あんまり需要が無いらしくて寂しいのですが、しつこく月組公演「まほろば」について書かせていただきます。


まずは、小碓尊(ヤマトタケル)の誕生から。


【誕生〜たびだち】

いったんきえた本舞台の灯が入ると、そこはヤマトの原。スメラミコト(景行天皇・越乃リュウ)と吉備津彦(北嶋麻実)が見守る中、ヤマトヒメ(花瀬みずか)とオトタチバナ姫が…あれはそれこそ、「あかねさす紫の花」の冒頭で描かれたような野遊び(野草摘み)なのでしょうか…?

舞い踊る天女の中から、小碓尊が登場。…蝶々を追いかける少年時代です。蝶々を操るのは、宝生ルミちゃんはわかったのですがもうお一人はどなただったのかしら…?チェックしようチェックしようと思いつつ、つい他に目移りしてばかりな私(反省)。
(瀧川)末子姐の天女が貫禄の美しさ。手足に続く衣の動きが、めちゃめちゃキレイでした。うっとり…。
(草風)ななちゃんは、ホントに美人なのにやっぱりまだ表情が硬いー(T T)。あれで「花が綻ぶように」にっこり笑った日には、ダース単位でファンが増えそうなんですけど。まだ咲いていない蕾なのに、惜しいなあ…という気持でいっぱいです。

ナホちゃんのスメラミコトは、威厳ある衣装がよく似合ってて、お髭も素敵です♪役に合わせてゆったりと動くのがまた格好いい!貫禄出てきましたよねぇ〜〜♪


スメラミコトの命で、熊襲征伐へ赴く小碓尊。
ヤマトヒメから衣(←女装用ね)と剣を受取り、旅立ちます。「その胸に、美しいオトタチバナヒメの面影を抱いて…」とツクヨミ(未沙のえる)が語り、アマテラス(出雲綾)が歌う。
好男子に見惚れて「あ〜〜〜♪あ〜ぁ(溜息)、あ〜♪」と歌うタキさんの巧さ、というか芸達者ぶりに、観客の方こそ溜息が出ます…。


お供としてついていくサルメとサダル。
基本的に、行軍中は先導がサダル、後詰がサルメと決まっているみたいで、常に先頭にたって、手をさしのべて小碓尊を促すサダル(大空祐飛)さんの手がとても雄弁で奇麗でした♪
後詰のサルメ(霧矢大夢)さんは、油断なく周りを見渡していく眼光の鋭さがメチャクチャ格好いいです!ファンの方はとっくに観ていらっしゃると思いますので、そうじゃない方、ぜひ観てあげてください(^ ^)。

“サダル”の元になった猿田毘古神は、天狗であったという説もあります(ちなみに、“サダル”は琉球語で“先導”を意味する、という説があるそうです)。その血に連なるサルメとサダルであるならば、お二人とも眼光鋭くて当たり前、かも。
…で、鳥目だから吹雪で暗い雪の夜には何も見えないとか……?



【燃ゆる島】

小碓尊一行がはけると、ドラム…じゃない、太鼓が鳴り響いて、本舞台に火神ヒノカグツチ(青樹泉)が登場。

紅い羽を振り回すもりえちゃんの後ろに、クマソの若者(?)たちが登場、可愛いお嬢さんたち(城咲、白華、夢咲)をしばりあげて連れ去ります。ここは結構一瞬なので、娘役ファンの方はしっかり観ていないと見逃してしまうかも。

そして、お兄さんたちが加わってクマソの総踊りへ。

ここの素朴で力強い音楽(吉田優子)と太鼓のリズムは、なんだか血が燃える感じがして好きです。棒を使ったダンスも、私が観た時はまだ皆さん「バトンを回している」状態でしたけれども、もう少し殺陣っぽく動けるようになるとぐんと格好良さがますだろうなぁ、と…、次回の観劇を楽しみにしているところです。

とにかく振付も力強くてかっこいい!!
私の周りのごく一部で「Choo Choo TRAIN」と呼ばれている振りは、センターで観ると本当に「燃え盛る炎」に見えるらしい。いいなあ☆センターで観てみたいなあ〜。
さっきまで豪華な衣装を着て「どっしり」構えていたナホちゃんが、クマソの男でがんがん踊り狂ってて目が離せません。…ところで、この時間で登場できるってことは…ナホちゃんもしかして、スメラミコトの衣装の下は真っ赤なんですか…?(ドキドキ)


これを観ていて思ったのは、「殺陣っていうのは経験なんだな」ってことでした。いえ、この場面はあくまでダンスであって殺陣ではないんですが、やっぱりナホちゃん、ガチャ、かえこ、研ちゃんあたりの巧さ、見せ方というのはさすがでした。
意外と豪華メンバーなクマソの下級生たち。背中に回した棒を掴みそこねて焦っていたみりおくんとか、回しきれなくてただ「持ったまま」回ってみせた…のは誰だったかな、他にもイロイロやらかしていたようでしたが……(^ ^;)、
皆、まだまだ先は長いんだ!がんばってねー!!



で、酒宴が始まると小碓尊一行が女装して登場。
酒壺を持った3人…センターに麻子さん、下手にきりやん、上手に祐飛さん。それはそれは……妖艶な美女たちで(*^ ^*)。
麻子さんは一応「娘」としての色っぽい声でソロを歌います。うーん、月組「エリザベート」が大好きだった私としては、こんなところでシシィの声が聴けたようでなんだか嬉しいです☆

…で。
すみません。元々ファンである上に、たまたまチケットが上手の席ばかりだったので、ずーっと祐飛さんのところばっかりガン観してしまったのですが(滝汗)、
女装したサダルさんを囲んで囃し立てるメンバー……濃いっ!!
この3組にメンバー分けしたのって、謝さん?なんだか祐飛さんの周りは異常に濃いような気がしたのですが、どうなんでしょう。きりやんの周りも麻子さんの周りも、それぞれに濃いのかなあ…月組ってそんなに濃い人いっぱいいたんだっけ………?

ま、なにはともあれ。
祐飛さんは無事、誘惑に成功して輪になっているメンバーを酔いつぶし、ナホちゃんを筆頭に、酒に強いらしい3人を暗がりに誘い込みます。
…暗がり(袖)に入った途端に切り捨てている設定なんでしょうね。下手のきりやんも同じように(多分)引っ込むと、本舞台で立っているのは、あひるちゃん・園加のクマソ兄弟と、女装した小碓尊のみ。
クマソ兄弟が酒を(杯を?)取り合って争い始めると、小碓尊は、すかさず懐から出した剣でクマソ兄に斬りつけてとどめをさし、弟に剣を向けます。

そこに上手からサダルさん(着替え済)登場。
小碓尊から剣を受取り、クマソ弟に差しつける。弟は…でも、斬ってないよね?逃がしたことになるのでしょうか…?あれ?
どうなるんだっけ。わからなくなっちゃった…。(ごめんなさい)

サダルが弟とにらみ合っている間に小碓尊もお着替え。下手から登場するサルメさんは、さっき攫われてきていた娘たちの手をひいています。……サルメさん、かっこいいなーーー、いいなーーーー。

クマソ弟の行方はしれませんが、とりあえず熊襲征伐はこれにて一件落着。



一行+娘たちが銀橋に出て、小碓尊が言挙げすると、城咲あいちゃんが「遠い海の彼方から参りました…」と応じて。

遠い故郷に想いをはせるニライカナイの媛たち、そして、
遠いヤマトに想いを馳せる小碓尊…



【ニライカナイ幻想】

音楽は変わらず吉田優子さん。
でも、ガラっと曲調が変わって、世界が変化します。



ニライカナイ、といいつつ、舞台装置はちょっと海の底を思わせるデザイン。竜宮城、というか、「常世の国」のイメージが入っているような気がしました。
この場面の流れは、多分ですが、こんな感じ。

(1)娘たちの舞
(2)小碓尊とサダルを中心とした平太鼓の踊り
(3)サルメを中心とした武術風の踊り(?)
(4)総踊り

個人的に、「ニライカナイの女」、とくくられる娘役さんが多すぎて、チェックするのに超忙しい場面です。終わるとぐったり疲れる(笑)。
衣装がとっても可愛いんですよ♪舞台を観ている時は誰がどこ、って想いながら観るんですけど、結構終わると忘れてしまう…(涙)。

平太鼓のダンスは、開幕前のお稽古レポートでナホちゃんが「手が震えて自動販売機のボタンも押せなかった」と言っていた難関ですが、みなさん達者に楽しそうに踊っていらっしゃいました。
笑顔爆発!で可愛いです。

そして、続くサルメの「これでもか」なダンス(笑)。本当に凄いです!!きりやんさすがだ〜!!でも、倒立して脚を拡げる振りなんか、難しいと思うんですけど下級生もがんばってましたね。みりおくんとかもしっかりやれてて、若いって凄いなあ……と感心しました。


ラストの総踊りは大盛り上がり。ここの歌詞の琉球語は「歌え、踊れ(…あれ?違ったかな?)」みたいな意味だそうですが、皆が物凄く楽しそうに踊っているし、
「ハイハイハイ」という合いの手のリズムに手拍子を入れるのがとっても楽しいんですよ♪ぜひ、ご覧になるときは入れてあげてくださいね♪



【秋祭り】

ニライカナイが「ハイハイハイっ!」というハイテンションで終了して、「これで中詰めは終わりかなー」と思うのですが。
実は、まだ続くんです(笑)。
プログラムを見ると、九州から大和への帰り道を考えているようですが、実際その地域の方(鳥取とか)にはおわかりなのでしょうか…?



旅立ちが春、クマソの国が夏、そして、今は秋。
まもなく冬がやってくる……




不思議な楽器の音色に載って、本舞台センターからオオヤマツミらがせり上がり。

「働く男」という身もフタもない役名のメンバーのダンスがかなり面白いです。稲刈りをイメージしているんでしょうけれども、腰がキツイだろうなあ、と…微妙に同情しつつ、でも大好きな場面なので「もっともっとがんばれ〜♪」とも思ったり(←サド)

サルメとサダルが下手から登場。
まずはサルメが歌い、サダルが菅笠を持って踊ります。
サルメの歌い出し、音が低いっ!!きりやんにも出ない音があるんだなあ、と感心(←いや感心してる場合じゃないだろう)。
祐飛さん、ここはしっかり跳んで踊っていらっしゃいます。…ホ。(←どんだけ…)

続いてサダルが上手に寄って、「働く女」たちの間に入って歌い始め、サルメが傘(菅笠ではない、柄付きの傘)を持って踊り出します。途中から小碓尊も入って、傘を合わせたりしながら。
プログラムによると、「鳥取の傘踊り」だそうです。

しかし。ここはもちろん、サルメさんと小碓尊を観なくちゃいけないんですけど、「こっそり」でもいいので上手と下手に別れている「働く女」も観てあげてくださいね!
上半身だけなんですけど、物凄く激しい踊りなんですよ。あれもキツイだろうなぁ……。

祐飛さんもがんばって歌っています。
もともとあの色っぽい声が好きでファンになったので、点数甘いんですけど(汗)、すみません…m(_ _)m。


…と、こんなところですが。
ある意味、ここまでが壮大なプロローグなんだよな、このショーは。
そう考えると、すごい構成ですよね……(汗)。



それでは、今宵はこのあたりで…。



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