折しも、東京と名古屋では「幕末」を舞台にした物語が二つ、同時に語られているんですね…。


2度目にして最後の、東宝宙組観劇。
…「幕末」という時代の、熱に煽られて帰ってきました。


かし(貴城けい)ちゃん、本当にキレイだった。
先日の日記にも書きましたが。

(紫城)るいちゃんともども、本当に「輝いて」いた。

なんであんなにキレイなんだろう。
なんであんなに、


なんであんなに幸せそうなんだろう………



コトバもなくって。
ただ、泣いてました。客席で。


ぶん(絵麻緒ゆう)ちゃんの時はどうだったっけ。
ぶんちゃんも本当に大好きだったので、苦労してチケット取って、泣きに行ったけど…
あんなふうに「イッちゃってる」ふうな輝き方だったろうか。

…本当に、観れば観るほど、この世のものとは思われないほどキレイ。

退団者、って、キレイなものだけど。
輝くものだけど。

…それにしても、なあ……



タニ(大和悠河)ちゃんは可愛い。
どうにもしどころのない、(キレイで目の保養だけど)居ても居なくても脚本的には何の問題もない役ですが。

もうすぐ、あと1週間もすればあなたがトップになるんだね…。
なんだか想像もつかないような、
月組での厚遇を見守ってきた身には「あれ、まだトップじゃないんだっけ」と言いたいような。

星組博多座「ドルチェ・ヴィータ」でのドウニモナラナイ美しさに心を奪われて以来、あなたの真ん中を楽しみにしていました。

…でも。
かしちゃんとタニちゃん、という、今の宝塚で一番(多分)綺麗な男役トップ&2番手コンビを、もう少し眺めていたかったなあ…。



蘭(蘭寿)とむくん
慶喜、嵌り役でしたね。

慶喜さんって非常に優秀な人なのに、明治政府側視点でも幕府軍視点でも、割と「裏切者」っぽく描かれることが多くて可哀相な人なんですが。
石田さんの解釈はそれ自体納得できて面白かったし、それ以上に、蘭とむくんの的確な役作りで場面を盛り上げてとても良かったと思います。
歌も、ショーの歌はイマイチなのにここの銀橋ソロは良かった、よね…?

「月の燈影」以来、蘭とむくん=わんころ、のイメージが(私の中に)焼き付いていたのですが、「人の上に立ち、人の運命を司る者としての将軍」慶喜をしっかり演じてくれた蘭とむくん、良い役者だなあ〜、と思いました。
あと1週間、かしちゃんとるいちゃんをよろしくお願いします…。



ともちん(悠未ひろ)
同じ石田さんの「猛き黄金の国」では、しい(立樹よう)ちゃんが演じた武市半平太。
出番は少ないけど、「倒幕派」の、ある意味最初の犠牲者として、時代を転がし始める役。

ともちんの持ち味は「おおらかさ」と「茫洋とした優しさ」だと思うので、この役はどうなのかなーとも思っていたのですが、さすがに石田さん、座付きだけのことはありますね。
いい芝居してました!やっぱりともちん、大好きです!



みっちゃん(北翔海莉)。
何を隠そう、みっちゃん大好きな私。(小声)
なんだか、月に居た頃より自然な感じですごーく良くなってたなあ…。月ファンとして嬉しいし誇らしいけど、ちょこっと複雑です。
タニちゃんもそうだけど、宙で修行したら月に帰っておいで、とか思っていたのに予想外に「宙のみちこ」はハマッっていて。
もう宙ッ子なんだなあ、月には帰ってこないんだなあ、と…すごく寂しい気持でいっぱい。

まぁ、元々笑いさえしなければ芝居の巧さで2枚目になれる人なので。
月だと、アダルトな役はどうしても上級生に取られてしまって、似合わない「可愛い系」の役が回ってきがちでしたが(JAZZY…の妖精なんて目を覆いましたさ)、上級生の少ない宙に来て、役に恵まれて、実力に見合う人気が出ることを祈りつつ…

みっちゃんの凄いところは、これっぱかしも「宝塚」に染まる気がないところ。
そして、普通に「宝塚ファン♪」している人を取り込もうという気がないところ。
…あの潔さ。他にはいないよなあ、あんなジェンヌ…。



たま(天羽珠紀)ちゃん
どこで語るか迷ったのですが。
この方とまりえ(美郷真也)&すっしー(寿つかさ)の家政婦教会コンビは、私が宙組を観に行く動機なので。書いちゃおうかな、と。

私にとって、(嘉月)絵理ちゃん二世なたまちゃん。
樹里さんの初バウ「Freedom」で、音乃いづみちゃんと下級生代表でソロを歌ってくれて以来、宙を観る時は最初に探す(まりえさんやすっしーさんは探さなくても見つかるけど、たまちゃんは探さないと無理)、そういう存在でした。

…可愛かったたまちゃんが、ごくごく普通に上級生していてちょっとビビった。ってゆーか、たまちゃんってるいちゃんと同期よね。上級生になったんだなあ…。

…あれ?珠洲春希くんも同期だということを今はじめて知りました!すずちゃんはもっと下級生だと思いこんでた。何故だろう…?



たっちん(和音美桜さん)
可愛いなあ♪(グラフを見てのけぞったことなどすっかり忘れたい)舞台化粧のたっちんは可愛くて大好きです。声も好き。

芝居はまあ、目立つ割にあまりしどころのない役で残念でしたが、今まで観てきて巧者だと思っているのでもう少し「引き」の芝居の面白さがわかってくれるといいのになー、などと高度な要求をしてみたりして。
これからのご活躍を期待しております♪



咲花杏ちゃん
…可愛いよぅ。可愛いよぅ。可愛いよぅ。
辞めないでほしいよぉ………(しょんぼり)





そして、名古屋で上演中の、もう一つの幕末。

今週末は名古屋に行く予定です。
チケットは手配していませんが、なんとかなるよね、ね!?(←楽天的なO型)

こっちの幕末は柴田さん。
ロマンスの王道を往く柴田さんが、どんな風に「幕末」を描くのか、興味津々。

…という訳で。
ちょこっとだけ(←多分無理)「幕末」について語って見たいと思います。


「幕末」。


日本の歴史には、いくつかの転回点があります。
旧くは、「あかねさす…」の舞台となった飛鳥〜大津京時代。
一人の人間の来し方にいくつもの分岐点があるように。「日本」という「国」の歴史にも、いくつかの大きな分岐点があります。

そんな中で。
やっぱり、一番大きな「転回点」は「明治維新」だったんだろうなあ…。

「幕末」の総括、というのは、案外歴史学会でもきちんとなされてはいないような気がします。

日本の政治体制も経済体制も大きく変わり、開国・文明開化を断行。政治の刷新と経済の大改革(産業革命)と情報革命(開国)が同時に降りかかり、それに伴って民衆の生活も大きく替わった、それが日本の「明治維新」。

歴史に「たられば」は野暮。それは判っているのですが。

この明治維新は、調べれば調べるほど「歴史の必然」感が強いんですよね。
ただ、そもそも思想としての「尊皇攘夷」を説く人間がいなかったらどうなっていただろうか、とは思ってしまうのです。

もともと「開国派」=幕府、「攘夷派」=尊皇(=倒幕)、という思想だったはずなのに、実際に幕府を倒した途端、「開国論」に一瞬にして切り替わった倒幕派の切り替えの良さというのは驚くばかりなんですけどね…。

結局、倒幕派はその時点で「武士」ではなかったんだろうな、と。
「武士は喰わねど高楊枝」の武士とは違うイキモノだったのだろう、と。

そんなイキモノに、「武士」であることに自分の存在意義の全てを見ていた幕府側なんぞが勝てる訳がなかったんだろう、と…。



私は福島県内に故郷があるせいか、どうしても奥羽越列藩同盟側、というか、明治政府を樹立した側とは反対の立場に立った見方をしてしまいがちで(滝汗)

だから、青春群像としての新撰組が好きだったりするわけですが(←そ、それは何の関係もないんじゃ…)


彼らはテロ集団ではなかったし、
特高でもなかった。
やり過ぎてしまったことはあったかもしれないけれども、最初の一歩は、ただの「夢」だったのだろうと思うのです。

今の、ささやかな幸せを守りたい、という。


それに対して、倒幕派は必死だった。
幕府を倒さなくては、日本をひっかき回して、民衆の生活も何もかもひっくり返さなくては、生きることが出来なかった…。


幕府中枢は愚かだったかもしれない。
時代遅れだったかもしれない。

だけど、夢はあったはず。
人々が(今までどおり)幸せに生きられるように俺たちが守るんだ、と。


倒幕派にも夢があった。
坂本竜馬が描いた夢が。

「ニッポンの夜明けを見たい」、と。


夢に正邪はない。
彼らは皆、ただ夢を夢見ただけ。

…だから。



坂本竜馬、という、誰よりも大きな夢を描いた人は、「宝塚」という夢の世界に一番ふさわしい主人公なのかもしれません。



夢を見た人々の物語に参加するために。
私は東宝へいき、そして、名古屋にも多分行くでしょう…



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コメント

nophoto
はにはに
2007年2月9日18:49

こんにちは!

とうとう終わりが見えてきてしまいました。
宙組トップになってからのかしちゃんからは、目が離せない魅力を感じていました。
私が知っている雪組の貴城けいさんとは別人だったと思います。
るいちゃんへのダダ漏れの愛で、あの芝居とショーを包み込んでくれて、しばらくの間私を幸せな気持ちにしてくれました。
ショーでのあらゆるところで、かしちゃんに絡もうとする組子も可愛かった。
こんなふうに歓迎してくれて、本当に有難うって
まるでかしちゃんのファンのように感謝を述べたくなるそんな気持ちになりました。劇団の処遇に怒っていたのに、なんだかそんなことを忘れさせてくれるような暖かな気持ちを舞台から貰ったようなかんじです。

11日は前楽に、12日は中継で、しっかりと観てこようと思っています。

名古屋はその次にいきますよ〜♪

みつきねこ
みつきねこ
2007年2月12日22:17

雪組から出たかしちゃんは、なんだか本当に別人でしたね。
私は、星組への特出は観ていないのですが、月に特出されたときは「…かしちゃん、素敵っ!」と贔屓ほっぽってかなり追いかけてました。

雪組では、良くも悪くも「御曹司」だったなあ、と。
もっと早く組替えしていたら、もしかしたら違う結果になっていたのかもしれないなあと思うこともあります。

私は前楽も楽も観られませんでしたが、最後のパレードだけ行かせていただきました。
もっとちゃんとレポートするつもりでメモを取りながら立っていたのに、結局なにも書けそうにありません。
コトバにしたくない、コトバで割り切るのは無理だ、と思ってしまって…。

はにはにさま、よろしければ前楽の様子とかも書いていただけると嬉しいです♪ここがダメならどこかに、是非♪