エリザベートの話は書きたいことが多すぎて完全に行き詰まってしまったので。
先に、先日観た星組東宝劇場公演のお話を♪




まず。
プログラムの表紙がキレイで羨ましかった(笑)、前モノの「さくら」。



私は谷さんの「春櫻賦」のショー場面が大好きだったので、演目が発表になった時から「谷さんの日本物のショーだぁっ♪♪」と、楽しみにしていたのですが。

さすがに舞台面の美しさ・華やかさには一日の長がありますね、谷さん。舞台の焦点の作り方、雰囲気の出し方、さすがだなあと感心してしまいました。
日本物のショーの中では、私は酒井さんの「花の宝塚風土記」が好きなのですが、今回の「さくら」は構成がとても面白くて、すごい楽しかったです。コメディ色が強くて意外性があったんですよね。

パッとキレイで華やかなプロローグ
     ↓
面白すぎて目が離せない、コメディタッチの節句人形
     ↓
シックで幽遠な竹灯籠
     ↓
濃すぎて目が離せない、コメディタッチの花折
     ↓
シックで幽遠な(?)フィナーレ。

…節句人形みたいな場面って、歌舞伎ではよくある雰囲気ですけど、宝塚では珍しいんじゃないでしょうか?まぁ、私が宝塚を観るようになってまだ10年なので、過去にはいっぱいあったのかもしれませんが……(^ ^;ゞ。




とりあえず。
「ヘイズ・コード」で水輝涼くんに落ちた身としては、節句人形の幕開きの衝撃があまりに大きくて、プロローグの記憶が飛んでしまいました。
なので、いきなり節句人形から。

私にしては珍しく全く予習せず、しかも遅刻寸前で飛びこんだので何も知らずに観ていたのですが。

プロローグが終わって、次は何だろう?と思っていたら。



礼音くんの登場に続いて、黒い衣装の小柄な子が出てきて、聞き覚えのある声でソロを歌っている。


あれ?

この声……?



膝に置いていたオペラグラスを、慌ててあげました。
や、や、やっぱり水輝くんだーーーーーっっ!!


…何ヶ月かぶりなのに、声でわかった自分って偉いなーと思いつつ(笑)。
驚きのあまり心臓が止まりそうでした…。



黒い直衣の水輝くん。あの衣装は、麻尋しゅんくんの赤の直衣と合わせて「左近の桜、右近の橘」になぞらえているんでしょうね。
しかーし、なんで「左大臣」なんだろう? 左大臣は「天皇の左側」、つまり「客席から見て右側」にいるはずなんですけどねぇ。
普通に、麻尋しゅんくんが「左大臣」で向かって右(上手)で赤の衣装、水輝くんが「右大臣」で向かって左(下手)で黒の衣装、で良かったと思うんですけど、なんでわざわざ逆にしたんだろう?位としても左大臣の方が上なのに。

…谷さんったら(苦笑)。



ついでにもう一つ。
関西の雛人形は左が上位(男雛が向かって右)とばかり思っていたのですが、この場面では関東風に、あすかちゃんの女雛が左(向かって右)でしたね。大劇場では関西風の並びだったのかしら?それとも、単純に男雛がトウコさんでなく礼音くんだったから、トップ娘役のあすかちゃんを上手に置いただけなのでしょうか…?
うーん、なんか色々難しいなあ〜(笑)。



なんだかどうでもいいことを突っ込んでしまいましたが。
ちょっと前に読んだ大正天皇(と大正時代)の本に、日本では古来左上位だったのに、彼の即位式から西洋風の右上位(舞台の場合は、客席から見ると左側が上位になる)が取り入れられた(だから関西と関東では雛の並びが違う)、という話が載っていたんですよね。
それを読んだ時に「へぇ〜〜っ」と思って印象に残っていたのでした…すみませんm(_ _)m。






話を舞台に戻して。

盆がくるんと回ると、「もうすぐ俺たちの出番だ〜♪」とワクワクしている武者人形たち。
いや、私が観たのは先週ですから、武者人形の出番もとっくに終わってるんだけどー(笑)、と突っ込みながら観ていたのですが。

…桃太郎人形のすずみん(涼紫央)のあまりの愛くるしさに、思わず目を奪われてしまいました(爆)。
この場面の見所はそこじゃないだろうっっっ!!と自分に強く突っ込みつつ、
すずみん、マジに可愛いんだもん(笑)。

それと、黒髪をみずらに結ったゆかり(綺華れい)ちゃん神武人形の美しさ!!
うっとり〜〜♪♪



なんだかこの場面は忙しくて、一人一人じっくり観る余裕がなかったのですが。

トウコさんの所作の美しさは群を抜いているなーと改めて思いました。
着物の着こなしももちろんですが、ちょっとした仕草もきっちり「武者人形」の動きになってて、出てくるだけで舞台がすごく締まって見えました。

その所作、下級生にしっかり伝わっていくといいだろうなぁ〜。
和くんとか、日本物に慣れてないなーという感じがしてちょっとひやひやしてしまいました。宙組は和物少なかったから…でも化粧は綺麗でしたね。上級生が教えてくれたのでしょうか?



この場面は本当に、ストーリーも波瀾万丈(?)で面白かったし、出てくるキャラクター出てくるキャラクター濃い人ばっかりで(爆)。
ホント、目が離せなかったです。

またどこかで再演してほしいかも(笑)。





竹灯籠。
ここは、トウコさんの美しさと、舞台装置の美しさしか覚えてません。
吊り物の、簾のような円筒の群れが翠に光ると竹に、ほの淡くピンクに染まるとしだれ桜に、と、照明一つで自在に雰囲気を変えていたのに感心しました。本来は竹を模した装置で、うっすらと節らしきものも見えるのに。同じモノでも薄紫に染めたら藤房に見えるんだろうな、などと思いつつ、舞台の美しさに酔っていました。
シンプルなのにものすごく異世界感がある装置。谷さんのああいう幻想的なショーシーンの構成力は本当にすごいなーと思います。

…ぜひ、これからもたくさんのショーを…(←ショー専門になってほしい方多すぎです)





フィナーレは「さくら」。
この作品の最大の売りでもあった、「一竹辻が花」の衣装が登場します。

…本当に美しかった。(しみじみ)

なかなか生で見る機会のない衣装なので、実際に人が身に纏って動いている辻が花を観ることができて、すごく幸せでした。
(間近で観たかったから、前方席が欲しくてがんばりました)


でも。



あそこまで宣伝して使うからには、あの衣装がもっとも映える使い方をしてほしかったよーーーーーっ!!

具体的には。

一竹辻が花の衣装を纏った4人以外は、無地あるいは小紋の衣装にするべきだったんじゃないかと思ったのでした。

辻が花の衣装は、あの幽遠で奥深い、絶妙の色遣いが肝なんです。
あれに強烈なタカラヅカライトをあてるというだけでも、微妙な風合いが飛んでしまいそうで不安に思っていたのに。

その回りを、よく似た大きさの柄を、強い色味の数色でぱっきりと染め抜いた、印象の強い着物で囲んでしまうなんて…。


柄の大きさや形はよく似ているのに、染めのイメージがまったく違う、『違う世界の』衣装。


辻が花の衣装をつけた人しか舞台上に居ないときの圧倒的な美しさと、異世界の衣装が登場したときの混乱。舞台空間の焦点のなさ。

「竹灯籠」の場面の装置くらい、スパッとシンプルな背景でこそ、辻が花は生きたと思います。
せっかく全員の衣装を作るのであれば、もっと辻が花が生きるように、 舞台空間全体の『焦点』として、辻が花を着た4人が機能できるように

考えていただきたかったなぁ……


なーんて思いながら。

そうは言っても華やかなフィナーレに感動しつつ幕が降りて。


慌ててプログラムを買いに走ったのでした……。




きゃーん、ツーショットのあすかちゃん、(珍しく)可愛い〜〜♪
トウコさんも男前。かっこいいぞ!!


…盛り上がって、盛り上がって、
お芝居の幕があがるのは、いつだろぉ……?




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