宝塚歌劇団月組のみなさま、東宝劇場初日おめでとうございます。
多少は台詞などの変更もあったみたいで、アルマンド=サイボーグ説の反証なるか?My観劇日を楽しみにしたいと思います(^ ^)。


で。

かく言う私は、今日は東宝劇場ではなく、天王洲へロックミュージカル・ガラを体験しに行って参りました。

予想以上に良い作品なのに、あまりに宣伝不足で誰も知らない公演なのが悲しい(T T)ので。
もしかして、万が一、ココを読んで興味を持ってくださる人がいらっしゃいましたら、明日(18日13時開演)の千秋楽をぜひぜひ観てあげてほしい、と思い、急いで書いてみました。

…でも誰も読まないよねきっと(涙)。



旧アートスフィア、知らないうちに名前が(主催も)替わっていて吃驚したのですが、今は「天王洲 銀河劇場」と言うのだそうですね。相変わらず観やすくて、座席も良くて、音響も良くて、いい劇場なんですが…いかんせんアクセスが良くないのと、どうも使用料が高いらしくてチケット代が高めなんですよね、いつも(涙)。どの作品も集客には苦労していた記憶があります。
でも、「蜘蛛女のキス」を観たのもここでしたし「I Love You 〜愛の果ては?」とか「香港ラプソディ」とか、良い作品やっているんですよね…。銀河劇場に生まれ変わっても、がんばってほしいです。

さて。
今回のガラ「GENERATIONS」は、宝塚ファン的にはどっかの若手本のタイトルみたいで笑えるんですが(^ ^;、「RENT」日本公演でコリンズを演じ、(私的に)大評判をとった石原慎一さんが中心になって構成されたもののようです。


70年代に次々と発表・制作され、一世を風靡した「ロックミュージカル」。

1967年に初演された「HAIR」を皮切りに「FAME」、71年の「GODSPELL」と「Jesus Christ SuperStar」…そして、1996年の「RENT」までの約30年間。

時代は動き、人は変わる。
それでも、決して変わらないものがそこにあるから。

だからこそ、人は生きる。

今日という日は、二度とない。
そして No Day But Today、今日でない日はないのだから、と。

昨日もない
明日もない
ただ、今日を生きるだけ


作品的には「GODSPELL」がメインの扱いでしたが(もともと昨年「GODPELL」が再演される予定があったのに中止になったので、その代わりに、という感じの企画だったらしい)、内容的には石原さんがメインだったこともあって、前半の山に「RENT」を持ってきていました。
ちょうど、2008年秋に「RENT」再演の予定があるようですし、昨年の映画もヒットしていたのでちょうどタイムリーな感じ。
もっと宣伝したらこの公演ももっとお客さま入ったでしょうに、もったいない…。

(全然関係ないのですが、なぜRENT再演は東宝なんでしょうか。あれは東宝がやる作品じゃないでしょうに!?不安…/涙)



日本版コリンズの「I’ll Cover You〜リプライズ」を、時を経て再び拝聴でき、とてもとっても!幸せでした。
客席でいろいろ思い出してしまって、滂沱の涙…。

私は本当に「RENT」という作品が好きなんだなあ、と(^ ^;ゞ。

来日公演も観に行きましたし、ブロードウェイでも観ているのですが。
私は実は、日本初演版が一番好きです。
なんといってもエンジェル(KOJIRO)とコリンズ(石原慎一)が秀逸だった。今のところ、あれを超えるコンビは観ていません。
そしてモーリーン&ジョアンナの森川美穂& 坪倉唯子もサイコー!日本にもあんなソウルフルな人がいるのか!?と目から鱗でした。

もちろん、マークの山本耕史も素晴らしかった。再演には、彼は絶対はずせません!山本耕史抜きで日本版RENTはあり得ない。そのくらい、彼のマークは「RENT」の世界そのものだったのです。

アンサンブルも、知らない人ばかりでしたが全員歌もダンスも素晴らしく、本当にすみずみまで充実した公演でした。

「RENTが好き」
スタッフのその一念が、キャスティングから訳詞から、なにからなにまでを覆い尽くしていました。


日本でも、凄いものが作れるんだ、と。
日本にもこれだけの役者がいるんだ、と、ミュージカルファンとして誇らしい公演でした。
(と言いつつ、ロジャーミュージカル界から出せなかったのは残念でしたが… ^ ^;ゞ)

同じように「熱狂的なファンのいる、オン・ブロードウェイのアングラ作品」とくくられがちな「Jekyl&Hyde」日本公演(東宝)の企画の杜撰さ、作品への愛の無さに比べて、なんという違いなのか、と。
それこそ、作曲家としてのワイルドホーンの熱狂的なファンとしては、どれほどに悲しかったことか…(涙)。
(RENT東宝再演…すっごく不安です…祈)



ま、そんな話はおいておいて。
Generationsの話。


幕開きは「ヘアー」より「Aquarious 〜Let The Sunshine In」。
あまりに有名な曲ですが、あらためて舞台で聴く機会というのは案外ないもの。
やはり名曲は名曲です。ぜひ聴いてみてください!


次は、高橋洋子さんで「Out Here On My Own」(FAME)。
高橋さんは、スタジオボーカリストとしてご活躍されている方で、『新世紀エヴァンゲリオン』の「残酷な天使のテーゼ」「魂のルフラン」などを歌われている方。CMソングも多くレコーディングされているようで、トークの中ではミツカンのCMソングを口ずさんでくださいました(笑)。
1991年の「P.S. I miss you」で日本レコード大賞新人賞を取られた歌手だそうです。

私は全然存じ上げなかった(エヴァンゲリオンは勿論見てますが)のですが、本当に素晴らしい声の持ち主でした。歌唱力・表現力ともに抜きん出て、「さすが、『歌だけ』で勝負してきた(←そして勝ってきた)プロは違う!」という感じでした。
ただ、ステージで歌われることにはあまり慣れていらっしゃらないようで、手の動きなどはちょっと気になった処もありましたが…(^ ^;ヾ



一曲一曲の詳細は、今回パンフレットが無かったので覚えていない部分も多く、語るとボロが出そうなので割愛しますが、「ロック・ミュージカル」の魂を伝えたい、という制作側の気持はすごく伝わりました!

HAIR。
FAME。
LITTLE Shop Of Horrors。
Jesus Christ Superstar。
天使にラブソングを。

そして、RENTとGODSPELL。

形式にとらわれずに。

昨日と違う今日、
今日と違う明日、
たった一度の“今日”を、精一杯生きてみようよ!
生きなくちゃいけないよ!

という、魂の根幹からのメッセージ。

それを、あらためて私に教えてくれたコンサートでした…




キャストは、豪華!
本当に豪華でした♪

宝塚OGは真織由季さん一人でしたが、ミュージカル界やポップス、シャンソンまで錚々たるメンバー。
いちおう、一通りご紹介してみますね。

ご本人の自己紹介は当然それぞれにおありですが、ここでは私の中での分類で書かせていただきます♪(敬称略)

■宝塚OG
 真織由季

■「レ・ミゼラブル」組
 鈴木ほのか、戸井勝海、宮川浩、山形ユキオ

■クンツェ・リーバイ組
 新納慎也(=初演トートダンサーのNIROくん)と野沢聡

■「RENT」チーム
 石原慎一、結樺健(山本耕史さんとユニットを組んだアルバム絶賛発売中)、Tina(ボーカリストと言った方がいいかも?)

■シャンソニエ
 花木佐千子(元劇団四季→天狼プロ【中島梓=栗本薫主催のミュージカル制作事務所。石原慎一さんもよく出ていらっしゃいました】)

■「GODSPELL」組
 中山眞美(MAMI)。
 この公演では、宮川・真織・戸井・新納・野沢・結樺がGODSPELL組という扱いでした。


前半はいかにもガラコンサートっぽく、一作品2曲くらいずつ。
そして後半は、「GODSPELL」の大半の曲を使った「GODSPELL GALA」。

「GODSPELL」って、ご覧になっていない方も多いかもしれませんが、タイトル(「神の詞」)どおり、「マタイの福音書」の物語を音楽と寸劇でつづった作品です。

ジーザス(初演は山本耕史、再演再々演は新納慎也)とユダ(再演は戸井勝海、初演と再々演が大沢樹生)のみ固定で、あとのメンバーは「十二使徒」ということで、特に役柄を固定することなく、ジーザスの「ファン」あるいは「おっかけ」として存在し続けます。
「マタイによる福音書」の内容に沿って寸劇を繰り返し、「マグダラのマリア」になったり、「出奔した息子とその父」になったり、「羊と山羊」になったり…。
そして、最終的には「愛するゆえに」ジーザスとユダを追いつめ、ゲッセマネへとなだれ込むのですが…。

「宗教」に対する思い入れ・思いこみの強い方にはあまり向かない作品ですが、よく言われているような「洗脳系」の作品では全く(!)なくて、ごく普通に「標は自分で探さなくてはいけない(与えられてはいけない)」ということを教えてくれる作品でした。

最初と最後に歌われる「Prepare Ye」も「道 整え 迎えよう 主を」という歌詞のとおり、最初に「道を整える」のは自分自身、なのです。
決して「神に祈れば道を造ってくれる」とか、ましてや「皆で神に祈って道を造ってもらおうよ!」という話ではなくて、ね。

私はキリスト教徒では決してありませんので、この欧米における「常識」=「聖書」をどこまで理解しているのか、全然自信がありません。
なので、これ以上語るのは遠慮しておきます。

ただ、「GODSPELL」を観もしないで、「聖書物語そのものの説教ミュージカル」と呼ぶのはどうぞやめてくださいm(_ _)m。


今回のコンサートでは、途中でトークを挟みながら、基本的には公演でやった役に合わせて次々と歌ってくださいました。
でも結構違ってた歌も多かったかな…。
ユダ役だった戸井さんが「Turn Back,O Man」の中盤のジーザスのソロを歌ってたり(前半のユダの部分は花木さん)。あと、名曲「Day By Day」を高橋さんで、など、初めて歌う方も多かったですしね。


うーん、このパンフレットというか無料配布の紙、歌う人の名前もないし掲載順と歌った順番も違うから全然わかんないよーーーーっ。
ちゃんとしたパンフレット売って欲しかったなあ(涙)。


装置はシンプルだけど階段形式になっていて、そこにバンドを配し、キャストがその間を縦横無尽に動き回る、という、ちょっと凝った創りになっていました。

衣装は。
なんと!女性陣の服は真織さん、男性陣は新納(NIRO)くんが揃えてくれたようです。鈴木ほのかさんが、トークで「上から下までぜ〜んぶ真織さんの私物です」と仰ってました(^O^)。
ちなみに、誰か(石原さんかな?)に「さすが元宝塚、あり得ないような服をお持ちですよね」とコメントされていました(爆)。

ミュージカル俳優の岡幸二郎さんも、コンサートとかは良く衣装担当をしていましたが、新納くんもそういうのが好きなんでしょうかねぇ。
真織さんほどぶっ飛んだ衣装は用意されていませんでしたが…。

でもでも、一つだけ尋きたい。
新納くん、あなたにとって、戸井さんのイメージはそれ(ピンク)なんですか…(哀)。


ココまで読んでくださった奇特な貴女。
ぜひぜひ、18日の13時に、銀河劇場でお会いしましょう♪


コメント

nophoto
夜野
2007年2月19日23:38

これだけの記事をあの忙しい中でどうやって書いたの?と驚嘆しております。ねこさん、本当にミュージカルが好きなんだね〜。これだけ、プロフェッショナルが好きなねこさんが、どうして…(以下自粛)
ところで、「RENT」ですが…
初演の配役、なんか一人だけ無視されているようで、ちょっとロジャーが可哀想な気がしました。たしか初演はダブルキャストだったですよね?私は芸劇での再演の方を観たのですが、世界で一番高齢なロジャーの「ワンソング・グローリー」結構好きでしたよ。

みつきねこ
みつきねこ
2007年2月20日0:40

いつだって一つしか取り柄のない人を好きになるんですよ……(泣)。
歌もダンスも芝居も何でもできて、センスがよくて美形で、…そんな人のファンになってみたいと常に切望していますが、実行できた試しがありません。多分、決して幸せになれないタイプなんだと思います。(‥)



RENT初演配役…ごめんなさいm(_ _)m。潔く謝ります。宇都宮さんもWキャストの渡辺さんも、どちらのロジャーも本当に好きでした(渡辺さんは、彼を目当てに銀河鉄道999ミュージカルに行ったくらい気に入った)

でも。特に宇都宮さんについては、あまりにも有名人で、歌唱力もよく存じ上げていましたので…「日本にもこんなすごい役者が隠れていたのか!」という衝撃はなかった、という意味で、あえてお名前をあげませんでした。
彼らだけでなく、ヒロイン・ミミ役のTSUKASAや、メインキャストにはベニーもいるんですが、彼も抜けてます。このお二人もとても良かったのですけれども、やっぱり、「そこまでの衝撃ではなかった」と言ってしまってはいけないでしょうか…?

本当に、全員のお名前を書こうかどうしようか、すごく迷ったのです、実は。
でも、この文章はRENT初演のレポートでも何でもなく、ただ「私はRENTが好きなんです!」という告白をしているだけなので。
懺悔の中で「嘘」は、いえ、嘘ではないんですが…そう、「大袈裟な表現」は出来なかったので。

あえて書くことはしませんでした。

本当にごめんなさいm(_ _)m。どうぞ、お気を悪くなさらないでくださいませm(_ _)m。

nophoto
夜野
2007年2月20日13:04

いやいや、こちらこそごめんなさい。
主要キャストの中で、ポツンとコメントが抜け落ちていると、「キライなのかしら?」と邪推するクセがついてしまいまして!(爆)

nophoto
くづき
2007年2月20日19:12

初めまして。
ブログめぐりをしていてこちらを見つけ、とても熱いレポ拝読させていただきました!
私は18日の「GENERATIONS」を観に行ったのですが、石原さんの「I’ll Cover You」ももちろんですし、他のキャストの方も凄く良いライブでした。あんまり宣伝されていなかったのはもったいなかったですね。
TBもさせていただきました。