おてんば天使【その2】
2007年4月17日 宝塚(宙) コメント (2)宙組公演「A/L」。決して「おてんば天使」というタイトルではないのですが。
私の中ではこのテーマで分類されてしまいましたので。日記の通題はこれでいきたいと思います(笑)。…いえ、続くわけではなく、これで終わる予定なんですが(^ ^;
前回の日記でみっちゃんまでは感想を書いたので、あとはパンフレットに載っている順でいきたいと思います。
ラウール(タニちゃん)の母、アンリエットの光さんが、ベテラン専科の貫禄を見せたのは、ある意味当たり前っちゃ当たり前なのですが。
アンリエットの若いころを演じた鮎瀬美都さんも、落ち着いた美貌としっとりした演技で、ローアン枢機卿が惚れるのもわかる女っぷりでした。
でも斎藤さん、第二幕第一場は、確か二人が別れる場面だったのでは?(違ったらごめんなさい)。それだったら、光さんじゃなくて鮎瀬さんのほうが良かったんじゃないでしょうか…。
ウメちゃんアニェスの母、スーピーズ伯爵夫人は鈴奈沙也さん。若い夏大海さんを旦那に、かなりがんばっていらっしゃいましたが…さすがにちょっと苦しかったな。まぁ、夏さんは婿養子という設定だったので問題はないのですが、なんとなく、若いツバメをとっかえひっかえ夫にしているような印象が…(そんな台詞はまったくないのに/汗)美人で色っぽいので、余計に。
まして、ともちん(悠未ひろ)のレオンとの秘事めいた場面まであるものだから(それはホント)…頼りにならない旦那を見捨てて乗り替えるつもりかっ!?と勘繰ってしまった(^ ^)。
というか。そもそも、レオンの目的(首飾りを手に入れること)を考えれば、自分に見向きもせずに空想小説の主人公に夢中になっているアニェスのことなどとっとと諦めて、スーピーズ伯爵夫人を堕とした方が早くて確実だと思うんですけどね(笑)。旦那は離婚…あれ、このころのフランスはカトリックかな?だったら殺すしかないか。でもそのくらいの事やりそうでしたけどね、ともちんのレオンは。
いやぁ、何に驚いたって、「温かみがあって包容力のある大人の男」を演じさせたら天下一品、とばかり思っていたともちんに、こんな“クールな”、言ってしまえば“冷酷な”芝居の引き出しがあったことに一番驚いたんですよね。
今回、斎藤さんにしては珍しくシンプルな勧善懲悪モノ(宙組、いえタニちゃんに合わせた?)だったので、ああいう予定調和なラストになりましたが、いつもの斎藤さんならもうひとひねり(そこでやめておけばいいのに、更にもうひとひねりして意味不明にしてしまう可能性も高い)して、それこそ「血と砂」のガラベェトォ級の儲け役にしてしまいそうなノリを感じましたが…。
ヴィクトワールの美風舞良。
美人!上手い!
…すみません、無知で。ホント、贔屓組以外の人ってよっぽど本公演で役がついてる人じゃないとわからないんですよ。…美風さんは十分役がついているのですけれども、ごめんなさい。宙組はホントに観れてなかったんで。これからちゃんと観ます…。
とにかく、こんな上手な美人がいるなんて、嬉しいです♪
ただまぁ、役としては…いい役でしたけど、ちょっと意味不明な役ではありましたね(笑)。
斎藤さんが、作っていくうちに美風さんに触発されてどんどん重要な役にしてしまったような気がする(笑)。
ラウールの父親、ローアン枢機卿は十輝いりすくん。
めちゃくちゃカッコよかった!
「竜馬伝」での芝居も良かったし、彼は意外と大人の男が似合うのかも。やっぱり柄が大きいからやりやすい面もあるのでしょうね。ひげが似合う顔立ちもウラヤマシイ。
以前観たのは「プティ・ジャルダン」の料理長くんで、あの時は正直、芝居はどうか、と思いましたが…(苦笑)、若い芝居が苦手なのかな。
脚本的には鍵を握るはずの人物でありながら、結構早い段階(1幕半ば)でネタばれしてしまうし、どうするのかなー?と思っていたのですが。
ラストでああ出てくる、というのは、その前の場面で予想がついたにもかかわらず、しっかり泣かされてしまいました。
ラウール一人だったらこうはいかなかったよ。ローアンの十輝くんの、万感の想いをこめた背中が泣かせてくれたんだと思います。
これだけの渋い役を若手にふった斎藤さんも英断でしたが、しっかり応えて演じきった十輝くんを称えたい。
なんたって、あの学年で、アンリエットの光さんと並んで格負けしなかったのはすごい!学年もあがって今後は大人の役も増えるでしょうから、もっともっと輝くかも〜♪
これからが楽しみなひとです。
エヴァの和音美桜ちゃん、キュートで可愛くて、マドンナという設定も納得。ただ、ちょっと気になったのは肌を黒くしていたこと。19世紀末のこの時代に、肌の色が違う女の子が、街ならともかく、ソルボンヌ大学でマドンナになるなんてことはありえたんでしょうか?…ソルボンヌってそんなに庶民的な大学だったんだっけ。斎藤さんの指示かどうかはわかりませんが(普通はそうですよね…?)エヴァの背景というか設定については、ちょっと気になりました。
まぁ、和音さんには浅黒い肌の気の強い美女がよく似合っていたので、しつこく追求することではないのかもしれませんが…。
ラウールの仲間、ドニスの早霧せいな&バジルの麻音颯斗。ガニマールの相棒、ジャコの七海ひろき。3人とも、いろんな作品のいろんなレポート等で名前を聞くけど、あまり良く知らない3人でした。
…すげー、面白い!
斎藤さんが本当に上手く役をあててくれたなーと思います。この学年で、この時期に、これだけの宛書された役をやらせてもらって、彼らはラッキーだった。次の段階としては「宛書」でない役をこなす力を得なくてはならないわけですが、とりあえずはこの役で最高に輝くすべを学んでほしいと思いました。
目立つ役だから、というのではなくて、3つとも「キャラ萌えの斎藤」が真剣に作ってくれた「キャラクター」ありきの通し役。それをイチから自分で役として作っていけるのは、役者として一番の幸せだと思います。
アドリブも「早霧せいな」として受けるのではなく「ドニス」として受けてほしい。「ドニス」の部分がすごーく良かっただけに、上級生のアドリブを受けるときだけ「早霧せいな」に戻るちぎちゃんが、可愛かったけどちょっともったいなかったです。
でも、3人ともすごく魅力的だった。笑いもちゃんと取っていたし。
一回しか観ていないのでどれがアドリブでどれが脚本なのかわからない部分もありましたが、きっと毎回、あれこれ考えながら演じていたんでしょうね。そんな「迷い」が、ある意味「若さ」にも見えて、一緒に組んで芝居しているタニちゃんの輝きを増していたような気がします。
いいトリオ(学生たち)で、いいコンビ(刑事)でした!
回想シーンは、子ラウールが美牧冴京、子アニェスが千鈴まゆ。
二人とも「子供っぽい声」を意識しすぎかな?と思いましたが、二人とも可愛かったのでOKです(←おい)。そのまんま人形にして持って帰って、飾っておきたい(笑)。意外と出番も多いし、おいしい役でしたね〜。
レオン公爵の仲間、というか使い魔的な存在のミレディは、花露すみかさん。…88期ですか!びっくり!あの色っぽさ、貫禄。ともちん相手に一歩もひけを取らないどころか、手の上で転がされているように見えて実はしっかり舵を取っているところ…絶対ともちんより学年上だと思ったのに!!
いやはや。女は怖い(←おい)…じゃなくて。いやはや、花露さん、素敵です。あのしなやかさがいい!
贔屓組の娘(?)役さんたちは、揃いも揃って「組で一番男前なのはアタシ」と思っている(いや実際男前度ランキングつけたら、上位は娘役で埋まるだろう…)カッコイイひとたちばかりなので。
…ああいう「隙のない女らしさ」には、すごく憧れちゃいますね(苦笑)。
斎藤作品とは思えない、あ・かるいハッピーエンドの、毒のない斎藤作品。
「A/L」は、宛書も成功して、本当に楽しい作品でした。
でも、前回の日記にも書きましたが、「A/L」には斎藤作品を斎藤作品たらしめていた“マニアックさ”も“毒”もない。
次の「エル・アルコン」では、斎藤さんはまたもとの斎藤路線に戻るのでしょうか…?それとも今回の作風のまま青池保子に取り組むのでしょうか。
斎藤ファン(←え?)的には、とても楽しみな秋になりそうです…(^ ^;ゞ
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私の中ではこのテーマで分類されてしまいましたので。日記の通題はこれでいきたいと思います(笑)。…いえ、続くわけではなく、これで終わる予定なんですが(^ ^;
前回の日記でみっちゃんまでは感想を書いたので、あとはパンフレットに載っている順でいきたいと思います。
ラウール(タニちゃん)の母、アンリエットの光さんが、ベテラン専科の貫禄を見せたのは、ある意味当たり前っちゃ当たり前なのですが。
アンリエットの若いころを演じた鮎瀬美都さんも、落ち着いた美貌としっとりした演技で、ローアン枢機卿が惚れるのもわかる女っぷりでした。
でも斎藤さん、第二幕第一場は、確か二人が別れる場面だったのでは?(違ったらごめんなさい)。それだったら、光さんじゃなくて鮎瀬さんのほうが良かったんじゃないでしょうか…。
ウメちゃんアニェスの母、スーピーズ伯爵夫人は鈴奈沙也さん。若い夏大海さんを旦那に、かなりがんばっていらっしゃいましたが…さすがにちょっと苦しかったな。まぁ、夏さんは婿養子という設定だったので問題はないのですが、なんとなく、若いツバメをとっかえひっかえ夫にしているような印象が…(そんな台詞はまったくないのに/汗)美人で色っぽいので、余計に。
まして、ともちん(悠未ひろ)のレオンとの秘事めいた場面まであるものだから(それはホント)…頼りにならない旦那を見捨てて乗り替えるつもりかっ!?と勘繰ってしまった(^ ^)。
というか。そもそも、レオンの目的(首飾りを手に入れること)を考えれば、自分に見向きもせずに空想小説の主人公に夢中になっているアニェスのことなどとっとと諦めて、スーピーズ伯爵夫人を堕とした方が早くて確実だと思うんですけどね(笑)。旦那は離婚…あれ、このころのフランスはカトリックかな?だったら殺すしかないか。でもそのくらいの事やりそうでしたけどね、ともちんのレオンは。
いやぁ、何に驚いたって、「温かみがあって包容力のある大人の男」を演じさせたら天下一品、とばかり思っていたともちんに、こんな“クールな”、言ってしまえば“冷酷な”芝居の引き出しがあったことに一番驚いたんですよね。
今回、斎藤さんにしては珍しくシンプルな勧善懲悪モノ(宙組、いえタニちゃんに合わせた?)だったので、ああいう予定調和なラストになりましたが、いつもの斎藤さんならもうひとひねり(そこでやめておけばいいのに、更にもうひとひねりして意味不明にしてしまう可能性も高い)して、それこそ「血と砂」のガラベェトォ級の儲け役にしてしまいそうなノリを感じましたが…。
ヴィクトワールの美風舞良。
美人!上手い!
…すみません、無知で。ホント、贔屓組以外の人ってよっぽど本公演で役がついてる人じゃないとわからないんですよ。…美風さんは十分役がついているのですけれども、ごめんなさい。宙組はホントに観れてなかったんで。これからちゃんと観ます…。
とにかく、こんな上手な美人がいるなんて、嬉しいです♪
ただまぁ、役としては…いい役でしたけど、ちょっと意味不明な役ではありましたね(笑)。
斎藤さんが、作っていくうちに美風さんに触発されてどんどん重要な役にしてしまったような気がする(笑)。
ラウールの父親、ローアン枢機卿は十輝いりすくん。
めちゃくちゃカッコよかった!
「竜馬伝」での芝居も良かったし、彼は意外と大人の男が似合うのかも。やっぱり柄が大きいからやりやすい面もあるのでしょうね。ひげが似合う顔立ちもウラヤマシイ。
以前観たのは「プティ・ジャルダン」の料理長くんで、あの時は正直、芝居はどうか、と思いましたが…(苦笑)、若い芝居が苦手なのかな。
脚本的には鍵を握るはずの人物でありながら、結構早い段階(1幕半ば)でネタばれしてしまうし、どうするのかなー?と思っていたのですが。
ラストでああ出てくる、というのは、その前の場面で予想がついたにもかかわらず、しっかり泣かされてしまいました。
ラウール一人だったらこうはいかなかったよ。ローアンの十輝くんの、万感の想いをこめた背中が泣かせてくれたんだと思います。
これだけの渋い役を若手にふった斎藤さんも英断でしたが、しっかり応えて演じきった十輝くんを称えたい。
なんたって、あの学年で、アンリエットの光さんと並んで格負けしなかったのはすごい!学年もあがって今後は大人の役も増えるでしょうから、もっともっと輝くかも〜♪
これからが楽しみなひとです。
エヴァの和音美桜ちゃん、キュートで可愛くて、マドンナという設定も納得。ただ、ちょっと気になったのは肌を黒くしていたこと。19世紀末のこの時代に、肌の色が違う女の子が、街ならともかく、ソルボンヌ大学でマドンナになるなんてことはありえたんでしょうか?…ソルボンヌってそんなに庶民的な大学だったんだっけ。斎藤さんの指示かどうかはわかりませんが(普通はそうですよね…?)エヴァの背景というか設定については、ちょっと気になりました。
まぁ、和音さんには浅黒い肌の気の強い美女がよく似合っていたので、しつこく追求することではないのかもしれませんが…。
ラウールの仲間、ドニスの早霧せいな&バジルの麻音颯斗。ガニマールの相棒、ジャコの七海ひろき。3人とも、いろんな作品のいろんなレポート等で名前を聞くけど、あまり良く知らない3人でした。
…すげー、面白い!
斎藤さんが本当に上手く役をあててくれたなーと思います。この学年で、この時期に、これだけの宛書された役をやらせてもらって、彼らはラッキーだった。次の段階としては「宛書」でない役をこなす力を得なくてはならないわけですが、とりあえずはこの役で最高に輝くすべを学んでほしいと思いました。
目立つ役だから、というのではなくて、3つとも「キャラ萌えの斎藤」が真剣に作ってくれた「キャラクター」ありきの通し役。それをイチから自分で役として作っていけるのは、役者として一番の幸せだと思います。
アドリブも「早霧せいな」として受けるのではなく「ドニス」として受けてほしい。「ドニス」の部分がすごーく良かっただけに、上級生のアドリブを受けるときだけ「早霧せいな」に戻るちぎちゃんが、可愛かったけどちょっともったいなかったです。
でも、3人ともすごく魅力的だった。笑いもちゃんと取っていたし。
一回しか観ていないのでどれがアドリブでどれが脚本なのかわからない部分もありましたが、きっと毎回、あれこれ考えながら演じていたんでしょうね。そんな「迷い」が、ある意味「若さ」にも見えて、一緒に組んで芝居しているタニちゃんの輝きを増していたような気がします。
いいトリオ(学生たち)で、いいコンビ(刑事)でした!
回想シーンは、子ラウールが美牧冴京、子アニェスが千鈴まゆ。
二人とも「子供っぽい声」を意識しすぎかな?と思いましたが、二人とも可愛かったのでOKです(←おい)。そのまんま人形にして持って帰って、飾っておきたい(笑)。意外と出番も多いし、おいしい役でしたね〜。
レオン公爵の仲間、というか使い魔的な存在のミレディは、花露すみかさん。…88期ですか!びっくり!あの色っぽさ、貫禄。ともちん相手に一歩もひけを取らないどころか、手の上で転がされているように見えて実はしっかり舵を取っているところ…絶対ともちんより学年上だと思ったのに!!
いやはや。女は怖い(←おい)…じゃなくて。いやはや、花露さん、素敵です。あのしなやかさがいい!
贔屓組の娘(?)役さんたちは、揃いも揃って「組で一番男前なのはアタシ」と思っている(いや実際男前度ランキングつけたら、上位は娘役で埋まるだろう…)カッコイイひとたちばかりなので。
…ああいう「隙のない女らしさ」には、すごく憧れちゃいますね(苦笑)。
斎藤作品とは思えない、あ・かるいハッピーエンドの、毒のない斎藤作品。
「A/L」は、宛書も成功して、本当に楽しい作品でした。
でも、前回の日記にも書きましたが、「A/L」には斎藤作品を斎藤作品たらしめていた“マニアックさ”も“毒”もない。
次の「エル・アルコン」では、斎藤さんはまたもとの斎藤路線に戻るのでしょうか…?それとも今回の作風のまま青池保子に取り組むのでしょうか。
斎藤ファン(←え?)的には、とても楽しみな秋になりそうです…(^ ^;ゞ
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コメント
大丈夫か、サイトウくん?!と観る前は思ったのですが
意外に検討してましたよね。
ともちんがちょっと演技的に難あり?と思ったのですが
ラスト近くでは全く問題なかったそうですし、
まさこちゃんの成長もなかなかだったと。
名古屋のラストではラウルが呼びかけたと聞いて
「ずるーい!」って思ってしまいました。わはは
斎藤さんにしては、よくがんばりました!な感じです!