青山劇場で、ミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」を観てまいりました。
原作は、1860年、ヴィクトリア朝のイギリスで出版された、ウィルキー・コリンズの傑作ミステリ「白衣(びゃくえ)の女」。
2004年にロンドンで初演。で、すぐブロードウェイでも開幕して。「あのA・L=ウェッバーの新作!」というので日本でも話題になってましたが、……たしか、あまり続かなかったんじゃないかな?
音楽的にちょっと難解な部分があるので、そのあたりが受けなかった理由かも。(とかなんとか言ってますけど、実は超大人気でロングランしていた、とかだったらごめんなさい!)
でもでも、私にはとても面白かった!
良かったですよ、とっても♪♪もう一回観たいと思っています♪
<キャスト>
主役・マリアンを笹本玲奈。
マリアンの異父妹で、父親の遺産を相続した資産家の美少女・ローラを神田沙也加。
姉妹が恋する貧乏な(下層階級の)美術教師・ウォルターを別所哲也。
ローラの許嫁・グライド卿を石川禅。
グライド卿の友人、エピキュリアンなイタリア男・フォスコ伯爵を上條恒彦。
白い服を着た謎の女、アン・キャスリックを、劇団☆新感線で大活躍の山本カナコ。
ローラの父の弟(ローラの叔父)で二人の後見者を、元四季の光枝明彦。
宝塚関係者は、ちあきしんさんくらい、だったかな?
マリアンやローラが暮らす村の女の子の母親役など、ちょこちょこソロのあるアンサンブルでご出演。カジノのシーンでグライド卿の禅ちゃんに絡む女性役が、麗しくてとっても素敵でした♪
で、とりあえず。
何よりもまず、最初に。
上條恒彦さんが素晴らしかった〜!!
はっきり言って主役は上條さんだったね。
特に2幕。
マリアンの笹本玲奈ちゃんを口説く場面(正確には、マリアンがフォスコを誘惑する場面なんだけど)が、しかもかなり長々とした場面(!)が、あるんですけど!
いや〜、中年…いや、老年にさしかかった男のイヤらしさを存分に出されていて、そりゃーもう素晴らしい!!の一言でした★
…お髭のない上條さんの顔を見たのは、そういえば初めてかもしれません…。
また、玲奈ちゃんが最高に色っぽくてコケティッシュで。
本当に本当に!!
素晴らしかったです。きっぱり。
あの場面を観ただけで、私が支払ったチケット代は元が取れた、かも……(^ ^)。
つい先月まで(?)、マリウスとエポニーヌだった(組んでないけど)、禅ちゃんと玲奈ちゃん。
…っていうか、それより衝撃的なのはバルジャンとジャベールであり、さらにバルジャンとマリウスだった(こっちは組んでる?)別所さんと禅ちゃんかな?(笑)
今回は本当に、典型的な「悪役」だった禅ちゃんですが。
金に汚くて、女に暴力をふるう最低な男。
…禅ちゃんの、何をやってもにじみ出てしまう「人の好さ」とか「優しさ」が、今回はうまくマスキングされていたような気がします。
表面を取り繕って、人前では“優しくて寛大な夫”を演じている姿とのギャップ、本来のキャラクターはちょうど逆、なんですけど(汗)、「2面性」というところを上手く役に生かしているなーと思いました。
これからますます役柄が拡がりそうです。
あのキャラクターであの歌が歌える役者、っていうのは、他にちょっと考えにくいくらい嵌っていたと思います。
別所さんのウォルターは、誠実で不器用で、
心を隠せ 立場をわきまえろ
住む世界が違いすぎる
貧しい教師に 望みは、ない
と歌う一幕半ばのナンバー「Try To Not Notice」がよく似合う、「いかにも」なヒーロー、でした。
うぁあ〜、バルジャンとジャベールがデュエットしてるよ〜〜!と思ったりもしながら。
ちなみに、バルジャンとエポニーヌのデュエットは全然違和感無かったです。玲奈ちゃん大人っぽかったし。
うん。
今回の公演、立役者は何と言っても、玲奈ちゃんだったなー。
首の詰まったヴィクトリア朝の禁欲的なドレスがよく似合って。
ちょっと、退団直後の一路真輝さんを思い出させる美貌っぷりでした。エポニーヌでデビューした2003年の頃は、まだ頬がぷくぷくしていて可愛い感じだったのに、だいぶシャープになって、そして、お化粧も変わりましたよね。
初めて観た時から、歌も芝居もとても好きなタイプなので、順調に育っていくのを拝見するのはとても幸せです!(はぁと)
とにかくラストの絶唱に泣かされました。
うん。良かったよ。昔から人を引き込むチカラのある人だったけど、どんどん磨きがかかっているような気がします。
次の作品がまた楽しみになりました。
育ち盛りって怖いなあ〜〜!
そんな玲奈ちゃんのマリアンが、心からの愛情と忠誠を捧げる異父妹・ローラ。
ローラは父親の資産を受け継いで、土地持ちの資産家。
そして、マリアンはその影で、彼女の話し相手として一生を過ごすつもりだったのかな…?
姉妹というより、乳母とお嬢様みたいな、ちょっと微妙な関係の二人。
そんな二人が、突然現れた白馬の王子様ならぬ貧乏な美術教師に恋をする。
で、美術教師の方は、妹ローラに一目惚れ。
…さやかちゃん、もっとずっと圧倒的に可愛いと思っていたのに、意外に普通だったなぁ、というのが印象でした。
歌は、思ったより良かったけど、ソプラノはちょっと細すぎて不安定。せっかくの玲奈ちゃんカナコさんとのコーラスが、ちょっと微妙になっちゃったのが残念でした。
うーん、他にいなかったのかなー?とかつい思ってしまいますが………いなかったんだろうなあ(涙)。
山本カナコさんは、すっげー歌が上手いです!!
ビックリしたよ。
しかも、すごい小柄なんですね。大きな別所さんと一緒の場面が多いので、よけい小さく見えました。まさに、ヒラヒラした白い衣装に埋もれて、この世のものとは思えない小ささ、細さ、薄さ!!
別所さんに縋り付く、その小さな身体。
なのに、歌声は力強く空気を切り裂いて、異様な響きを滾らせて。
物語のキーとなる「白い衣の女」。
タイトルロールなんですよね、この作品の。
その、作品世界の色を決める大事な役割を、過不足なく果たしていらっしゃったと想います。
素敵でした。
またミュージカルに出て下さいね!
光枝さんは、もう今更言うまでもなく素敵でした。
はい。
もっと歌ってほしかったなー。ソロがたった一曲じゃ足りないよ(涙)。
フォスコ伯爵、代役は光枝さんなんだろうか…それもものすごーーーーく観たいキャストだ………(苦笑)。
私は、この作品の初演の頃に、ちょうどロンドンに遊びにいきたいなー、な〜んて計画を立てていて(いろいろあって頓挫しましたが)、「A・L=ウェッバーの新作かー、観たいな〜」とか思っていたんですよね。
…「白衣(はくい)のおんな?看護婦モノか?」とか思ったことは秘密です。
そして。
私にとって、この作品のホリプロ上演、というのは、特別な意味があります。
リアリー・ユースフルの作品を、劇団四季以外のカンパニーが日本でやる日が来たんだ!!という意味で。
笹本玲奈ちゃんが「ウェッバー作品に出るのが夢だった」とトークで話していましたが。
実際、この作品が決まるまで、それは「決して叶わぬ夢」だったんですよね…劇団四季に入らない限りは。
まぁ、大きな賞を獲った訳でもない作品だからこそ実現したのでしょうけれども。
でも。
この公演が『大成功』して、リアリー・ユースフル側が「日本にも良いカンパニーは色々あるんだな!」ってことを理解してくださって、
そして、
「サンセット大通り」を、
麻実れい主演で上演する、そんな許可が降りる日が。
いつかきっと、来てくれますように………(祈)
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原作は、1860年、ヴィクトリア朝のイギリスで出版された、ウィルキー・コリンズの傑作ミステリ「白衣(びゃくえ)の女」。
2004年にロンドンで初演。で、すぐブロードウェイでも開幕して。「あのA・L=ウェッバーの新作!」というので日本でも話題になってましたが、……たしか、あまり続かなかったんじゃないかな?
音楽的にちょっと難解な部分があるので、そのあたりが受けなかった理由かも。(とかなんとか言ってますけど、実は超大人気でロングランしていた、とかだったらごめんなさい!)
でもでも、私にはとても面白かった!
良かったですよ、とっても♪♪もう一回観たいと思っています♪
<キャスト>
主役・マリアンを笹本玲奈。
マリアンの異父妹で、父親の遺産を相続した資産家の美少女・ローラを神田沙也加。
姉妹が恋する貧乏な(下層階級の)美術教師・ウォルターを別所哲也。
ローラの許嫁・グライド卿を石川禅。
グライド卿の友人、エピキュリアンなイタリア男・フォスコ伯爵を上條恒彦。
白い服を着た謎の女、アン・キャスリックを、劇団☆新感線で大活躍の山本カナコ。
ローラの父の弟(ローラの叔父)で二人の後見者を、元四季の光枝明彦。
宝塚関係者は、ちあきしんさんくらい、だったかな?
マリアンやローラが暮らす村の女の子の母親役など、ちょこちょこソロのあるアンサンブルでご出演。カジノのシーンでグライド卿の禅ちゃんに絡む女性役が、麗しくてとっても素敵でした♪
で、とりあえず。
何よりもまず、最初に。
上條恒彦さんが素晴らしかった〜!!
はっきり言って主役は上條さんだったね。
特に2幕。
マリアンの笹本玲奈ちゃんを口説く場面(正確には、マリアンがフォスコを誘惑する場面なんだけど)が、しかもかなり長々とした場面(!)が、あるんですけど!
いや〜、中年…いや、老年にさしかかった男のイヤらしさを存分に出されていて、そりゃーもう素晴らしい!!の一言でした★
…お髭のない上條さんの顔を見たのは、そういえば初めてかもしれません…。
また、玲奈ちゃんが最高に色っぽくてコケティッシュで。
本当に本当に!!
素晴らしかったです。きっぱり。
あの場面を観ただけで、私が支払ったチケット代は元が取れた、かも……(^ ^)。
つい先月まで(?)、マリウスとエポニーヌだった(組んでないけど)、禅ちゃんと玲奈ちゃん。
…っていうか、それより衝撃的なのはバルジャンとジャベールであり、さらにバルジャンとマリウスだった(こっちは組んでる?)別所さんと禅ちゃんかな?(笑)
今回は本当に、典型的な「悪役」だった禅ちゃんですが。
金に汚くて、女に暴力をふるう最低な男。
…禅ちゃんの、何をやってもにじみ出てしまう「人の好さ」とか「優しさ」が、今回はうまくマスキングされていたような気がします。
表面を取り繕って、人前では“優しくて寛大な夫”を演じている姿とのギャップ、本来のキャラクターはちょうど逆、なんですけど(汗)、「2面性」というところを上手く役に生かしているなーと思いました。
これからますます役柄が拡がりそうです。
あのキャラクターであの歌が歌える役者、っていうのは、他にちょっと考えにくいくらい嵌っていたと思います。
別所さんのウォルターは、誠実で不器用で、
心を隠せ 立場をわきまえろ
住む世界が違いすぎる
貧しい教師に 望みは、ない
と歌う一幕半ばのナンバー「Try To Not Notice」がよく似合う、「いかにも」なヒーロー、でした。
うぁあ〜、バルジャンとジャベールがデュエットしてるよ〜〜!と思ったりもしながら。
ちなみに、バルジャンとエポニーヌのデュエットは全然違和感無かったです。玲奈ちゃん大人っぽかったし。
うん。
今回の公演、立役者は何と言っても、玲奈ちゃんだったなー。
首の詰まったヴィクトリア朝の禁欲的なドレスがよく似合って。
ちょっと、退団直後の一路真輝さんを思い出させる美貌っぷりでした。エポニーヌでデビューした2003年の頃は、まだ頬がぷくぷくしていて可愛い感じだったのに、だいぶシャープになって、そして、お化粧も変わりましたよね。
初めて観た時から、歌も芝居もとても好きなタイプなので、順調に育っていくのを拝見するのはとても幸せです!(はぁと)
とにかくラストの絶唱に泣かされました。
うん。良かったよ。昔から人を引き込むチカラのある人だったけど、どんどん磨きがかかっているような気がします。
次の作品がまた楽しみになりました。
育ち盛りって怖いなあ〜〜!
そんな玲奈ちゃんのマリアンが、心からの愛情と忠誠を捧げる異父妹・ローラ。
ローラは父親の資産を受け継いで、土地持ちの資産家。
そして、マリアンはその影で、彼女の話し相手として一生を過ごすつもりだったのかな…?
姉妹というより、乳母とお嬢様みたいな、ちょっと微妙な関係の二人。
そんな二人が、突然現れた白馬の王子様ならぬ貧乏な美術教師に恋をする。
で、美術教師の方は、妹ローラに一目惚れ。
…さやかちゃん、もっとずっと圧倒的に可愛いと思っていたのに、意外に普通だったなぁ、というのが印象でした。
歌は、思ったより良かったけど、ソプラノはちょっと細すぎて不安定。せっかくの玲奈ちゃんカナコさんとのコーラスが、ちょっと微妙になっちゃったのが残念でした。
うーん、他にいなかったのかなー?とかつい思ってしまいますが………いなかったんだろうなあ(涙)。
山本カナコさんは、すっげー歌が上手いです!!
ビックリしたよ。
しかも、すごい小柄なんですね。大きな別所さんと一緒の場面が多いので、よけい小さく見えました。まさに、ヒラヒラした白い衣装に埋もれて、この世のものとは思えない小ささ、細さ、薄さ!!
別所さんに縋り付く、その小さな身体。
なのに、歌声は力強く空気を切り裂いて、異様な響きを滾らせて。
物語のキーとなる「白い衣の女」。
タイトルロールなんですよね、この作品の。
その、作品世界の色を決める大事な役割を、過不足なく果たしていらっしゃったと想います。
素敵でした。
またミュージカルに出て下さいね!
光枝さんは、もう今更言うまでもなく素敵でした。
はい。
もっと歌ってほしかったなー。ソロがたった一曲じゃ足りないよ(涙)。
フォスコ伯爵、代役は光枝さんなんだろうか…それもものすごーーーーく観たいキャストだ………(苦笑)。
私は、この作品の初演の頃に、ちょうどロンドンに遊びにいきたいなー、な〜んて計画を立てていて(いろいろあって頓挫しましたが)、「A・L=ウェッバーの新作かー、観たいな〜」とか思っていたんですよね。
…「白衣(はくい)のおんな?看護婦モノか?」とか思ったことは秘密です。
そして。
私にとって、この作品のホリプロ上演、というのは、特別な意味があります。
リアリー・ユースフルの作品を、劇団四季以外のカンパニーが日本でやる日が来たんだ!!という意味で。
笹本玲奈ちゃんが「ウェッバー作品に出るのが夢だった」とトークで話していましたが。
実際、この作品が決まるまで、それは「決して叶わぬ夢」だったんですよね…劇団四季に入らない限りは。
まぁ、大きな賞を獲った訳でもない作品だからこそ実現したのでしょうけれども。
でも。
この公演が『大成功』して、リアリー・ユースフル側が「日本にも良いカンパニーは色々あるんだな!」ってことを理解してくださって、
そして、
「サンセット大通り」を、
麻実れい主演で上演する、そんな許可が降りる日が。
いつかきっと、来てくれますように………(祈)
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