雪組青年館公演「シルバーローズ クロニクル」を観てまいりました。(若干ネタバレありです)
………すごーーーーく感想が書きにくいよー…。
でも、絶対に一見の、いや一聴の価値がありますよ、この作品。ユミコちゃんの歌が、最初から最後までてんこもりに満載ですから(*^ ^*)。
っていうか、ユミコちゃん可愛いから!
今まで観た中で、一番可愛いからっ!!!
お持ち帰りしたいよー、テイクアウトして、家で和むの♪家のソファにエリオットがいるの♪と、妄想爆発していたのは私です。
あぁ、ほんとーにほんとーに、可愛かった…。
自転車乗ってる姿なんて、そのまんまフィギュアにしてほしい。罪深いほど可愛すぎる…(壊)。
そして。
ラストは泣きました。はい。
だってフランツなんだもん(T T)。
エリオットとフランツ、この極端な二役を演じられる人は、ユミコちゃん、貴方しかいない!し、私はそんな貴方が大好きだよ………。
それにしても。
この作品は、「ポーの一族」のパロディであると同時に「エリザベート」のパロディでもあるんですね。
(フランツを迎えにくるエリザベート/笑)
作・演出は小柳奈穂子さん。
私、彼女の作品は多分「アメリカン・パイ」以来だと思うのですが。
あまりの作風の変わりようにびっくりしました(^ ^;ゞ。
使っている言語が全然違う、とでも言えばいいのでしょうか。(FORTRANで事務処理プログラムを組もうとしたみたい、とか言っても誰にも判らないだろうなあ/涙)。
自然言語でない、作られた言語には全て目的があります。何かを実現するために、それを一番やりやすいように文法が出来ている。
作劇手法も、それは同じです。
目的があって、使用言語を撰ぶ。言語を撰んでから、作るモノを考えるのではないのです。
だから。
もし、小柳さんが萩尾望都の世界を表現したいと思うのなら、小池さんの作劇手法では無理だということに早く気づくべきです。
同じ「人外」を扱っていても、萩尾作品と「エリザベート」は違う。
結局、今回の作品は萩尾作品のパロディではなく、「薔薇の封印」のさらにパロディ、で終わってしまった…そんな印象でした。
目的=表現したいもの、実現したいものがあるなら、それに合わせた言語を学ばなくては。
科学計算をしたいのなら、COBOLじゃ駄目なんです。
シェイクスピアを学びたいなら、いくら中国語を習ってもなんにもならない。
学ぶべきはFORTRANであり、英語なのです。
もちろん。“専門家”を目指すならば、最低線の知識を得た上でCOBOLなり中国語なりを習うことは無駄にはなりませんよ?
でも、それはあくまでも「必須科目」をクリアした上で、のことです。
萩尾望都は、小池修一郎の文法からは最も遠いところにあるクリエーターの一人であり、彼の手法をどれほど学んでも、萩尾世界は構築できません。
小柳さんが、別に萩尾世界に拘りがないのだと言うのならば。
……こんな題材、撰ばないでくれ頼むから…。
「ヴァンパイアの兄妹」という設定、
昔の恋人の名前「アラン」、
そしてトドメが、「銀の薔薇」。
ここまで揃えておいて、「ポーの一族シリーズって何?関係ないわよ」って訳にはいきません。
どうしたって連想してしまいます。「アラン」という名前が出るたびに、「一緒においでよ、一人では寂しすぎる…」という独白が思い出されて。
目の前をうろちょろしている、可愛い可愛いエリオットくんが、
…だんだん憎らしくなってくる(汗)。
「アメリカン・パイ」の時は、不器用ながらも、不慣れながらも、「萩尾望都」というクリエーターに真っ正面からぶつかろうとしていた小柳さんが、どうしてこんなに小細工に走ってしまったのでしょうか?
「Naked City」は評判良かった記憶があるのですが……何故?
何の予備知識もなくこの作品を観て、「小池さん相変わらずだね」って隣の人に言われたら。
私だったら、まず間違いなく「ホントだね〜」と応えてしまうでしょうね。そのくらい、小池さんの手法で書かれた物語でした。
ユミコちゃんは、真実の愛を表現できる、数少ない役者。
彼女が演じるから、「永遠の愛」という嘘っぽいテーマが真実に見えるのです。
だけど。
それは、役者が表現しただけであって、作品が構築できたとは言えません。
ユミコちゃんだからこそ、力づくで作品を成立させることができましたけれども。これがもし違う役者だったら…と思うと怖くなります。
とか言いつつ。
何もかも吹っ飛ばして、ユミコちゃんにあのキャラクターをやらせた小柳さんは偉いなあ、と思ってしまう私も、確かに居るのですけれども(^ ^;ゞ
ヒロイン・アナベルの大月さゆちゃん。
彼女は、本当に可愛いし、過不足のない良い娘役さんだと思うのですが。
いかんせん「この世のものでない」エキスが無い人なんですね。
彼女に、こういうファンタジー(異世界)性の必要な役は難しいんだなあ、と思いました。
うーん、じゃあ誰、っていわれても…雪組さんの娘役さんは、皆さん割とリアルなタイプが多いのであまり思いつかない(涙)。一番近いところで、いづるんかなぁ……?
「アメリカン・パイ」は、シナちゃんがヒロインでしたが…彼女も、ああ見えて意外とリアルなタイプなんですよね。
「この世のものならぬ」雰囲気を出せる娘役…トップ娘役になるには絶対に必要な要素のハズなのに、最近少ないような気がするんですよねぇ(涙)。
異世界感のある、ファンタジックな娘役、ファム・ファタルを演じられる娘役がいないと、宝塚作品では圧倒的に多い「一目惚れ」が成立しにくくなってしまうので。
娘役さんには、もっともっとがんばって自分を磨いてほしいなぁ、と(*^ ^*)…希望です、希望。
(凰稀)かなめちゃんは、アナベルの兄。
この人も、圧倒的に美しいんだけど、意外と「異世界の住人」らしさの無いタイプなんですよね。「堕天使の涙」の新公を観た時、コムちゃんの「異世界」っぷりに遠く及ばない、「ごく普通のキレイな人」が喋っているのを観て、ちょっと衝撃を受けたことが記憶に新しいです。
今回も、銀髪のかつらがよく似合って、本当に美しい人なんだよなあ……(溜息)、と、感心したのですけれども。
やっぱり、どう見ても「人外のモノ」ではないんですよね…。
物語の設定として、「ヴァンパイアが居ることに」「誰も気づかない」ということになっているのですから、役づくりとしてはアレで正解なのだろう、とは思うのですが。
…うーん、なんだかな…。
個々の役者は良いのですが。
若者チームもすごくがんばって輝いていたのですが。
何かこう、細かいところで何かが噛み合っていない印象が残る作品でした(涙)。
でも、ユミコちゃんは、歌も芝居も本当に素晴らしかった!!
ある意味、樹里ちゃん以上に“宝塚の枠に収まりきらない”人なのかもしれないなぁ、と思ったのでした…。
.
………すごーーーーく感想が書きにくいよー…。
でも、絶対に一見の、いや一聴の価値がありますよ、この作品。ユミコちゃんの歌が、最初から最後までてんこもりに満載ですから(*^ ^*)。
っていうか、ユミコちゃん可愛いから!
今まで観た中で、一番可愛いからっ!!!
お持ち帰りしたいよー、テイクアウトして、家で和むの♪家のソファにエリオットがいるの♪と、妄想爆発していたのは私です。
あぁ、ほんとーにほんとーに、可愛かった…。
自転車乗ってる姿なんて、そのまんまフィギュアにしてほしい。罪深いほど可愛すぎる…(壊)。
そして。
ラストは泣きました。はい。
だってフランツなんだもん(T T)。
エリオットとフランツ、この極端な二役を演じられる人は、ユミコちゃん、貴方しかいない!し、私はそんな貴方が大好きだよ………。
それにしても。
この作品は、「ポーの一族」のパロディであると同時に「エリザベート」のパロディでもあるんですね。
(フランツを迎えにくるエリザベート/笑)
作・演出は小柳奈穂子さん。
私、彼女の作品は多分「アメリカン・パイ」以来だと思うのですが。
あまりの作風の変わりようにびっくりしました(^ ^;ゞ。
使っている言語が全然違う、とでも言えばいいのでしょうか。(FORTRANで事務処理プログラムを組もうとしたみたい、とか言っても誰にも判らないだろうなあ/涙)。
自然言語でない、作られた言語には全て目的があります。何かを実現するために、それを一番やりやすいように文法が出来ている。
作劇手法も、それは同じです。
目的があって、使用言語を撰ぶ。言語を撰んでから、作るモノを考えるのではないのです。
だから。
もし、小柳さんが萩尾望都の世界を表現したいと思うのなら、小池さんの作劇手法では無理だということに早く気づくべきです。
同じ「人外」を扱っていても、萩尾作品と「エリザベート」は違う。
結局、今回の作品は萩尾作品のパロディではなく、「薔薇の封印」のさらにパロディ、で終わってしまった…そんな印象でした。
目的=表現したいもの、実現したいものがあるなら、それに合わせた言語を学ばなくては。
科学計算をしたいのなら、COBOLじゃ駄目なんです。
シェイクスピアを学びたいなら、いくら中国語を習ってもなんにもならない。
学ぶべきはFORTRANであり、英語なのです。
もちろん。“専門家”を目指すならば、最低線の知識を得た上でCOBOLなり中国語なりを習うことは無駄にはなりませんよ?
でも、それはあくまでも「必須科目」をクリアした上で、のことです。
萩尾望都は、小池修一郎の文法からは最も遠いところにあるクリエーターの一人であり、彼の手法をどれほど学んでも、萩尾世界は構築できません。
小柳さんが、別に萩尾世界に拘りがないのだと言うのならば。
……こんな題材、撰ばないでくれ頼むから…。
「ヴァンパイアの兄妹」という設定、
昔の恋人の名前「アラン」、
そしてトドメが、「銀の薔薇」。
ここまで揃えておいて、「ポーの一族シリーズって何?関係ないわよ」って訳にはいきません。
どうしたって連想してしまいます。「アラン」という名前が出るたびに、「一緒においでよ、一人では寂しすぎる…」という独白が思い出されて。
目の前をうろちょろしている、可愛い可愛いエリオットくんが、
…だんだん憎らしくなってくる(汗)。
「アメリカン・パイ」の時は、不器用ながらも、不慣れながらも、「萩尾望都」というクリエーターに真っ正面からぶつかろうとしていた小柳さんが、どうしてこんなに小細工に走ってしまったのでしょうか?
「Naked City」は評判良かった記憶があるのですが……何故?
何の予備知識もなくこの作品を観て、「小池さん相変わらずだね」って隣の人に言われたら。
私だったら、まず間違いなく「ホントだね〜」と応えてしまうでしょうね。そのくらい、小池さんの手法で書かれた物語でした。
ユミコちゃんは、真実の愛を表現できる、数少ない役者。
彼女が演じるから、「永遠の愛」という嘘っぽいテーマが真実に見えるのです。
だけど。
それは、役者が表現しただけであって、作品が構築できたとは言えません。
ユミコちゃんだからこそ、力づくで作品を成立させることができましたけれども。これがもし違う役者だったら…と思うと怖くなります。
とか言いつつ。
何もかも吹っ飛ばして、ユミコちゃんにあのキャラクターをやらせた小柳さんは偉いなあ、と思ってしまう私も、確かに居るのですけれども(^ ^;ゞ
ヒロイン・アナベルの大月さゆちゃん。
彼女は、本当に可愛いし、過不足のない良い娘役さんだと思うのですが。
いかんせん「この世のものでない」エキスが無い人なんですね。
彼女に、こういうファンタジー(異世界)性の必要な役は難しいんだなあ、と思いました。
うーん、じゃあ誰、っていわれても…雪組さんの娘役さんは、皆さん割とリアルなタイプが多いのであまり思いつかない(涙)。一番近いところで、いづるんかなぁ……?
「アメリカン・パイ」は、シナちゃんがヒロインでしたが…彼女も、ああ見えて意外とリアルなタイプなんですよね。
「この世のものならぬ」雰囲気を出せる娘役…トップ娘役になるには絶対に必要な要素のハズなのに、最近少ないような気がするんですよねぇ(涙)。
異世界感のある、ファンタジックな娘役、ファム・ファタルを演じられる娘役がいないと、宝塚作品では圧倒的に多い「一目惚れ」が成立しにくくなってしまうので。
娘役さんには、もっともっとがんばって自分を磨いてほしいなぁ、と(*^ ^*)…希望です、希望。
(凰稀)かなめちゃんは、アナベルの兄。
この人も、圧倒的に美しいんだけど、意外と「異世界の住人」らしさの無いタイプなんですよね。「堕天使の涙」の新公を観た時、コムちゃんの「異世界」っぷりに遠く及ばない、「ごく普通のキレイな人」が喋っているのを観て、ちょっと衝撃を受けたことが記憶に新しいです。
今回も、銀髪のかつらがよく似合って、本当に美しい人なんだよなあ……(溜息)、と、感心したのですけれども。
やっぱり、どう見ても「人外のモノ」ではないんですよね…。
物語の設定として、「ヴァンパイアが居ることに」「誰も気づかない」ということになっているのですから、役づくりとしてはアレで正解なのだろう、とは思うのですが。
…うーん、なんだかな…。
個々の役者は良いのですが。
若者チームもすごくがんばって輝いていたのですが。
何かこう、細かいところで何かが噛み合っていない印象が残る作品でした(涙)。
でも、ユミコちゃんは、歌も芝居も本当に素晴らしかった!!
ある意味、樹里ちゃん以上に“宝塚の枠に収まりきらない”人なのかもしれないなぁ、と思ったのでした…。
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コメント
銀薔薇、ユミコさん本当に上手かったですねぇ。 自称雪担なので、このような下級生がほとんどの舞台も、かなり楽しめました。 展開が強引?で、衣装も??な舞台ですが、なかなかよかったです。
それもこれも、力技で舞台をまとめ上げたユミコさんの実力の高さだと思っています。 ***本当にカワイイ***
かなめちゃんとかキタロウ君とか、ユミコさんの背中を見て精進して、もっと大きくなってほしいなぁ... と願ったおばさんでした。
でも、楽しかったです。 ユミコさんに惚れ惚れしました。
青年館も、いよいよ明日で楽ですねぇ…。もう一回観たかったなー。次は木村作品かー、どんな作品でしょうね。雪組さんも、いい作品に巡り会えますように☆