月組大劇場公演「まほろば/マジシャンの憂鬱」を観てまいりました。
とりあえず、ショーは2007年My Best決定しそうです(^ ^)。
もともと古事記は大好きで、解説書のたぐいも散々読んでいるのですが、あんまり関係なかったかなー。でも、古事記やヤマトタケルの物語を全く知らない人にはどうなんでしょうね。あまり理屈を考えないで、場面場面を楽しめば問題はないと思うのですが。
特に、最初の神々紹介は、あまり気にしないで「へー」と思って、みなさんのきらびやかな衣装を楽しめばいいと思いますよ。あ、ちなみにガチャ(一色瑠加)とみりお(明日海りお)は女神さまです。キレイ〜〜♪でも、名乗りの声が低くて怖い…(笑)
スメラミコト(景行天皇)の皇子で、父の命令で熊襲(熊本?)を滅ぼし、出雲を平定し、東国を平定した英雄だが、東国で命を落とし、白い鳥になって大和へ還る……
というところだけおさえていれば十分かも。
ま、古事記フリークからすると、出雲健とのエピソードがないのは残念でした。あれって結構腐女子的に萌えな物語なので(*^ ^*)。あと、スメラミコトとの確執というか、せっかく熊襲、出雲と平定してふるさとへ戻ったのに、やっと父親に認めてもらえると思ったのに、無視されてすぐ東国へおいやられる…父上は私を憎んでおられるのか!?みたいなところも弱かったかな。それを慰める伯母・ヤマトヒメ(花瀬みずか)というシチュエーションもかなり萌えなのですが。残念だー。
…ま、ショーにそんな細かいストーリーやら心理描写を求めるな、って感じですが。
とりあえず、一番好きな場面は走水(浦賀水道)での嵐の場面。オトタチバナ姫入水ですね。音楽と、波をあらわすダンサーたちのダンスがものすごく素晴らしいです。そして、そっちに気をとられていると、後ろにせりあがったサルメ(霧矢大夢)とサダル(大空祐飛)のダンスに気づかずに終わってしまいます(初見の時は見逃した…鬱)。ファンの方、どうぞご注意を。
本当は、もうひとつオトタチバナ姫との愛の場面があると、この場面ももっと盛り上がったのになーとも思うのですが。
…イヤだから、ショーにそんな細やかな心理描写を求めてどうすんだ>自分。
斎藤さんの、印象的な音楽。
謝さんお得意の、手具(リボン)を回しながら手も足もいっぱいいっぱいに伸ばしきって跳んで、留まって、また跳ねる振り。
渦巻く碧。
染まる蒼。
…界を引き裂く絶唱。
美しい世界でした。
それと、これまた個人的にですが、焼津での火攻めの場面がなかったのも残念だったなー。
ヤマトタケル一行を襲う火の化身たちのダンスを楽しみにしていたので。
もりえ(青樹泉)ちゃん扮する火神・ヒノカグツチは、母親イザナミノミコトを死なせてしまったやんちゃ神ですが、火の国・熊襲の冒頭でちょっと出てくるだけなのがもったいないなー、と。衣装似合ってたし(笑)、もっと出てきても良かったのにー。
オトタチバナを喪い、傷心の一行におそいかかるもりえちゃん。
火精は、ぜひ娘役で。末子姐、みっぽー(美鳳あや)、ちわわ(涼城まりな)、すずな(憧花ゆりの)、萌花ゆりあ、麗百愛あたりを中心に、赤い衣装でガシガシと襲い掛かってほしかったなーーーー。
……残念。
でもって、嵐の場面の次に好きなのは、やっぱり津軽三味線の場面。
…津軽三味線、ってことは、謝さんのイメージは津軽なんですかね?雪に埋もれた鬼の国、というイメージは、だいぶ後世になりますがアテルイのイメージが入ってる気がする。この時のヤマトタケルの東征は、古事記ではせいぜい関東地方までのはずなんですけど(汗)。日本書紀では陸奥にわけいりますが、それでも宮城県に入ったかどうかで議論があるところなんですけど……
ま、そんな屁理屈はおいといて。
津軽三味線、という楽器の力を見せ付けられました。
正直、ダンスとしてはまだまだ皆振りを思い出しながら踊っている感じで、揃ってなくてバラバラだし、迫力に欠けるんですよ。
ダンサーそろえているけど、まだまだだなあ、という印象。
でも。
音が世界を作っている。
雪に封じられた、閉じた世界。
滅びゆくものたち、
滅ぼすものたち、
そして、滅ぼしたものが背負わねばならぬもの。
降りしきる雪。
愛しいものを包み込むように、
泣き荒ぶ風。降りしきる雪。
喪われた世界を惜しむように。
ヤマトタケルの物語は、西国遠征と東国遠征の二つの部分に大きく分けられますが。
西国遠征は征服者的英雄の物語であり、東国遠征は浪漫的英雄の物語である、という解説を読んだことがあります。
熊襲と出雲をいずれも闇討ちにして滅ぼし、意気揚揚と大和へ戻る小碓命。
父に疎まれ、認めてもらえず、涙にくれながら東国へ旅立つヤマトタケル。
日本書紀では東国遠征もそこまで悲劇ではありませんし、古事記にも尾張の美夜受媛との恋物語があったりして、意外といろいろお楽しみはあるのですが。
それでもやはり、「浪漫的英雄」「悲劇的英雄」という表現の方が似つかわしいような気はするんですよね。
麻子さんの造形も、謝さんの演出も、死と再生をロマンティックに描いているので、「ヤマトタケルの物語」をあまり気にせず、描かれた場面を素直に受け止めた方が楽しめると思います。
滅んだもの。
滅ぼしたもの。
残ったものが背負う義務。
死者の物語を紡ぎつづける、苦しい責務。
それでも。
国を作る人柱になれるなら、
父の国を、
と。
麻子さんが銀橋で歌われる、「まほろば」という切ない歌が、深く耳に残ります。
天女たちの舞が美しくて、
あまりにも美しくて、
美しいものは哀しいのだ、と
哀しいから、愛しくて、いとおしいのだ、と。
ラスト前の、椿。
ぽっ、
と、
音をたてて、椿の花が開く。
吹きすぎる風のような音楽。
地に敷き詰められた椿の花。
舞い降りて、また舞い上がる、白い鳥。
光を目指して飛び去っていく。
大和は国のまほろば。
伝説が終わり、歴史がはじまる。
そんなエンドロールが流れてきそうな。
(←流れないから)
だんだん何を言いたいのかわからなくなってきたので、いったん切ります。
とにかく、すごく良かったです。理屈は関係なく、私はものすごーく嵌っちゃいました(^ ^;
今取っているチケットの枚数に、悔いはありません!(←で、何回遠征するつもりだよお前…)
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とりあえず、ショーは2007年My Best決定しそうです(^ ^)。
もともと古事記は大好きで、解説書のたぐいも散々読んでいるのですが、あんまり関係なかったかなー。でも、古事記やヤマトタケルの物語を全く知らない人にはどうなんでしょうね。あまり理屈を考えないで、場面場面を楽しめば問題はないと思うのですが。
特に、最初の神々紹介は、あまり気にしないで「へー」と思って、みなさんのきらびやかな衣装を楽しめばいいと思いますよ。あ、ちなみにガチャ(一色瑠加)とみりお(明日海りお)は女神さまです。キレイ〜〜♪でも、名乗りの声が低くて怖い…(笑)
スメラミコト(景行天皇)の皇子で、父の命令で熊襲(熊本?)を滅ぼし、出雲を平定し、東国を平定した英雄だが、東国で命を落とし、白い鳥になって大和へ還る……
というところだけおさえていれば十分かも。
ま、古事記フリークからすると、出雲健とのエピソードがないのは残念でした。あれって結構腐女子的に萌えな物語なので(*^ ^*)。あと、スメラミコトとの確執というか、せっかく熊襲、出雲と平定してふるさとへ戻ったのに、やっと父親に認めてもらえると思ったのに、無視されてすぐ東国へおいやられる…父上は私を憎んでおられるのか!?みたいなところも弱かったかな。それを慰める伯母・ヤマトヒメ(花瀬みずか)というシチュエーションもかなり萌えなのですが。残念だー。
…ま、ショーにそんな細かいストーリーやら心理描写を求めるな、って感じですが。
とりあえず、一番好きな場面は走水(浦賀水道)での嵐の場面。オトタチバナ姫入水ですね。音楽と、波をあらわすダンサーたちのダンスがものすごく素晴らしいです。そして、そっちに気をとられていると、後ろにせりあがったサルメ(霧矢大夢)とサダル(大空祐飛)のダンスに気づかずに終わってしまいます(初見の時は見逃した…鬱)。ファンの方、どうぞご注意を。
本当は、もうひとつオトタチバナ姫との愛の場面があると、この場面ももっと盛り上がったのになーとも思うのですが。
…イヤだから、ショーにそんな細やかな心理描写を求めてどうすんだ>自分。
斎藤さんの、印象的な音楽。
謝さんお得意の、手具(リボン)を回しながら手も足もいっぱいいっぱいに伸ばしきって跳んで、留まって、また跳ねる振り。
渦巻く碧。
染まる蒼。
…界を引き裂く絶唱。
美しい世界でした。
それと、これまた個人的にですが、焼津での火攻めの場面がなかったのも残念だったなー。
ヤマトタケル一行を襲う火の化身たちのダンスを楽しみにしていたので。
もりえ(青樹泉)ちゃん扮する火神・ヒノカグツチは、母親イザナミノミコトを死なせてしまったやんちゃ神ですが、火の国・熊襲の冒頭でちょっと出てくるだけなのがもったいないなー、と。衣装似合ってたし(笑)、もっと出てきても良かったのにー。
オトタチバナを喪い、傷心の一行におそいかかるもりえちゃん。
火精は、ぜひ娘役で。末子姐、みっぽー(美鳳あや)、ちわわ(涼城まりな)、すずな(憧花ゆりの)、萌花ゆりあ、麗百愛あたりを中心に、赤い衣装でガシガシと襲い掛かってほしかったなーーーー。
……残念。
でもって、嵐の場面の次に好きなのは、やっぱり津軽三味線の場面。
…津軽三味線、ってことは、謝さんのイメージは津軽なんですかね?雪に埋もれた鬼の国、というイメージは、だいぶ後世になりますがアテルイのイメージが入ってる気がする。この時のヤマトタケルの東征は、古事記ではせいぜい関東地方までのはずなんですけど(汗)。日本書紀では陸奥にわけいりますが、それでも宮城県に入ったかどうかで議論があるところなんですけど……
ま、そんな屁理屈はおいといて。
津軽三味線、という楽器の力を見せ付けられました。
正直、ダンスとしてはまだまだ皆振りを思い出しながら踊っている感じで、揃ってなくてバラバラだし、迫力に欠けるんですよ。
ダンサーそろえているけど、まだまだだなあ、という印象。
でも。
音が世界を作っている。
雪に封じられた、閉じた世界。
滅びゆくものたち、
滅ぼすものたち、
そして、滅ぼしたものが背負わねばならぬもの。
降りしきる雪。
愛しいものを包み込むように、
泣き荒ぶ風。降りしきる雪。
喪われた世界を惜しむように。
ヤマトタケルの物語は、西国遠征と東国遠征の二つの部分に大きく分けられますが。
西国遠征は征服者的英雄の物語であり、東国遠征は浪漫的英雄の物語である、という解説を読んだことがあります。
熊襲と出雲をいずれも闇討ちにして滅ぼし、意気揚揚と大和へ戻る小碓命。
父に疎まれ、認めてもらえず、涙にくれながら東国へ旅立つヤマトタケル。
日本書紀では東国遠征もそこまで悲劇ではありませんし、古事記にも尾張の美夜受媛との恋物語があったりして、意外といろいろお楽しみはあるのですが。
それでもやはり、「浪漫的英雄」「悲劇的英雄」という表現の方が似つかわしいような気はするんですよね。
麻子さんの造形も、謝さんの演出も、死と再生をロマンティックに描いているので、「ヤマトタケルの物語」をあまり気にせず、描かれた場面を素直に受け止めた方が楽しめると思います。
滅んだもの。
滅ぼしたもの。
残ったものが背負う義務。
死者の物語を紡ぎつづける、苦しい責務。
それでも。
国を作る人柱になれるなら、
父の国を、
と。
麻子さんが銀橋で歌われる、「まほろば」という切ない歌が、深く耳に残ります。
天女たちの舞が美しくて、
あまりにも美しくて、
美しいものは哀しいのだ、と
哀しいから、愛しくて、いとおしいのだ、と。
ラスト前の、椿。
ぽっ、
と、
音をたてて、椿の花が開く。
吹きすぎる風のような音楽。
地に敷き詰められた椿の花。
舞い降りて、また舞い上がる、白い鳥。
光を目指して飛び去っていく。
大和は国のまほろば。
伝説が終わり、歴史がはじまる。
そんなエンドロールが流れてきそうな。
(←流れないから)
だんだん何を言いたいのかわからなくなってきたので、いったん切ります。
とにかく、すごく良かったです。理屈は関係なく、私はものすごーく嵌っちゃいました(^ ^;
今取っているチケットの枚数に、悔いはありません!(←で、何回遠征するつもりだよお前…)
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