昨夜はああ呟いてみましたが。
旅の空の下、ホテルに入ってみたらちゃーんとパソコンがありました(笑)。

という訳で、まずは“水もしたたる”いい男の話から。



雪組全国ツアー公演「星影の人」を観に、梅田芸術劇場に行ってきました。

2月の中日以来の沖田総司。
いやあ〜〜〜〜、いい男だ〜っ!!



中日を観たときにどうもすっきりしなかったのは、
「新撰組」の話なのに、「幕末」を描いていないところ、だったんですよね、一言で言うと。

でも、なぜか。
何が違うのか自分でもよくわからないのですが、

今回は、「沖田の物語」として、話がしっかりとまとまっている、と思うことができました…。


…私自身、2回目の観劇である、ということが大きいのかもしれません。「幕末」を描いた話じゃないんだ、ということが、私自身にもよーく分かっているから。
「幕末」とい時代ではなく、「新撰組」という世界設定からインスパイアされた、明るくて寂しがりやの青年の青春物語なんだ、ということがはっきり分かっているから。

余計なことを考えないで観ていられるから、すんなり流れてくれるのかも。



もちろん、沖田と玉勇のお二人がしっくり馴染んで、佇まいがとてもキレイになった効果もあると思います。こうしてみると、中日はやっぱりお披露目で、きちんと芝居で組むのも初めてに近くて、(特に、私が観たのは初日開けてすぐでしたので)まだまだお二人とも、距離感が掴めなくて手探りだったんだな、と、今ならわかります。
なんとなく不安定な距離感。どこまで踏み込んでいいのかわからない戸惑い。そういったものは、物語の前半には相応しいのでしょうけれども。
後半の、命の砂時計を数え始めた沖田と、それを見守る玉勇、という「運命共同体」的な関係の二人にはふさわしくなかったのではないでしょうか。
そこに距離感があったから、ラストの玉勇の「2年後にあなたが逝ってしまったら、どうしたらいいのかわからなかった」という告白が、今ひとつ心に響かなかったのかなー?なーんて。


それにしても。
あらためて観ると、ラストの総司は切ないですね(涙)。
ある意味、自分が先に逝くものと思い込んで、玉勇が見送ってくれると信じ切っていて、玉勇にはかわいそうなことをするけれども、申し訳ないとも思っているけれども、でも仕方ないよね、と割り切って笑顔で砂時計を見守っていたというのに、

…玉勇さんが逝っちまったよ………。

これからどうするんでしょうね、総司は。
いや、もちろん史実の総司のその後は知っているのですが、「星影の人」の後の総司は、どんな思いでその時間を過ごすのだろうか、と。

絶望と、

悲哀と、

諦めと、

思い出と。

それでもきっと、水くんの沖田は真直ぐに生きていくのだろうな、と。
鬼として、ただひたすらに生きていこうとするのだろう、と。

そんな哀しい情景が、すとん、と落ちてくる沖田でした…。



土方さんの、キム(音月桂)。

玉勇が死んだ後も、新撰組の鬼の一人として生き続ける総司を見ていて、一番辛かったのは土方さんだったんだろうな、と、そんなことを思わせる土方でした。

見た目では沖田と土方は逆だろう〜!?とも思いましたが。
ナマで観ると、声は明らかに水=沖田、キム=土方、なんですね。柴田さん、今回の配役に疑問はないんだろうな、きっと(笑)。
「俺は経験豊富だから(?)、女のことはよくわかっているが、お前はあぶない」とかって水くんに諭すのも、聞いてるぶんには違和感なかったです。
まぁ、オペラグラスで観てても、水くんは真直ぐで清純な笑顔だし、キムは一癖も二癖もありそうなニヤリ笑いなので、想像していたほどの違和感ではなかったですしね。

…CSで稽古場風景を見たときは、どうなることかと思いましたが(汗)。


そして、
キムちゃんブラボー!だったのは、たまんなく色っぽかったこと。
花帆杏奈ちゃんを抱き寄せる時の激しさには、鳥肌たちました。あれじゃー女は迷うよね………(涙)。屯所での総司との会話で「俺には女のことはわかっている」という認識を言わせておいて、ここで女に裏切らせる。
それでも、彼には“それは女の本心ではない”という確信がある。

…柴田さんの描く土方は、ぞっとするほどいい男ですね……。



山南さんの、ひろみ(彩那音)ちゃん。

いやはや。月組時代の「かわいい」ひろみちゃんはもういないのね…。
なんて格好良いんでしょう(*^ ^*)。
なんて凛々しいんでしょう(*^ ^*)。
そして、なんという貫禄でしょう………。

中日では着られてしまっていた羽織もしっかり着こなされて。
本当に格好良かったです。

(涼花)リサちゃんの明里が飛び込んできた場面での、「よく来てくれたね…」で私は号泣モードに入りました(^ ^;
なんて顔するのアナタ。なんでそんなに嬉しそうな、幸せそうな、
…切ない瞳で。


自分は良いよ。自分の信念に殉じるなら、本望だろうさ。
でも、残されるリサリサはどうするのさ……

って、

襟首つかんで言ってやりたい感じ(←やめとけ、な?)



井上先生の、コマ(沙央くらま)ちゃん。

私はやっぱり井上源三郎、というキャラクターが好きなので、ついつい観てしまうんだなー、ということに気づいたりしたのですが。

でもコマちゃん、シュテファンのヘタレっぷりを思えば別人のようにカッコよかったです♪
声も響くし、日本物の化粧がよく似合う。ちょっと黒めの肌にして、精悍なイメージをよくだしてました。「先生」感があってカッコよかったです。谷みずせさんの「佐藤」くんをビシバシしごく場面も、なんか良い感じ。中日のらぎちゃんは、可愛くて「厳しい先輩」って感じでしたけど、コマちゃんは「厳しい先生」だったような。(←意味不明)


でも、一箇所だけ。
中日の井上らぎちゃんで、すごいっ!と思ったのが、山南さんの切腹を見守っている時の背中と、佐藤くんに「井上先生!」と声をかけられて振り向いた時の表情と声、だったのですが。
コマちゃん…あそこだけは、もうちょっとがんばってほしいかも……。

「法度は変えられない。山南さんには、切腹を申し付ける」と近藤さんが告げた時。
莞爾と笑って受ける山南と、ほんの一瞬、目を伏せる土方。
「介添えは、沖田総司」と、空に目を据えて告げる土方と、ほんの一瞬、神妙な視線を隣の沖田に投げる山南。

…そうだよ、あんたが悪いんだよ!
沖田も土方も、これから深い傷を背負っていかなくちゃいけないんだよ。可哀想だと思わないのかよ。

…井上さんの背中は、そう叫んでいてほしいの……(泣)。

声を強く出すと、ちょっと上ずっちゃうのかな?それとも、まだ初日だから緊張していらしたのでしょうか。声はいいと思うので、がんばってほしいです。あと、剣さばきは全体的にまだまだだな…。



で。
えーっと。
……桂小五郎の、らぎ(柊巴)。


っていうか。
プロローグで、「ここには桂さんはいないはずー♪」とか油断して、ひろみちゃんかっこいい!キム色っぽい!と一人で盛り上がってたんですけど。

ふ、と視線がそれる。
ん?なんかかっこいい人がいる。

…なんからぎちゃんに似てるなー、雪組さん美形多いよなー、

……なんかほんとにかっこいいけど、誰、あれ………?

らぎ本人でした。
↑気づけよ、自分。



らぎちゃんの桂については、いくらなんでもソレはファンモードすぎ、ってことになりそうなので、もうちょっとほとぼりが(自分の中で)冷めてから書かせていただきます。

が。

ひろみちゃんにも感じますが、水くんの沖田に向かって「あの時の少年か…あの突きは鋭かった」と述懐してもおかしくない年輪を感じさせたのはすごいなあ、と。
もちろん、水くんが若く作りこんでいるからこそ出来たことなんですけど、でも、二人ともまだ85期なのにすごいなあ〜〜。


そして。
そっか、桂って「逃げの小五郎」と言われた神出鬼没の逃げの名手だったんだよね、と、

そういう、基本的なところですごく納得できる役作りだったんじゃないかと思います。


藩医の家柄らしい育ちのよさと、剣士としての訓練、そして、長い隠密生活で身に付いたやさぐれ感。それらが場面ごとにいろんな色で出ていて、「桂」という人間の焦点をつかませない。
ただ、彼の人生の多彩さ、経験の豊富さを感じさせて。

「俺には裏があるんだ」と宣言するのではなく、ただ、武士としての会話の中にふと入るやさぐれた言い方や語尾の雰囲気で、彼の人生の多面性を現してしまう。
柴田さんの脚本自体がそうなっているのももちろんですが、なかなかそれを表現するのは難しいだろうになあ、と、

…結局語っちゃったよ(汗)それも、超ファンモードで(滝汗)。
ごめんなさいごめんなさい、見逃してください………。



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コメント

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tyoko
2007年9月16日13:55

ところで玉勇ってなんて読むんですか?

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ラッキー
2007年9月16日21:16

らぎさんを研1のときから応援しています。桂小五郎役、楽しみに梅田に行ってきました。渋い桂さんに胸が締め付けられる思いでした。エリザベートでのヒューブナーで、白髪まじりのおじ様もとても素敵でしたが、どこか陰のある渋い役をこれからも、もっともっと観てみたい・・・そんな気持ちになりました。研2か研3のころだったか、凱旋門のオープニング?で、帽子を目深にかぶり、コートの襟を立てて女役さんと絡む役が
ふと思い出されました。あのころの背中に比べると、本当に大きく広い背中になったなあ・・・と、感慨もひとしおです。
ここ2〜3年で声も低くなり、これからも幅広い役柄で、楽しませていただきたいと心の底から願っています。

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みつきねこ
2007年9月17日0:47

tyokoさま
玉勇さんは、「たまゆう」と読みます。
となみ(白羽ゆり)ちゃん扮する、芸妓さんの役です♪

みつきねこ
みつきねこ
2007年9月17日23:22

ラッキーさま
はじめまして!読んでくださってありがとうございます!
研1から……!!凄いですねー!私は、初舞台のノバ・ボサ・ノバで「珍しい芸名の人がいるなー」と思ったくらいで、その後は全然ノーチェックでした(涙)。
凱旋門かー……。観劇したんですけど、全く気づいてなかったですねぇ。
私的にショックだったのは、「猛き黄金の国」の新人公演で、蘭香レアちゃんの沖田総司役だったことです。あの公演、新公チケット持ってたのに仕事が入っちゃって手放したんですよね(号泣)。あの時観ていたら………その時点で落ちていた可能性大だったのに、と…(涙)。

桂さん、本当に素敵でしたよね(感涙)。マイクが入らなかったり、なんかいろいろパニックしていたみたいでしたけど(笑)、今日とかはもう落ち着かれたのかなあ〜。早く関東に来てほしいです♪

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tyoko
2007年9月17日23:23

くだらない質問に答えてくださりありがとうございます!私も雪全ツ見に行きたいのですが東京住まいで・・・(涙)私はとうこさんととなみちゃんが好きです!みずさんもキムも応援してます!またコメントするかもしれませんがその時もお返事できたらお願いしますね♪

みつきねこ
みつきねこ
2007年9月17日23:26

tyoko様
いつも読んでくださってありがとうございますm(_ _)m。
となみちゃんもステキでしたよ♪たおやかで、ショーでは格好良いシーンもあって。
私も東京なので、関東に来てくださるのが待ち遠しいです。
またぜひ、コメントしてくださいね♪♪