだった「Mr.Pinstripe」はともかく、「The Light in the Piazza」は「ハレルヤ!」とどっちを観るかすごーく迷ったんですよねぇ(涙)。
「ハレルヤ!」を選んだ自分に悔いはないけど……でも観たかったです〜!再演してくれると良いんですけどねぇ(泣)。
ぜひぜひ、感想教えてくださーい!