このタイトルは、麻城ゆうさんの「天界樹夢語り」から取りました。内容は全く関係ないのですが、なんとなく。
今の月組で妄想するなら、月光界よりジョーカー・シリーズですかねぇ。ジョーカー=麻子さん。…いけるかも。
ってなことはおいといて、前回あり得ない長さに自分でも読み返す気が失せてしまった日記の続きです。
完全に舞台の上のキャラを無視した妄想に走っているうえに、…またもや長っっ(滝汗)。
この文章は、もはや実際の大劇場の舞台とは、何の関係もない…かもしれない…。
<パリの街角〜嵐の前〜>
月組の誇る美少女5人衆の登場に、息もできないほど集中してしまいました。あ、あ、あまりに可愛い。
あいあい(城咲あい)センターに、ちわわ(涼城まりな)、すずな(憧花ゆりの)、(白華)レミちゃん、(夢咲)ねねちゃん。
5人ともスタイル良くて可愛すぎっ!
声が一番好きなのはあいあい。白いフリフリドレスもよくお似合いです(いや、全員似合ってるんですけど)。
すずなの声は相変わらず特徴的でわかりやすい。あのキャラは貴重ですね〜。
ちわわとレミちゃんは、もう少し落ち着いて喋ると良いんじゃないだろうか。声は好きなんですが、ちょっと早口なのかな?
ねねちゃんは、エリザベートの頃と比べるとちょっと声が変わりましたよね?前の方が好きだったなあ。コケティッシュで可愛い声だったのに、なんだかワザとらしい声になっちゃったみたいで残念です。考えすぎてしまっているのでしょうか?もっと素直に声を出せばいいと思うんだけどなあ。
ミミとジョルジュ登場。
思い詰めたようなジョルジュ。…そうだよね、その夜のうちにもパリを発つ予定なんだから、「今、言わなきゃ」と必死なんだよね。
一人で生き抜けるくらいまでは父親に育てられたけど(その父親も裏社会系の人だったと私は思うんですが)、その父親に捨てられて(←いつ決まったんだその設定)、ストリートチルドレン(フランスだっての)として生きるうちに、ワルになりきれない優しいアルマンドに拾われた彼は(←だからその設定…)
パリの下町で、生まれてはじめて「守りたい」と思う少女に出会う。
だけど、自分達は根無し草で。
パリに腰を落ち着けることは、やっぱりできなくて。
自分にとっては「すべて」でさえあるアルマンドよりも、ミミを撰びとることもできなくて……
でも、言わずにはいられない。
それは自分の「真実」だから。
だから、ここに来た。
迎えに、来た。
彼にも本当は判っている。ミミが好きなのは自分じゃない。
ミミの目に、自分は入ってない。
でも認めたくない。認められない、そんな事実。
“兄貴ィ。いいだろ?俺がこのままパリに残ったってさ?”
そんなことが出来ないことは、自分が一番よく知っている。
拾ってくれたアルマンドを、自分から捨てるなんてできやしない。
でも、いつか。
いつかきっとアルマンドは俺をおいていくだろう。
親父が俺を置いてったように。
アルマンドだって、いつまでも俺を連れ歩いてくれるワケがない。俺だってもう一人前にならなきゃいけないんだ…
それが、判っているから。
…だからこそ、今は。
ジョルジュさん、ここは良かったと思います。もう少し無理して、若作りじゃない、「背伸び感」を出してほしかったかな、とは思いますが。
恋愛らしい恋愛のある役って、本当に「The Last Party」くらいしか経験がないのに、ミミを見送る切なさをよく出していたんじゃないか、と。
…ファンの身びいきですみません。
ただ。
祐飛さんの芝居って、結構「観てないとわからない」「注目している人にしかわからない」ところがあって……(涙)。
うーん。ここはどうだったんでしょうねぇ…(不安)。
それにしてもミミのスルーっぷりはお見事!の一言。
ミミは絶対「重度のファザコン」なんだと思います。
幼い頃にパパに死に別れて、親戚の間を転々として育ったの。だから、年上の、「尊敬できる」男にしか興味を持てない。同い年や一つ二つ上くらいじゃあ「男」として見られないんですよ。(←いいのかその脳内決定!)
ミミにとって、ジャンとジョルジュは「同列」の、「可愛い坊や」でしかないの。
「愛されたことがなかった」から、憧れと恋の区別もつかない。
だから、愛されていることを信じることもできなくて。
ジョルジュの言葉を信じることもできっこない。
…ってゆーかその前にさ、弟の、あんなにあからさまな愛が届いてないなんて…可哀相すぎるよ、ジャン(涙)。
わかってやってくれよ、姉さん…。
ミミを見送ったジョルジュに優しく声をかけるアルマンド登場。
ほえー、大人だーーーーっ!と、見惚れてしまうアサカナなファン、いや違う、アサハカなファン。
こーゆー美味しいところをさらっていってこそトップスター様ですわっ。
「俺たちがいつまでパリにいると思っているんだ」
突っ込むのもそこからですか。…確かに今夜出て行く(予定な)んだけどさ。
それにしてもキツイ一言です。ジョルジュさん、返す言葉もありません。
それにしても。
アルマンドのホンネでは、ミミをどうしたいんでしょうねぇ?
アルマンドの過去、ってついつい考えてしまうのです。
前にも書きましたが、アルマンドって実は良い家の坊ちゃんだったんじゃないかな、と思うんですよ、私は。
名前はアルマンドのはずがない(ジュリアンの息子アルマンドは祐飛さんの役だから。麻子さんの役の本名は多分ジョルジュだと思うんですけどね…でないと最初の遣り取りの辻褄が合わない)し、どこか田舎の、土地持ちの家の次男とかなんじゃなかろうか。
…ジョルジュ・ドゥ・シャンドン、とか?(←絶対違うから)
まぁ、そんな小ネタはおいといて。
(以後、この日記では「麻子さんの役=アルマンド」で統一します。でうせこの名前の入れ替えトリック自体、作者の頭には残ってないと思うし…悔)
とにかく、生家は結構上流階級で、当たり前に「上流階級」の言葉遣いや仕草、マナーをしっかり叩き込まれた人なんじゃないかと想像するわけです。
そうでなきゃ、あんなにすんなり信用されないでしょう?あの胡散臭いパーティーメンバーに(←胡散臭いの意味が違う…)
でも、何かがあった。
「ペテン師」という職業にこだわりを持っている様子を見ると、親がペテンに騙されて没落してしまった(←完全にクロサギじゃん)、とか
領主に何か理不尽な、あるいは無体な(…そりゃー美青年ですからねぇアルマンドは…コホン)要求をされて、それを蹴ったばかりに故郷にいられなくなった、とか
何かそんなような、「もの凄く理不尽な」目にあって、すっかり世の中に絶望してしまった青年、
なんじゃないかなー、と。
そうやって、世の中を拗ねて旅するうちに。
思いつきでちょっと甘い言葉をささやいてみたら、どこかの奥方はコロっと騙されて金をくれた。
どこかの実業家もころっと騙されて出資してくれた。
大きな仕事はしたことがないけど、プロのペテン師というよりは寸借詐欺とどう違うの?、くらいのセコい稼ぎで渡り歩いて。
ノルマンディーの港町(←どっから出てきたんだその設定)で、ストリートチルドレン(←だからここはフランス)のリーダーをしていたジョルジュ(←本名アルマンド。でもこの日記ではジョルジュで統一)と出会う。
ジョルジュの語る昔話。
「俺の親父はね…」
長いこと父親へ向けてきた限りない憧憬を、その父親自身に否定された少年ジョルジュ。(←妄想癖が…)
でも、やっと出会えた「もう一人の父親」アルマンドには、その傷を露わに語ることができない。
だから、するのはいつも、自慢話。
「俺の親父は、偉かったんだよ」
その話にうなずいてくれるアルマンドがいるから。
たまに、父親の機嫌が良い時に繰り返し話してくれた、パリでの話を思い出しては語る。
自分の父親は偉かったんだ、と。飲んだくれだった父親を忘れて、綺麗な色紙で飾り付けた父親像に酔ってみる。
だから、その時だけは忘れていられる。その「偉い父親」に、自分が捨てられたことを。
そんなジョルジュの傷に、アルマンドは気づかない。
ただ、折角舞い込んできた「偉かった男」のネタを、何かに使えないかと模索して…
そうやって乗り込んできたパリで、
彼は一人の少女と出会う。
何とも思ってなかったんだよね、最初は。
でも。あの、最初に逃げようとした夜のロビーで出会った時に。
絶望にまみれ、夢を見失っていた彼は。
久しく縁のなかった、まっすぐな「夢」と出会う。
ジョルジュの夢は、アルマンドに対しては力をもたなかった。
彼の夢は、「無い物」への憧れだから。
傷を癒すための嘘だから。
でも、ミミの夢は違う。ミミの夢は「アルマンドの微笑み」。
それは、そこに存在する「事実」だもの。
そして彼女は、手に入れた。しっかりと。
そんな、他人の見凝める夢に、酔う。
夢を叶えた人のもつ輝き、に。
感受性が強くて、優しいアルマンドだからこそ、いったん掴まったらもう逃げられない。
この時アルマンドは、恐怖を覚えていたんじゃないかと思う。
自分の足元が崩れていく恐怖。家を出てから、それなりに(ペテン師として)築いてきた地盤を揺るがされる恐怖。
ミミ、という、
ブラックホールのように、ただひたすらに「夢」だけを希求し、求める存在が。
アルマンドを引きずっていく。
パリの街に縫い止めて、逃がすまいとする。
家を出て以来、「自由」に生きてきたアルマンド。
自分の歩く道は自分で決めてきた。
だからミミ。お前にひきずられて、パリの街に縫い止められる俺は、俺じゃない。
そして、俺と一緒についてこられるお前でもない。
だからミミ。
…ギスターヴと、幸せに…。
いや、あの。
…申し訳ありませんm(_ _)m。すっかり暴走してしまいました。
話を戻しますが。
個人的に、ここのジョルジュは、もう少しアルマンドに甘える、あるいは頼るふうに解釈してくれると嬉しいんですよね…。
まあ、こういう(↑)訳のわからない妄想設定の上での解釈だから、植田(紳)さんのやらせたい演出とは全然違うのでしょうけれども、
ミミが恋しているアルマンドに嫉妬しているのか、アルマンドの心を捉えたミミに嫉妬しているのか、どちらなのかジョルジュ自身にもよくわからない、みたいな感じでお願いします。
…だから、そういう萌え方をするなってゆーのに。
<嵐の夜のロビー>
緑のコートにくるまれたきりやんが可愛い。
あの「必死!」さ、「一生懸命」さが人の心を動かすんですよ。
それは、舞台の上でも、下(素)でも同じなんでしょうね、きっと…。
きりやんギスターヴのためになら、私も嵐の現場に駆けつけるわよっ!!と、そう思った私は、サテ誰のファンでしょう…(←月ファンです)。
ペテン師コンビ帰還
どうでもいいことですが、このホテルには正面玄関しか出入り口がないのっ!?とゆー設定がカナリ笑えました。
でもまぁ、セットの問題があるから仕方ないか。裏口とか作ったらまた費用がかかりそうだもんね。
で、さっそくケンカを始めるお二人。いやさ、仲良きことは美しいから別に構わないんですけどぉ。 …なにもロビーで喧嘩始めなくてもいいんではない?さっさと部屋に戻ろうよ。 …ホラ、言ってるそばからマヤさんが来ちゃったじゃないか。
(実際、観劇しながらこのとおりのことを考えてました)
んでもって。
マヤさんの巧さに、脱帽しますた。
台詞といい、仕草といい、間といい、文句なし。
芝居ってのはこうでなくっちゃ。コメディってのはこうでなくっちゃ。
…いっそのことペテン師コンビを麻マヤで…(祐飛さんじゃなければ誰でもいいんか涙)。
いい経験しているじゃありませんか。がんばれ、月組ッ子。
ミミ登場。
そんな大嵐(どんなや)なのに、何故あなたはそんなに軽装で、髪にも一筋の乱れもなく…。
その押しつけがましさはどこからきたの、ねぇ。
でもアルマンドは行ってしまう。
さりげなく、当たり前のようにミミの肩を抱いて。
この時の、ミミの肩を抱くアルマンドの瞳が、ものすごーく強くて、思わず惚れてしまいそうでした。
そして。
残されたジョルジュの、あまりにも、あまりにも情けない「兄貴ィ…」が。
…寒くて、痛いよ……
<祝賀パーティー>
幕が降りて、上手から下手へ「パリ市民」が本舞台と銀橋を渡っていきます。下級生の唯一の見せ場!でもあまりに早すぎてチェックしきれません。
それにしても、89期のみっしょん(美翔)とか88期のなっつ(夏月都)、(麻華)りんかちゃんあたりが、プロローグのショー場面の次はここ(でそれでお芝居終了)、ってのはどうかと思います。ねぇ植田さん?
役がないなら無いなりに、全員をずーっと舞台の上に置いておいてくれた木村さん、その点だけは評価したい。
幕があがると、オテル・ド・サンミッシェルは祝賀パーティの真っ最中。
きりやんギスターヴの呼び出しをかけるマッチ先輩。
…この時すでに、彼は二人組の失踪を知ってるんだよね…?袖から登場した時から固い顔をしているもんね…?
なんで、マダムに耳打ちするとか何か、事前に入れておかないんだろう。
あれじゃーせっかくのパーティが台無しじゃありませんか。
何もあんなところで手紙を読み上げなくたっていいんだし。
警察に届けるのか、政府に報告するのか、他にもいろいろあるけどどうするのか、上司(マダム)の判断を仰ぐのが当たり前じゃないの?
被害額だってたかが60フラン=2万円?5万円?その程度でしょう?(どんな片田舎から来たのか知りませんが、片道の交通費より安いんだもん)
ずーっと「あの二人は怪しい」と疑ってた、とか、そういう伏線もないのに突然そんなことをされても、どう反応していいのかワカリマセン!
でもって。
「僕の恩人を…」
と叫び出すきりやんのギスターヴが。
この上もなく輝いていて。
素敵でした。
そもそも、登場の時からスポットを独り占めにして、ぴしっと正装して髪もととのえたきりやんは、それはそれはとてもステキなワケですが。
これがまた、「夢を叶えた人」の輝き、と言うのでしょうか。
美しい人、を体現していて、素晴らしかったんです。
そして。二人組の正体をバラされて騒然とした人々の真ん中で。
ちょっと口ごもりながら、でも、彼にできるかぎりの思いをこめて
「彼らは僕の恩人なんです」
その一言で、また空気が変わる。
「空気」を変える役者。
出てくるだけで、とは言いませんが、きりやんには「そういう」力があるんだなあと改めて思いました。
劇場中を巻き込むパワーというのでしょうか。
きりやんギスターヴに、ここまで信じてもらえたアルマンドとジョルジュは多分、幸せだったんだろう、と。
そう思える輝き。
歌はもちろん、さすがです。この声が好き。柔らかく劇場中を包む美声。…うっとり〜♪
でも、ファン的には、ギスターヴだけは真相を知っていて欲しかったんですよねー。
そんでもって、ミミを連れてモンマルトルの丘に行くの。
2番手なんだし、大人なんだし、そのくらいの役得があっても良かったと思うんだけどなあ…。
とにかく、ラストシーンにギスターヴも居てほしかったんです。
だって、アルマンドは「ギスターヴと、幸せに…」って思いながらミミを置いていくわけでしょう?
そこにギスターヴがいないのがなんとも残念…です。
<モンマルトルの丘>
カーテン前の二人組。音程のピッチが微妙に合わないのは、がんばって合わせていただきたい。
でも、お互いなだめるように微笑みあって歩いてくる姿は、結構ツボです。
やっぱりこのお二人、立って並ぶと豪華というか。ブルータス&カシウスの時も思ったけど、スタイルが釣り合っていて本当にお似合いなんですよね。
…だからと言って、組ませときゃいいだろ的な扱いはどうかと思いますが…。
幕があがると、そこはもうモンマルトルの丘。
遠景にエッフェル塔。
おもちゃのように、小さく見えます。
私も一度モンマルトルの丘に登ったことがあるのですが。
どうだったかなー。全然覚えてない(汗)。どちらにしても回りの建物が全く違うので、風景としては全く違うんでしょうけど。それにしても覚えてないな…。
でも。
二人の3年間の集大成が、あのおもちゃのような塔かと思うと、もうちっと良いセットにしてやってくれ、と泣きたくなりましたが。
この場面のお二人の芝居は、とっても好きです。
…演出的にどうでもいいピストルが出てきた時点で、かなり萎えてしまいましたが(涙)。
あ、でも、一つだけ突っ込みたい。
ジョルジュの、「もう2度としないよぉ」という台詞。
あの台詞を、あんなに甘ったるく言っていいのか、という技巧上の問題もあるんですけど、その前に。
何を「もう2度としない」の?ジョルジュ?
女の子のボタンを盗むことを?
それとも。
女の子に心を揺らすこと、を?
…それを禁じたとしたら。それは怖いぞ、アルマンド…。
下手から「アルマンドさ〜ん!」と声がかかって、ミミとジャンが登場。
この後のね、アルマンドとジョルジュの、目と目の会話が非常に好きなのです。
脚本のない場面だから、ある程度演者の裁量に任されている場面なんじゃないかと思うんですけど…
ここまでの、年の離れた(アルマンドが「可愛い可愛い」を連発する対象の)ガキのジョルジュと、
今、アルマンドを抑えてミミのもとに戻らせる、大人の男の瞳をしたジョルジュとが、
2重人格にしか思えない、のは置いておいて。(←いいのかそれで?)
その日の気分で、いろんな会話をしていそうに見えるんですよね、あの目。
二人の絆。時間をかけてはぐくまれた、そんな、脆いけれども大切なモノ。
それがあるからこそ、アルマンドをミミの元に戻らせることができるジョルジュ。
それがあるからこそ、ジョルジュと共に歩いていこうとするアルマンド。
そんなものを、しっかりと観せてくれる二人は、さすが年の功、ってところかな…。(←ただの深読みだから、ソレ)
デュエットが終わって、銀橋へ進むアルマンドへ、手を差し伸べるミミ。
ジャンが、不安げに駆け寄って、斜め後ろから姉を見守る。
今までずっと、その小さな手で守り続けてきた(つもり)の姉を、喪うかもしれない、と思った恐怖。
それが、それこそ父も母も知らないのであろうジャンの心をえぐったのでしょうか。
姉ちゃん…?
行かないよね。俺を置いて、行っちゃったりしないよね…?
そこまでは良いのですが。
その後、姉さんの後ろから腰に抱きついて引き留める姿は、ちょっとだけ「え?」でした。
…ジャンは、そこまで、必死に姉にすがりつくようなキャラじゃなかったはずなのになあ(汗)。
ラストでああ来るんなら。
だったらもっと途中、ジョルジュの邪魔をしている場面とかでも、「俺の姉ちゃんを連れて行く悪い奴」扱いでキレる演出にした方がよかったと思うのです。
場面場面では、今くらい可愛らしく邪魔してみせた方がウケるんですけど、ラストを考えると、もっと神経質っぽい子供に作った方がいいと思うんですよね。
さっきまではあんなに大人びた美少年だったのにさ…。
唐突すぎてついていけなかったよ…。
でも、文句は言ってもみりお(明日海りおちゃん)は可愛いです。可愛すぎて辛抱たまらん…。
ラスト前。
アルマンドが銀橋で思い出にふけっている時。
ジョルジュは下手花道で、
そんなアルマンドを暖かく見守って。
そして、ふ、と顔をエッフェル塔に向けて。
軽く、うなずく。
うん。
俺たち、いいことしたな。
俺たちがいなくなっても、パリの空の下には、地表と天上を結ぶ鉄の塔があるんだ。
空よりも高い、塔が。
…俺たちがいなくなっても、いつまでも。
それはお伽噺のラストのような。
いつまでも、いつまでも、
彼らは幸せに暮らしました、と。
一瞬泣きそうな瞳で、でも晴れ晴れと微笑んで。
そうして「少年」はパリに背を向ける。
もう彼は、アルマンドが来るのかどうか、不安に思うことはない。
一人でも生きていけるから。
そして、アルマンドとの絆を信じているから。
不安はない。
ただ、夢から醒めてしまった寂しさがあるだけ。
一つ大人になって。
ジョルジュは歩き出す。
そんなジョルジュを追うでなく、
アルマンドもまた、パリを去る。
ミミは、来ない。
そんなこと、わかってる。
俺も、留まることはできない。
だから、パリよ。
パリの女神よ。
…ギスターヴと、幸せに。
銀橋で遠くを見凝める麻子さんは、めちゃくちゃかっこよかったです…。
マミさんの「ゼンダ城の虜」のラストを思い出してしまった場面でした。
でも植田(紳)さん。
観客がココまで妄想してもまだ話がつながらないような穴だらけな脚本、二度と書くなよ。
ああ、やっとお芝居が終わった…(疲)。
まだショーが今から始まるんだよ。気が遠くなりそうだわ我ながら…。
今の月組で妄想するなら、月光界よりジョーカー・シリーズですかねぇ。ジョーカー=麻子さん。…いけるかも。
ってなことはおいといて、前回あり得ない長さに自分でも読み返す気が失せてしまった日記の続きです。
完全に舞台の上のキャラを無視した妄想に走っているうえに、…またもや長っっ(滝汗)。
この文章は、もはや実際の大劇場の舞台とは、何の関係もない…かもしれない…。
<パリの街角〜嵐の前〜>
月組の誇る美少女5人衆の登場に、息もできないほど集中してしまいました。あ、あ、あまりに可愛い。
あいあい(城咲あい)センターに、ちわわ(涼城まりな)、すずな(憧花ゆりの)、(白華)レミちゃん、(夢咲)ねねちゃん。
5人ともスタイル良くて可愛すぎっ!
声が一番好きなのはあいあい。白いフリフリドレスもよくお似合いです(いや、全員似合ってるんですけど)。
すずなの声は相変わらず特徴的でわかりやすい。あのキャラは貴重ですね〜。
ちわわとレミちゃんは、もう少し落ち着いて喋ると良いんじゃないだろうか。声は好きなんですが、ちょっと早口なのかな?
ねねちゃんは、エリザベートの頃と比べるとちょっと声が変わりましたよね?前の方が好きだったなあ。コケティッシュで可愛い声だったのに、なんだかワザとらしい声になっちゃったみたいで残念です。考えすぎてしまっているのでしょうか?もっと素直に声を出せばいいと思うんだけどなあ。
ミミとジョルジュ登場。
思い詰めたようなジョルジュ。…そうだよね、その夜のうちにもパリを発つ予定なんだから、「今、言わなきゃ」と必死なんだよね。
一人で生き抜けるくらいまでは父親に育てられたけど(その父親も裏社会系の人だったと私は思うんですが)、その父親に捨てられて(←いつ決まったんだその設定)、ストリートチルドレン(フランスだっての)として生きるうちに、ワルになりきれない優しいアルマンドに拾われた彼は(←だからその設定…)
パリの下町で、生まれてはじめて「守りたい」と思う少女に出会う。
だけど、自分達は根無し草で。
パリに腰を落ち着けることは、やっぱりできなくて。
自分にとっては「すべて」でさえあるアルマンドよりも、ミミを撰びとることもできなくて……
でも、言わずにはいられない。
それは自分の「真実」だから。
だから、ここに来た。
迎えに、来た。
彼にも本当は判っている。ミミが好きなのは自分じゃない。
ミミの目に、自分は入ってない。
でも認めたくない。認められない、そんな事実。
“兄貴ィ。いいだろ?俺がこのままパリに残ったってさ?”
そんなことが出来ないことは、自分が一番よく知っている。
拾ってくれたアルマンドを、自分から捨てるなんてできやしない。
でも、いつか。
いつかきっとアルマンドは俺をおいていくだろう。
親父が俺を置いてったように。
アルマンドだって、いつまでも俺を連れ歩いてくれるワケがない。俺だってもう一人前にならなきゃいけないんだ…
それが、判っているから。
…だからこそ、今は。
ジョルジュさん、ここは良かったと思います。もう少し無理して、若作りじゃない、「背伸び感」を出してほしかったかな、とは思いますが。
恋愛らしい恋愛のある役って、本当に「The Last Party」くらいしか経験がないのに、ミミを見送る切なさをよく出していたんじゃないか、と。
…ファンの身びいきですみません。
ただ。
祐飛さんの芝居って、結構「観てないとわからない」「注目している人にしかわからない」ところがあって……(涙)。
うーん。ここはどうだったんでしょうねぇ…(不安)。
それにしてもミミのスルーっぷりはお見事!の一言。
ミミは絶対「重度のファザコン」なんだと思います。
幼い頃にパパに死に別れて、親戚の間を転々として育ったの。だから、年上の、「尊敬できる」男にしか興味を持てない。同い年や一つ二つ上くらいじゃあ「男」として見られないんですよ。(←いいのかその脳内決定!)
ミミにとって、ジャンとジョルジュは「同列」の、「可愛い坊や」でしかないの。
「愛されたことがなかった」から、憧れと恋の区別もつかない。
だから、愛されていることを信じることもできなくて。
ジョルジュの言葉を信じることもできっこない。
…ってゆーかその前にさ、弟の、あんなにあからさまな愛が届いてないなんて…可哀相すぎるよ、ジャン(涙)。
わかってやってくれよ、姉さん…。
ミミを見送ったジョルジュに優しく声をかけるアルマンド登場。
ほえー、大人だーーーーっ!と、見惚れてしまうアサカナなファン、いや違う、アサハカなファン。
こーゆー美味しいところをさらっていってこそトップスター様ですわっ。
「俺たちがいつまでパリにいると思っているんだ」
突っ込むのもそこからですか。…確かに今夜出て行く(予定な)んだけどさ。
それにしてもキツイ一言です。ジョルジュさん、返す言葉もありません。
それにしても。
アルマンドのホンネでは、ミミをどうしたいんでしょうねぇ?
アルマンドの過去、ってついつい考えてしまうのです。
前にも書きましたが、アルマンドって実は良い家の坊ちゃんだったんじゃないかな、と思うんですよ、私は。
名前はアルマンドのはずがない(ジュリアンの息子アルマンドは祐飛さんの役だから。麻子さんの役の本名は多分ジョルジュだと思うんですけどね…でないと最初の遣り取りの辻褄が合わない)し、どこか田舎の、土地持ちの家の次男とかなんじゃなかろうか。
…ジョルジュ・ドゥ・シャンドン、とか?(←絶対違うから)
まぁ、そんな小ネタはおいといて。
(以後、この日記では「麻子さんの役=アルマンド」で統一します。でうせこの名前の入れ替えトリック自体、作者の頭には残ってないと思うし…悔)
とにかく、生家は結構上流階級で、当たり前に「上流階級」の言葉遣いや仕草、マナーをしっかり叩き込まれた人なんじゃないかと想像するわけです。
そうでなきゃ、あんなにすんなり信用されないでしょう?あの胡散臭いパーティーメンバーに(←胡散臭いの意味が違う…)
でも、何かがあった。
「ペテン師」という職業にこだわりを持っている様子を見ると、親がペテンに騙されて没落してしまった(←完全にクロサギじゃん)、とか
領主に何か理不尽な、あるいは無体な(…そりゃー美青年ですからねぇアルマンドは…コホン)要求をされて、それを蹴ったばかりに故郷にいられなくなった、とか
何かそんなような、「もの凄く理不尽な」目にあって、すっかり世の中に絶望してしまった青年、
なんじゃないかなー、と。
そうやって、世の中を拗ねて旅するうちに。
思いつきでちょっと甘い言葉をささやいてみたら、どこかの奥方はコロっと騙されて金をくれた。
どこかの実業家もころっと騙されて出資してくれた。
大きな仕事はしたことがないけど、プロのペテン師というよりは寸借詐欺とどう違うの?、くらいのセコい稼ぎで渡り歩いて。
ノルマンディーの港町(←どっから出てきたんだその設定)で、ストリートチルドレン(←だからここはフランス)のリーダーをしていたジョルジュ(←本名アルマンド。でもこの日記ではジョルジュで統一)と出会う。
ジョルジュの語る昔話。
「俺の親父はね…」
長いこと父親へ向けてきた限りない憧憬を、その父親自身に否定された少年ジョルジュ。(←妄想癖が…)
でも、やっと出会えた「もう一人の父親」アルマンドには、その傷を露わに語ることができない。
だから、するのはいつも、自慢話。
「俺の親父は、偉かったんだよ」
その話にうなずいてくれるアルマンドがいるから。
たまに、父親の機嫌が良い時に繰り返し話してくれた、パリでの話を思い出しては語る。
自分の父親は偉かったんだ、と。飲んだくれだった父親を忘れて、綺麗な色紙で飾り付けた父親像に酔ってみる。
だから、その時だけは忘れていられる。その「偉い父親」に、自分が捨てられたことを。
そんなジョルジュの傷に、アルマンドは気づかない。
ただ、折角舞い込んできた「偉かった男」のネタを、何かに使えないかと模索して…
そうやって乗り込んできたパリで、
彼は一人の少女と出会う。
何とも思ってなかったんだよね、最初は。
でも。あの、最初に逃げようとした夜のロビーで出会った時に。
絶望にまみれ、夢を見失っていた彼は。
久しく縁のなかった、まっすぐな「夢」と出会う。
ジョルジュの夢は、アルマンドに対しては力をもたなかった。
彼の夢は、「無い物」への憧れだから。
傷を癒すための嘘だから。
でも、ミミの夢は違う。ミミの夢は「アルマンドの微笑み」。
それは、そこに存在する「事実」だもの。
そして彼女は、手に入れた。しっかりと。
そんな、他人の見凝める夢に、酔う。
夢を叶えた人のもつ輝き、に。
感受性が強くて、優しいアルマンドだからこそ、いったん掴まったらもう逃げられない。
この時アルマンドは、恐怖を覚えていたんじゃないかと思う。
自分の足元が崩れていく恐怖。家を出てから、それなりに(ペテン師として)築いてきた地盤を揺るがされる恐怖。
ミミ、という、
ブラックホールのように、ただひたすらに「夢」だけを希求し、求める存在が。
アルマンドを引きずっていく。
パリの街に縫い止めて、逃がすまいとする。
家を出て以来、「自由」に生きてきたアルマンド。
自分の歩く道は自分で決めてきた。
だからミミ。お前にひきずられて、パリの街に縫い止められる俺は、俺じゃない。
そして、俺と一緒についてこられるお前でもない。
だからミミ。
…ギスターヴと、幸せに…。
いや、あの。
…申し訳ありませんm(_ _)m。すっかり暴走してしまいました。
話を戻しますが。
個人的に、ここのジョルジュは、もう少しアルマンドに甘える、あるいは頼るふうに解釈してくれると嬉しいんですよね…。
まあ、こういう(↑)訳のわからない妄想設定の上での解釈だから、植田(紳)さんのやらせたい演出とは全然違うのでしょうけれども、
ミミが恋しているアルマンドに嫉妬しているのか、アルマンドの心を捉えたミミに嫉妬しているのか、どちらなのかジョルジュ自身にもよくわからない、みたいな感じでお願いします。
…だから、そういう萌え方をするなってゆーのに。
<嵐の夜のロビー>
緑のコートにくるまれたきりやんが可愛い。
あの「必死!」さ、「一生懸命」さが人の心を動かすんですよ。
それは、舞台の上でも、下(素)でも同じなんでしょうね、きっと…。
きりやんギスターヴのためになら、私も嵐の現場に駆けつけるわよっ!!と、そう思った私は、サテ誰のファンでしょう…(←月ファンです)。
ペテン師コンビ帰還
どうでもいいことですが、このホテルには正面玄関しか出入り口がないのっ!?とゆー設定がカナリ笑えました。
でもまぁ、セットの問題があるから仕方ないか。裏口とか作ったらまた費用がかかりそうだもんね。
で、さっそくケンカを始めるお二人。いやさ、仲良きことは美しいから別に構わないんですけどぉ。 …なにもロビーで喧嘩始めなくてもいいんではない?さっさと部屋に戻ろうよ。 …ホラ、言ってるそばからマヤさんが来ちゃったじゃないか。
(実際、観劇しながらこのとおりのことを考えてました)
んでもって。
マヤさんの巧さに、脱帽しますた。
台詞といい、仕草といい、間といい、文句なし。
芝居ってのはこうでなくっちゃ。コメディってのはこうでなくっちゃ。
…いっそのことペテン師コンビを麻マヤで…(祐飛さんじゃなければ誰でもいいんか涙)。
いい経験しているじゃありませんか。がんばれ、月組ッ子。
ミミ登場。
そんな大嵐(どんなや)なのに、何故あなたはそんなに軽装で、髪にも一筋の乱れもなく…。
その押しつけがましさはどこからきたの、ねぇ。
でもアルマンドは行ってしまう。
さりげなく、当たり前のようにミミの肩を抱いて。
この時の、ミミの肩を抱くアルマンドの瞳が、ものすごーく強くて、思わず惚れてしまいそうでした。
そして。
残されたジョルジュの、あまりにも、あまりにも情けない「兄貴ィ…」が。
…寒くて、痛いよ……
<祝賀パーティー>
幕が降りて、上手から下手へ「パリ市民」が本舞台と銀橋を渡っていきます。下級生の唯一の見せ場!でもあまりに早すぎてチェックしきれません。
それにしても、89期のみっしょん(美翔)とか88期のなっつ(夏月都)、(麻華)りんかちゃんあたりが、プロローグのショー場面の次はここ(でそれでお芝居終了)、ってのはどうかと思います。ねぇ植田さん?
役がないなら無いなりに、全員をずーっと舞台の上に置いておいてくれた木村さん、その点だけは評価したい。
幕があがると、オテル・ド・サンミッシェルは祝賀パーティの真っ最中。
きりやんギスターヴの呼び出しをかけるマッチ先輩。
…この時すでに、彼は二人組の失踪を知ってるんだよね…?袖から登場した時から固い顔をしているもんね…?
なんで、マダムに耳打ちするとか何か、事前に入れておかないんだろう。
あれじゃーせっかくのパーティが台無しじゃありませんか。
何もあんなところで手紙を読み上げなくたっていいんだし。
警察に届けるのか、政府に報告するのか、他にもいろいろあるけどどうするのか、上司(マダム)の判断を仰ぐのが当たり前じゃないの?
被害額だってたかが60フラン=2万円?5万円?その程度でしょう?(どんな片田舎から来たのか知りませんが、片道の交通費より安いんだもん)
ずーっと「あの二人は怪しい」と疑ってた、とか、そういう伏線もないのに突然そんなことをされても、どう反応していいのかワカリマセン!
でもって。
「僕の恩人を…」
と叫び出すきりやんのギスターヴが。
この上もなく輝いていて。
素敵でした。
そもそも、登場の時からスポットを独り占めにして、ぴしっと正装して髪もととのえたきりやんは、それはそれはとてもステキなワケですが。
これがまた、「夢を叶えた人」の輝き、と言うのでしょうか。
美しい人、を体現していて、素晴らしかったんです。
そして。二人組の正体をバラされて騒然とした人々の真ん中で。
ちょっと口ごもりながら、でも、彼にできるかぎりの思いをこめて
「彼らは僕の恩人なんです」
その一言で、また空気が変わる。
「空気」を変える役者。
出てくるだけで、とは言いませんが、きりやんには「そういう」力があるんだなあと改めて思いました。
劇場中を巻き込むパワーというのでしょうか。
きりやんギスターヴに、ここまで信じてもらえたアルマンドとジョルジュは多分、幸せだったんだろう、と。
そう思える輝き。
歌はもちろん、さすがです。この声が好き。柔らかく劇場中を包む美声。…うっとり〜♪
でも、ファン的には、ギスターヴだけは真相を知っていて欲しかったんですよねー。
そんでもって、ミミを連れてモンマルトルの丘に行くの。
2番手なんだし、大人なんだし、そのくらいの役得があっても良かったと思うんだけどなあ…。
とにかく、ラストシーンにギスターヴも居てほしかったんです。
だって、アルマンドは「ギスターヴと、幸せに…」って思いながらミミを置いていくわけでしょう?
そこにギスターヴがいないのがなんとも残念…です。
<モンマルトルの丘>
カーテン前の二人組。音程のピッチが微妙に合わないのは、がんばって合わせていただきたい。
でも、お互いなだめるように微笑みあって歩いてくる姿は、結構ツボです。
やっぱりこのお二人、立って並ぶと豪華というか。ブルータス&カシウスの時も思ったけど、スタイルが釣り合っていて本当にお似合いなんですよね。
…だからと言って、組ませときゃいいだろ的な扱いはどうかと思いますが…。
幕があがると、そこはもうモンマルトルの丘。
遠景にエッフェル塔。
おもちゃのように、小さく見えます。
私も一度モンマルトルの丘に登ったことがあるのですが。
どうだったかなー。全然覚えてない(汗)。どちらにしても回りの建物が全く違うので、風景としては全く違うんでしょうけど。それにしても覚えてないな…。
でも。
二人の3年間の集大成が、あのおもちゃのような塔かと思うと、もうちっと良いセットにしてやってくれ、と泣きたくなりましたが。
この場面のお二人の芝居は、とっても好きです。
…演出的にどうでもいいピストルが出てきた時点で、かなり萎えてしまいましたが(涙)。
あ、でも、一つだけ突っ込みたい。
ジョルジュの、「もう2度としないよぉ」という台詞。
あの台詞を、あんなに甘ったるく言っていいのか、という技巧上の問題もあるんですけど、その前に。
何を「もう2度としない」の?ジョルジュ?
女の子のボタンを盗むことを?
それとも。
女の子に心を揺らすこと、を?
…それを禁じたとしたら。それは怖いぞ、アルマンド…。
下手から「アルマンドさ〜ん!」と声がかかって、ミミとジャンが登場。
この後のね、アルマンドとジョルジュの、目と目の会話が非常に好きなのです。
脚本のない場面だから、ある程度演者の裁量に任されている場面なんじゃないかと思うんですけど…
ここまでの、年の離れた(アルマンドが「可愛い可愛い」を連発する対象の)ガキのジョルジュと、
今、アルマンドを抑えてミミのもとに戻らせる、大人の男の瞳をしたジョルジュとが、
2重人格にしか思えない、のは置いておいて。(←いいのかそれで?)
その日の気分で、いろんな会話をしていそうに見えるんですよね、あの目。
二人の絆。時間をかけてはぐくまれた、そんな、脆いけれども大切なモノ。
それがあるからこそ、アルマンドをミミの元に戻らせることができるジョルジュ。
それがあるからこそ、ジョルジュと共に歩いていこうとするアルマンド。
そんなものを、しっかりと観せてくれる二人は、さすが年の功、ってところかな…。(←ただの深読みだから、ソレ)
デュエットが終わって、銀橋へ進むアルマンドへ、手を差し伸べるミミ。
ジャンが、不安げに駆け寄って、斜め後ろから姉を見守る。
今までずっと、その小さな手で守り続けてきた(つもり)の姉を、喪うかもしれない、と思った恐怖。
それが、それこそ父も母も知らないのであろうジャンの心をえぐったのでしょうか。
姉ちゃん…?
行かないよね。俺を置いて、行っちゃったりしないよね…?
そこまでは良いのですが。
その後、姉さんの後ろから腰に抱きついて引き留める姿は、ちょっとだけ「え?」でした。
…ジャンは、そこまで、必死に姉にすがりつくようなキャラじゃなかったはずなのになあ(汗)。
ラストでああ来るんなら。
だったらもっと途中、ジョルジュの邪魔をしている場面とかでも、「俺の姉ちゃんを連れて行く悪い奴」扱いでキレる演出にした方がよかったと思うのです。
場面場面では、今くらい可愛らしく邪魔してみせた方がウケるんですけど、ラストを考えると、もっと神経質っぽい子供に作った方がいいと思うんですよね。
さっきまではあんなに大人びた美少年だったのにさ…。
唐突すぎてついていけなかったよ…。
でも、文句は言ってもみりお(明日海りおちゃん)は可愛いです。可愛すぎて辛抱たまらん…。
ラスト前。
アルマンドが銀橋で思い出にふけっている時。
ジョルジュは下手花道で、
そんなアルマンドを暖かく見守って。
そして、ふ、と顔をエッフェル塔に向けて。
軽く、うなずく。
うん。
俺たち、いいことしたな。
俺たちがいなくなっても、パリの空の下には、地表と天上を結ぶ鉄の塔があるんだ。
空よりも高い、塔が。
…俺たちがいなくなっても、いつまでも。
それはお伽噺のラストのような。
いつまでも、いつまでも、
彼らは幸せに暮らしました、と。
一瞬泣きそうな瞳で、でも晴れ晴れと微笑んで。
そうして「少年」はパリに背を向ける。
もう彼は、アルマンドが来るのかどうか、不安に思うことはない。
一人でも生きていけるから。
そして、アルマンドとの絆を信じているから。
不安はない。
ただ、夢から醒めてしまった寂しさがあるだけ。
一つ大人になって。
ジョルジュは歩き出す。
そんなジョルジュを追うでなく、
アルマンドもまた、パリを去る。
ミミは、来ない。
そんなこと、わかってる。
俺も、留まることはできない。
だから、パリよ。
パリの女神よ。
…ギスターヴと、幸せに。
銀橋で遠くを見凝める麻子さんは、めちゃくちゃかっこよかったです…。
マミさんの「ゼンダ城の虜」のラストを思い出してしまった場面でした。
でも植田(紳)さん。
観客がココまで妄想してもまだ話がつながらないような穴だらけな脚本、二度と書くなよ。
ああ、やっとお芝居が終わった…(疲)。
まだショーが今から始まるんだよ。気が遠くなりそうだわ我ながら…。
コメント
すごい力作の感想ですねー。
色々と反応したい点があったのですが、沢山ありすぎて^^;
えっと、まず私もアルマンドが育ちの良いぼっちゃまというのは賛成です。
舞台をパリに設定した以上、上流階級と労働者階級は言葉使いも振る舞いも違う筈。
あんな風に自然になじむのは、上流階級の出なのかなーと。
(だから、ミミが私なんて…と言うのかな、と)
そしてジョルジュ君が父親に捨てられた?というのに、すんごく納得しました。
私、ジョルジュ君が父親の過去の知人達に全く関心を示さないのがとても不思議だったんです。
アルマンドが主役の話の都合上…とは分かりますけど、ずっと釈然としなくて。
でも、父親に捨てられた過去の傷…と思えば、納得できますね。少なくとも、私の心のなかでは^^;
あ、それと二人の名前ですが、ジョルジュの本名がアルマンドというのには賛成です。
でも、アルマンドがジョルジュで二人が名前を入れ替えた…とは言い切れないと思ってます。
今まで私が見た詐欺師達のお話は、みんな仕事の度に偽名を使っていたので…根拠はそれだけなんですけど(笑)
実際の詐欺師がどうなのか、分かりませんが^^;
初めましてなのに、長々とすみませんm(__)m
これからも楽しみに読ませていただきます。
コメントありがとうございます!ブログを立ち上げてから
1ヶ月たって、やっと初コメント。すごい嬉しいですm(_ _)m。
アルマンドさんのさりげなーい「かっこよさ」は、やっぱり
上流階級の出身なればこそ、ですよね♪
ジョルジュさんの複雑な胸中は、私の妄想なことはわかって
いるのですが。せめて、そう思えば少しは納得できるかな、と。
これからも、つまらない妄想を垂れ流してしまうと思いますが
いらしていただけたらとても嬉しいです!