幸運なことに、花組公演の新人公演を観ることができました!
何かとバタバタ忙しくて、書くのがすっかり遅くなってしまいましたが…


新人公演の公演タイトルは。
正しく「黒蜥蜴」でした。
タイトルロールは、間違いなく黒蜥蜴。

まだ若い野々すみ花ちゃんの、その存在感というかパワーに、可愛い男の子たちは押されっぱなしでしたね。


でも。
最後の最後、すみ花ちゃんと二人っきりになってからのラストの朝夏まなとくんが。
それまでの1時間とは別人のように存在感を増して、輝きはじめたことに驚きました。


それまで、どうも上っ面をひっかいていたというか、「黒蜥蜴」という芝居作品の世界に入れなくて周りをうろうろしていた印象だったのですが。
突然世界にはまりこんだかと思ったら、

いきなり世界を支配していた!

…なんだか、不思議な展開でした。



本公演のオサ(春野寿美礼)さんは、もう最初から最後まで「春野ワールド全開!!」で、黒蜥蜴の彩音ちゃんも雨宮のまとぶん(真飛聖)も誰も彼も置き去りにして
「アチラ」へ行ってしまっていましたが。



新人公演、は。

最初は「緑川夫人」そして「黒蜥蜴」として、「アチラ」の住人として妖しく美しく世界を掻き回していた美女が、「さあ、帰りましょう…」と囁きながら船に乗って「自分の世界」へ辿り着いた時。

「自分の家」に帰った彼女は、「美女」の仮面を脱ぎ捨てて、一人の「少女」に戻ってしまう。

それはあたかも、魔法が解けたかのように。



そして。

「この世」の男として、頭は良くても何の力も持たず、崩れ落ちる世界を支える力のないことを嘆くばかりだったはずの明智が。

黒蜥蜴の島=「アチラ」へ着いた途端に、その世界のパワーを吸い取ったかのように力強く、世界の中心を支える存在と化してしまう。


多分、意図した芝居でも演出でもなかったのだと思うのですが。

少女の「家」は、逆に男にパワーを与えてしまう。
それは、少女の希みが「か弱い少女」であることだったから。


「か弱い少女」が幸せに生きていける世界、それは「戦争」とは対極にある世界である、と。
…そういうことが言いたかったのかな、と思いました。





月組新人公演が、メインキャストのキャラが嵌っていたのと、生田さんの手腕で(多分)ものすごく繊細に芝居のすみずみまで行き届いた演出になっていて驚いたものですが。

花組の原田さんの演出は、そこまでのモノは感じませんでした。
あの野々さんと朝夏さんの力関係の変化が、演出として意図されたものであったのならば、すごく面白い解釈だったと思うのですが。
多分違うんじゃないかなー、と(苦笑)。
(細かいところでは、キャラクターに合わない芝居をつけていたところもたくさんありましたので)





朝夏くんは、芝居スタートから1時間、ずーっと声に力が無くて、「Mind Traveller」の時、まぁ巧くはないかもしれないけど華やかで声もキレイだったのにどうしちゃったんだろう、と思っていたのですが…
オサさんの役、ということで必要以上に気負ってしまったのかな、と思いました。
最後の30分は、芝居は良かったですし、歌もギリギリ許容範囲だったと思います。


黒蜥蜴の野々すみ花ちゃん。
いわゆる「正統派の美人」ではないんですけど、でも、表情が豊かで目を惹きますね。ドレスもキレイに着てたと思います。
芝居は、本当に巧い人だと思うのですが…今回はちょっと中途半端だったかな。
脚本の「大人ぶった」少女、という設定が、実際本人があまりに若いせいか、芝居がある意味巧すぎるのか、ストレートに「背伸びした少女」に見えてしまったのがもったいない。正直、彩音ちゃんより芝居の技術点は高いと思うので、もう少し「自分の」解釈を前面に出しても良かったんじゃないかなーと思いました。


雨宮潤ちゃんの扇めぐむくん。
いやはや。カッコイイ!
歌える(湖月)わたるさん発見〜〜!!

いやぁ、本公演の金色の美女の美脚に釘付けの私としては、終始地味な色合いの服で、気が弱そうに受け受けしく立っている潤ちゃんは超!ツボでした。
ただ、本役の真飛さんがあまりにもMそのもの(←誉めてます)なので、ちょっと損してたかも…。M男っぷりでまとぶんと勝負できる男役はいませんから。
(←そこで勝負してないから!)

歌は、エンカレの時からすごく気になっていたのですが。
(「椿姫」のアルフレートは本当に良かった!)
本当に美声ですよね!

でも、美声に酔い過ぎちゃいけません。朗々と歌って自分が気持良くても、芝居としてはまだまだです。
今回、「プロポーズ」の歌を唄う3人の中では扇くんが圧倒的に上手だと思うのですが、意外と芝居の中での印象が弱くて残念でした。
「心を伝える歌」を、もう少し考えてくれるとすっごく伸びると思います!

しかしアレですね。扇さんには是非、「オサさんの新公」をやらせてあげたいですね…。(というか、聴きたいよ〜!)


波越警部のちあき(白鳥かすが)ちゃん。
去年の全ツは行けなかったし、本公演ではほとんど見つけられなかったので(なぜだ。月組の時はすぐに見つけられたのに/涙)、私にとってはこれが彼女の事実上の花組デビューなわけですが。

良かったんじゃないかな。うん。
本役の壮さんが、オサさんとのバランスも良くて当たり役だったので、それと比べてしまうとかなり苦しいですが。
月ファンとしての贔屓も含めて。
良かったんじゃないかと思います。ハイ。

ま、歌はおいといてね…。

マイクの音量がちょっとおかしくて、彼女だけ妙に声が大きかったりとか、イロイロあったのですが。
ごく生真面目な公務員らしさがあって良かったと思います。
芝居がやっぱり月っぽいというか、ちょっと繊細すぎる気もするので、もう少し仕掛けていくことも必要かなーと思いましたが。

あとはまあ、メークは、……がんばれ。

ちあきが一番輝いていたのは、文句なく楽園の少女だと思います。
なんだかエラいキレイで目立ってました…。大好きだよ♪



岩瀬氏の日向燦さん。
巧い!っつーか、凄い!

嫌みな言い回しも、男っぷりの良さも、傲慢さも。
何から何まで、とにかく良かった。
次はまた、若い役も観てみたいです♪

最後のご挨拶で、いろいろ突っかかりながら挨拶するまあくんを、辛抱強く暖かく見守っている笑顔がとっても印象的でした。
ああいう人が上級生になっていくんだな、いい組だな、と思いました。



早苗の華耀きらりちゃん。
頭小さくてスタイルイイですよねー!目が大きくて表情豊かで、とても良かったです。「早苗」の時と「葉子」の時の芝居の切り替えは今ひとつでしたが、最後に牢の中で雨宮の扇くんと語り合う場面が凄く切なくて良かったです。
扇くんの、ちょびっと一本調子な美声に聞き惚れながら、表情豊かに受けている葉子ちゃんが可愛くて可愛くて、最後に抱き合って涙を拭ってあげる扇くんの仕草が優しくて…ちょっとほろっときてしまいました(不覚)。

私の中ではポイント急上昇中です♪



さそりの華月由舞ちゃん。
どんなに可愛くても、ボディラインが最高にステキでも、芝居があそこまでどうにもならないとショーでしか使えないよなあ…と思っていたのですが。
さそりは、思ったより良かったです。案外大人っぽい役は大丈夫なのかな?声も落ち着いていたし。もう少し滑舌が良くなれば、いろんな役が出来るようになるかも!と俄然楽しみになりました。

ショーでは大活躍の由舞ちゃん、お芝居でもがんばってほしいです♪



お重の初姫さあやちゃん。
…すごいっ!!

岩瀬邸でのエピソードは、何から何まで全部この人が持って行きましたね。それでいて、仕草も声も新公学年とは思えない落ち着きっぷり。
本当に巧い人なんだなあ、とあらためて感心しきりでした。





印象に残ったのはこのくらいでしょうか。
エンカレでお気に入りだった夕霧らい(支配人)くん、望海風斗(みわっちの役)くんは、無難にまとめていたなあという感じ。
小林少年は…一花ちゃんの偉大さを思い知りました(←ごめんなさい)


花組さんの新公を観るのは初めてで、もっと全然知らない人ばっかりかと思いましたが、そんなことは無かったですね。
元々役が少ない作品なので、メインの役をやっている人はさすがに全員わかりましたし。
ただやっぱり、新公を観る前に、本公演をある程度回数観ておかないと、演出の違いもよくわからないし、書生たちも誰が誰やら区別がつかないし…もったいないなあと反省しましたm(_ _)m。

でも、本当にもの凄く楽しかったです。
新人公演はやっぱり良いですよね!

…次も観られますように…(祈)♪

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コメント

nophoto
はにはに
2007年4月20日13:42

先ず昨日こちらに今夜行くので帰りにお会いしたいです〜と書いておこうとして忘れました(涙)
携帯のアドレスとか書けないしご連絡取りたい時にプロフィールに何か方法を公開してくださると嬉しいなと。

花組新公みたのですが、ドライブのときにめぐむくんの声が素敵で聞きほれました。
プロポーズの歌も私は結構気に入りましたよ、えへへ
ほんと歌がうまい。というか、声が素敵なんですよね。宙組の七帆ひかるくんの声も癒されて素敵で『ファントム』でその声を全身に浴びることができて幸せでした。
めぐむくんも次回出来れば全身に浴びることが可能ですね・・あ、微妙な発言をしてしまいました。ご容赦ください。

まなとくんは、目を伏せるということをもっと覚えたら演技の幅が広がると思いました。いかがでしょうか?
持っているものは可能性に溢れていますし、華があると思います。あと、せりふや歌詞がちゃんと聞き取れて「明智さんはこんなことを言ってたのか」とよく理解できました。
ラスト30分のねこさまの解釈、なるほど〜とうなづいてます。洞察力ありますね(笑)
先生に関しても、ははぁ〜って感心しましたぁ!

すみかちゃん、芝居うますぎっ!
新公をみて、本役の早苗さん(葉子さん)が実にうまかったことを実感しました。

きらりちゃん、宝塚の娘役ちっくな芝居だったかと。
でも本当に可愛いし学年としてはこれで十分ですよね。
彩音ちゃん、すみかちゃんが出てきて、きらりちゃんはちょっと損しちゃったかな?
それにしてもどこにいても目立つぞ、彩音ちゃんといい、
まなとくん、めぐむくん、らいくん、しゅんちゃん、きらりちゃんと同期が揃ってますね♪
夕霧らいくんは芝居が上手いし暖かいんですが今回その持ち味を発揮するほどではなかったですね。
しゅんちゃんは刑事で小芝居してたりして、楽しかったですが見た目と声にギャップが・・・(そのかもそうだったなぁ)

白鳥さん、リカコン以来好きで注目していたのですが出てきた瞬間とか立っているだけだといいのに、何となくお芝居が違う方向に・・・
うーん、ほんと、壮ちゃんが当たり役だけに難しかったのかも。
楽園は微妙な男役さんがいっぱいで、一人一人見て楽しめました。歌も下級生が歌っていて、上手だったと思います。

今度花組観劇は5月連休最後なんですが、ねこさまのご予定はいかに?!(←会う気満々)

nophoto
みつきねこ
2007年4月20日22:26

めぐむくん、声は本当に素晴らしいんですよね。もっとじっくり聴きたい〜!!七帆くんの歌はCSくらいしか知らないのですが、はにはにさまがそこまで仰るならぜひ聴いてみたいです。NeverSleepではソロあるのかしら…。

あと、本文で書き忘れましたが、めぐむくんはガタイも良いので「殴っただけで人が死んだ」という台詞に説得力があっていいなあと思いました。…それとあの「受け」っぷりのギャップが素敵です(笑)。

>まなとくんは、目を伏せるということをもっと覚えたら演技の幅が広がると思いました。
なるほど!!確かにそうかも!あの綺麗な瞳は大きな魅力ですけど、もう少し…引いた表情ってのも必要ですよね。
彼はMindTravellerでは本当に輝いていて、ほとんどファンになりかけていたんですよ私。今回新公チケット取ったのもトップコンビが観たかったからなので(ちょっと期待値が高すぎたのかもしれませんが…)。

夕霧さんはエンカレのソロも本当に芝居っ気があって良かったので、ちゃんとしたお芝居を観てみたいなーとずっと思っていたんです。その希望が叶って嬉しかったのですが、たいした芝居がなかったのが残念。

さお太さんの役の祐澄さん、そうそう、書き忘れてましたが小芝居面白くて良かったです!でもそうなの。声がね…。園加ちゃんよりはだいぶマシかと思いますが(苦笑)、あははー(遠い目)。

ちあきは、すいません。一晩おいて、元月身贔屓モード全開だったことに気づきました…ごめんなさい。でも、下手は下手なりにがんばってたと思います(←失礼)。
黒天使以来のお気に入りなので、めおちゃんともども、組替のプレッシャーに負けずにがんばってほしいです。ね。

次は…私も連休です。こんなに忙しい時期でなかったらなー、もう2,3回観たかったのになーーー(涙)。