雪組全国ツアーのみなさま、千秋楽おめでとうございます。

我ながら驚くほどハマっておりましたので、とても寂しいのですが、お正月公演までの束の間のお休み、ゆっくり楽しんでくださいね。

…と。
最近、少しばかり雪組に嵌りすぎていたような気がするので(←気のせいじゃないだろう)、心を入れ替えて(?)、今日は月組東宝劇場公演「マジシャンの憂鬱」の設定について、書かせていただきたいと思います。

……あくまでも妄想であって、実在の、あ、いや違う、実際に舞台の上で生きていらっしゃるマジシャンとかペテン師とかには関係ありませんので、ご了承下さいませm(_ _)m


まず、問題です。

「マジシャンの憂鬱」という作品、時代はいったいいつなのでしょうか…?

プログラムのあらすじには「20世紀半ば」と明記されています。
記者会見の場面で「(コンゴには)電気も無いでしょう?」と驚いたように言う台詞がありますので、一般家庭にも電気が行き渡っていて、電気無しでは生活が成り立たなくなった時代ってことですよね。

しかし。もりえちゃんが滞在していたコンゴは平和っぽい。ってことは多分、コンゴ動乱(1960年代)よりだいぶ前。独立運動が高まるのが1950年代ですから、さらにもっと前?

…ってなると、第二次世界大戦終了直後、ってことになっちゃいますけど………あの頃のヨーロッパって、あんな呑気にわいわいやってる時代だったのでしょうか(涙)。

しかも、女性の服装が違いますよね?
戦争中に、ヨーロッパのスカートは膝下くらいになっていたんじゃありませんでしたっけ?くるぶしまで隠す長さのスカートって、せいぜい第一次世界大戦までくらいのイメージだったのですが……

違うのでしょうか(泣)。

しかも。

夜野愉美さまのブログに書かれていたので初めて知ったのですが。
ロンドンにあるマジックの殿堂・エジプシャンホールは1904年に取り壊されたらしいじゃありませんか!?
http://blog.so-net.ne.jp/nights-entertainment_troup-leader/2007-09-23

…正塚さんにしては、珍しい詰めの甘さだと思うんですよね。
いつも、(師匠の影響か)時代考証は凄くしっかりされる人というイメージだったのですが。

今回はちょっと、パラレルワールドに迷い込んだような気がします。

で、
何が言いたいのか、というと…

考え方は2つあるなー、と思っています。


【1】プログラムの表記が誤りで、作品の舞台は1900年前後。

エジプシャンホールの存在と女性のファッションはOKだけど、
物語の発端、マレーク妃が「自動車事故で」亡くなった、という認識と矛盾するような……
「自動車」って、内燃機関を供えた4輪車のことですよね?蒸気機関ではなくて。
だったら。メルセデス・ベンツの発売が確か1900年。それ以前の自動車は、あんまり乗り心地も良くなかったはずだし…。国民の前をパレードするために、最新鋭の「自動車」といういうものに乗ってみよう!とかいう話ならいいんですけど、普通の移動に自動車を使うようになるのは、もう少し後なんじゃないかなー、と。


【2】プログラムの表記が正しくて、1940〜50年頃。

電気のこと、自動車の存在には納得。また、50年頃ならコンゴを「理想のユートピア」と呼ぶのも判ります。
狙撃手の存在とか、拳銃が簡単に出てくるあたりとかも合っている気がする。

しかーし。女性のファッションと、何よりエジプシャンホールが(涙)もうとっくに無いんだよ…。


【3】パラレルワールドで割り切る。

【1】も【2】も、どっちもそれぞれ矛盾点があるのと、総じて「時代」を感じないという欠点があって。

なんだか正塚さんにしては随分と中途半端な感じ。

…だったら、パラレルワールド、ってことで割り切ってもいいのかな、とか思ったり。


……あれこれ考えていくうちに、ひとつの解決策に辿り着く。


そもそも、私の中には、ひとつの妄想設定がありました。
…「パリの空よりも高く」の主人公、アルマンドの基本設定が。

『アルマンドは実は、ジュリアン・ジャッケが創ったサイボーグで、ジュリアンの遺児ジョルジュを守りつつ、ジュリアンの功績を追って旅をしている。』

っつー設定です(爆)。
http://diarynote.jp/d/80646/20070129.html

そして。

以前も書きましたが、私にはどうしても「マジシャンの憂鬱」のシャンドールさんは、アルマンドの未来に見えるんですよね。

正塚さんが、あえてそこを狙ったとしか思えない。


なので。

庭りかさまより、アルマンドの父親は宮廷マジシャンだった、という情報もいただきましたので。

こんな妄想設定を考えてみました。



ジュリアン・ジャッケは、某国で代々続く宮廷マジシャンの家柄だった。

実は彼は、大がかりなイリュージョンマジックを得意とする宮廷マジシャンで、建築(←大がかりだから)の知識もある天才発明家でもあった。

天才なので、19世紀という時代に電気や自動車の仕組みを理解し、素晴らしい改良を加えたので、某国はヨーロッパの片隅にありながら、周辺の国々とは隔絶された文明をもつことができた。

そして彼は、ある時自分の力を試すために旅に出る決意をし、宮廷マジシャンの職を辞してパリへ赴く。
これが1860年代の出来事。ジュリアンは40代(でしたっけ?)。

数年間のパリ滞在を経て、屋敷に戻ってきたジュリアン。パリで出会った可愛子ちゃんに生ませた赤ん坊(アルマンド=ジョルジュ)を連れて、宮廷マジシャンの職に復帰。

多忙な彼は、赤ん坊の世話をさせるために、自分の知識と技術のすべてを賭けて、自動機械人形(シャンドール)を作りあげるのです。……自分に似せて。

パリでの詐欺師同然のやりくり経験によって、ペテン師としても十分やっていけそうな修行をしてしまったジュリアン。技術的にも世界最高峰に達してしまった彼のイリュージョンは、派手さを増すばかり。

そして彼には、秘密があった。
…シャンドールが、機械であること。それは、本人に対しても秘密にされる。

秘密をもった男は、家族にも心をひらくことは出来ない。
家族に対してこそ、秘密を抱いているのだから、なおさら。

だから、シャンドールは、彼に反発する。
創造者である、彼、に。

割と早い段階で、シャンドールはジュリアンへの反発から家を出て、テーブルマジックの修行をはじめるんですよ、きっと。

…でも。

彼は、一度は「テーブルマジックだってペテン師みたいなもんじゃないか!!」と自棄になったんだと思うんですよね。

そんな時に、18歳になったアルマンド(ジョルジュ)と再会する。
多分、ちょっと前にジュリアンが死んで、その時に、パリでの出来事を息子に話したか、手記でも見つかったか、そんなところでしょう。で、アルマンド(ジョルジュ)は、父親の思い出のパリを見に行こう!と思い立って旅に出た。
旅の空で、どこか懐かしい面影をもつ男(シャンドール)に出会い、父親の思い出と、パリに行くつもりだという話をする。

で、二人は別々にパリの「オテル・ド・サンミッシェル」に赴いて。
シャンドールはアルマンドと名乗り、本物のアルマンドにジョルジュと名をつけて、二人でペテン仕事に取りかかる…。
(シャンドールは、元々ジュリアンに似せて作られているから、息子になりすますのもそんなに難しくない。そして、ホンモノのアルマンドは、きっと母親似だったんでしょうね/笑)

3年間のパリ滞在で、エッフェル塔が完成して。
彼らはパリを離れる。

アルマンド(ジョルジュ)はもう、父親のいない某国に帰る気はなく、旅の途中で知り合った女の子と恋をしてシャンドール(アルマンド)と別れ、

シャンドールは某国の屋敷に戻り、今度こそ身につけた「テーブルマジック」のワザで生きて行こうとする。

「代々の宮廷マジシャン」の家柄に生まれたにも関わらず、皇太子と初対面だったこと、
皇太子妃の出自についての情報がなんとなくあやふやだったことなど、
どこかに「移住者」っぽい印象があったのも、そもそもジュリアンの実の息子ではないので宮廷に連れて行って紹介して…みたいなのがなかったこと、若い頃に家を出て修行とペテンをやっていたんで、国にはいなかった、ってことで説明できます♪

多分、アルマンド(ジョルジュ)は宮廷でお披露目されていたんですよね?だけど彼は帰国しなかったので、「早くに家を出て修行していたアルマンドの兄」が帰ってきた、と、某国上流階級には認識されていた、と。

…これで大体、落ち穂は拾えた、のかな?

あと、細かいことを言えば、皇太子妃が事故った時、シャンドール(アルマンド)は某国に帰っていたのかどうか?ですけど。

まだ帰っていなかったんじゃないかなー、と、私は思っています。あまり根拠はないんですけど、あの屋敷に落ち着いてから、3年以上たっているように見えないから。

…でも、事故について「ニュースで見ました」みたいなことを言っているんですよね、確か。ってことは、某国に居たのかな。20世紀初頭という時代の通信状況で、写真つきの情報がそんなに的確なタイミングで他国に伝えられるとも思えないし。

(…某国内には、テレビも普及していたんですよきっと。ジュリアンがとっくに発明していたから/笑)



そして。

このへんでもう一つ、妄想を飛躍させてみます。

シャンドール(アルマンド)は、自動機械人形。

そして。

アルマンド(ジョルジュ)は、それを知っていた。
父親から、彼を止める方法も教わっていた。

だから。

旅の途中、シャンドール(アルマンド)と別れる時に。

アルマンド(ジョルジュ)は、シャンドールを機能停止させておいたんです!!


それで?


それでね。


50年後、彼のスイッチが再び入れられる。


なぜ、って?


アルマンド(ジョルジュ)の息子、天才発明家のジグモンドと出会うため、です!!



そして某国は、ジュリアンのお陰でえっらく早い文明を抱えていたりした影響で、ヨーロッパの中でもかなり閉ざされた国。
なので、女性のファッションも50年前の流行が20世紀半ばまで、そのまま残っていたのでした……。

おしまいっ♪
(なんて無理矢理な展開…)



ちなみにこのネタ、一番最初は「シャンドール(アルマンド)は、コールドスリープで50年間寝ていたから、エジプシャンホールがなくなったことを知らなかった」という某友人のアイディアでした。

…楽しいネタをありがとう、Yちゃん(はぁと)。



私は、「パリの空よりも高く」の公演中、ずーっとアルマンドさんの過去について考えていました。

元々は良い家の坊っちゃん、っていうのは何となく思っていて、
「ペテン師」という職業にこだわりを持っている理由は何だろうな、とか、
ジョルジュくんとの出会いのきっかけはなんだったのかな、とか、
ジョルジュの父親・ジュリアンの物語は、いったいどんなシチュエーションで語られていたんだろうか、とか…

そういった謎かけに、見事に応えてくださった正塚さん。


ありがとう。
私は、あなたの作品が大好きです(*^ ^*)。
(←いや、それ多分、本人的には不本意だから)




コメント

nophoto
みつきねこ
2007年10月14日2:09

自分で自分にコメントしてみる☆

嘉月絵理さんのお茶会で、絵理さんは、
「シャンドールとあたし(ラーズロ)は、学生時代からの友人同士」
「多分、あたし(ラーズロ)がゆうひ(ジグモンド)をシャンドールに紹介したの」
「まさお(レオー)は多分、タキちゃん(ギーゼラ)が連れてきた」

などなど……と発言していらっしゃったようですヨ♪(←誰に向かって…)